王道くんと、俺。

葉津緒

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第二章

朝のSHRはお静かに

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来たよ来たよ、来ましたよ。
ついに待望の王道転入生くんがやって来ました、しかも同じクラス。
やったぁ、これで間近に生BLを観察・堪能出来るよねっ。

BLの神様ありがとう!


しかし予想はしてたけど。
うちのクラス担任……どう見ても貴方ホストですよね、って感じの先生

“千葉 知宏”(チバトモヒロ)

通称『千葉ちゃん』に呼ばれて、教室に入ってきた転入生を見た途端、クラスの皆の反応が痛いのなんのって。


『うわっキモ男』
『何あの格好、最悪』
『転入生ってこれかよ、ガッカリー』
『あいつでしょ。今朝、橘会長様や滝沢副会長様に近付いたのって。鏡見たことある訳?』


最後のは生徒会親衛隊の子だよね、きっと。


「お前らギャアギャアうるせえ! 黙らねーとどうなるか、分かってるよな?」



 ピタッ シーーーーン



「よし、じゃあ自己紹介だ転入生」

「うぇ?! あ、はいっ」


ぷぷ。
「うぇ?!」だって、可愛いなぁ。
そりゃ驚くよね。千葉ちゃんが一言発した途端、悪口言ってた人達が青い顔して俯いちゃうんだもん。


「えっと、瀬戸歩です。宜しくお願いします!」


歩(あゆむ)くんかぁ。
さすが王道くん、可愛い名前だね。
しかし頭大きいな。
何で皆、ヅラって気付かないんだろ。

てか千葉ちゃん、せっかくの王道転入生くんなのに関心無さ過ぎ!
普通はもっとこう……早々と変装に気が付いて資料準備室とかで味見しちゃったりとかさ。



※以下、郁人の腐妄想。


『お前それ、ヅラだよな。ちょっと素顔見せてみろ』

『え、うわっ』

『お前!? フッ、気に入ったぜ歩』

『なっ、止め……ぁ、んんッ』


そんで無理やりに色々(ベロチューとか軽いお触りなど)致しちゃった後は、自分の下の名前呼びを強制。もちろん自分も王道くんを名前で呼んで――

「歩は俺のモノだからな。いいかお前ら、絶対に手を出すなよ」

とか皆の前で、クラス担任らしからぬ発言しちゃえば良いのにーっ。


…………あ、やばい。
千葉ちゃんと目が合いました。
何故か物凄ぉく笑顔なのが逆に怖いんですけど。
優ちゃんヘルプ!
って、残念ながら隣のクラスでしたぁぁあ。



「じゃあ、瀬戸の席は最後列の窓から三番目な。あの空いてるトコだから」



.
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