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ドーナツ
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ぼんやりと沙夜が見ていたのは、おそらくショーに使われるであろうウェディングドレスだった。その隣にはタキシードがある。どちらもトルソーに着せられていて、とても綺麗だった。おそらく食事をするのに汚れないようにと脇に置いていたのだが、それに沙夜は目を奪われている。
フリルが付いた白いドレスは、今の時代にはあまり合っていない。今の主流はシンプルなモノを好む傾向があるからだ。だが沙夜はそのドレスに目を奪われている。それを見て翔が沙夜に声をかけた。
「どうしたの?ドレス。気になる?」
すると沙夜は首を横に振った。
「昔を思いだしたのよ。」
てっきり芹に結婚でも申し込まれて、そのドレスを見ているのかと思っていたら全く違う事だったらしい。
「昔?」
「小さい頃にね。キッズモデルをしていたの。沙菜と一緒に。」
当然、覚えているわけがない。一歳から小学校へ上がる前くらいかそこらの事なのだから。だがその写真を今でも自宅の玄関先に飾っているらしいのだ。それを見る度に沙菜は外して欲しいと言っているが、母親は頑なにこのときが一番可愛かったと言ってはずそうとしないらしい。沙夜にとってそういう事の一つ一つが、実家から足を遠ざけているとは母親も思っていないのだ。
「結婚式場のパンフレットで、授かり婚でもこういう式を挙げられますという感じの写真ね。」
「可愛いんじゃないの?」
「子供ってどんな子供でも可愛いと思うわ。可愛くない子供なんか居るかしら。特に親なら尚更。」
沙夜はずっとこうやって斜に構えていたのだ。
「沙夜自身がこういうウェディングドレスを着る日は来ないの?」
「来ないわね。」
身も蓋もない言い方だ。子供の頃のこういうウェディングドレスの撮影をずっと見ていたからだろう。だからウェディングドレスが綺麗だとか、着てみたいとか思わないのだ。だが翔は見てみたいと思う。きっと綺麗だと思うから。
「沙夜。」
ソフィアが声をかけてきて、沙夜はふと我に返ったようにそちらを見た。食事もせずにウェディングドレスを見ている沙夜が気になったのだろう。
「……。」
片言でわかる言葉で聞くと、どうやらそんなにウェディングドレスが気になるのであれば、着てみないかと言われているようだ。それは誤解をしていると沙夜は否定する。
「……。」
ウェディングドレスに見とれていただけで、着てみたいとは思わないと柔らかく断ったのだが、そういう言い回しは良くない。翔はそう思いながらその会話を聞いていた。こちらの人は着たくないなら着たくないとはっきり言わないと強引に進められる事もあるのだ。
「リー。」
案の定、ソフィアはリーに沙夜にウェディングドレスを着て欲しいと頼んでいる。それを沙夜も翔も止められない。
「やだ……。どうしよう。」
「こうなったら覚悟を決めて着たら良いよ。」
「人ごとだと思って。」
沙夜が抗議をすると、翔は少し笑いながら言う。
「俺も内心、沙夜がこういうモノを着たらどんな感じになるのかは気になるところだよ。それに……。」
出来るならその隣でタキシードを着るのは、翔であって欲しいと思う。すると擬似的にも結婚式をしているような感じになるだろうから。
その騒ぎを聞きつけたのはマイケルだった。食事を皿に取りながら、ソフィア達の話を聞く。
「沙夜に?」
マイケルもその話は良いと思っていた。沙夜がどれだけ変わるのか気になるからだ。そしてリーも近づいてくると、沙夜に言う。
「でもレコーディングは?」
リーは少し笑って言う。そのウェディングドレスを着た一時間ほどの時間が失われたとしても、あの一時間があったから良いモノは出来なかったなど言わせないらしい。むしろその一時間で曲が駄目になるくらいなら、所詮その程度の音楽だったのだと笑って言う。
すると翔が少し笑って言った。
「だったらさっさとランチを食べよう。食べすぎないくらいの方が良いのかな。」
するとソフィアは首を横に振った。ウェディングはどちらにしてもパーティーがあるのが前提なのだ。そのためにドレスは若干の余裕を持たせているらしい。それにドレスの下はコルセットなのだ。食べ過ぎなければ気持ち悪くなる事などはないらしい。そういうことは沙夜も知っている。
気が進まないが、ウェディングドレスは着ないといけないのだろう。こういう事でもなければ切る事もないだろうと、沙夜は食事があるテーブルへ向かおうとしたときだった。ソフィアが沙夜を呼び止める。
「……。」
それはお礼だった。本当は今日はモデルを呼ぶつもりだったのだが、モデルというのは手癖の悪い人も多い。有佐の事もあってあまり信用出来ないモデルは呼びたくなかったのだ。
そんなときに沙夜が着てくれるならとても助かるらしい。沙夜は東洋人にしては背が高く、すらっとした体型をしているのでちょうど良いと思ったのだろう。そこまで言われるなら沙夜も無碍に断れない。
「……。」
ただやはりソフィアは沙夜だけにウェディングドレスを着させるのではなく、隣に男性がいてくれると助かるのだという。ブライダルというのは女性だけでは無く、男性もまた主役なのだというのがソフィアの持論なのだから。
「ソフィア。」
側にいた翔が声をかける。するとソフィアは首を横に振った。翔は沙夜の隣に普段通りなら居て特に違和感はないが、ウェディングドレスというのは十センチはあるヒールを履くのだ。沙夜の身長に十センチのヒールがプラスされると、どうしても横の男は小柄に見えてしまう。翔が悪いのでは無い。シークレットブーツを持ってきていないので誤魔化しも出来ないし、翔が採用されないのはただの体格なので仕方がないのだ。
「そっか……。」
翔にしては勇気を振り絞ったと思う。なのにそれは玉砕されたのだ。
「ソフィア。」
リーが今度はマイケルを見て言う。しかしソフィアは首を横に振った。身長には問題がないが、マイケルは外国人にしては細すぎるのだ。持ってきたモノはこちらの国のサイズで合わせている。手足だけではなく肉付きもこちらの人とは違うのだ。
その時テーブルで食事をしている治と子供達、それに一馬がソフィアの目に止まった。
「ほら。悟。ジュースばかり飲むんじゃない。」
「だってさぁ、なんか辛いよ。これ。」
「ピザが辛いか?そうだな。チリソースがかかっているようだし、水分が欲しくなるか。だったら水にしておくか、チリソースがかかっていないピザを取ろうか?その食いかけは俺が食うから。」
「え?良いの?一馬。」
「良い。辛いものは嫌いじゃないし。」
「俺は苦手なんだよ。悪いな。」
「お前が子供か。」
微笑ましい家族と仲間の光景を微笑ましそうにスタッフも見ている。それをソフィアが見て、手を合わせた。
「ソフィア……。それは辞めた方が……。」
「そうだよ。一馬は人の旦那なんだし。」
しかしソフィアは根っからのデザイナーなのだ。思い詰めたら一直線で、通訳の為のマイケルを連れて一馬の所へ足を進める。
残されたのは沙夜と翔。そしてリーだけだった。
「良いの?沙夜。」
「……少しは気が楽になったのかもしれないわ。」
「え?」
「一馬だったらまだ良いかもしれない。」
芹に結婚したいと言われたのだ。本来ならこういう事は芹と一緒にする事かもしれない。だが芹に似たような人を思い浮かべれば、絶対思いだしてしまう。そう考えると一馬は適任だ。芹とは全く体型も背丈も違うのだから。
「考えてみれば、ブライダルのモデルというのも年齢的な制限があるわね。」
子供の時に、キッズモデルは使い捨てだと言われていた。だがこういうモデルだって使い捨てなのだろう。ブライダルのモデルは、若さが命でおそらく三十代、四十代になるにつれて仕事は激減するのだ。
「そうでもないよ。」
翔はそう言って、テーブルに置かれている本を手にした。それはカタログなのだろう。フルカラーの写真はウェディングフォトばかりだった。そのページをめくっていくと、そのページを沙夜に見せる。
「ほら。これ見てみなよ。」
そこには歳を取った男女が映っている。歳を取っても、結婚式を挙げられるという見本のようだった。
「若いうちではナイトウェディングドレスが着れないわけじゃないよ。歳を取ったって、結婚式を挙げられるという見本のように見える。」
そのカップルの向こうにはおそらく子供や孫なのだろう。役なのかもしれないが、みんな笑顔で映っていた。
「そうね……。」
結婚をするかもしれない。芹や沙夜の家庭の事情を知れば、結婚だけをするのであればそれは難しい事では無いのかもしれない。だがこうやって時期を見て歳を取るまで一緒に居たとき、自分たちの親ではなく子供や孫なんかに祝われる結婚式だって良いと思う。
そう思って少し前向きになったような気がした。しかしふと我に返る。
自分が結婚をする相手とは本当に芹で良いのだろうか。一馬とこんな関係になって、もし響子の耳に入れば離婚は避けられない。一つの家庭を壊す事になるのだ。そんな人が人並みに幸せになって良いのかとすら思えてくる。
「沙夜。」
ソフィアが戻ってきた。そして一馬の方を見ると、一馬も微妙な表情になっている。きっと一馬も複雑な気持ちを持っているのだろう。側に居る徹と悟だけは今から始まる事をお祭りのように受け取っていたようだった。
フリルが付いた白いドレスは、今の時代にはあまり合っていない。今の主流はシンプルなモノを好む傾向があるからだ。だが沙夜はそのドレスに目を奪われている。それを見て翔が沙夜に声をかけた。
「どうしたの?ドレス。気になる?」
すると沙夜は首を横に振った。
「昔を思いだしたのよ。」
てっきり芹に結婚でも申し込まれて、そのドレスを見ているのかと思っていたら全く違う事だったらしい。
「昔?」
「小さい頃にね。キッズモデルをしていたの。沙菜と一緒に。」
当然、覚えているわけがない。一歳から小学校へ上がる前くらいかそこらの事なのだから。だがその写真を今でも自宅の玄関先に飾っているらしいのだ。それを見る度に沙菜は外して欲しいと言っているが、母親は頑なにこのときが一番可愛かったと言ってはずそうとしないらしい。沙夜にとってそういう事の一つ一つが、実家から足を遠ざけているとは母親も思っていないのだ。
「結婚式場のパンフレットで、授かり婚でもこういう式を挙げられますという感じの写真ね。」
「可愛いんじゃないの?」
「子供ってどんな子供でも可愛いと思うわ。可愛くない子供なんか居るかしら。特に親なら尚更。」
沙夜はずっとこうやって斜に構えていたのだ。
「沙夜自身がこういうウェディングドレスを着る日は来ないの?」
「来ないわね。」
身も蓋もない言い方だ。子供の頃のこういうウェディングドレスの撮影をずっと見ていたからだろう。だからウェディングドレスが綺麗だとか、着てみたいとか思わないのだ。だが翔は見てみたいと思う。きっと綺麗だと思うから。
「沙夜。」
ソフィアが声をかけてきて、沙夜はふと我に返ったようにそちらを見た。食事もせずにウェディングドレスを見ている沙夜が気になったのだろう。
「……。」
片言でわかる言葉で聞くと、どうやらそんなにウェディングドレスが気になるのであれば、着てみないかと言われているようだ。それは誤解をしていると沙夜は否定する。
「……。」
ウェディングドレスに見とれていただけで、着てみたいとは思わないと柔らかく断ったのだが、そういう言い回しは良くない。翔はそう思いながらその会話を聞いていた。こちらの人は着たくないなら着たくないとはっきり言わないと強引に進められる事もあるのだ。
「リー。」
案の定、ソフィアはリーに沙夜にウェディングドレスを着て欲しいと頼んでいる。それを沙夜も翔も止められない。
「やだ……。どうしよう。」
「こうなったら覚悟を決めて着たら良いよ。」
「人ごとだと思って。」
沙夜が抗議をすると、翔は少し笑いながら言う。
「俺も内心、沙夜がこういうモノを着たらどんな感じになるのかは気になるところだよ。それに……。」
出来るならその隣でタキシードを着るのは、翔であって欲しいと思う。すると擬似的にも結婚式をしているような感じになるだろうから。
その騒ぎを聞きつけたのはマイケルだった。食事を皿に取りながら、ソフィア達の話を聞く。
「沙夜に?」
マイケルもその話は良いと思っていた。沙夜がどれだけ変わるのか気になるからだ。そしてリーも近づいてくると、沙夜に言う。
「でもレコーディングは?」
リーは少し笑って言う。そのウェディングドレスを着た一時間ほどの時間が失われたとしても、あの一時間があったから良いモノは出来なかったなど言わせないらしい。むしろその一時間で曲が駄目になるくらいなら、所詮その程度の音楽だったのだと笑って言う。
すると翔が少し笑って言った。
「だったらさっさとランチを食べよう。食べすぎないくらいの方が良いのかな。」
するとソフィアは首を横に振った。ウェディングはどちらにしてもパーティーがあるのが前提なのだ。そのためにドレスは若干の余裕を持たせているらしい。それにドレスの下はコルセットなのだ。食べ過ぎなければ気持ち悪くなる事などはないらしい。そういうことは沙夜も知っている。
気が進まないが、ウェディングドレスは着ないといけないのだろう。こういう事でもなければ切る事もないだろうと、沙夜は食事があるテーブルへ向かおうとしたときだった。ソフィアが沙夜を呼び止める。
「……。」
それはお礼だった。本当は今日はモデルを呼ぶつもりだったのだが、モデルというのは手癖の悪い人も多い。有佐の事もあってあまり信用出来ないモデルは呼びたくなかったのだ。
