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スイートポテト
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シーツをなるべく汚さないようにと持ってきたバスタオルももう大分湿っている。それくらい沙夜は感じていたのだ。初めてセックスをした男が勘違いするのもわかる。何度入れ込んでも緩むことの無い沙夜の中もドロドロに濡れていて、打ち込む度に甘い声を上げているから。
いつか一馬の奥さんと奥さんが勤める洋菓子店のオーナーが付き合っていたとき、奥さんが少しマゾヒストな部分があると、セックスの時に両腕を縛ったことがあるらしい。実際に聞いたわけでは無いし、それを見たわけでは無い。だがその翌日に奥さんの両腕に縛られたような跡があった。それを見てこんな趣味があり、変態なのだと思って怒りが沸いてきたことがある。きっと痛かっただろうとか苦痛だっただろうと思った。奥さんはきっと拉致をされたときにそういう目に遭っていたのだから、それを掘り起こすような真似をするオーナーがエゴイストに感じる。
自分さえ良ければ良いのか。自分無しでは居られない体にしたかったのかとか、そういう感覚にさえなった。
だが沙夜がこんなに感じているのを見ると、その気持ちがわかる。自分だけのモノにしたいし、離れられないようにしたい。だから他の人に転ばないようにそうする感情は出てくるのだ。
「あっ!あっ!」
入れ込んでいる性器を抜くと、自分の下で喘いでいる沙夜の太ももに手を添える。そして思いっきり足をアルファベットのMの字のように開かせた。物欲しそうに沙夜の性器や尻の穴まで見えるように腰を浮かせると、その中に人差し指と中指を入れた。生温かい感触と、その指すら締め上げてくる圧を感じながらその中をかき混ぜるように入れ込む。するとぐちゃぐちゃと音を立てて汁が溢れだした。
「んっあ!あっ!ああああ!」
指を入れ込んでいるその隙間から勢いよく汁が溢れ、腕が濡れた。その汁が一馬の腕や体にまでかかり、一馬は満足そうに笑いながらその指を抜いてその汁を少し舐める。
「や……そんな舐めたりしないで。」
息を切らせながら沙夜はそう言うと、一馬はその汁を沙夜の口元へ持ってきた。
「舐めろ。」
「それはちょっと……。」
ポタッと沙夜の頬にかかり、それをさせるように一馬は強引に口元へ持ってくる。すると沙夜はおずおずとそれに舌をはわせた。
「お前のモノだ。ほら。綺麗にして。」
けなげにそれをしてくる沙夜に、ゾクゾクする。そして手を避けるとそのまま体を沈ませてキスをした。物欲しそうな目で沙夜は見ていて、それが更に高ぶるようだ。
「舌を出して。」
舌を絡ませてキスをすると、また自分のモノが立ってくるように感じる。早くまた入れ込みたいと言っているようだった。
沙夜の足をまた広げると、そこが物欲しそうにひくついている。
「ここがまだ欲しそうだな。ほら。全部見えている。」
「や……。」
「聞こえるか?ほら。この音。」
指を動かしていて水の音がする。そして不意にその上のクリトリスにも指をはわせた。
「あっ!あっ!」
そこもまたゴリゴリという感触と共に快感が襲ってくる。その快感に逆らえない。そして一馬はまた自分の性器を支えると、沙夜の中に入れ込んでいく。狭い中を進み、そしてその奥をまた突いていく。
「凄いな。この体勢。」
射精しそうな感覚を押さえながら、一馬は息を切らせて沙夜に言う。
「あっ。な……なんっ。」
もう言葉になっていないように、沙夜は一馬の方を見る。すると一馬は少し笑って言う。
「ここからだと……お前の中に入ってるの……見えるから。」
「や……そんな……。」
「絞めるな。ほら。んっ……あっ。駄目だ……。んっ……。」
切なそうな顔になる。その瞬間の顔が好きだった。その顔を見て沙夜も自分の回下院に身を委ねた。
息を切らして、一馬は入れ込んだまま沙夜の体に覆い被さる。そしてそのまま頬にキスをした。
「意識はあるか?」
「うん……。」
