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じゃがいものグラタン
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時間を追うごとにマスコミが増えているような気がする。そう思いながら沙夜は翔と共にエントランスから裏口の方へ抜けて行った。奏太はそのまま正面玄関から出て行く。奏太が「二藍」の担当だと知っている人はあまり居ないのだ。奏太はデスクワークが多かったのは、沙夜だけでは手が回らないからというわけでは無い。こういう時のために何があっても動けるようにしていたからなのだ。
中には奏太が「二藍」の担当だというのに気が付いているマスコミも居て話を聞こうとしている。だが奏太は本当に何も知らないのだ。
そう思いながら沙夜は翔と共に裏口に向かう。そちらに意識がいってもらえば良いのだ。
「お疲れ様です。」
裏口には警備員がいる。警備員の詰め所はここにあって夜は正面の玄関が閉まり、人の出入りはここからしか出来ない。もちろん機材の搬入口は他にあるが、ここを通さなければ鍵も開けられないのだ。
そして裏口から出ていくと、通りがありその横には駐車場がある。いつも使う社用車も西藤裕太の車もここに停まっているのだ。
「さすがにここまではマスコミが来ていないね。でも大通りに出れば違うかもしれない。」
「わざわざ裏から出てるのに大通りに出るわけが無いでしょう?細い路地を通れば行けるわ。」
近くには居酒屋やカフェバーなんかがある。ここら辺はビジネス街になり、仕事が終わった人達がここで食事をしたり酒を飲んだりするのだ。沙夜も部内の忘年会の時にはこういう店へ足を運んだし、翔も企業の付き合いなんかで呼ばれたことがある。
「あそこの居酒屋が美味しかったよ。」
「そうなの?」
「南の方が地場なのかな。卵焼きなんかに明太子が入っててさ。」
「屋台で食べたことがあるわね。」
あの時には何も考えずに「二藍」のメンツでふらりと屋台へいって、地元の人達と飲み合ったこともある。だが今はそれも難しいかもしれない。もう表を歩いていても「二藍」だとはわかってしまうのだから。
「年末に西川さんの所からお歳暮が来たよ。」
「あぁ。そうだったの。」
「芹が送ってたみたいでさ。」
「私も送ったわ。そしたら家にあちらで作っている海産物を加工した詰め合わせが来たわ。」
「うちもそうだったよ。」
いつもだったら鶏肉や卵なんかが来ていたのだが、おそらく沙夜が一人になったことで日持ちのするモノを送ってくれたのだろう。翔の所にもそういうモノが来たのは、それぞれが忙しいから。
「芹が家に居るときには鰺の開きを焼いたりして、お昼を食べているみたいだ。」
「家に居ることも多い?」
「前ほど引きこもりじゃ無くなったね。でも活発に動いているとは言えないな。」
「そう……。」
「あのさ……沙夜。」
今度一馬と一緒にレコーディングへ行くのだろう。地方の方へ行くと言っていた。その時には、一馬と泊まっていって欲しいと思う。いつも密室で会っているのだからその時くらいは、一緒に居て欲しいという優しさもあった。その反面、その時には響子と居れるかもしれないというやましい心もある。
「何?」
それを口にしようとしたその時だった。細い路地に後ろから車がやってきて、沙夜達の横を通り過ぎた。一方通行では無かっただろうか。車一台分くらいしか広さの無い道路に、大きな外車が通るというのは少し違和感を感じる。
「危ないな。」
そう言って翔は沙夜を通路側に寄せて、車が行くのを見送った。するとその車は少し前で停まる。
「ん?」
すると車の後部座席が開き、そこから出てきたのは仕立ての良いコートとクリーム色のマフラーを巻いた体の大きな男だった。決して太っているわけではなく、背が高くてがっちりした体つきで、肌の色が浅黒い。それにサングラスをしていて、強面に見え、少しヤクザのような雰囲気を持つ人に見える。
翔はぼんやりとその男を見ていたようだが、沙夜は翔の手を引いて言う。
「行きましょう。騒ぎを大きくしたくないから路地を通っているのに、こんな所で騒ぎを起こしたら元も子もないわ。」
「……あぁ。」
車を横切って沙夜達は行こうとしたとき、男が沙夜に声をかける。
「泉沙夜さんでしょう?」
「……。」
こんなヤクザみたいな人と知り合いはいないのだが。そう思いながら沙夜は足を止める。無視しようと思っていたのだが、名前まで呼ばれたら無視は出来ない。
「どちら様ですか。」