そんなときに沙夜が着てくれるならとても助かるらしい。沙夜は東洋人にしては背が高く、すらっとした体型をしているのでちょうど良いと思ったのだろう。そこまで言われるなら沙夜も無碍に断れない。
「……。」
ただやはりソフィアは沙夜だけにウェディングドレスを着させるのではなく、隣に男性がいてくれると助かるのだという。ブライダルというのは女性だけでは無く、男性もまた主役なのだというのがソフィアの持論なのだから。
「ソフィア。」
側にいた翔が声をかける。するとソフィアは首を横に振った。翔は沙夜の隣に普段通りなら居て特に違和感はないが、ウェディングドレスというのは十センチはあるヒールを履くのだ。沙夜の身長に十センチのヒールがプラスされると、どうしても横の男は小柄に見えてしまう。翔が悪いのでは無い。シークレットブーツを持ってきていないので誤魔化しも出来ないし、翔が採用されないのはただの体格なので仕方がないのだ。
「そっか……。」
翔にしては勇気を振り絞ったと思う。なのにそれは玉砕されたのだ。
「ソフィア。」
リーが今度はマイケルを見て言う。しかしソフィアは首を横に振った。身長には問題がないが、マイケルは外国人にしては細すぎるのだ。持ってきたモノはこちらの国のサイズで合わせている。手足だけではなく肉付きもこちらの人とは違うのだ。
その時テーブルで食事をしている治と子供達、それに一馬がソフィアの目に止まった。
「ほら。悟。ジュースばかり飲むんじゃない。」
「だってさぁ、なんか辛いよ。これ。」
「ピザが辛いか?そうだな。チリソースがかかっているようだし、水分が欲しくなるか。だったら水にしておくか、チリソースがかかっていないピザを取ろうか?その食いかけは俺が食うから。」
「え?良いの?一馬。」
「良い。辛いものは嫌いじゃないし。」
「俺は苦手なんだよ。悪いな。」
「お前が子供か。」
微笑ましい家族と仲間の光景を微笑ましそうにスタッフも見ている。それをソフィアが見て、手を合わせた。
「ソフィア……。それは辞めた方が……。」
「そうだよ。一馬は人の旦那なんだし。」
しかしソフィアは根っからのデザイナーなのだ。思い詰めたら一直線で、通訳の為のマイケルを連れて一馬の所へ足を進める。
残されたのは沙夜と翔。そしてリーだけだった。
「良いの?沙夜。」
「……少しは気が楽になったのかもしれないわ。」
「え?」
「一馬だったらまだ良いかもしれない。」
芹に結婚したいと言われたのだ。本来ならこういう事は芹と一緒にする事かもしれない。だが芹に似たような人を思い浮かべれば、絶対思いだしてしまう。そう考えると一馬は適任だ。芹とは全く体型も背丈も違うのだから。
「考えてみれば、ブライダルのモデルというのも年齢的な制限があるわね。」
子供の時に、キッズモデルは使い捨てだと言われていた。だがこういうモデルだって使い捨てなのだろう。ブライダルのモデルは、若さが命でおそらく三十代、四十代になるにつれて仕事は激減するのだ。
「そうでもないよ。」
翔はそう言って、テーブルに置かれている本を手にした。それはカタログなのだろう。フルカラーの写真はウェディングフォトばかりだった。そのページをめくっていくと、そのページを沙夜に見せる。
「ほら。これ見てみなよ。」
そこには歳を取った男女が映っている。歳を取っても、結婚式を挙げられるという見本のようだった。
「若いうちではナイトウェディングドレスが着れないわけじゃないよ。歳を取ったって、結婚式を挙げられるという見本のように見える。」
そのカップルの向こうにはおそらく子供や孫なのだろう。役なのかもしれないが、みんな笑顔で映っていた。
「そうね……。」
結婚をするかもしれない。芹や沙夜の家庭の事情を知れば、結婚だけをするのであればそれは難しい事では無いのかもしれない。だがこうやって時期を見て歳を取るまで一緒に居たとき、自分たちの親ではなく子供や孫なんかに祝われる結婚式だって良いと思う。
そう思って少し前向きになったような気がした。しかしふと我に返る。
自分が結婚をする相手とは本当に芹で良いのだろうか。一馬とこんな関係になって、もし響子の耳に入れば離婚は避けられない。一つの家庭を壊す事になるのだ。そんな人が人並みに幸せになって良いのかとすら思えてくる。
「沙夜。」
ソフィアが戻ってきた。そして一馬の方を見ると、一馬も微妙な表情になっている。きっと一馬も複雑な気持ちを持っているのだろう。側に居る徹と悟だけは今から始まる事をお祭りのように受け取っていたようだった。
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