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パニーニ
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イメージして作ったという曲を聴かせてもらうため、一馬は一度家に帰り食事をしたあと海斗と一緒に風呂に入り、スタジオへ向かう。家を出るとき、真二郎とオーナーがやってきていたようだ。オーナーの結婚式が近くて、その打ち合わせにここへ来ていたらしいが、手にはワインのボトルがあった。酒を飲みながら打ち合わせをするのかと思ったが、それも響子らしいと思っていた。
そしてスタジオのある駅にたどり着き、一馬は髪を下ろしてスタジオの方へ歩いて行く。サングラスをしていれば更にマフィア感があり、誰も声をかけない。今はそちらの方が都合が良いのだ。
途中のコンビニで水と炭酸水を買う。そしてスタジオへまた向かい、ドアの鍵を開けるとすでに沙夜が居るようだった。部屋に明かりが付いている。
だが音がしないし暖房の音もしない。オーディオにメモリースティックを入れれるタイプのモノだから、沙夜のことだからそれを繰り返しスピーカーから聞いていると思ったのだが、どうやら違うらしい。
「沙夜?」
すると沙夜はベッドに腰掛けてイヤホンをしている。そのイヤホンの先には携帯型の音楽プレーヤーがあり、その目は宙を見ているような感じがした。
つまり音を聞いているようで別のことを考えているような感覚がある。
こんな時にはそっとしておいた方が良いだろう。そう思って、一馬はテーブルに水と炭酸水を置くと、エアコンのスイッチを入れた。すると沙夜が我に返ったように一馬を見る。
「あ……いつ?」
「さっきだ。曲に集中していたな。どんな曲になったんだ。聴かせてくれないか。」
「えぇ。スピーカーから流すわ。」
その言葉に少し違和感を持った。オーディオの電源を入れ、その携帯型のプレーヤーを繋ぐ。そして再生させようとしたとき、しゃがみ込んでいた沙夜の背中を包み込むように一馬は沙夜を抱きしめる。
「どうした。何かあったんだろう?」
すると沙夜は口に出しかけたその言葉を押さえた。そして一馬の手に手を重ねる。
「翔に……ばれたわ。」
「翔に?」
「二藍」の中では確かに翔以外のメンツは知っていることだ。翔に黙っていたのは、翔と芹が近い距離に居るからであり、芹にばれるリスクがグンと高くなるからだ。
「反対していたのか?」
「いいえ。応援も出来ないといっていたけれど……。」
その辺は他のメンツと同じ考えらしい。応援は出来ないが、反対も出来ないのだ。だが翔の場合は、他にも事情がある。それは響子のことだ。だがさすがに一馬には響子と翔がただの知り合いだという関係以上の関係だとは言えない。
「翔にばれて良いんだったらもう少し早くしてくれていたほうが良かったかもな。」
「どうして?」
「コテージで我慢しなくても良かったから。」
その言葉に沙夜は少し笑う。だがすぐに真顔になった。
「翔があっさりと私たちの関係を認めたって言うのは理由があるの。」
「理由?」
「昔、翔は不倫をしていたことがあって。」
「……昔?大学生の時には恋人が居たと言っていたし、引きこもっていたときは……。」
「そんなに最近では無いの。中学生の頃だったと言っていたわ。」
「ちゅ……。」
明らかに若すぎるときだ。だが中学生くらいのと気が確かに周りが騒がしいときだったはずだ。女性の裸が気になるときくらいで、胸が発達していた女子なのに下着を着けていないと周りが騒いでいたりしていた。今だったら問題なのかもしれないが。
「高校生になるまでは団地に住んでいたみたいなんだけどね。その裏手にある古いアパートに住む女性が人妻だったって、美人局がやってきて初めて知ったみたいなのよ。」
「美人局……。」
K街では珍しい話では無い。だが中学生くらいの男の子を誘うというのはあまり聞く話では無いし、今の世の中であればおそらく未成年なので罪になるのは誘った女の方になる。
「良くある話なのかしら。」
「美人局に近づかせて、金をむしり取るのはヤクザのやり方だ。団地だと言っていたので、おそらくヤクザでも相当下っ端のヤツのことだろうな。」
「その通りみたい。怒鳴り込んできたヤクザに、お父さんが「不倫は罪にはならないが、未成年者を誘ったというのは罪になる」と言い放って追い出したみたいなのよ。でも翔はそのあとに相当両親から責められたみたいね。」
殴られたことは無いが、その時初めて父親は翔を叩いた。しかしその両親が良いところは、「やってしまったことは仕方無い。」と前向きだったことだろう。そして前々から家を建てていたこともあり暖地を離れ、家を引っ越した。それと同時にその不倫相手の人達とは関係が切れたように思えた。
しかし数年後。翔は大学生になったときだった。弟の慎吾が何者かに硫酸を顔面にかけられたと連絡があった。場所は実家の近く。
「硫酸?」
「酷い火傷を負ったけれど、処置が良かったらしくて顔にはほとんど影響が無かった。だけど、目に入ったのがいけなかったみたいね。」
「だから……。」
翔はライリーに目の医者のことを聞いていた。それはおそらく慎吾の目が治療出来れば良いと思っていたのだ。弟思いなのだと思っていたのだがそれは違う。
「慎吾さんに硫酸をかけたのは、翔が不倫をしていた相手。征子さんという人だった。征子さんは翔にずっと恨みを持っていたみたいなのよ。」
美人局の役割も出来ない女だと、ヤクザから殺されそうなくらい責められた。風俗でもう働きたくないからこんなことをしていたのに、また風俗で働かないといけないのかと絶望したのだという。
「逆恨みだな。それでその慎吾という男と間違えて薬品をかけたというのは、間抜けな話だ。自業自得というか……。」
「でも慎吾さんもまた征子さんにお世話になっていたのよ。」
すると一馬は驚いて沙夜を見る。
「……待て。翔が中学生くらいなら、慎吾というのは小学生くらいじゃないのか。」
「えぇ。それくらいに。」
参ったな。まだ精通もしているかどうかも怪しいくらいの時に、関係を迫った女と言うことなのだろうか。色ぼけと言われても仕方が無い。
「その征子という女性は塀の向こうか?」
もうとっくに出てきているが、二人には接近禁止が告げられている。おそらくもう会うことも無いだろう。
「慎吾さんもまた家に帰りたくないと言っていた理由がわかる。その玄関先で翔に間違えられて怪我を負ったのよ。しかもその頃から劇団に入っていて、次の公演では準主役級の役を与えられていたのに、それも全部駄目になったんだから。」
「……。」
「翔にも征子さんにも恨みしか無いでしょうね。そして翔はずっと目が治らないかと画策していた。でも全ての始まりは自分が不倫をしていたこと。それが始まりだったからずいぶん、翔は自分を責めて……。」
すると一馬はその体を抱きしめる手に力を入れた。そして耳元で沙夜に言う。
「俺らのしていることもそうだろう。不倫だ。間違いない。いくら綺麗事を言っても許されることじゃないし、周りにも迷惑をかけている。「二藍」のメンツには黙っておいて欲しいと言っているし、他にも誤魔化している。」
「……。」
「でも止められない気持ちがある。」
「一馬……。響子さんと別れる気があるの?」
すると一馬は首を横に振った。
「大事だ。家庭もお前も。」
「……卑怯ね。私も卑怯だけど……。」
芹に言えない。別れなど言えるわけがないのだ。
「俺はな。妻と一緒になったとき、妻はオーナーと付き合っていた。俺にはそれが妻を縛り付ける鎖に見えて、妻もずいぶん抵抗していた。」
「……。」
「しかし仕事のこと、周りの環境のこと、恋人のこと、全ての鎖を取り払ってあとは何が残るだろうと聞いたとき、俺は妻しか無かった。そして妻も俺を選んでくれていたんだ。でも……。」
「でも?」
「お前が居てくれた。どんな俺でも受け入れてくれるのが嬉しい。」
口では偉そうなことを言っている。人を説得するようなことを平気で口にすることが多い。それは虚勢で、本当はそんなに偉い人間では無いのだ。
「私がヒステリックになるところも、あなたは受け入れてくれているわ。」
「お互いか。」
すると沙夜は振り向く。そして一馬の首に手を回した。すると一馬も体勢をかがめる。ふっと唇が触れて、額を寄せた。
