663 / 665
料亭
663
しおりを挟む
レコーディングは終わったようだが、沙夜からの音源のデータは送られてこなかった。時計を見るとスタジオは出て行っている時間だろうか。泊まると言っていた宿もキャンセルしたようだから、もう帰っている時間だろう。その報告は無い。ただグループで繋がれているメッセージには、みんなの今日の都合を聞いているものが流れてきている。その反応から二十時にK街の外れにある料亭で待ち合わせをした。
奏太はここへは行ったことが無いが、評判を見ているとずいぶん良い所らしい。一応料亭だと書いているが、堅苦しくないようで、コース料理が数種類あるようだが場合によってはメニューを変えてくれる。それに単品のモノも頼めるし、子供を連れて行ってもそれなりのメニューを考えてくれるのだ。家族連れから、企業の接待にまで使われるようなところで、敷居が高くない。評判が良いのは鶏料理らしい。
誰のつてでこんなところを紹介されたのだろう。「二藍」の五人なら企業から誘われていくことはあるだろうが、沙夜はそう言う所はあまり行かない。沙夜のつてでは無いのだろう。一番濃厚なのはK街で育った一馬と順大だ。なんせキャバクラの呼び込みなんかとも気軽に話が出来るのは、K町育ちという所があるからだろう。当然、評判なんかも耳にしていて良い店も悪い店もインターネットよりも詳しいはずだ。
そう思いながら奏太は仕事をこなしていた。沙夜が居ないから手が回らないなど言われたくない。沙夜のサブだなんて言われたくなくて、必死にやっているのだから。
その時、オフィスに植村朔太郎が戻ってきた。ソロデビューをした担当バンドのボーカルである達也の曲が、評判が良いらしい。爆発的に売れているわけでは無いが、ずっと売れていると行った感じだろう。見た目だけで手に取るのを嫌がっている人も、曲を聴いて手に取っているのが原因なのだ。
「お疲れ。あれ?部長ってまだ帰ってきてない?」
「さぁ……。一回帰ってきたみたいだけど、また出ていったな。」
昼に純と一緒に出ていって、戻ってきた時には裕太がいたようだがすぐにいなくなった。自由人でもうハードロック部門の人達は、そこまで裕太がどこへ行ったかなど把握していないのだから。
「そっか。」
「用事?」
「達也の二曲目の話。」
「あぁ。評判良いよな。あいつ歌い方に癖が無くて、すっと入ってくるような声質だし。」
声楽をしていたらしい達也は、帰国子女で英語の発音も良いのだ。だが奏太に言わせればまだまだ改善する所はある。だが朔太郎がいるのだから、あまり口出しはしたくない。
「泉さんも帰ってきたら相談したいんだけどさ。」
「沙夜に?」
「達也のソロの二曲目。渡先生に歌詞を書いてもらいたいんだってさ。」
「渡先生になぁ……。」
どんな女なのか想像するが、奏太が想像するのは不幸を背負っているような女性だった。酷い失恋をした女性で、きっとその男をずっと忘れられない後ろ向きな女性。沙夜が将来そうなりそうでやるせない。一馬といればそうなるのだろうから。
「最近の渡先生の歌詞良いんだよ。」
「恨み節が?」
「そうじゃ無くて、結構前向きな歌詞も作れるんだ。昔だったらアニメの曲だって殺人事件とか、サイコパスとかそんなアニメが多かったのに、最近は冒険活劇とかファンタジーも多いんだよ。子供向けのヤツとかも書いてるし。」
「へぇ……。」
だとしたら失恋した男を吹っ切ったのかもしれない。だが仕事でこの女も書いているのだ。一辺倒のイメージの曲しかかけないことは無いだろう。
「泉さん越しじゃ無いと仕事の依頼も出来ないけど、まずは部長に話をしないといけないしさ。」
「まぁ……そうだよな。」
どんな事情があるにしても、まだ裕太はこの課を統括する立場にある。よっぽどのことが無い限り、勝手なことは出来ないだろう。だから今日の沙夜の行動というのは裕太の意思に反している。それが裕太をいらつかせたのかもしれないが、それでも「二藍」を追い出して良いとは限らない。勝手なことをしているのは裕太の方なのだから。
「泉さんは今日、帰ってくるって言ってた?」
「うん。一緒に行った三倉さんが夜からまた仕事があるんだってさ。だからもうみんなで帰るってことにしたらしい。」
「部長のつてだっていう旅館だったのに惜しかったな。」
「惜しかった?」
「旅行雑誌なんかに良く載ってる温泉旅館だよ。隠れ家的な大人の旅館だって。」
「雑誌に載るようなのが隠れ家になるのか。」
「そう言うなよ。こういうところに芸能人とかは行くんだろうから。花岡さんはともかく、鳴神さんは今からぐっとこっちで名が売れるのは確定しているし。」
