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第三章
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「うわぁ痣になってるし、痛そぉ」
まるで他人事のように自分の手首の痣を眺め――……あ、擦れて皮が剥けたトコも発見。
鬱血した跡が痛々しいね!
実際ちょこっと、いや結構うん。
少ぉしだけ痛いかも。
実は俺どんだけ必死だったのって感じだよね。
あれからトイレで一人になって、今更だけど心臓の音が凄くうるさい。
何でだろ、小刻みに指も震えてるし。
目の前にある鏡の中、微かに青ざめた自分が見える。
うわぁ何って顔してんの俺……優ちゃんにバレてなきゃ良いけど。
「あは、情けな。千葉ちゃんも悪ふざけが過ぎただけなのにー? あれくらいでやだなぁ本当、俺ってばもぉ」
泣きそうに歪む頬を軽くパチパチ叩き、無理矢理でも笑顔を作ってみる。「イーッ」と鏡に向かって声を出しながら。
……さっきのは本当に違うよね千葉ちゃん?
だって、千葉ちゃんはあの人達とは違う。
絶対に違うんだから。
キイッ
「あ?」
「え」
突然トイレのドアが開き、誰かが入って来たと思ったら。
「何でお前が」
「え、え? 何で会長がここいるの?」
「……チッ」
なんと驚きの『橘飛鳥』生徒会会長さまが立っていました。わぁ今朝ぶりですね。
あ、最後の舌打ちはスルーさせて頂きますー。
ていうかこのトイレ、近くには各教科の資料準備室ばかりが並んでて教職員以外の生徒は滅多に使わない筈なんだけど。
「俺様がたまたまこの辺をうろついてたら、急にトイレに行きたくなった。それが何か悪いかよ」
「うん? いや別に悪くないよね。でも意外って言うか、何か忘れてるような……」
えっと、何だっけ。
でもまぁとりあえず。
小か大かは分かんないけど用を足しに来たらしい会長。見られてたら嫌だよね、ってことで邪魔者はおいとま致します。
「じゃ、ごゆっくりドゾー」
「おい、何だそれは」
「へ?」
ヒラヒラと軽く振って見せた手を、会長に掴まれました。えっと痛いデスよ?
しかもじーっと俺の手首を凝視してるし。
あ、そうか「何だそれ」って千葉ちゃんにつけられた跡のことか。変色してるし、やっぱ驚くよね。んーでも人に見られるのって何か嫌だなァ。
「あのぅ会長……手、痛いんで離して?」
.
まるで他人事のように自分の手首の痣を眺め――……あ、擦れて皮が剥けたトコも発見。
鬱血した跡が痛々しいね!
実際ちょこっと、いや結構うん。
少ぉしだけ痛いかも。
実は俺どんだけ必死だったのって感じだよね。
あれからトイレで一人になって、今更だけど心臓の音が凄くうるさい。
何でだろ、小刻みに指も震えてるし。
目の前にある鏡の中、微かに青ざめた自分が見える。
うわぁ何って顔してんの俺……優ちゃんにバレてなきゃ良いけど。
「あは、情けな。千葉ちゃんも悪ふざけが過ぎただけなのにー? あれくらいでやだなぁ本当、俺ってばもぉ」
泣きそうに歪む頬を軽くパチパチ叩き、無理矢理でも笑顔を作ってみる。「イーッ」と鏡に向かって声を出しながら。
……さっきのは本当に違うよね千葉ちゃん?
だって、千葉ちゃんはあの人達とは違う。
絶対に違うんだから。
キイッ
「あ?」
「え」
突然トイレのドアが開き、誰かが入って来たと思ったら。
「何でお前が」
「え、え? 何で会長がここいるの?」
「……チッ」
なんと驚きの『橘飛鳥』生徒会会長さまが立っていました。わぁ今朝ぶりですね。
あ、最後の舌打ちはスルーさせて頂きますー。
ていうかこのトイレ、近くには各教科の資料準備室ばかりが並んでて教職員以外の生徒は滅多に使わない筈なんだけど。
「俺様がたまたまこの辺をうろついてたら、急にトイレに行きたくなった。それが何か悪いかよ」
「うん? いや別に悪くないよね。でも意外って言うか、何か忘れてるような……」
えっと、何だっけ。
でもまぁとりあえず。
小か大かは分かんないけど用を足しに来たらしい会長。見られてたら嫌だよね、ってことで邪魔者はおいとま致します。
「じゃ、ごゆっくりドゾー」
「おい、何だそれは」
「へ?」
ヒラヒラと軽く振って見せた手を、会長に掴まれました。えっと痛いデスよ?
しかもじーっと俺の手首を凝視してるし。
あ、そうか「何だそれ」って千葉ちゃんにつけられた跡のことか。変色してるし、やっぱ驚くよね。んーでも人に見られるのって何か嫌だなァ。
「あのぅ会長……手、痛いんで離して?」
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