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第二章
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しおりを挟む(まるで可愛い子達に守られてるみたいだな……って、あれ? 普通、逆か?)
とりあえず、睨み合ってる二人が騒ぎの原因だよな。
「おいっ、お前ら何やってんだ!」
気付くと俺はギャラリーをかきわけそう叫んでいた。
「お前らなぁ、朝からこんな場所で喧嘩するなよ! 周りの奴らがロッカー使えなくて困ってんだろ。喧嘩したいなら他人に迷惑の掛からないとこで、思う存分やれ!」
だって本当に邪魔だったから。
歩きにくいって言うか前に進めないし。放っといたら俺含め、ここにいる全員が遅刻しそうだし。
でも話が通じなかったらしく、一番背の高い偉そうな奴にからまれた。
「この俺様が、何故お前みたいなキモ野郎に指図されなきゃならないんだ?」
「大体、お前は誰だ。そんな気色悪い格好した奴、この学園に居たっけか?」
くっそー!
ほらみろやっぱこの変装、友達作りには逆効果じゃねーか。初対面の奴にこんなん言われるくらいなんだぞ。
本当にもう意味分かんないよ、父さん。
「その辺でやめてくれませんか、飛鳥」
「チッ、瑞穂か」
見かねた瑞穂にぃがギャラリーの中から出て来て、相手を止めてくれた。
というかこいつ、瑞穂にぃの知り合い?
『キャアアァ、滝沢様ーッ』
『今日もお綺麗です瑞穂様ぁ』
『凄い、朝から生徒会のお二人が見れるなんて』
うわっ煩いな急に。
気付いてなかったんだろうけどずーっと瑞穂にぃ、そこ居たからな?
「そもそも、彼の言う通りでしょう。飛鳥と……そこの“下半身バカ”な誰かさん達のせいで周りに人が集まっているのは事実ですし。正直、私も迷惑に思っているんですよ」
「くっ」
「それに先程のは、この学園に来たばかりの転入生に対する、仮にも生徒会会長の態度や発言とは思えませんね」
「転入? なるほど、こいつがそうなのか」
「……」
あれ?
何か今、瑞穂にぃが少し焦ったような。
一瞬「しまった」って顔に見えたんだけど、気のせいかな。
「ふん、そうか。おいキモネクラ転入生、お前の名前は?」
「キモネ……!? か、勝手に変なあだ名で呼ぶなよ! それに、人の名前が知りたきゃ、先に自分から名乗るのが礼儀だろっ」
「ハッ、お前のような奴に何故わざわざ名乗る必要がある。オラ、さっさと言え」
「いい加減にして下さい、飛鳥!」
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