すると男はコートのポケットから名刺入れを取り出した。そしてそれを沙夜に差し出す。
「××出版の宮村といいます。」
その言葉に沙夜は一瞬手が止まった。名前だけは聞いたことがある。だがこんなにギラギラした、まるでヤクザのような男が宮村だというのだろうか。
「……××出版って……。あれ?」
翔が首をかしげる。「二藍」のメンツの仕事を全て知っているわけでは無い。だが自分が知る限り、そこの出版社とは仕事をしたことが無かったのだ。
「……仕事はしたことが無いですよね?どうして名前なんかを知っているんですか。」
「それはこちらで調べることは出来ますから。」
すると沙夜は名刺を手にすること無く、首を横に振る。
「自己紹介もしないうちから名前を当てられるのは気分が悪いですね。こちらの千草のように著名人ではないのですから、」
「それは失礼しました。しかし、あなたもまた有名人の一人ですよ。女性一人の手だけで、「二藍」を年末の大きな歌番組に出演させることが出来たのだし。」
「その番組に出演したことはそこまで大きな功績ですか。」
「えぇ。もちろん。」
嘘くさい言葉だ。だが沙夜は冷静だったのかもしれない。
「……宮村さん。本当にそう思われますか。本気であの番組に出ることがあの番組に出演出来たことが名誉だと?」
「少なくともこの国では。」
「だとしたら、私の功績ではありませんよ。「二藍」が手を抜いたような真似をしなかったからです。」
「……。」
おそらく沙夜にはその番組自体の批判をさせたかったのだろう。そこから隙を作るつもりだったのに、沙夜は下手にしか出なかった。宮村は心の中で舌打ちをしているはずだろう。
「話はそれだけですか。今日はここでうろうろすることは出来ませんし、先を急ぎますので失礼します。」
名刺すら受け取らなかった沙夜の態度に、宮村は舌打ちをする。
「マスコミをぞんざいに扱って生き残れると思いますか。」
「……いつぞんざいに扱いました?」
「「二藍」はいつでも塩対応だと。」
すると沙夜は首を振って言う。
「そうではありませんよ。ちゃんと手続きを踏んで話を聞きたい方にはそれなりに対応をします。しかし、「二藍」も人間ですからね。隠したいこと、話したくないことなんかはありますよ。そこを暴こうとするような非常識な人は相手をしなくても良いと伝えてあります。」
「そこを知りたいのがファン心理じゃ無いんですか。」
すると今度は翔が首を振って言う。
「だったら俺、引退しても良いですよ。」
「は?」
すると宮村が驚いたように翔を見る。
「プライベートしか興味が無くて、音楽を聴かない人が多いくらいだったら引退しても良いです。俺はそれくらいの音楽しか作れなかったって事ですしね。顔や若さではもう売れないですから。俺、三十は過ぎてますし。」
「そんなことは……。」
すると沙夜は翔を見上げて頷くと、宮村に無かって言う。。
「他の四人も同意見です。あまりつきまとったりしたら、こちらでも考えることがありますから。」
「それは泉さんに対してもそうですよ。」
翔はそう言うと、宮村は更に言葉を詰まらせた。沙夜は著名人では無い。なので話を聞くことは可能だと思っていたのだ。だがここで釘を刺されると思ってなかった。
「話が聞きたかったら上を通してください。うちの部長のことはご存じですよね。」
「あぁ……元「Glow」の……。」
尻が軽い男だと思ってた。なのにレコード会社に入って、結婚してからはその噂が無いつまらない男になったのだ。そういう記事を書こうとしたのに全く尻尾を掴むことが出来ない。
「そちらからお願いします。私に直接来られても答えれませんから。」
「そんなことを言わずに、泉さん。栗山さんのこととか知らないですか。」
ついに本音が出たか。それを聞きたいためにずっと張っていたのだろう。しかし沙夜は何も言わない。
「知らないです。知りたければ直接事務所に聞いてください。私はレコード会社の人間で、個人のプライベートは知りません。ではそういう事です。」
そういって二人は駅の方向へ向かう。その後ろ姿を見て、もう話は聞けない。そう思って宮村は車に乗り込んだ。だがその二人を見ながら、一番「二藍」の担当である沙夜の噂されていることに真実味が見える気がした。つまり五人とはいい仲であると言うこと。いい仲というのは、ただ単に仲が良いとかそう言うことでは無く、五人は穴兄弟だということ。五人いっぺんに相手をするかもしれない。AV女優が身内にいるのだ。それくらいはやりそうだと思う。まことしやかに囁かれていると聞いていた。
SNSの悪意があるユーザーにはそれくらい書いている人も居るが、他のユーザーからは真実味が無いといわれているようだ。そういうファンはSNS自体から姿を消すこともあるが、宮村はそれがあながち嘘だとは思わない。後ろ暗い所が無ければ堂々と表を歩くと思うから。
中には奏太が「二藍」の担当だというのに気が付いているマスコミも居て話を聞こうとしている。だが奏太は本当に何も知らないのだ。
そう思いながら沙夜は翔と共に裏口に向かう。そちらに意識がいってもらえば良いのだ。
「お疲れ様です。」
裏口には警備員がいる。警備員の詰め所はここにあって夜は正面の玄関が閉まり、人の出入りはここからしか出来ない。もちろん機材の搬入口は他にあるが、ここを通さなければ鍵も開けられないのだ。
そして裏口から出ていくと、通りがありその横には駐車場がある。いつも使う社用車も西藤裕太の車もここに停まっているのだ。
「さすがにここまではマスコミが来ていないね。でも大通りに出れば違うかもしれない。」
「わざわざ裏から出てるのに大通りに出るわけが無いでしょう?細い路地を通れば行けるわ。」
近くには居酒屋やカフェバーなんかがある。ここら辺はビジネス街になり、仕事が終わった人達がここで食事をしたり酒を飲んだりするのだ。沙夜も部内の忘年会の時にはこういう店へ足を運んだし、翔も企業の付き合いなんかで呼ばれたことがある。
「あそこの居酒屋が美味しかったよ。」
「そうなの?」
「南の方が地場なのかな。卵焼きなんかに明太子が入っててさ。」
「屋台で食べたことがあるわね。」
あの時には何も考えずに「二藍」のメンツでふらりと屋台へいって、地元の人達と飲み合ったこともある。だが今はそれも難しいかもしれない。もう表を歩いていても「二藍」だとはわかってしまうのだから。
「年末に西川さんの所からお歳暮が来たよ。」
「あぁ。そうだったの。」
「芹が送ってたみたいでさ。」
「私も送ったわ。そしたら家にあちらで作っている海産物を加工した詰め合わせが来たわ。」
「うちもそうだったよ。」
いつもだったら鶏肉や卵なんかが来ていたのだが、おそらく沙夜が一人になったことで日持ちのするモノを送ってくれたのだろう。翔の所にもそういうモノが来たのは、それぞれが忙しいから。
「芹が家に居るときには鰺の開きを焼いたりして、お昼を食べているみたいだ。」
「家に居ることも多い?」
「前ほど引きこもりじゃ無くなったね。でも活発に動いているとは言えないな。」
「そう……。」
「あのさ……沙夜。」
今度一馬と一緒にレコーディングへ行くのだろう。地方の方へ行くと言っていた。その時には、一馬と泊まっていって欲しいと思う。いつも密室で会っているのだからその時くらいは、一緒に居て欲しいという優しさもあった。その反面、その時には響子と居れるかもしれないというやましい心もある。
「何?」
それを口にしようとしたその時だった。細い路地に後ろから車がやってきて、沙夜達の横を通り過ぎた。一方通行では無かっただろうか。車一台分くらいしか広さの無い道路に、大きな外車が通るというのは少し違和感を感じる。
「危ないな。」
そう言って翔は沙夜を通路側に寄せて、車が行くのを見送った。するとその車は少し前で停まる。
「ん?」
すると車の後部座席が開き、そこから出てきたのは仕立ての良いコートとクリーム色のマフラーを巻いた体の大きな男だった。決して太っているわけではなく、背が高くてがっちりした体つきで、肌の色が浅黒い。それにサングラスをしていて、強面に見え、少しヤクザのような雰囲気を持つ人に見える。
翔はぼんやりとその男を見ていたようだが、沙夜は翔の手を引いて言う。
「行きましょう。騒ぎを大きくしたくないから路地を通っているのに、こんな所で騒ぎを起こしたら元も子もないわ。」
「……あぁ。」
車を横切って沙夜達は行こうとしたとき、男が沙夜に声をかける。
「泉沙夜さんでしょう?」
「……。」
こんなヤクザみたいな人と知り合いはいないのだが。そう思いながら沙夜は足を止める。無視しようと思っていたのだが、名前まで呼ばれたら無視は出来ない。
「どちら様ですか。」
すると男はコートのポケットから名刺入れを取り出した。そしてそれを沙夜に差し出す。
「××出版の宮村といいます。」
その言葉に沙夜は一瞬手が止まった。名前だけは聞いたことがある。だがこんなにギラギラした、まるでヤクザのような男が宮村だというのだろうか。
「……××出版って……。あれ?」
翔が首をかしげる。「二藍」のメンツの仕事を全て知っているわけでは無い。だが自分が知る限り、そこの出版社とは仕事をしたことが無かったのだ。
「……仕事はしたことが無いですよね?どうして名前なんかを知っているんですか。」
「それはこちらで調べることは出来ますから。」
すると沙夜は名刺を手にすること無く、首を横に振る。
「自己紹介もしないうちから名前を当てられるのは気分が悪いですね。こちらの千草のように著名人ではないのですから、」
「それは失礼しました。しかし、あなたもまた有名人の一人ですよ。女性一人の手だけで、「二藍」を年末の大きな歌番組に出演させることが出来たのだし。」
「その番組に出演したことはそこまで大きな功績ですか。」
「えぇ。もちろん。」
嘘くさい言葉だ。だが沙夜は冷静だったのかもしれない。
「……宮村さん。本当にそう思われますか。本気であの番組に出ることがあの番組に出演出来たことが名誉だと?」
「少なくともこの国では。」
「だとしたら、私の功績ではありませんよ。「二藍」が手を抜いたような真似をしなかったからです。」
「……。」
おそらく沙夜にはその番組自体の批判をさせたかったのだろう。そこから隙を作るつもりだったのに、沙夜は下手にしか出なかった。宮村は心の中で舌打ちをしているはずだろう。
「話はそれだけですか。今日はここでうろうろすることは出来ませんし、先を急ぎますので失礼します。」
名刺すら受け取らなかった沙夜の態度に、宮村は舌打ちをする。
「マスコミをぞんざいに扱って生き残れると思いますか。」
「……いつぞんざいに扱いました?」
「「二藍」はいつでも塩対応だと。」
すると沙夜は首を振って言う。
「そうではありませんよ。ちゃんと手続きを踏んで話を聞きたい方にはそれなりに対応をします。しかし、「二藍」も人間ですからね。隠したいこと、話したくないことなんかはありますよ。そこを暴こうとするような非常識な人は相手をしなくても良いと伝えてあります。」
「そこを知りたいのがファン心理じゃ無いんですか。」
すると今度は翔が首を振って言う。
「だったら俺、引退しても良いですよ。」
「は?」
すると宮村が驚いたように翔を見る。
「プライベートしか興味が無くて、音楽を聴かない人が多いくらいだったら引退しても良いです。俺はそれくらいの音楽しか作れなかったって事ですしね。顔や若さではもう売れないですから。俺、三十は過ぎてますし。」
「そんなことは……。」
すると沙夜は翔を見上げて頷くと、宮村に無かって言う。。
「他の四人も同意見です。あまりつきまとったりしたら、こちらでも考えることがありますから。」
「それは泉さんに対してもそうですよ。」
翔はそう言うと、宮村は更に言葉を詰まらせた。沙夜は著名人では無い。なので話を聞くことは可能だと思っていたのだ。だがここで釘を刺されると思ってなかった。
「話が聞きたかったら上を通してください。うちの部長のことはご存じですよね。」
「あぁ……元「Glow」の……。」
尻が軽い男だと思ってた。なのにレコード会社に入って、結婚してからはその噂が無いつまらない男になったのだ。そういう記事を書こうとしたのに全く尻尾を掴むことが出来ない。
「そちらからお願いします。私に直接来られても答えれませんから。」
「そんなことを言わずに、泉さん。栗山さんのこととか知らないですか。」
ついに本音が出たか。それを聞きたいためにずっと張っていたのだろう。しかし沙夜は何も言わない。
「知らないです。知りたければ直接事務所に聞いてください。私はレコード会社の人間で、個人のプライベートは知りません。ではそういう事です。」
そういって二人は駅の方向へ向かう。その後ろ姿を見て、もう話は聞けない。そう思って宮村は車に乗り込んだ。だがその二人を見ながら、一番「二藍」の担当である沙夜の噂されていることに真実味が見える気がした。つまり五人とはいい仲であると言うこと。いい仲というのは、ただ単に仲が良いとかそう言うことでは無く、五人は穴兄弟だということ。五人いっぺんに相手をするかもしれない。AV女優が身内にいるのだ。それくらいはやりそうだと思う。まことしやかに囁かれていると聞いていた。
SNSの悪意があるユーザーにはそれくらい書いている人も居るが、他のユーザーからは真実味が無いといわれているようだ。そういうファンはSNS自体から姿を消すこともあるが、宮村はそれがあながち嘘だとは思わない。後ろ暗い所が無ければ堂々と表を歩くと思うから。
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