64 / 89
第四章
14
しおりを挟む
いや、ちょい待って逆に怖いから。な、何どうしたの具合悪いの亮ちゃんっ。寝起きに変なものでも食べた? 熱あるの?
心配しておでこに触れたら、ぺいっと手を剥がされました。うん、熱は無いね。
まあでも、優ちゃんのこと苦手っぽいのかなぁとは薄々思ってたんだよねー。
嫌いとかじゃなくて、対応に困ってどうしよう、みたいな感じというか。
ハッ、もしかして亮ちゃん……ただ何となく素直になれない『苦手な相手』から、いつの間にか、どうしても意識してしまう『特別な存在』に変化した優ちゃんのことを!?
だってほら今なんかさ、自分より小っちゃくて可愛い、気になる優ちゃんに目の前でぷりぷりされたら、胸がきゅんってしちゃうもんね。思わず素直にもなっちゃうよねっ。
腐ふふふふ。うんうん、分かる分かるー。
「なるほど全く反省してませんね、郁人さまぁ?」
「ひいぃッ!?」
「…………」「郁人くん……」
またもやうっかり説教中に、にへらっと笑みを浮かべた俺を見て。亮ちゃんが溜め息を吐き、チーちゃんは首を横に振る。
そして般若のオーラを纏った笑顔の優ちゃんには思いっきり手の甲をつねられました。
いたたた、痛いッ、止めてぇ本気でごめんなさいいいぃ!
「郁人テメエ、後で絶対しばくからな。覚えとけよ」
そう、俺の耳元でささやくとチャイムが鳴る寸前に自分の教室へ帰って行った優ちゃん。
おかげさまで身も心もぐったり疲れきった俺は机に突っ伏し、その後の授業をひたすら真面目に大人しく平和に受けることになったのでした。
うわーん、やだああぁ優ちゃんのしばき(※罰)怖いよーッ。
そんなこんなで。
決して忘れちゃいけない大事なことを、ようやく思い出したのは帰りのホームルームが始まってから。
例の(わんこキャラかもしれない)氷川紀幸くんが、お昼休みの騒ぎ以降姿が見えない王道く……瀬戸歩くんの所在について、千葉ちゃんに尋ねた時だったというね。
・・・・・・・・。
「あああああっ、また忘れてたー!!?」
<郁人さま親衛隊・隊員Aの視点>
僕は、千賀郁人さまの親衛隊に所属する一隊員です。
.
心配しておでこに触れたら、ぺいっと手を剥がされました。うん、熱は無いね。
まあでも、優ちゃんのこと苦手っぽいのかなぁとは薄々思ってたんだよねー。
嫌いとかじゃなくて、対応に困ってどうしよう、みたいな感じというか。
ハッ、もしかして亮ちゃん……ただ何となく素直になれない『苦手な相手』から、いつの間にか、どうしても意識してしまう『特別な存在』に変化した優ちゃんのことを!?
だってほら今なんかさ、自分より小っちゃくて可愛い、気になる優ちゃんに目の前でぷりぷりされたら、胸がきゅんってしちゃうもんね。思わず素直にもなっちゃうよねっ。
腐ふふふふ。うんうん、分かる分かるー。
「なるほど全く反省してませんね、郁人さまぁ?」
「ひいぃッ!?」
「…………」「郁人くん……」
またもやうっかり説教中に、にへらっと笑みを浮かべた俺を見て。亮ちゃんが溜め息を吐き、チーちゃんは首を横に振る。
そして般若のオーラを纏った笑顔の優ちゃんには思いっきり手の甲をつねられました。
いたたた、痛いッ、止めてぇ本気でごめんなさいいいぃ!