「とりあえずここまでにしましょう?」
「お預けをするのか。ここまで来ておいて。」
「曲をとりあえず聴かせたいの。何をしに来たのよ?」
沙夜の調子が出てきた。それが嬉しい。そう思いながら一馬は少し笑うと、沙夜の体から手を離す。
そしてスタジオのある駅にたどり着き、一馬は髪を下ろしてスタジオの方へ歩いて行く。サングラスをしていれば更にマフィア感があり、誰も声をかけない。今はそちらの方が都合が良いのだ。
途中のコンビニで水と炭酸水を買う。そしてスタジオへまた向かい、ドアの鍵を開けるとすでに沙夜が居るようだった。部屋に明かりが付いている。
だが音がしないし暖房の音もしない。オーディオにメモリースティックを入れれるタイプのモノだから、沙夜のことだからそれを繰り返しスピーカーから聞いていると思ったのだが、どうやら違うらしい。
「沙夜?」
すると沙夜はベッドに腰掛けてイヤホンをしている。そのイヤホンの先には携帯型の音楽プレーヤーがあり、その目は宙を見ているような感じがした。
つまり音を聞いているようで別のことを考えているような感覚がある。
こんな時にはそっとしておいた方が良いだろう。そう思って、一馬はテーブルに水と炭酸水を置くと、エアコンのスイッチを入れた。すると沙夜が我に返ったように一馬を見る。
「あ……いつ?」
「さっきだ。曲に集中していたな。どんな曲になったんだ。聴かせてくれないか。」
「えぇ。スピーカーから流すわ。」
その言葉に少し違和感を持った。オーディオの電源を入れ、その携帯型のプレーヤーを繋ぐ。そして再生させようとしたとき、しゃがみ込んでいた沙夜の背中を包み込むように一馬は沙夜を抱きしめる。
「どうした。何かあったんだろう?」
すると沙夜は口に出しかけたその言葉を押さえた。そして一馬の手に手を重ねる。
「翔に……ばれたわ。」
「翔に?」
「二藍」の中では確かに翔以外のメンツは知っていることだ。翔に黙っていたのは、翔と芹が近い距離に居るからであり、芹にばれるリスクがグンと高くなるからだ。
「反対していたのか?」
「いいえ。応援も出来ないといっていたけれど……。」
その辺は他のメンツと同じ考えらしい。応援は出来ないが、反対も出来ないのだ。だが翔の場合は、他にも事情がある。それは響子のことだ。だがさすがに一馬には響子と翔がただの知り合いだという関係以上の関係だとは言えない。
「翔にばれて良いんだったらもう少し早くしてくれていたほうが良かったかもな。」
「どうして?」
「コテージで我慢しなくても良かったから。」
その言葉に沙夜は少し笑う。だがすぐに真顔になった。
「翔があっさりと私たちの関係を認めたって言うのは理由があるの。」
「理由?」
「昔、翔は不倫をしていたことがあって。」
「……昔?大学生の時には恋人が居たと言っていたし、引きこもっていたときは……。」
「そんなに最近では無いの。中学生の頃だったと言っていたわ。」
「ちゅ……。」
明らかに若すぎるときだ。だが中学生くらいのと気が確かに周りが騒がしいときだったはずだ。女性の裸が気になるときくらいで、胸が発達していた女子なのに下着を着けていないと周りが騒いでいたりしていた。今だったら問題なのかもしれないが。
「高校生になるまでは団地に住んでいたみたいなんだけどね。その裏手にある古いアパートに住む女性が人妻だったって、美人局がやってきて初めて知ったみたいなのよ。」
「美人局……。」
K街では珍しい話では無い。だが中学生くらいの男の子を誘うというのはあまり聞く話では無いし、今の世の中であればおそらく未成年なので罪になるのは誘った女の方になる。
「良くある話なのかしら。」
「美人局に近づかせて、金をむしり取るのはヤクザのやり方だ。団地だと言っていたので、おそらくヤクザでも相当下っ端のヤツのことだろうな。」
「その通りみたい。怒鳴り込んできたヤクザに、お父さんが「不倫は罪にはならないが、未成年者を誘ったというのは罪になる」と言い放って追い出したみたいなのよ。でも翔はそのあとに相当両親から責められたみたいね。」
殴られたことは無いが、その時初めて父親は翔を叩いた。しかしその両親が良いところは、「やってしまったことは仕方無い。」と前向きだったことだろう。そして前々から家を建てていたこともあり暖地を離れ、家を引っ越した。それと同時にその不倫相手の人達とは関係が切れたように思えた。
しかし数年後。翔は大学生になったときだった。弟の慎吾が何者かに硫酸を顔面にかけられたと連絡があった。場所は実家の近く。
「硫酸?」
「酷い火傷を負ったけれど、処置が良かったらしくて顔にはほとんど影響が無かった。だけど、目に入ったのがいけなかったみたいね。」
「だから……。」
翔はライリーに目の医者のことを聞いていた。それはおそらく慎吾の目が治療出来れば良いと思っていたのだ。弟思いなのだと思っていたのだがそれは違う。
「慎吾さんに硫酸をかけたのは、翔が不倫をしていた相手。征子さんという人だった。征子さんは翔にずっと恨みを持っていたみたいなのよ。」
美人局の役割も出来ない女だと、ヤクザから殺されそうなくらい責められた。風俗でもう働きたくないからこんなことをしていたのに、また風俗で働かないといけないのかと絶望したのだという。
「逆恨みだな。それでその慎吾という男と間違えて薬品をかけたというのは、間抜けな話だ。自業自得というか……。」
「でも慎吾さんもまた征子さんにお世話になっていたのよ。」
すると一馬は驚いて沙夜を見る。
「……待て。翔が中学生くらいなら、慎吾というのは小学生くらいじゃないのか。」
「えぇ。それくらいに。」
参ったな。まだ精通もしているかどうかも怪しいくらいの時に、関係を迫った女と言うことなのだろうか。色ぼけと言われても仕方が無い。
「その征子という女性は塀の向こうか?」
もうとっくに出てきているが、二人には接近禁止が告げられている。おそらくもう会うことも無いだろう。
「慎吾さんもまた家に帰りたくないと言っていた理由がわかる。その玄関先で翔に間違えられて怪我を負ったのよ。しかもその頃から劇団に入っていて、次の公演では準主役級の役を与えられていたのに、それも全部駄目になったんだから。」
「……。」
「翔にも征子さんにも恨みしか無いでしょうね。そして翔はずっと目が治らないかと画策していた。でも全ての始まりは自分が不倫をしていたこと。それが始まりだったからずいぶん、翔は自分を責めて……。」
すると一馬はその体を抱きしめる手に力を入れた。そして耳元で沙夜に言う。
「俺らのしていることもそうだろう。不倫だ。間違いない。いくら綺麗事を言っても許されることじゃないし、周りにも迷惑をかけている。「二藍」のメンツには黙っておいて欲しいと言っているし、他にも誤魔化している。」
「……。」
「でも止められない気持ちがある。」
「一馬……。響子さんと別れる気があるの?」
すると一馬は首を横に振った。
「大事だ。家庭もお前も。」
「……卑怯ね。私も卑怯だけど……。」
芹に言えない。別れなど言えるわけがないのだ。
「俺はな。妻と一緒になったとき、妻はオーナーと付き合っていた。俺にはそれが妻を縛り付ける鎖に見えて、妻もずいぶん抵抗していた。」
「……。」
「しかし仕事のこと、周りの環境のこと、恋人のこと、全ての鎖を取り払ってあとは何が残るだろうと聞いたとき、俺は妻しか無かった。そして妻も俺を選んでくれていたんだ。でも……。」
「でも?」
「お前が居てくれた。どんな俺でも受け入れてくれるのが嬉しい。」
口では偉そうなことを言っている。人を説得するようなことを平気で口にすることが多い。それは虚勢で、本当はそんなに偉い人間では無いのだ。
「私がヒステリックになるところも、あなたは受け入れてくれているわ。」
「お互いか。」
すると沙夜は振り向く。そして一馬の首に手を回した。すると一馬も体勢をかがめる。ふっと唇が触れて、額を寄せた。
「とりあえずここまでにしましょう?」
「お預けをするのか。ここまで来ておいて。」
「曲をとりあえず聴かせたいの。何をしに来たのよ?」
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