目を閉じているから意識が無いのかと思っていた。お互い相当感じてしまったのだ。今夜だけでも何度セックスをしたのかは、コンドームの数を見ればわかる。数は少ないと思っていたが、ついに空になってしまった。K街のアダルトショップには立ち寄る暇は無く、かといって気軽にドラッグストアやコンビニなんかでは手に入らない少し特殊なモノだったから。
コンドームが無くなる日はきっとこない。先延ばしにしたとは言っても沙夜にはまだ芹が居る。そして一馬には家庭があるのだ。
「一馬……私ね。」
「うん?」
沙夜の中から出ていった一馬はコンドームを取ると、ティッシュでくるんだ。そして沙夜にもティッシュを手渡す。自分だけでは無く、沙夜もまたお互いの体液で濡れているのだ。あとでシャワーをもう一度浴びておこうと思う。
「……ピルをもらいに行くわ。」
その言葉に一馬は首を横に振る。奥さんがそういったモノを使っているのがわかってから、奥さんに不信感を覚えたのだ。
「行くな。」
「どうして……。」
沙夜にとってはこんなに短いスパンで、しかも一度セックスをし始めたら何度も求め合ってしまうのだ。コンドームは避妊効果はあるのかもしれないが、絶対出来るモノでは無いとわかっている。だからピルを飲んで期間を図れば、確実に妊娠は出来ないと思っていたのだから。今、妊娠してしまったら困るのは沙夜だけでは無い。会社にも、そして芹にも顔向けが出来なかった。芹との子供か一馬の子供かわからないのだから。
「俺と同じ気持ちを芹さんにもさせるつもりか。」
その言葉に沙夜は言葉に詰まらせた。一馬の奥さんは一馬に黙ってピルを飲んでいたのだ。それは子供が欲しかった一馬にとっての裏切りにも思えたが、沙夜の言葉でそれが誤解であることはわかったのだ。
だがそれで奥さんとの間に僅かな隙間が産まれたと思う。沙夜と芹もそんな関係になって欲しくなかった。
「でも……コンドームって絶対避妊出来るモノでは無いのよ。」
もし妊娠をしたら堕ろして欲しいとでも思っているのだろうか。それくらい簡単に考えているのだったら、一馬の人間としての質が問われるようだ。
「あぁ……。そして簡単に妊娠が出来ないというのもわかっているんだ。」
思えば、子供が欲しいと基礎体温を付けたり、タイミングを計ってセックスをしたり、それでもなかなか出来なかったのだ。
「そんなのわからないわ。今……私が妊娠をするわけにはいかないし……それに……。」
すると一馬は沙夜を引き寄せるとその体を抱きしめた。沙夜の悪い所が出ていると思ったから。
「沙夜。悪い方に捉えるな。」
「一馬は軽く考えすぎよ。」
胸の中でそう言うと、一馬はその頭を撫でる。
「多分、子供は出来ない。」
「そんなこと……。」
ぎゅっと抱きしめると、一馬はずっと思っていたことを言った。それは奥さんと結婚するときにはもう子供が欲しいと思っていたから調べたことだった。
奥さんは昔、事件の被害者だった。代わる代わるセックスされ、体中に傷を負った。それでも妊娠をすることは無かったのだ。だから奥さんは自分が子供が出来にくいのでは無いか。煙草で妬かれた乳首では母乳が出るかどうかもわからないと、不安を抱えていたのだが、それはその結婚後に調べた結果何の問題も無かった。
そして一馬もそれに準じて調べて貰ったのだ。奥さんに何の問題も無くても、自分に問題が無いわけでは無いと思っていたから。それに一度セックスをすると辞められないのは、自分が依存症では無いかとも思ったから。
結果は一馬の精子は極端に少ないことがわかった。
「え……。」
「無精子症というわけでは無さそうなんだが、自然と出来る可能性は他の人に比べると低い。」
子供が出来たのは奇跡だったのかもしれない。人工授精もしないで産まれてきたのだから。
「……だからって本当に出来ないわけでは無いでしょう。実績があるんだから。」
「実績って……。」
すると一馬は少し笑い、そして沙夜の額にキスをする。
「これ以上続けていくんだったら、そうした方が良いと思うの。」
「わかった。良く医師と相談しろ。それから、芹さんにはわからないようにした方が良い。俺と同じ気持ちにはさせたくないから。」
「わかったわ。ありがとう。」
沙夜の気が少し晴れたような気がした。この関係を続ける。そう決めたのだから、リスクは負わないといけない。絶対手に入らないこの人を、この時間だけでも自分のモノにしたかったから。
いつか一馬の奥さんと奥さんが勤める洋菓子店のオーナーが付き合っていたとき、奥さんが少しマゾヒストな部分があると、セックスの時に両腕を縛ったことがあるらしい。実際に聞いたわけでは無いし、それを見たわけでは無い。だがその翌日に奥さんの両腕に縛られたような跡があった。それを見てこんな趣味があり、変態なのだと思って怒りが沸いてきたことがある。きっと痛かっただろうとか苦痛だっただろうと思った。奥さんはきっと拉致をされたときにそういう目に遭っていたのだから、それを掘り起こすような真似をするオーナーがエゴイストに感じる。
自分さえ良ければ良いのか。自分無しでは居られない体にしたかったのかとか、そういう感覚にさえなった。
だが沙夜がこんなに感じているのを見ると、その気持ちがわかる。自分だけのモノにしたいし、離れられないようにしたい。だから他の人に転ばないようにそうする感情は出てくるのだ。
「あっ!あっ!」
入れ込んでいる性器を抜くと、自分の下で喘いでいる沙夜の太ももに手を添える。そして思いっきり足をアルファベットのMの字のように開かせた。物欲しそうに沙夜の性器や尻の穴まで見えるように腰を浮かせると、その中に人差し指と中指を入れた。生温かい感触と、その指すら締め上げてくる圧を感じながらその中をかき混ぜるように入れ込む。するとぐちゃぐちゃと音を立てて汁が溢れだした。
「んっあ!あっ!ああああ!」
指を入れ込んでいるその隙間から勢いよく汁が溢れ、腕が濡れた。その汁が一馬の腕や体にまでかかり、一馬は満足そうに笑いながらその指を抜いてその汁を少し舐める。
「や……そんな舐めたりしないで。」
息を切らせながら沙夜はそう言うと、一馬はその汁を沙夜の口元へ持ってきた。
「舐めろ。」
「それはちょっと……。」
ポタッと沙夜の頬にかかり、それをさせるように一馬は強引に口元へ持ってくる。すると沙夜はおずおずとそれに舌をはわせた。
「お前のモノだ。ほら。綺麗にして。」
けなげにそれをしてくる沙夜に、ゾクゾクする。そして手を避けるとそのまま体を沈ませてキスをした。物欲しそうな目で沙夜は見ていて、それが更に高ぶるようだ。
「舌を出して。」
舌を絡ませてキスをすると、また自分のモノが立ってくるように感じる。早くまた入れ込みたいと言っているようだった。
沙夜の足をまた広げると、そこが物欲しそうにひくついている。
「ここがまだ欲しそうだな。ほら。全部見えている。」
「や……。」
「聞こえるか?ほら。この音。」
指を動かしていて水の音がする。そして不意にその上のクリトリスにも指をはわせた。
「あっ!あっ!」
そこもまたゴリゴリという感触と共に快感が襲ってくる。その快感に逆らえない。そして一馬はまた自分の性器を支えると、沙夜の中に入れ込んでいく。狭い中を進み、そしてその奥をまた突いていく。
「凄いな。この体勢。」
射精しそうな感覚を押さえながら、一馬は息を切らせて沙夜に言う。
「あっ。な……なんっ。」
もう言葉になっていないように、沙夜は一馬の方を見る。すると一馬は少し笑って言う。
「ここからだと……お前の中に入ってるの……見えるから。」
「や……そんな……。」
「絞めるな。ほら。んっ……あっ。駄目だ……。んっ……。」
切なそうな顔になる。その瞬間の顔が好きだった。その顔を見て沙夜も自分の回下院に身を委ねた。
息を切らして、一馬は入れ込んだまま沙夜の体に覆い被さる。そしてそのまま頬にキスをした。
「意識はあるか?」
「うん……。」
目を閉じているから意識が無いのかと思っていた。お互い相当感じてしまったのだ。今夜だけでも何度セックスをしたのかは、コンドームの数を見ればわかる。数は少ないと思っていたが、ついに空になってしまった。K街のアダルトショップには立ち寄る暇は無く、かといって気軽にドラッグストアやコンビニなんかでは手に入らない少し特殊なモノだったから。
コンドームが無くなる日はきっとこない。先延ばしにしたとは言っても沙夜にはまだ芹が居る。そして一馬には家庭があるのだ。
「一馬……私ね。」
「うん?」
沙夜の中から出ていった一馬はコンドームを取ると、ティッシュでくるんだ。そして沙夜にもティッシュを手渡す。自分だけでは無く、沙夜もまたお互いの体液で濡れているのだ。あとでシャワーをもう一度浴びておこうと思う。
「……ピルをもらいに行くわ。」
その言葉に一馬は首を横に振る。奥さんがそういったモノを使っているのがわかってから、奥さんに不信感を覚えたのだ。
「行くな。」
「どうして……。」
沙夜にとってはこんなに短いスパンで、しかも一度セックスをし始めたら何度も求め合ってしまうのだ。コンドームは避妊効果はあるのかもしれないが、絶対出来るモノでは無いとわかっている。だからピルを飲んで期間を図れば、確実に妊娠は出来ないと思っていたのだから。今、妊娠してしまったら困るのは沙夜だけでは無い。会社にも、そして芹にも顔向けが出来なかった。芹との子供か一馬の子供かわからないのだから。
「俺と同じ気持ちを芹さんにもさせるつもりか。」
その言葉に沙夜は言葉に詰まらせた。一馬の奥さんは一馬に黙ってピルを飲んでいたのだ。それは子供が欲しかった一馬にとっての裏切りにも思えたが、沙夜の言葉でそれが誤解であることはわかったのだ。
だがそれで奥さんとの間に僅かな隙間が産まれたと思う。沙夜と芹もそんな関係になって欲しくなかった。
「でも……コンドームって絶対避妊出来るモノでは無いのよ。」
もし妊娠をしたら堕ろして欲しいとでも思っているのだろうか。それくらい簡単に考えているのだったら、一馬の人間としての質が問われるようだ。
「あぁ……。そして簡単に妊娠が出来ないというのもわかっているんだ。」
思えば、子供が欲しいと基礎体温を付けたり、タイミングを計ってセックスをしたり、それでもなかなか出来なかったのだ。
「そんなのわからないわ。今……私が妊娠をするわけにはいかないし……それに……。」
すると一馬は沙夜を引き寄せるとその体を抱きしめた。沙夜の悪い所が出ていると思ったから。
「沙夜。悪い方に捉えるな。」
「一馬は軽く考えすぎよ。」
胸の中でそう言うと、一馬はその頭を撫でる。
「多分、子供は出来ない。」
「そんなこと……。」
ぎゅっと抱きしめると、一馬はずっと思っていたことを言った。それは奥さんと結婚するときにはもう子供が欲しいと思っていたから調べたことだった。
奥さんは昔、事件の被害者だった。代わる代わるセックスされ、体中に傷を負った。それでも妊娠をすることは無かったのだ。だから奥さんは自分が子供が出来にくいのでは無いか。煙草で妬かれた乳首では母乳が出るかどうかもわからないと、不安を抱えていたのだが、それはその結婚後に調べた結果何の問題も無かった。
そして一馬もそれに準じて調べて貰ったのだ。奥さんに何の問題も無くても、自分に問題が無いわけでは無いと思っていたから。それに一度セックスをすると辞められないのは、自分が依存症では無いかとも思ったから。
結果は一馬の精子は極端に少ないことがわかった。
「え……。」
「無精子症というわけでは無さそうなんだが、自然と出来る可能性は他の人に比べると低い。」
子供が出来たのは奇跡だったのかもしれない。人工授精もしないで産まれてきたのだから。
「……だからって本当に出来ないわけでは無いでしょう。実績があるんだから。」
「実績って……。」
すると一馬は少し笑い、そして沙夜の額にキスをする。
「これ以上続けていくんだったら、そうした方が良いと思うの。」
「わかった。良く医師と相談しろ。それから、芹さんにはわからないようにした方が良い。俺と同じ気持ちにはさせたくないから。」
「わかったわ。ありがとう。」
沙夜の気が少し晴れたような気がした。この関係を続ける。そう決めたのだから、リスクは負わないといけない。絶対手に入らないこの人を、この時間だけでも自分のモノにしたかったから。
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