その時だった。裕太が戻ってきた。相変わらずチャラいような感じの裕太だが、それも何となく気持ち悪く感じるのは、昼間の会話を聞いたからだろうか。だが表に出せない。そう思って奏太は裕太の方へ向かっていった朔太郎を尻目にして、パソコンの画面にまた目を移す。音響の手配はこれで終わった。あとはツアーで連れて行くスタッフの人選をしたい。
しばらくすると裕太が奏太に近づいてきた。そして声をかける。
「望月君。泉さんからは連絡が来た?」
「いいえ。」
嘘をついた。連絡なら来ているが、内密に集まるという連絡でそれを裕太に知られるわけにはいかなかったから。
「え?音源のデータだよ?レコーディングした音源を送ってくれって言ってたのに。」
「あぁ。そう言えば、ネット環境が安定して無くて、送れなかったって言ってましたよ。」
「ネット環境?そんなはずは無いと思うんだけど。」
ずいぶんいらついているようだ。だがいらついているのをわからないふりをする。それを知っていたら不自然だろうから。
「そんなはずは無い?」
奏太がそう聞くと、裕太は自分の失言に気が付いたのか誤魔化すように笑顔になった。
「あー……。うん。あの辺はネット環境が確かにちょっと不安定な所もあるから、せめて機材なんかのネット環境は十分対策をしていると思っていたんだけどね。」
「はぁ……。」
「で、スタジオは出たの?」
「だと思いますよ。連絡来てないけど。」
「連絡来てない?」
「時間が迫ってるから暇が無いんじゃ無いんですか。」
「そんなことは無いと思うんだけどね。外国へ行っていた時の方がタイトなスケジュールにしていたのに、しっかり報告を毎日してくれたんだから。」
「あっちにはあっちの事情がありますよ。」
すると裕太は少し笑って奏太に言う。
「こんなことでは困るんだけどね。」
「困る?」
「あっちへ行く前に、泉さんには録音したデータを送るようにと念を押していたんだ。それでもそれを無視したとなると、ちょっとね……。」
すると朔太郎の方がいぶかしげに裕太に言った。
「泉さんだってそこまで万能ってわけじゃ無いんじゃ無いんですか。」
「え?」
「達也の二曲目の作詞を渡先生にお願いしたいと思ったんですけど、渡先生は泉さん越しじゃ無いと話をしない人だから、結局泉さんって「二藍」も担当していれば渡先生の橋渡しもしてるじゃ無いですか。俺だったらどっちかにしますね。」
「それは泉さんが望んだことだよ。」
「だから頼んだ方もそれを汲んであげないといけないと思うんですよ。子供が出来てわかりましたよ。俺も。」
「……。」
「女がずっと家に居て子供を見ながら家事をして、帰ったら飯が用意されていて、全部女に丸投げしてたら女だって気が狂いますよ。だからこっちも譲歩出来ることはした方が良いと思いますから。」
たまには手を抜いて良いと思う。帰ってくる時に弁当を買ってそれを夕食にしても良いし、部屋だって片付いてなければ自分がすれば良い。そう言っていたのは一馬だった。実際に自分が親になら無いとわからなかっただろう。
沙夜は親になっているわけでは無いが、そうやって少し手を抜くこともしなければきっとどこかで無理が出る。
「そうだね。ちょっと気になりすぎてたかな。」
裕太はそう言うと、いつもの表情に戻る。まさか朔太郎にそんなことを言われると思ってなかったのだろう。
「気長に待ちますよ。どうせ長く待ってても、明日にはレコーディングをしたモノを聴けるわけだし。」
「俺も気になるんだ。って言うかうちのメンバーも花岡さんの曲は気になってるみたいでさ。」
「ベースが曲を作るって事?」
「そう。バレエダンサーが踊るって事だから、ちょっとクラシック寄りなのかな。」
「だったらクラシック部門で出せば良かったのに。」
すると裕太が首を横に振る。
「一馬はうちの部門の人間だよ。うちから出さなくてどうするんだ。」
「ははっ。部長。さっきから気が立ってるみたいだ。」
「人間だから、不機嫌な時もあるだろう。」
奏太と朔太郎の言葉に、裕太は適当に返しそして自分の席に戻る。そしてジャンパーを脱ぎ、携帯電話をバッグから取りだした。そしてメッセージが入っているのを見て愕然とする。
まずいことになった。そう思ってそのメッセージを開く。その時だった。
「ただいま戻りました。」
入り口に沙夜達が戻ってきた。おそらくこのメンバーであのスタジオへ行ったのだろうという五人は、裕太の方を見ようともしなかった。それが更に裕太を焦らせる。
