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第三章
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酷いっスよ千葉さん、こんなに綺麗な郁人さんを傷付けるなんて!
――と言うことは許されない。何故なら千葉さんは俺が属するチームのOBで、本来なら下っ端の俺なんか口をきくことすら出来ない存在だから。
こんな俺に、感謝の言葉と微笑みをくれる郁人さん。今の俺に出来るのはこれくらいで、少し指先が痛むくらい何でもないのに。それでもやっぱり少しでも郁人さんの役に立てたのが嬉しくて、向けられる笑顔にも何だか照れてしまう。
ギュウウウッ
「へ? ふ、郁人さんッ?」
なな何だ。どうして郁人さんがギュッて俺に抱きついてんだ?
う、うわぁ……いい匂い……気持ち良い。
「本当にありがとう、祥ちゃんー」
チュッ
へ?
え、何だ今の頬に触れたスゲー柔らかいもの……。チュッ、て……。
「ふ、ふふ、ふみッ郁人、さんっ!?」
スッと離れていく郁人さんの香りと体温。その笑顔に見とれたまま、無意識に自分の頬を指でなぞる。
い今のはキ、キスだよな。え、マジ?
今、郁人さんにキスされたんだよな!?
う……わ、俺もう一生顔洗いたくねーかも。
「…………おい小僧、テメェ覚悟は出来てるんだろうな」
「へ? あ、あの、千葉さん? え?」
物凄く低いドスのきいた声にハッと見上げるとそこには――。
鬼の形相って、こういうのを言うんじゃないかな。……覚悟って、死ぬ覚悟ですか?
でも何でいきなり!?
「たかだかチームの下っ端風情が、あんまナメた真似してんじゃねーぞ、祥太郎」
「えええ? いや、そんなつもりは……す、すいません優馬さんッ」
俺より遥かに小柄な優馬さんは、もう般若にしか見えないっス。うちのチームNO.2の怒りに触れた者は一生もんのトラウマを抱え怯え続ける、って噂は本当だろうか。
じりじりと距離を縮めるお二人の目は完全に怒りに溢れ、一瞬これまでの短い人生が走馬灯のように思い出された。
お、俺は死ぬのだろうか?
郁人さん、いつの間にか居なくなってるけど何処行ったのかな。今のお二人から俺を救えるのは郁人さんだけな気がするんだけど。
「歯ぁ食いしばれ」
お……お願いです郁人さん、戻って来て下さい早くーーーーッ!!
<祥太郎視点・終わり>
――と言うことは許されない。何故なら千葉さんは俺が属するチームのOBで、本来なら下っ端の俺なんか口をきくことすら出来ない存在だから。
こんな俺に、感謝の言葉と微笑みをくれる郁人さん。今の俺に出来るのはこれくらいで、少し指先が痛むくらい何でもないのに。それでもやっぱり少しでも郁人さんの役に立てたのが嬉しくて、向けられる笑顔にも何だか照れてしまう。
ギュウウウッ
「へ? ふ、郁人さんッ?」
なな何だ。どうして郁人さんがギュッて俺に抱きついてんだ?
う、うわぁ……いい匂い……気持ち良い。
「本当にありがとう、祥ちゃんー」
チュッ
へ?
え、何だ今の頬に触れたスゲー柔らかいもの……。チュッ、て……。
「ふ、ふふ、ふみッ郁人、さんっ!?」
スッと離れていく郁人さんの香りと体温。その笑顔に見とれたまま、無意識に自分の頬を指でなぞる。
い今のはキ、キスだよな。え、マジ?
今、郁人さんにキスされたんだよな!?
う……わ、俺もう一生顔洗いたくねーかも。
「…………おい小僧、テメェ覚悟は出来てるんだろうな」
「へ? あ、あの、千葉さん? え?」
物凄く低いドスのきいた声にハッと見上げるとそこには――。
鬼の形相って、こういうのを言うんじゃないかな。……覚悟って、死ぬ覚悟ですか?
でも何でいきなり!?
「たかだかチームの下っ端風情が、あんまナメた真似してんじゃねーぞ、祥太郎」
「えええ? いや、そんなつもりは……す、すいません優馬さんッ」
俺より遥かに小柄な優馬さんは、もう般若にしか見えないっス。うちのチームNO.2の怒りに触れた者は一生もんのトラウマを抱え怯え続ける、って噂は本当だろうか。
じりじりと距離を縮めるお二人の目は完全に怒りに溢れ、一瞬これまでの短い人生が走馬灯のように思い出された。
お、俺は死ぬのだろうか?
郁人さん、いつの間にか居なくなってるけど何処行ったのかな。今のお二人から俺を救えるのは郁人さんだけな気がするんだけど。
「歯ぁ食いしばれ」
お……お願いです郁人さん、戻って来て下さい早くーーーーッ!!
<祥太郎視点・終わり>
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