23 / 89
第二章
12
しおりを挟む
「そんな奴は……こうしてくれる!」
「いいい痛っ!? いたひッほめんなはい、や、あっ、トラひゃんっ」
ムニッと、柔らかな頬っぺたを掴んで左右に引っ張ってやる。
本気で痛がる郁人が目に涙を浮かべ、必死に俺の手を掴み離そうとする。
しかも、きちんと話すことが出来なくて舌足らずな感じがまた……。
あ、ヤバイ。何かこれ凄く楽しいわ。
『って、はっ!? きゃああー、郁人様に何てことしてるの富丘。離しなさいよ!』
『あ! ふ、郁人様の美しいお顔に触れるなんて羨まし、じゃなかった。富丘許さん!』
『大丈夫ですか郁人様!? 今すぐ富丘を殺してやりますからっ』
一気に教室が騒がしくなったが、俺は妙な興奮を覚えてしまい食い入るように郁人を見つめていた。
あー……でも本気でこれヤバイかも。
チンコ勃ってきちった。
(※最低)
あっれ、おかしいな。
確か俺ノーマルだった筈なんだけどなぁ。
「お、おい! 郁人スゲー痛がってるだろ、手を離せよお前!」
せっかくイイところだったのに、真っ赤な顔をした転入生が止めに入る。
チッ、邪魔すんなよ。つか氷川の奴しっかり押さえとけよ――って、何お前まで顔赤らめながら郁人を見てんだよ!?
嘘の噂なんか信じて軽蔑してるくせに、耳まで真っ赤ッかじゃねーか。
ああ?
よく見ればクラスの奴らほぼ全員、顔真っ赤だわ。鼻血出してるのや前屈みで股間押さえてる奴とか。
え……マジか。
俺を殺すとか言う声にまじって
「頼む、俺達の為にもっとやってくれ」
的な目で訴えてくる奴らもかなりいるし。
それはそれで少しムカつくぞ。
(俺が今、郁人にエロい顔させてんのはお前らに見せる為じゃねーよ!)
「あ? 関係無いだろ転入生には」
「も、痛ひっ……やらぁ、らめてトラひゃ」
ぐふぉッ!?
ちょっ、待った。今のは何か色々と本気で無理。うるうるの涙目で眉間にしわ寄せて、喘ぐように名前を呼ばれたりなんかしたら。
くそっダメだ、俺もう限界――。
「うるっせーぞお前ら。いい加減、黙って静かに席に着きやがれ。富丘! 今すぐその手を離さねーとこの世からテメエを抹殺すんぞ!?」
ピタッ シーーーーン
いきなりドスのきいた千葉ちゃんの一声で吹っ飛びかけた理性が瞬時に戻り、サッと手を離す。
.
「いいい痛っ!? いたひッほめんなはい、や、あっ、トラひゃんっ」
ムニッと、柔らかな頬っぺたを掴んで左右に引っ張ってやる。
本気で痛がる郁人が目に涙を浮かべ、必死に俺の手を掴み離そうとする。
しかも、きちんと話すことが出来なくて舌足らずな感じがまた……。
あ、ヤバイ。何かこれ凄く楽しいわ。
『って、はっ!? きゃああー、郁人様に何てことしてるの富丘。離しなさいよ!』
『あ! ふ、郁人様の美しいお顔に触れるなんて羨まし、じゃなかった。富丘許さん!』
『大丈夫ですか郁人様!? 今すぐ富丘を殺してやりますからっ』
一気に教室が騒がしくなったが、俺は妙な興奮を覚えてしまい食い入るように郁人を見つめていた。
あー……でも本気でこれヤバイかも。
チンコ勃ってきちった。
(※最低)
あっれ、おかしいな。
確か俺ノーマルだった筈なんだけどなぁ。
「お、おい! 郁人スゲー痛がってるだろ、手を離せよお前!」
せっかくイイところだったのに、真っ赤な顔をした転入生が止めに入る。
チッ、邪魔すんなよ。つか氷川の奴しっかり押さえとけよ――って、何お前まで顔赤らめながら郁人を見てんだよ!?
嘘の噂なんか信じて軽蔑してるくせに、耳まで真っ赤ッかじゃねーか。
ああ?
よく見ればクラスの奴らほぼ全員、顔真っ赤だわ。鼻血出してるのや前屈みで股間押さえてる奴とか。
え……マジか。
俺を殺すとか言う声にまじって
「頼む、俺達の為にもっとやってくれ」
的な目で訴えてくる奴らもかなりいるし。
それはそれで少しムカつくぞ。
(俺が今、郁人にエロい顔させてんのはお前らに見せる為じゃねーよ!)
「あ? 関係無いだろ転入生には」
「も、痛ひっ……やらぁ、らめてトラひゃ」
ぐふぉッ!?
ちょっ、待った。今のは何か色々と本気で無理。うるうるの涙目で眉間にしわ寄せて、喘ぐように名前を呼ばれたりなんかしたら。
くそっダメだ、俺もう限界――。
「うるっせーぞお前ら。いい加減、黙って静かに席に着きやがれ。富丘! 今すぐその手を離さねーとこの世からテメエを抹殺すんぞ!?」
ピタッ シーーーーン
いきなりドスのきいた千葉ちゃんの一声で吹っ飛びかけた理性が瞬時に戻り、サッと手を離す。
.
30
お気に入りに追加
985
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
ザ・兄貴っ!
慎
BL
俺の兄貴は自分のことを平凡だと思ってやがる。…が、俺は言い切れる!兄貴は…
平凡という皮を被った非凡であることを!!
実際、ぎゃぎゃあ五月蝿く喚く転校生に付き纏われてる兄貴は端から見れば、脇役になるのだろう…… が、実は違う。
顔も性格も容姿も運動能力も平凡並だと思い込んでいる兄貴…
けど、その正体は――‥。
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
星蘭学園、腐男子くん!
Rimia
BL
⚠️⚠️加筆&修正するところが沢山あったので再投稿してますすみません!!!!!!!!⚠️⚠️
他のタグは・・・
腐男子、無自覚美形、巻き込まれ、アルビノetc.....
読めばわかる!巻き込まれ系王道学園!!
とある依頼をこなせば王道BL学園に入学させてもらえることになった為、生BLが見たい腐男子の主人公は依頼を見事こなし、入学する。
王道な生徒会にチワワたん達…。ニヨニヨして見ていたが、ある事件をきっかけに生徒会に目をつけられ…??
自身を平凡だと思っている無自覚美形腐男子受け!!
※誤字脱字、話が矛盾しているなどがありましたら教えて下さると幸いです!
⚠️衝動書きだということもあり、超絶亀更新です。話を思いついたら更新します。
親衛隊総隊長殿は今日も大忙しっ!
慎
BL
人は山の奥深くに存在する閉鎖的な彼の学園を――‥
『‡Arcanalia‡-ア ル カ ナ リ ア-』と呼ぶ。
人里からも離れ、街からも遠く離れた閉鎖的全寮制の男子校。その一部のノーマルを除いたほとんどの者が教師も生徒も関係なく、同性愛者。バイなどが多い。
そんな学園だが、幼等部から大学部まであるこの学園を卒業すれば安定した未来が約束されている――。そう、この学園は大企業の御曹司や金持ちの坊ちゃんを教育する学園である。しかし、それが仇となり‥
権力を振りかざす者もまた多い。生徒や教師から崇拝されている美形集団、生徒会。しかし、今回の主人公は――‥
彼らの親衛隊である親衛隊総隊長、小柳 千春(コヤナギ チハル)。彼の話である。
――…さてさて、本題はここからである。‡Arcanalia‡学園には他校にはない珍しい校則がいくつかある。その中でも重要な三大原則の一つが、
『耳鳴りすれば来た道引き返せ』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる