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第四章
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いや、ちょい待って逆に怖いから。な、何どうしたの具合悪いの亮ちゃんっ。寝起きに変なものでも食べた? 熱あるの?
心配しておでこに触れたら、ぺいっと手を剥がされました。うん、熱は無いね。
まあでも、優ちゃんのこと苦手っぽいのかなぁとは薄々思ってたんだよねー。
嫌いとかじゃなくて、対応に困ってどうしよう、みたいな感じというか。
ハッ、もしかして亮ちゃん……ただ何となく素直になれない『苦手な相手』から、いつの間にか、どうしても意識してしまう『特別な存在』に変化した優ちゃんのことを!?
だってほら今なんかさ、自分より小っちゃくて可愛い、気になる優ちゃんに目の前でぷりぷりされたら、胸がきゅんってしちゃうもんね。思わず素直にもなっちゃうよねっ。
腐ふふふふ。うんうん、分かる分かるー。
「なるほど全く反省してませんね、郁人さまぁ?」
「ひいぃッ!?」
「…………」「郁人くん……」
またもやうっかり説教中に、にへらっと笑みを浮かべた俺を見て。亮ちゃんが溜め息を吐き、チーちゃんは首を横に振る。
そして般若のオーラを纏った笑顔の優ちゃんには思いっきり手の甲をつねられました。
いたたた、痛いッ、止めてぇ本気でごめんなさいいいぃ!
「郁人テメエ、後で絶対しばくからな。覚えとけよ」
そう、俺の耳元でささやくとチャイムが鳴る寸前に自分の教室へ帰って行った優ちゃん。
おかげさまで身も心もぐったり疲れきった俺は机に突っ伏し、その後の授業をひたすら真面目に大人しく平和に受けることになったのでした。
うわーん、やだああぁ優ちゃんのしばき(※罰)怖いよーッ。
そんなこんなで。
決して忘れちゃいけない大事なことを、ようやく思い出したのは帰りのホームルームが始まってから。
例の(わんこキャラかもしれない)氷川紀幸くんが、お昼休みの騒ぎ以降姿が見えない王道く……瀬戸歩くんの所在について、千葉ちゃんに尋ねた時だったというね。
・・・・・・・・。
「あああああっ、また忘れてたー!!?」
<郁人さま親衛隊・隊員Aの視点>
僕は、千賀郁人さまの親衛隊に所属する一隊員です。
.
心配しておでこに触れたら、ぺいっと手を剥がされました。うん、熱は無いね。
まあでも、優ちゃんのこと苦手っぽいのかなぁとは薄々思ってたんだよねー。
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ハッ、もしかして亮ちゃん……ただ何となく素直になれない『苦手な相手』から、いつの間にか、どうしても意識してしまう『特別な存在』に変化した優ちゃんのことを!?
だってほら今なんかさ、自分より小っちゃくて可愛い、気になる優ちゃんに目の前でぷりぷりされたら、胸がきゅんってしちゃうもんね。思わず素直にもなっちゃうよねっ。
腐ふふふふ。うんうん、分かる分かるー。
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「ひいぃッ!?」
「…………」「郁人くん……」
またもやうっかり説教中に、にへらっと笑みを浮かべた俺を見て。亮ちゃんが溜め息を吐き、チーちゃんは首を横に振る。
そして般若のオーラを纏った笑顔の優ちゃんには思いっきり手の甲をつねられました。
いたたた、痛いッ、止めてぇ本気でごめんなさいいいぃ!
「郁人テメエ、後で絶対しばくからな。覚えとけよ」
そう、俺の耳元でささやくとチャイムが鳴る寸前に自分の教室へ帰って行った優ちゃん。
おかげさまで身も心もぐったり疲れきった俺は机に突っ伏し、その後の授業をひたすら真面目に大人しく平和に受けることになったのでした。
うわーん、やだああぁ優ちゃんのしばき(※罰)怖いよーッ。
そんなこんなで。
決して忘れちゃいけない大事なことを、ようやく思い出したのは帰りのホームルームが始まってから。
例の(わんこキャラかもしれない)氷川紀幸くんが、お昼休みの騒ぎ以降姿が見えない王道く……瀬戸歩くんの所在について、千葉ちゃんに尋ねた時だったというね。
・・・・・・・・。
「あああああっ、また忘れてたー!!?」
<郁人さま親衛隊・隊員Aの視点>
僕は、千賀郁人さまの親衛隊に所属する一隊員です。
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