触れられない距離

神崎

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キノコの和風パスタ

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 服を脱がせても綺麗な体をしている。沙夜の肌に情事の跡は無いのは、芹があまりそれを付けるのが好きでは無いからかもしれない。人それぞれだが、一馬はその跡を付けるのが好きで芹に抱かれる心配が無いと思えば無数に付けることもあるのだ。
 昼間にあの植物園を出たあと夕方には帰ってきて、一馬の奥さんと一緒に食事を作ったらしい。魚介類のマリネといつか作ってくれたビクトリアケーキは、沙夜なりのお詫びのつもりだったのだ。
 そう考えると、昼間から夕方まで時間は結構ある。当然、昼間のホテルへ行ったりしたはずだ。一馬ならそうしている。もっとも一馬は久しぶりに奥さんに今日会ったが、ホテルへ行ったりはしていなかった。息子も居るし、食事をして少し散歩をしたら次の仕事の時間になってしまったのだ。
 だから今日は一馬は奥さんを抱いていない。三人で手を繋いで歩いたくらいだ。それでもモヤモヤした感情がずっと占めていたのは、沙夜に感情的になってしまったから。
 だがもうそんなことを気にしなくても良い。抱きたい。手加減は出来そうに無かった。芹の痕跡を消したいと思うから。
「何じっと見てるの?」
「いや。ここのところずっとお預けだったからな。ん?お前胸が大きくなったか?」
「え……。」
 ベッドの上で一糸まとわぬ姿のまま座り込んでいる沙夜の胸に触れる。確かに前は手の中にすっぽり収まるくらいだったのに、今は少し余るようだ。それでもその先にある乳首の色は、こんなに続けてセックスをしているのに綺麗な色をしていた。
「成長期だな。」
「そんなわけ……あっ!」
 乳首に触れると感じるように声を漏らす。そして胸に揉みしだくと、頬が少し上気するようだった。
「下着が合わないだろう。買いに行くのか?」
「んっ……そうね……仕事帰りにでも……あっ!」
「俺好みのヤツにしてくれ。やらしいヤツがいい。黒とか。」
「やだ。」
 そういう下着を着た女が悩ましげなポーズを取って、写真に写っているモノなんかも見たことがある。仕事上AVの音楽を入れることもあるし、サンプルだといってソフトをもらったこともあるが、一馬は独身の時にそれを見て「寒そうだな」と思ったくらいだった。それくらい冷めていたのだ。
 だが今なら意味がわかる。沙夜が黒い下着を着けて、ガーターベルトなんかを身につけている所なんかを想像すると、それだけで立ってきそうだ。そしてそれを完全に脱がせないままセックスをするのも悪くない。
「プレゼントしようか。ここに来るときにはそれを付けて来い。」
「下着まで替えるの……面倒だわ。あっ……。」
 だがそんなことで一馬が喜んでくれるならそれで良い。そんなモノが似合うかどうかはわからないが、沙菜はよく似合っていると思う。似ているのだから自分も似合うのだろうか。いや。沙菜とは決定的に色気が違う気がする。沙夜はそう思い直して、一馬にいう。
「私がそんな格好をして、幻滅しないかしら。」
「そんなわけ無いだろう。」
 体勢を低くして、その乳首に口を付ける。音を立てて吸ったり、少し噛んだりするだけで簡単に乳首が立ってくるのだ。その間にも片方の胸には手で揉みしだく。溜まらず沙夜は声を上げて力なくベッドに横たわった。それでも一馬は容赦なくもう片方の胸にも舌をはわせた。わざと見えるように舌を伸ばして、乳首を舐める。こんなお互いの表情を普段見ない。
「んっ……あっ……。」
 そして舌を離すと、ぐっと両方の乳首をつまみ上げた。すると沙夜は益々声を上げる。
「あっ!摘ままないで!んっ!」
 これが沙夜が好きなのだ。それがわかっていて、ぐりぐりとこね回すと沙夜はついに甘い声を上げて体を震わせる。いつもよりも感じているのは、昼間に芹とセックスをして準備ができているからだろうか。そう思うと、また激しく責めたくなる。
 胸の内側に口昼を寄せて、そこを吸い上げた。わざと音を立てると、また頬が赤くなっていく。そして唇を離すとそこに赤い跡が残った。
「沢山付けたい。今日、芹さんとしたんだったらしばらくしないだろう?」
「一馬……あ……ちょっと!」
 肝心なところを避けて、触れていないところは無いのでは無いかと言うくらい体をなで上げてくる。さすがに足を舐められそうになったときには、少し抵抗しそうになったがそれはそれでゾクゾクする。
 まだ触れられていないのに、性器がぬるっとしているのが沙夜自身でもわかった。
「んっ……ふっ……あっ……。」
 声を上げてくる。これだけで限界なように沙夜は体を震わせていた。
 そして一馬は沙夜の足を持ち上げると、沙夜に自分の足を持たせる。そしてその腰に枕を入れた。すると腰が浮いて性器も尻の穴も全部が晒される。
「ちょっと……。」
「芹さんはゴムを使ったのか?」
「何……あっ……。」
 たまに子供を作ろうかと冗談交じりのようなことを言うと聞いている。もし子供でも出来たら嫌でも沙夜は結婚という道を選ぶだろう。そうさせたいのであれば、直接この中に入れ込んで出してしまえば良いのだ。
 だが沙夜はピルを飲んでいるのだろう。それを芹は知らない可能性がある。どちらにしてもここに入れ込まれたのかもしれない。そう思うと、いつもよりも敏感に反応している沙夜の体に嫉妬しそうになった。
「凄い綺麗な色だな。それにだらだら蜜が溢れてきている。やらしいヤツだ。」
「や……。」
 顔を近づけられると吐息がかかる。それだけでも感じそうだ。なのにそこを生温かい感触がした。舐め上げられたのだ。
「きゃ……。あぁっ!」
 指で堅いところを責め上げられ、舌が性器を舐め上げていく。そしてその範囲がドンドン広くなる感覚があった。
「え……あっ!駄目!あっ!」
 クリトリスの皮を剥き、そこに舌で刺激を与えられたのだ。一気に絶頂に達するほどの刺激がある。しつこくそこを舐め上げられると、まだ挿入もされていないのに息が絶え絶えになった。
 そして一馬はそこから口を離すと、自分の性器を刷り当てた。沙夜の反応だけで自分も反応してしまい、早く中に入りたいと期待させるように汁が出ている。
 だが入れて欲しいと言わせたい。芹にはそう言ったのだろうか。そう思うと、もっと沙夜に言わせたい。
 すると一馬は性器を沙夜の性器に刷り当てる。するとこれはこれで気持ちよかった。互いの蜜が潤滑油になり、卑猥な音が響く。
「あっ……あっ!駄目……一馬……。」
「俺は気持ちいい、でもお前は駄目なのか?」
「違うの……んっ……あっ!そのまま入りそうで……。」
 まだ理性がある。そう思って性器をクリトリスの方へ逃していく。すると性器にもごりっとした感触がした。それもまた気持ちいい。
「あっ!あっ!」
 うずうずする。もっと欲しいと思った。だが一馬のそれにはいつも付いているモノが無い。だが一馬もまた頬を染めている。早く入れ込みたいといっているようだった。お互いがお互いを求めている。そこに壁など必要なのだろうか。
「入れ……。」
「ん?」
「入れて……。一馬のチ○ポ入れて。」
 すると沙夜は恥ずかしそうに横を向いた。すると一馬は沙夜の頬を掴むと、正面を向かせる。そして舌を絡ませ、口内を舐め上げる。その間にも胸に触れると、沙夜の吐息が更に漏れた。
「んっ……。」
 十分濡れていてほぐしたつもりだった。だがそれでも狭い。昼間にしているなら、もっと余裕があると思っていたのに。まるで初めてのようにその仲は狭かった。こんなことを思うのは失礼かもしれないが、芹はそこまで大きくないのだろうか。
「あっ……。あ……。」
 奥まで入れ込んで、一馬は沙夜が押さえている太ももの手を避けた。すると沙夜はその腕を伸ばし一馬の体に手を伸ばす。
「もしかして……昼間にしていないのか?」
「……してないって言いかけたわ。ずっと……。」
 顔を赤くして、沙夜は怒ったような口調でそう言った。本当に感情の起伏が激しい女だと思う。
「そうか……。俺も昼に妻とはしていない。お前と最後にしてからしてない。」
「……私もよ。手は繋いだけれど……。」
「手なら俺も繋いだ。」
 すると一馬は体を起こすと、沙夜の両手を握る。そしてお互いが笑い合った。
「ずっと誤解をしていたな。」
「えぇ……。」
「だったら思いっきり抱いて良いだろう?」
 すると沙夜は少し笑って言う。
「あなたの好きにして。あなたが好きだから、任せる。」
「どんな言葉よりも嬉しい言葉だ。沙夜。愛してる。」
 そう言って一馬はゆっくりと腰を動かした。するといつもだったら薄い膜越しでしかわからなかった沙夜の中が、はっきりわかる。ゴリゴリという感触がして、奥を付く度に声を漏らした。
「あっ!あっ!」
 沙夜の中がぐっと押され、それを抜くと汁が溢れてバスタオルやシーツを濡らしながら絶頂に達する。そして落ち着くと一馬はまた沙夜の中に入れ込み、部屋の中は水の音と肉の音が響いていた。
 何度も沙夜の中で果て、沙夜の意識が飛びそうになったとき、沙夜の性器から白いモノが流れた。それを指ですくい、一馬は沙夜の口元に持ってくる。すると沙夜は舌を伸ばしてそれを舐め上げた。それだけでまた沙夜がまた欲しくなる。自分のモノにしたくなる欲がドンドンと膨らむようだった。
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