「郁人テメエ、後で絶対しばくからな。覚えとけよ」
そう、俺の耳元でささやくとチャイムが鳴る寸前に自分の教室へ帰って行った優ちゃん。
おかげさまで身も心もぐったり疲れきった俺は机に突っ伏し、その後の授業をひたすら真面目に大人しく平和に受けることになったのでした。
うわーん、やだああぁ優ちゃんのしばき(※罰)怖いよーッ。
そんなこんなで。
決して忘れちゃいけない大事なことを、ようやく思い出したのは帰りのホームルームが始まってから。
例の(わんこキャラかもしれない)氷川紀幸くんが、お昼休みの騒ぎ以降姿が見えない王道く……瀬戸歩くんの所在について、千葉ちゃんに尋ねた時だったというね。
・・・・・・・・。
「あああああっ、また忘れてたー!!?」
<郁人さま親衛隊・隊員Aの視点>
僕は、千賀郁人さまの親衛隊に所属する一隊員です。
.
40
お気に入りに追加
1,017
あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
バッドエンドの異世界に悪役転生した僕は、全力でハッピーエンドを目指します!
あ
BL
16才の初川終(はつかわ しゅう)は先天性の心臓の病気だった。一縷の望みで、成功率が低い手術に挑む終だったが……。
僕は気付くと両親の泣いている風景を空から眺めていた。それから、遠くで光り輝くなにかにすごい力で引き寄せられて。
目覚めれば、そこは子どもの頃に毎日読んでいた大好きなファンタジー小説の世界だったんだ。でも、僕は呪いの悪役の10才の公爵三男エディに転生しちゃったみたい!
しかも、この世界ってバッドエンドじゃなかったっけ?
バッドエンドをハッピーエンドにする為に、僕は頑張る!
でも、本の世界と少しずつ変わってきた異世界は……ひみつが多くて?
嫌われ悪役の子どもが、愛されに変わる物語。ほのぼの日常が多いです。
◎体格差、年の差カップル
※てんぱる様の表紙をお借りしました。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜
小屋瀬 千風
BL
〜まだ無自覚編〜のあらすじ
アニメ・漫画ヲタクの主人公、薄井 凌(うすい りょう)と、幼なじみの金持ち息子の悠斗(ゆうと)、ストーカー気質の天才少年の遊佐(ゆさ)。そしていつもだるーんとしてる担任の幸崎(さいざき)teacher。
主にこれらのメンバーで構成される相関図激ヤバ案件のBL物語。
他にも天才遊佐の事が好きな科学者だったり、悠斗Loveの悠斗の実の兄だったりと個性豊かな人達が出てくるよ☆
〜自覚編〜 のあらすじ(書く予定)
アニメ・漫画をこよなく愛し、スポーツ万能、頭も良い、ヲタク男子&陽キャな主人公、薄井 凌(うすい りょう)には、とある悩みがある。
それは、何人かの同性の人たちに好意を寄せられていることに気づいてしまったからである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【超重要】
☆まず、主人公が各キャラからの好意を自覚するまでの間、結構な文字数がかかると思います。(まぁ、「自覚する前」ということを踏まえて呼んでくだせぇ)
また、自覚した後、今まで通りの頻度で物語を書くかどうかは気分次第です。(だって書くの疲れるんだもん)
ですので、それでもいいよって方や、気長に待つよって方、どうぞどうぞ、読んでってくだせぇな!
(まぁ「長編」設定してますもん。)
・女性キャラが出てくることがありますが、主人公との恋愛には発展しません。
・突然そういうシーンが出てくることがあります。ご了承ください。
・気分にもよりますが、3日に1回は新しい話を更新します(3日以内に投稿されない場合もあります。まぁ、そこは善処します。(その時はまた近況ボード等でお知らせすると思います。))。

笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
第12回BL小説大賞に参加中!
よろしくお願いします🙇♀️
副会長様は平凡を望む
慎
BL
全ての元凶は毬藻頭の彼の転入でした。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
『生徒会長を以前の姿に更生させてほしい』
…は?
「え、無理です」
丁重にお断りしたところ、理事長に泣きつかれました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる