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オムレツ
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駅前の大型のCDショップは「二藍」も世話になっている。地下にちょっとしたステージがありライブハウスのようになっていて、CDを発売したアーティストなんかが生演奏をしたりするのだ。「二藍」もこの間PRの為にみんなで演奏をしたが、思ったよりも人が集まってしまったため入場制限をしたらしい。そこを出ていこうとしたら出待ちをしているファンに押し寄せられて、大変な目に遭いそうになったが沙夜がこのとき身を挺して五人を守ってくれた。その結果怪我をしたこともある。こういう所から沙夜は五人の母親のようだと言われているのだろう。
そして大きく新しいアルバムのポスターが貼られているのが見える。それを遠目で純と一馬は見ていた。
「あんな目立つところに張ってくれているんだな。」
「あぁ。感謝しないといけない。」
ポスターはCDジャケットのモノとは立ち位置やポーズが違う。年末の歌番組に出演したときとは衣装も違うが、それぞれに持っている装飾品は変わらない。前から沙夜が用意していたモノだった。それがそれぞれの衣装のアクセントになっている。
「何とかレンジャーみたいだと思ってたけど、あれはあれで良かったのかもな。」
純はそう言って一馬を見上げた。すると一馬も頷く。
「前にも思ったが沙夜はこの辺のセンスが良いようだ。翔のアルバムも沙夜が口添えをしてパッと目に付くようになったみたいだし。」
「赤い薔薇だろ?ちょっとキザかと思ったけど、そうでも無かった。本人は不本意っぽかったけど、モノクロよりもそっちの方が俺も良いような気がするよ。こういうのは見た目で買う人だって居るんだし。」
そう言って二人はまた足を進める。道行く人はギターやベースを背負っている二人に目を留める人も居るようだが、声をかけたりはしない。それに純も一馬もそれぞれが目立つような髪型を隠すように帽子を被っている。純は黒いキャップを被り金髪を目立たなくしているし、一馬は長い長髪が目立たないようにニットの帽子を被っている。帽子がいつもどこかへいってしまうと言っていたので、鞄の中にも納められるようにニットの帽子にしたのだろう。脱いだらすぐにバッグの中に入れれば無くなることは無い。
「明日レコーディングだっけ?」
「あぁ。」
純も一馬も午前中は他のアーティストのレコーディングだった。そのまま二人はラジオ番組の収録へ行く。一馬はあまりこういう場では話をしないが、さすがにラジオで黙ったままというのは無いだろうと純が誘ったのだ。それに今回のパーソナリティーは一馬と気が合うと思う。
ラジオのDJを長くやっていて、番組はタイトルを変わったりスポンサーが変わったりしながらそれでも長く番組をしている男だった。。ジャンルレスの音楽と、視聴者の悩みなんかを自分の言葉でアドバイスをしたり、本人が気になっているアーティストなんかを呼んでトークをしている。
人気の理由は落ち着いた声質と低い声であり、癒やしとも言われているようだ。
それにこの人はクラブでたまにDJなんかもしている。古い音楽から新しいモノまで流しているようで、望月旭が気に入っていると言っていた。
「良いなぁ。あのスタジオ俺も気になってたんだよ。冬だと虫なんかの心配も無さそうだし。」
「それは期待しているが、あまり時間は取れないな。」
「え?」
「日帰りにしている。明日の朝に出ていって夜には帰るんだ。」
「ゆっくりしていけば良いのに。というか……それで納得出来るのか?」
「曲自体は一曲だし、三分くらいの曲だ。何度リテイクしてもお釣りが来るんじゃ無いのか。」
「それでもさ……。」
「明日の夜は俺も仕事があるし、沙夜も会社に戻りたいと言っていた。」
「うーん……。わからないでも無いけど……。」
「そういうことにしておいた方が良いんだ。」
「え?」
本当は泊まりたかった。スタッフがいるのを考えても、その場から抜けて沙夜と二人になれれば良いと思っていたから。この間沙夜を抱いたばかりなのにまた沙夜が欲しいと思っている。
しかしそれが出来ないのには理由がある。
「まだ俺らはマスコミがつきまとっているだろう。」
「あぁ。一時期ほどじゃないけど。遥人はまだ表を歩けないと言っていたし。」
「スタッフは部長が信頼を置ける人に声をかけたと言っていた。だが……俺はあまり信用していない。」