奏太はここへは行ったことが無いが、評判を見ているとずいぶん良い所らしい。一応料亭だと書いているが、堅苦しくないようで、コース料理が数種類あるようだが場合によってはメニューを変えてくれる。それに単品のモノも頼めるし、子供を連れて行ってもそれなりのメニューを考えてくれるのだ。家族連れから、企業の接待にまで使われるようなところで、敷居が高くない。評判が良いのは鶏料理らしい。
誰のつてでこんなところを紹介されたのだろう。「二藍」の五人なら企業から誘われていくことはあるだろうが、沙夜はそう言う所はあまり行かない。沙夜のつてでは無いのだろう。一番濃厚なのはK街で育った一馬と順大だ。なんせキャバクラの呼び込みなんかとも気軽に話が出来るのは、K町育ちという所があるからだろう。当然、評判なんかも耳にしていて良い店も悪い店もインターネットよりも詳しいはずだ。
そう思いながら奏太は仕事をこなしていた。沙夜が居ないから手が回らないなど言われたくない。沙夜のサブだなんて言われたくなくて、必死にやっているのだから。
その時、オフィスに植村朔太郎が戻ってきた。ソロデビューをした担当バンドのボーカルである達也の曲が、評判が良いらしい。爆発的に売れているわけでは無いが、ずっと売れていると行った感じだろう。見た目だけで手に取るのを嫌がっている人も、曲を聴いて手に取っているのが原因なのだ。
「お疲れ。あれ?部長ってまだ帰ってきてない?」
「さぁ……。一回帰ってきたみたいだけど、また出ていったな。」
昼に純と一緒に出ていって、戻ってきた時には裕太がいたようだがすぐにいなくなった。自由人でもうハードロック部門の人達は、そこまで裕太がどこへ行ったかなど把握していないのだから。
「そっか。」
「用事?」
「達也の二曲目の話。」
「あぁ。評判良いよな。あいつ歌い方に癖が無くて、すっと入ってくるような声質だし。」
声楽をしていたらしい達也は、帰国子女で英語の発音も良いのだ。だが奏太に言わせればまだまだ改善する所はある。だが朔太郎がいるのだから、あまり口出しはしたくない。
「泉さんも帰ってきたら相談したいんだけどさ。」
「沙夜に?」
「達也のソロの二曲目。渡先生に歌詞を書いてもらいたいんだってさ。」
「渡先生になぁ……。」
どんな女なのか想像するが、奏太が想像するのは不幸を背負っているような女性だった。酷い失恋をした女性で、きっとその男をずっと忘れられない後ろ向きな女性。沙夜が将来そうなりそうでやるせない。一馬といればそうなるのだろうから。
「最近の渡先生の歌詞良いんだよ。」
「恨み節が?」
「そうじゃ無くて、結構前向きな歌詞も作れるんだ。昔だったらアニメの曲だって殺人事件とか、サイコパスとかそんなアニメが多かったのに、最近は冒険活劇とかファンタジーも多いんだよ。子供向けのヤツとかも書いてるし。」
「へぇ……。」
だとしたら失恋した男を吹っ切ったのかもしれない。だが仕事でこの女も書いているのだ。一辺倒のイメージの曲しかかけないことは無いだろう。
「泉さん越しじゃ無いと仕事の依頼も出来ないけど、まずは部長に話をしないといけないしさ。」
「まぁ……そうだよな。」
どんな事情があるにしても、まだ裕太はこの課を統括する立場にある。よっぽどのことが無い限り、勝手なことは出来ないだろう。だから今日の沙夜の行動というのは裕太の意思に反している。それが裕太をいらつかせたのかもしれないが、それでも「二藍」を追い出して良いとは限らない。勝手なことをしているのは裕太の方なのだから。
「泉さんは今日、帰ってくるって言ってた?」
「うん。一緒に行った三倉さんが夜からまた仕事があるんだってさ。だからもうみんなで帰るってことにしたらしい。」
「部長のつてだっていう旅館だったのに惜しかったな。」
「惜しかった?」
「旅行雑誌なんかに良く載ってる温泉旅館だよ。隠れ家的な大人の旅館だって。」
「雑誌に載るようなのが隠れ家になるのか。」
「そう言うなよ。こういうところに芸能人とかは行くんだろうから。花岡さんはともかく、鳴神さんは今からぐっとこっちで名が売れるのは確定しているし。」
その時だった。裕太が戻ってきた。相変わらずチャラいような感じの裕太だが、それも何となく気持ち悪く感じるのは、昼間の会話を聞いたからだろうか。だが表に出せない。そう思って奏太は裕太の方へ向かっていった朔太郎を尻目にして、パソコンの画面にまた目を移す。音響の手配はこれで終わった。あとはツアーで連れて行くスタッフの人選をしたい。
しばらくすると裕太が奏太に近づいてきた。そして声をかける。
「望月君。泉さんからは連絡が来た?」
「いいえ。」
嘘をついた。連絡なら来ているが、内密に集まるという連絡でそれを裕太に知られるわけにはいかなかったから。
「え?音源のデータだよ?レコーディングした音源を送ってくれって言ってたのに。」
「あぁ。そう言えば、ネット環境が安定して無くて、送れなかったって言ってましたよ。」
「ネット環境?そんなはずは無いと思うんだけど。」
ずいぶんいらついているようだ。だがいらついているのをわからないふりをする。それを知っていたら不自然だろうから。
「そんなはずは無い?」
奏太がそう聞くと、裕太は自分の失言に気が付いたのか誤魔化すように笑顔になった。
「あー……。うん。あの辺はネット環境が確かにちょっと不安定な所もあるから、せめて機材なんかのネット環境は十分対策をしていると思っていたんだけどね。」
「はぁ……。」
「で、スタジオは出たの?」
「だと思いますよ。連絡来てないけど。」
「連絡来てない?」
「時間が迫ってるから暇が無いんじゃ無いんですか。」
「そんなことは無いと思うんだけどね。外国へ行っていた時の方がタイトなスケジュールにしていたのに、しっかり報告を毎日してくれたんだから。」
「あっちにはあっちの事情がありますよ。」
すると裕太は少し笑って奏太に言う。
「こんなことでは困るんだけどね。」
「困る?」
「あっちへ行く前に、泉さんには録音したデータを送るようにと念を押していたんだ。それでもそれを無視したとなると、ちょっとね……。」
すると朔太郎の方がいぶかしげに裕太に言った。
「泉さんだってそこまで万能ってわけじゃ無いんじゃ無いんですか。」
「え?」
「達也の二曲目の作詞を渡先生にお願いしたいと思ったんですけど、渡先生は泉さん越しじゃ無いと話をしない人だから、結局泉さんって「二藍」も担当していれば渡先生の橋渡しもしてるじゃ無いですか。俺だったらどっちかにしますね。」
「それは泉さんが望んだことだよ。」
「だから頼んだ方もそれを汲んであげないといけないと思うんですよ。子供が出来てわかりましたよ。俺も。」
「……。」
「女がずっと家に居て子供を見ながら家事をして、帰ったら飯が用意されていて、全部女に丸投げしてたら女だって気が狂いますよ。だからこっちも譲歩出来ることはした方が良いと思いますから。」
たまには手を抜いて良いと思う。帰ってくる時に弁当を買ってそれを夕食にしても良いし、部屋だって片付いてなければ自分がすれば良い。そう言っていたのは一馬だった。実際に自分が親になら無いとわからなかっただろう。
沙夜は親になっているわけでは無いが、そうやって少し手を抜くこともしなければきっとどこかで無理が出る。
「そうだね。ちょっと気になりすぎてたかな。」
裕太はそう言うと、いつもの表情に戻る。まさか朔太郎にそんなことを言われると思ってなかったのだろう。
「気長に待ちますよ。どうせ長く待ってても、明日にはレコーディングをしたモノを聴けるわけだし。」
「俺も気になるんだ。って言うかうちのメンバーも花岡さんの曲は気になってるみたいでさ。」
「ベースが曲を作るって事?」
「そう。バレエダンサーが踊るって事だから、ちょっとクラシック寄りなのかな。」
「だったらクラシック部門で出せば良かったのに。」
すると裕太が首を横に振る。
「一馬はうちの部門の人間だよ。うちから出さなくてどうするんだ。」
「ははっ。部長。さっきから気が立ってるみたいだ。」
「人間だから、不機嫌な時もあるだろう。」
奏太と朔太郎の言葉に、裕太は適当に返しそして自分の席に戻る。そしてジャンパーを脱ぎ、携帯電話をバッグから取りだした。そしてメッセージが入っているのを見て愕然とする。
まずいことになった。そう思ってそのメッセージを開く。その時だった。
「ただいま戻りました。」
入り口に沙夜達が戻ってきた。おそらくこのメンバーであのスタジオへ行ったのだろうという五人は、裕太の方を見ようともしなかった。それが更に裕太を焦らせる。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
秘密 〜官能短編集〜
槙璃人
恋愛
不定期に更新していく官能小説です。
まだまだ下手なので優しい目で見てくれればうれしいです。
小さなことでもいいので感想くれたら喜びます。
こここうしたらいいんじゃない?などもお願いします。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる