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焼きプリン
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身内になんだかんだあっても、開店の時間はやってくる。やってきた女性客に笑顔を振りまいて、立て板に水のようにケーキの説明、期間限定のドリンクの説明をしているオーナーはまさにプロフェッショナルだと思った。
そしてカウンターでコーヒーをいつものように淹れている一馬の奥さんも普段通りに見える。きっと心の中では嵐が吹き荒れているのだろうが、それを感じさせないのだ。コーヒーを淹れているときは無心になれるらしい。きっとコーヒーを飲む人もそうなように、淹れる人も感情のリセットをしているのだろう。
「結局ケーキを買われたのですね。」
沙夜はそう言うと、沢村は少し笑って言う。
「楓をたまにはもてなさないといけないが、このケーキが気に入ってまた買ってきて欲しいと言われるのは苦痛だな。」
「サービスしてくれると思いますよ。」
一馬もベースを背負ったままだ。三人で駅へ向かっている。一馬はきっとこのまま店に留まりたいと思ったのかもしれないが、次の仕事が待っているのだ。そこまでゆっくりも出来なかった。
「花岡さんは、今日はまっすぐ帰った方が良い。」
「そうします。というか……いつもそうしているつもりだったんですけどね。」
オーナーに言われたことが心の響いた。奥さんに対して過保護にしていたのかもしれないと。
「あのオーナーの言うこともわからないでも無い。いつまで経っても過去に起きたことにずっと囚われているのは時間の無駄ではあると思うが、それは被害者になったことが無い輩の言い分だ。」
弁護士をしている沢村だからわかる。昔は大きな事件ばかり受けていたが、今は小さな案件もあまり断ることは無い。
「強くならないといけないというのはわかりますけど、限度というモノはありますよね。」
「確かにそうだ。沙夜さんは我慢強い方だが、自分を責めてしまうくらい追い詰められたこともある。自傷するほど追い詰められているのに、それは強くないからだというのは間違いだ。差し伸べる手があるのだったらそれに捕まればいい。人間はそんなに無慈悲では無いのだから。」
一馬は頷くと、ベースを背負い直した。だが自分がその手になれているのだろうか。奥さんのためになっているのだろうか。オーナーがあぁいう人で、真二郎もいるのだ。そしてそれに習って子供すら奥さんを元気づけようとしている。ほとんど自分がいない中、奥さんは強くなっていくのだろうか。
「沙夜さんもそういう人がいるなら、遠慮無く捕まってみてもいい。もちろん花岡さんもな。」
「一馬は強く見えるけれど。」
沙夜はそう言うと、沢村は少し笑って言う。
「そういう人の方が、危ういんだ。特にあなたのような人生を悟りきったような言い方をするような人は、強くあろうと気を張っているところがある。自分だって助けを求めたいところもあるのに、強がってそうしようとせずに弱い人を助けようとしているんだろう。」
「……。」
一馬はそういわれ、沙夜の方を一瞬見た。その通りだと思う。沙夜にその弱いところを見せているから、沙夜から離れられないのだ。不倫と言われても仕方が無いし、それでも離れられなかった。
「沙夜は、「二藍」の中では母親のような存在ですよ。」
「一番年下だけど。」
沙夜はそう言うと、一馬は首を横に振った。
「歳なんかは関係ない。メンバーの誰もが、沙夜を頼っている。音楽的にも、精神的にも。」
すると沢村は少し笑って言う。
「そこまで沙夜さんは強くない人のように見えるがな。」
「強くは無いです。でも視点を変えることが出来る人です。何より、真っ直ぐに言ってくれるのは頼りになります。その分怒りの沸点が低いようだが。」
「何。私がいつも怒っているみたいに。」
「そういう所だ。沙夜さんは怒りでストレスを発散しているな。」
「怒りって……。」
そう言われて沙夜は黙ってしまった。確かにそうかも知れない。口が悪くて、何度も相手を怒らせたこともある。はっきり言ってしまう癖は、直した方が良いのかもしれない。
「沙夜さんは半休だったか。これから会社へ?」
「その前に少し寄りたいところがありまして。」
「花岡さんは?」
「仕事です。スタジオへ行きます。」
「なるほど。路線は別か。」
駅に着いて路線図を見ている。そして改札口をくぐると、沢村はK街の方へ行ってしまった。そして一馬と沙夜は顔を見合わせると、同じ路線へ向かうホームへ向かう。こんな時に不謹慎だと言われるかもしれないが、そうしたかった。
一馬のスタジオに着くと、二人は荷物を降ろす間もなく抱きしめ合った。お互いの寂しさを埋めるために。
一馬と別れ、沙夜は会社へ昼からの出勤をした。西藤裕太にはあらかたのことを話している。事情はわかってくれていたし、何より沙夜の労働時間数は少しまずいこともあって、半休はしてもらった方が良い。むしろ、休みにしてもらえないだろうかと思っていた。だが休みは別にあるし、無理に取ることは無い。そう思いながら、オフィスに足を踏み入れたときだった。
「あら、ずいぶんゆっくりな出勤なのね。」
女性の声だった。沙夜は思わす自分のことを言われたと思って、そちらを振り向く。そこにはワインレッドのワンピースと、緩やかなウェーブのかかった髪を下ろした女性がいた。スカートが短く下着が見えそうだと思うし、体にぴったりとしたモノは嫌でも大きな胸を強調しているように見えた。
「どちら様でしょうか。」
こんな感じの人はこのオフィスにはいない。というかアーティストよりも派手な容姿をするような人はいないのだ。
「こういうモノだけど。」
そう言われて女性は名刺を取り出した。その名前を見て、会社の人間であるがどうやら外国にある本社の人間らしい。外国のレコード会社にはこういう人が多く、沙夜のようにスーツを着ている人というのはあまり居ないのだ。夏になればTシャツにジーパンという人もいる。クリエイティブな仕事だからそんなモノなのだろう。
「水川有佐さん……。」
英語表記の下にはこちらの国の文字が書いている。だが名前に聞き覚えは無かった。そして有佐をまた見る。出版社に勤める石森愛に似たタイプの人だと思ったが、それよりも気が強そうに見えた。バリバリ仕事が出来そうだと思う。ついでに背も高いので、沙夜は見上げているような感じだ。女性にしては沙夜も大きな方だと思うが、更に大きい女性だと思った。
「スミス夫妻から話を聞いていないかしら。」
「あ……はい。コーディネーターの夫婦が外国で担当をしてくれると聞いていたんですけど、奥様の都合が悪くなったので代わりの担当を紹介しますと。」
「それがあたし。」
「あぁ……そうだったんですか。それはよろしくお願いします。」
沙夜は頭を下げると、有佐は少し笑って言う。
「半休にしていたと西藤から聞いていたけれど、都合が悪かったのかしら。もう一人の担当というのもいなかったし。」
振り向くと、奏太の姿は無かった。担当しているバンドのレコーディングが近いのだ。その練習に付き合っているのだろう。
「えぇ。少し用事があって。」
詳しいことは言いたくなかった。まだどんな人間なのかわからないからだ。
「あのね。泉さん。あまり濁すようなことは辞めて欲しいの。あっちの人ははっきりした物言いが好きなところがあるから、何でも言って欲しいわ。」
そうは言われても一馬の都合も治の都合もプライベートに寄りすぎている。勝手に言えないところがあるのだ。
「都合によりますね。まだ出会って数分くらいの方に、こちらの都合はいいたくありません。あなたはそういう事情をべらべらと話しますか。」
そう言われて有佐はカチンとしたように沙夜に言う。
「あのねぇ。泉さん。向こうのプロデューサーに話を通したのはあたし。紹介もしなければ、「二藍」だってこの小さな国で盛り上がっているバンドの一つだったはずなのに。」
「そこまで恩義を売るようであれば、紹介などされなくても結構です。」
「は?」
「音で勝負をしていますから。「二藍」は。」
「実力があっても売れないバンドなんかいくつあると思ってるの。それを取り上げてあげたというのに、生意気な担当ね。」
「そう思うなら結構です。」
コーディネーターは一人でも十分だ。「二藍」はそこまで勝手なことはしないだろうし、もうあらかたのことは決まっているのだから。
その時西藤裕太がやってきた。そして二人が言い合いをしているのを見て、顔を引きつらせる。そして裕太の姿に気が付いた有佐が、裕太に詰め寄って行く。
「ちょっと。西藤。何なの?この生意気な担当は。」
「水川さん。押さえて。押さえて。」
すると沙夜の方を見て口を尖らせる。
「全く……せっかく花岡が入っているバンドだからいい音をしていると思ったのに、こんな担当だとは思ってなかったわ。」
一馬とは面識があったのか。そう思って沙夜はちらっと有佐の方を見ながらで透くへ向かう。そしてパソコンの電源を入れた。面倒なことになりそうだ。そう思いながら、また有佐の方へ足を踏み出す。会社がそう決めているなら仕方が無いと思ったのだろう。
そしてカウンターでコーヒーをいつものように淹れている一馬の奥さんも普段通りに見える。きっと心の中では嵐が吹き荒れているのだろうが、それを感じさせないのだ。コーヒーを淹れているときは無心になれるらしい。きっとコーヒーを飲む人もそうなように、淹れる人も感情のリセットをしているのだろう。
「結局ケーキを買われたのですね。」
沙夜はそう言うと、沢村は少し笑って言う。
「楓をたまにはもてなさないといけないが、このケーキが気に入ってまた買ってきて欲しいと言われるのは苦痛だな。」
「サービスしてくれると思いますよ。」
一馬もベースを背負ったままだ。三人で駅へ向かっている。一馬はきっとこのまま店に留まりたいと思ったのかもしれないが、次の仕事が待っているのだ。そこまでゆっくりも出来なかった。
「花岡さんは、今日はまっすぐ帰った方が良い。」
「そうします。というか……いつもそうしているつもりだったんですけどね。」
オーナーに言われたことが心の響いた。奥さんに対して過保護にしていたのかもしれないと。
「あのオーナーの言うこともわからないでも無い。いつまで経っても過去に起きたことにずっと囚われているのは時間の無駄ではあると思うが、それは被害者になったことが無い輩の言い分だ。」
弁護士をしている沢村だからわかる。昔は大きな事件ばかり受けていたが、今は小さな案件もあまり断ることは無い。
「強くならないといけないというのはわかりますけど、限度というモノはありますよね。」
「確かにそうだ。沙夜さんは我慢強い方だが、自分を責めてしまうくらい追い詰められたこともある。自傷するほど追い詰められているのに、それは強くないからだというのは間違いだ。差し伸べる手があるのだったらそれに捕まればいい。人間はそんなに無慈悲では無いのだから。」
一馬は頷くと、ベースを背負い直した。だが自分がその手になれているのだろうか。奥さんのためになっているのだろうか。オーナーがあぁいう人で、真二郎もいるのだ。そしてそれに習って子供すら奥さんを元気づけようとしている。ほとんど自分がいない中、奥さんは強くなっていくのだろうか。
「沙夜さんもそういう人がいるなら、遠慮無く捕まってみてもいい。もちろん花岡さんもな。」
「一馬は強く見えるけれど。」
沙夜はそう言うと、沢村は少し笑って言う。
「そういう人の方が、危ういんだ。特にあなたのような人生を悟りきったような言い方をするような人は、強くあろうと気を張っているところがある。自分だって助けを求めたいところもあるのに、強がってそうしようとせずに弱い人を助けようとしているんだろう。」
「……。」
一馬はそういわれ、沙夜の方を一瞬見た。その通りだと思う。沙夜にその弱いところを見せているから、沙夜から離れられないのだ。不倫と言われても仕方が無いし、それでも離れられなかった。
「沙夜は、「二藍」の中では母親のような存在ですよ。」
「一番年下だけど。」
沙夜はそう言うと、一馬は首を横に振った。
「歳なんかは関係ない。メンバーの誰もが、沙夜を頼っている。音楽的にも、精神的にも。」
すると沢村は少し笑って言う。
「そこまで沙夜さんは強くない人のように見えるがな。」
「強くは無いです。でも視点を変えることが出来る人です。何より、真っ直ぐに言ってくれるのは頼りになります。その分怒りの沸点が低いようだが。」
「何。私がいつも怒っているみたいに。」
「そういう所だ。沙夜さんは怒りでストレスを発散しているな。」
「怒りって……。」
そう言われて沙夜は黙ってしまった。確かにそうかも知れない。口が悪くて、何度も相手を怒らせたこともある。はっきり言ってしまう癖は、直した方が良いのかもしれない。
「沙夜さんは半休だったか。これから会社へ?」
「その前に少し寄りたいところがありまして。」
「花岡さんは?」
「仕事です。スタジオへ行きます。」
「なるほど。路線は別か。」
駅に着いて路線図を見ている。そして改札口をくぐると、沢村はK街の方へ行ってしまった。そして一馬と沙夜は顔を見合わせると、同じ路線へ向かうホームへ向かう。こんな時に不謹慎だと言われるかもしれないが、そうしたかった。
一馬のスタジオに着くと、二人は荷物を降ろす間もなく抱きしめ合った。お互いの寂しさを埋めるために。
一馬と別れ、沙夜は会社へ昼からの出勤をした。西藤裕太にはあらかたのことを話している。事情はわかってくれていたし、何より沙夜の労働時間数は少しまずいこともあって、半休はしてもらった方が良い。むしろ、休みにしてもらえないだろうかと思っていた。だが休みは別にあるし、無理に取ることは無い。そう思いながら、オフィスに足を踏み入れたときだった。
「あら、ずいぶんゆっくりな出勤なのね。」
女性の声だった。沙夜は思わす自分のことを言われたと思って、そちらを振り向く。そこにはワインレッドのワンピースと、緩やかなウェーブのかかった髪を下ろした女性がいた。スカートが短く下着が見えそうだと思うし、体にぴったりとしたモノは嫌でも大きな胸を強調しているように見えた。
「どちら様でしょうか。」
こんな感じの人はこのオフィスにはいない。というかアーティストよりも派手な容姿をするような人はいないのだ。
「こういうモノだけど。」
そう言われて女性は名刺を取り出した。その名前を見て、会社の人間であるがどうやら外国にある本社の人間らしい。外国のレコード会社にはこういう人が多く、沙夜のようにスーツを着ている人というのはあまり居ないのだ。夏になればTシャツにジーパンという人もいる。クリエイティブな仕事だからそんなモノなのだろう。
「水川有佐さん……。」
英語表記の下にはこちらの国の文字が書いている。だが名前に聞き覚えは無かった。そして有佐をまた見る。出版社に勤める石森愛に似たタイプの人だと思ったが、それよりも気が強そうに見えた。バリバリ仕事が出来そうだと思う。ついでに背も高いので、沙夜は見上げているような感じだ。女性にしては沙夜も大きな方だと思うが、更に大きい女性だと思った。
「スミス夫妻から話を聞いていないかしら。」
「あ……はい。コーディネーターの夫婦が外国で担当をしてくれると聞いていたんですけど、奥様の都合が悪くなったので代わりの担当を紹介しますと。」
「それがあたし。」
「あぁ……そうだったんですか。それはよろしくお願いします。」
沙夜は頭を下げると、有佐は少し笑って言う。
「半休にしていたと西藤から聞いていたけれど、都合が悪かったのかしら。もう一人の担当というのもいなかったし。」
振り向くと、奏太の姿は無かった。担当しているバンドのレコーディングが近いのだ。その練習に付き合っているのだろう。
「えぇ。少し用事があって。」
詳しいことは言いたくなかった。まだどんな人間なのかわからないからだ。
「あのね。泉さん。あまり濁すようなことは辞めて欲しいの。あっちの人ははっきりした物言いが好きなところがあるから、何でも言って欲しいわ。」
そうは言われても一馬の都合も治の都合もプライベートに寄りすぎている。勝手に言えないところがあるのだ。
「都合によりますね。まだ出会って数分くらいの方に、こちらの都合はいいたくありません。あなたはそういう事情をべらべらと話しますか。」
そう言われて有佐はカチンとしたように沙夜に言う。
「あのねぇ。泉さん。向こうのプロデューサーに話を通したのはあたし。紹介もしなければ、「二藍」だってこの小さな国で盛り上がっているバンドの一つだったはずなのに。」
「そこまで恩義を売るようであれば、紹介などされなくても結構です。」
「は?」
「音で勝負をしていますから。「二藍」は。」
「実力があっても売れないバンドなんかいくつあると思ってるの。それを取り上げてあげたというのに、生意気な担当ね。」
「そう思うなら結構です。」
コーディネーターは一人でも十分だ。「二藍」はそこまで勝手なことはしないだろうし、もうあらかたのことは決まっているのだから。
その時西藤裕太がやってきた。そして二人が言い合いをしているのを見て、顔を引きつらせる。そして裕太の姿に気が付いた有佐が、裕太に詰め寄って行く。
「ちょっと。西藤。何なの?この生意気な担当は。」
「水川さん。押さえて。押さえて。」
すると沙夜の方を見て口を尖らせる。
「全く……せっかく花岡が入っているバンドだからいい音をしていると思ったのに、こんな担当だとは思ってなかったわ。」
一馬とは面識があったのか。そう思って沙夜はちらっと有佐の方を見ながらで透くへ向かう。そしてパソコンの電源を入れた。面倒なことになりそうだ。そう思いながら、また有佐の方へ足を踏み出す。会社がそう決めているなら仕方が無いと思ったのだろう。
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