「何で?」
「部長は、そもそも紫乃と繋がりがあったからな。」
「あ……。」
宮村雅也は嫌っている節があるが、紫乃とは懇意にしていたようだ。芹に紫乃を会わせようとしていたのだから。
「沙夜は上司だし言われたら従わないといけない。しかしそこで紫乃と繋がりがあると紫乃の上司は宮村になる。そうなると俺らは根掘り葉掘りプライベートを探られるのが目に見えている。特に……気づかれたくないこともあるし。」
一馬が慎重になるのはわかる。だがそこまでして沙夜と繋がりを持ちたいのだろうか。
「それに……泊まると言っても同じ屋根の下に居て、何も出来ない地獄には耐えられそうに無い。」
「そこまで沙夜さんって良いの?」
「依存症になったかもしれないと思うくらいだ。」
「依存症?」
念のために病院へ行ったこともある。だが本当に依存をしている人というのは、一人に縛られないらしい。一馬は興味の無い人には声もかけないことがある。それだけ不特定多数とセックスをしたいなどとは思わなければ、そんなに依存はしていないだろう。
「そっか……。その辺って俺、わかんないな。」
「……。」
純と一馬はそういう面では正反対の位置にいるのかもしれない。体の繋がりを大事にしたい一馬と、体の繋がりなど無くても良いと思っている純では理解し合えない。だがお互いに想う人がいるのは一緒だった。
「だったらツアーでさ……。」
ツアーで地方へ行くときがあるだろう。その時には二人で抜ければいい。そう思っていた。
その時だった。一馬の携帯電話に着信がある。その相手を見て一馬は自然と笑顔になった。沙夜からの連絡だったからだ。
「もしもし?あぁ。今純と一緒にスタジオへ行ってる。え……あ……。そうか……。だったら今夜詳しい話を聞く。うん……。十八時くらいで良いだろうか。」
その表情は少し曇って見えた。何かあったのだろうか。
ラジオの収録は、楽しいモノだった。ラジオのパーソナリティーは、一馬達とはずいぶん年上の男だったが、ずいぶんこちらの目線に合わせて話をしてくれている。そしてスタッフとして動いていた人は女性が一人と、若い男が一人。その女性が男の奥さんなのだという。ずいぶん歳の差があり、若い人だと思った。
それにしても音楽の知識は純や一馬も驚くほどで、おそらく誰よりも知っている世思った。DJをしているとそんなモノなのだろうか。
春にDJのイベントがある。望月旭が主催するモノだ。それにDJとして出演するので是非見に来て欲しいと言って男と別れた。
そして一馬は駅で純と別れる。沙夜との待ち合わせは「Music Factory」の最寄り駅。ベースを持って待っていると、一馬に声をかけようとする人も居るようだが全て無視して良いと言っていた。一馬は大体世の中ではそういうキャラクターなのだから。つまり「二藍」の中では取っ付きにくくて怖いというイメージであり、大事なのは家庭だけというキャラクターにしているのだ。
だが今日のラジオで少し見方も変わるかもしれない。割と喋りすぎたと思っていたから。話が合う人がいるとどうしてもそうなってしまう。
順大もそうだ。だからこの話もおそらく順大から申し出たのかもしれない。それが沙夜を不機嫌にさせるとわかっていても。
「待った?」
携帯電話のメッセージをチェックしていたとき、沙夜がやってきた。いつもの通りコートとマフラーをしている。
「そうでも無い。」
「向こうのお店は忙しいかしら。」
「大丈夫なようだ。今時期はそこまで忙しい時期でも無いし。」
「そう……。」
沙夜は不機嫌そうだった。それもそうだろう。まさかCMの制作会社が作った音楽のデモを聴いただけで、演奏をしている二人もCMに出て欲しいと言ってきたのだから。
正直、一馬は気乗りしないし沙夜は尚更だろう。「夜」としていきなり世に晒される沙夜にとっての地獄があっていいのだろうか。
「沙夜。CMの件はあとで話をしよう。今はうちの問題に関わってくれないか。担当として。」
その言葉に沙夜ははっとしたように一馬を見る。そうだった。今から向かうのは響子の居る洋菓子店。そしてそこのオーナーには現実を見てもらわないといけない。この状態で行けば、嫌味しか口に出さないだろう。そうなると向こうも意地になる。
「……そうだったわ。ごめんなさいね。なんか……ギスギスしていたわね。」
「向こうではコーヒーを淹れてくれるらしい。それを飲んで少し落ち着こう。うちの妻のコーヒーは美味しいから。」
「そうね。」
「それから……春のケーキの新作の意見も聞きたいと言っていた。」
「あら。それは私で良いのかしら。素人なんだけど。」
「その素人から見てどう思うかが重要なようだ。」
その会話を端から聞けば、一馬は奥さん想いで沙夜を連れて行っているようにしか聞こえない。だが二人とも緊張はしていた。響子の前に立って冷静で居られるのかわからなかったから。
そして大きく新しいアルバムのポスターが貼られているのが見える。それを遠目で純と一馬は見ていた。
「あんな目立つところに張ってくれているんだな。」
「あぁ。感謝しないといけない。」
ポスターはCDジャケットのモノとは立ち位置やポーズが違う。年末の歌番組に出演したときとは衣装も違うが、それぞれに持っている装飾品は変わらない。前から沙夜が用意していたモノだった。それがそれぞれの衣装のアクセントになっている。
「何とかレンジャーみたいだと思ってたけど、あれはあれで良かったのかもな。」
純はそう言って一馬を見上げた。すると一馬も頷く。
「前にも思ったが沙夜はこの辺のセンスが良いようだ。翔のアルバムも沙夜が口添えをしてパッと目に付くようになったみたいだし。」
「赤い薔薇だろ?ちょっとキザかと思ったけど、そうでも無かった。本人は不本意っぽかったけど、モノクロよりもそっちの方が俺も良いような気がするよ。こういうのは見た目で買う人だって居るんだし。」
そう言って二人はまた足を進める。道行く人はギターやベースを背負っている二人に目を留める人も居るようだが、声をかけたりはしない。それに純も一馬もそれぞれが目立つような髪型を隠すように帽子を被っている。純は黒いキャップを被り金髪を目立たなくしているし、一馬は長い長髪が目立たないようにニットの帽子を被っている。帽子がいつもどこかへいってしまうと言っていたので、鞄の中にも納められるようにニットの帽子にしたのだろう。脱いだらすぐにバッグの中に入れれば無くなることは無い。
「明日レコーディングだっけ?」
「あぁ。」
純も一馬も午前中は他のアーティストのレコーディングだった。そのまま二人はラジオ番組の収録へ行く。一馬はあまりこういう場では話をしないが、さすがにラジオで黙ったままというのは無いだろうと純が誘ったのだ。それに今回のパーソナリティーは一馬と気が合うと思う。
ラジオのDJを長くやっていて、番組はタイトルを変わったりスポンサーが変わったりしながらそれでも長く番組をしている男だった。。ジャンルレスの音楽と、視聴者の悩みなんかを自分の言葉でアドバイスをしたり、本人が気になっているアーティストなんかを呼んでトークをしている。
人気の理由は落ち着いた声質と低い声であり、癒やしとも言われているようだ。
それにこの人はクラブでたまにDJなんかもしている。古い音楽から新しいモノまで流しているようで、望月旭が気に入っていると言っていた。
「良いなぁ。あのスタジオ俺も気になってたんだよ。冬だと虫なんかの心配も無さそうだし。」
「それは期待しているが、あまり時間は取れないな。」
「え?」
「日帰りにしている。明日の朝に出ていって夜には帰るんだ。」
「ゆっくりしていけば良いのに。というか……それで納得出来るのか?」
「曲自体は一曲だし、三分くらいの曲だ。何度リテイクしてもお釣りが来るんじゃ無いのか。」
「それでもさ……。」
「明日の夜は俺も仕事があるし、沙夜も会社に戻りたいと言っていた。」
「うーん……。わからないでも無いけど……。」
「そういうことにしておいた方が良いんだ。」
「え?」
本当は泊まりたかった。スタッフがいるのを考えても、その場から抜けて沙夜と二人になれれば良いと思っていたから。この間沙夜を抱いたばかりなのにまた沙夜が欲しいと思っている。
しかしそれが出来ないのには理由がある。
「まだ俺らはマスコミがつきまとっているだろう。」
「あぁ。一時期ほどじゃないけど。遥人はまだ表を歩けないと言っていたし。」
「スタッフは部長が信頼を置ける人に声をかけたと言っていた。だが……俺はあまり信用していない。」
「何で?」
「部長は、そもそも紫乃と繋がりがあったからな。」
「あ……。」
宮村雅也は嫌っている節があるが、紫乃とは懇意にしていたようだ。芹に紫乃を会わせようとしていたのだから。
「沙夜は上司だし言われたら従わないといけない。しかしそこで紫乃と繋がりがあると紫乃の上司は宮村になる。そうなると俺らは根掘り葉掘りプライベートを探られるのが目に見えている。特に……気づかれたくないこともあるし。」
一馬が慎重になるのはわかる。だがそこまでして沙夜と繋がりを持ちたいのだろうか。
「それに……泊まると言っても同じ屋根の下に居て、何も出来ない地獄には耐えられそうに無い。」
「そこまで沙夜さんって良いの?」
「依存症になったかもしれないと思うくらいだ。」
「依存症?」
念のために病院へ行ったこともある。だが本当に依存をしている人というのは、一人に縛られないらしい。一馬は興味の無い人には声もかけないことがある。それだけ不特定多数とセックスをしたいなどとは思わなければ、そんなに依存はしていないだろう。
「そっか……。その辺って俺、わかんないな。」
「……。」
純と一馬はそういう面では正反対の位置にいるのかもしれない。体の繋がりを大事にしたい一馬と、体の繋がりなど無くても良いと思っている純では理解し合えない。だがお互いに想う人がいるのは一緒だった。
「だったらツアーでさ……。」
ツアーで地方へ行くときがあるだろう。その時には二人で抜ければいい。そう思っていた。
その時だった。一馬の携帯電話に着信がある。その相手を見て一馬は自然と笑顔になった。沙夜からの連絡だったからだ。
「もしもし?あぁ。今純と一緒にスタジオへ行ってる。え……あ……。そうか……。だったら今夜詳しい話を聞く。うん……。十八時くらいで良いだろうか。」
その表情は少し曇って見えた。何かあったのだろうか。
ラジオの収録は、楽しいモノだった。ラジオのパーソナリティーは、一馬達とはずいぶん年上の男だったが、ずいぶんこちらの目線に合わせて話をしてくれている。そしてスタッフとして動いていた人は女性が一人と、若い男が一人。その女性が男の奥さんなのだという。ずいぶん歳の差があり、若い人だと思った。
それにしても音楽の知識は純や一馬も驚くほどで、おそらく誰よりも知っている世思った。DJをしているとそんなモノなのだろうか。
春にDJのイベントがある。望月旭が主催するモノだ。それにDJとして出演するので是非見に来て欲しいと言って男と別れた。
そして一馬は駅で純と別れる。沙夜との待ち合わせは「Music Factory」の最寄り駅。ベースを持って待っていると、一馬に声をかけようとする人も居るようだが全て無視して良いと言っていた。一馬は大体世の中ではそういうキャラクターなのだから。つまり「二藍」の中では取っ付きにくくて怖いというイメージであり、大事なのは家庭だけというキャラクターにしているのだ。
だが今日のラジオで少し見方も変わるかもしれない。割と喋りすぎたと思っていたから。話が合う人がいるとどうしてもそうなってしまう。
順大もそうだ。だからこの話もおそらく順大から申し出たのかもしれない。それが沙夜を不機嫌にさせるとわかっていても。
「待った?」
携帯電話のメッセージをチェックしていたとき、沙夜がやってきた。いつもの通りコートとマフラーをしている。
「そうでも無い。」
「向こうのお店は忙しいかしら。」
「大丈夫なようだ。今時期はそこまで忙しい時期でも無いし。」
「そう……。」
沙夜は不機嫌そうだった。それもそうだろう。まさかCMの制作会社が作った音楽のデモを聴いただけで、演奏をしている二人もCMに出て欲しいと言ってきたのだから。
正直、一馬は気乗りしないし沙夜は尚更だろう。「夜」としていきなり世に晒される沙夜にとっての地獄があっていいのだろうか。
「沙夜。CMの件はあとで話をしよう。今はうちの問題に関わってくれないか。担当として。」
その言葉に沙夜ははっとしたように一馬を見る。そうだった。今から向かうのは響子の居る洋菓子店。そしてそこのオーナーには現実を見てもらわないといけない。この状態で行けば、嫌味しか口に出さないだろう。そうなると向こうも意地になる。
「……そうだったわ。ごめんなさいね。なんか……ギスギスしていたわね。」
「向こうではコーヒーを淹れてくれるらしい。それを飲んで少し落ち着こう。うちの妻のコーヒーは美味しいから。」
「そうね。」
「それから……春のケーキの新作の意見も聞きたいと言っていた。」
「あら。それは私で良いのかしら。素人なんだけど。」
「その素人から見てどう思うかが重要なようだ。」
その会話を端から聞けば、一馬は奥さん想いで沙夜を連れて行っているようにしか聞こえない。だが二人とも緊張はしていた。響子の前に立って冷静で居られるのかわからなかったから。
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