触れられない距離

神崎

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鮭のホイル焼き

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 まるで手を洗ったようにポタポタと汁がこぼれてくる。そして沙夜も何度も絶頂に達しながらも、一馬の性器に手を這わせていた。自分でする何杯もの快感が襲ってきて、思わず射精しそうになる。だがこんな所で射精するわけにはいかない。
 お互いの体液の音が響き、卑猥な音と甘い声が室内に響く。
 きっとラブホテルだったとき、こういう事を幾人もしてきたのだろう。だがここまで反応してくれると、男冥利に付く。
「ここか?」
 一馬が触れたところ。少しざらっとした感触がある。そこに触れる度に沙夜は高く喘いだ。そこをいじっていると体を震わせて簡単に絶頂に達する。もう何度絶頂に達しただろう。なのに意識は途切れない。割とタフなところがあるのだ。
「一馬……は気持ちいいの?」
 沙夜は息を切らせてそう聞くと、一馬は少し頷いた。
「あぁ……。」
「舐めたいんだけど。」
「何を?」
「また言わせるの?」
 すると沙夜は手の力を少し入れた。すると一馬は少し笑って沙夜の頬を撫でる。
「好きか?舐めるのが。」
「……好きと言われたら微妙なんだけど……・。」
 どこかで肉だろうと思うところがあった。沙菜のソフトで、何人もの男の性器を舐めているのを見たことがある。それに沙菜は美味しいと言っていたが沙夜にはその意味が良くわからない。それよりも重要なことがある。
「舐められるのは嫌いじゃ無いが……。」
 自分のために尽くしてくれる感じは好きだと思う。だが沙夜にさせると主導権を握られそうだった。思ったよりも上手いのだから。
「私ばかり気持ちよくてもフェアじゃ無いから。」
「だからフェ○をするのか。」
「そんな上手いことを言うわけじゃないのよ。」
 そう言って沙夜は少し笑う。そして一馬の体に手を這わせた。固い筋肉が手に伝わってきて、男の体だと思う。
「ん……。」
 一馬の口からも吐息が漏れた。そして沙夜はその胸の先に唇を這わせる。すると一馬の表情が少し変わった。
「お前の気持ちがわかるな。」
「気持ちいいの?」
「くすぐったい感じもあるが、ゾクゾクする。」
 すると沙夜はそこを指で触れ、自分の跡があるように一馬にも付けたいと思った。だが一馬は奥さんとセックスをしなくても、子供と風呂に入ることだってあるし、仕事で「二藍」のメンバーの中で衣装に着替えることもあるだろう。そう思うと安易に付けられない。大体、あまり脂肪が無い体だ。その跡も付きにくいかも知れない。
 そして待ちかねたように下腹部に移動する。そしてそこを咥えた。
 沙夜の口はとても気持ちが良い。沙菜に教えて貰ったのか、慣れていないようなのに知識の上でそれをしている。たまに吸い付いたり、気持ちが良いところも把握しているように思えた。口の奥までは入らないが、それでも気持ちいいと思える。唾液と一馬の分泌物で徐々にドロドロになっていき、それがまた快感を呼ぶようだった。
「んっ……はぁ……。」
 これも芹にしてやっているのかと思うと腹が立ちそうだ。かいがいしく舐めてくれているその表情も、普段では考えられないほど隠微に見えた。
 だがこのままでは主導権を握られてしまう。一馬はそう思い、沙夜が再びそれを咥えようとしたのを止める。
「沙夜。」
 すると沙夜は不思議そうに一馬の方を見る。
「気持ちよくなかったかしら。私……知識では教えて貰っていたんだけど、実際にはあまりしたことが無くて。」
 芹はあまりしないようだ。それもそうだろう。沙夜は相当良い反応をするのだから、沙夜のその顔を見たいと思うだろう。だが沙夜はフェアでは無いという。きっと同等でありたいと思っているのだ。
「気持ちいい。その……沙菜さんに?」
「えぇ。こう……ディルドなんかを持ってきてね、こうする、あぁするって……。」
「それは凄いな。だが、沙夜。体を起こせ。」
 すると沙夜は不思議そうに体を起こす。すると一馬も体を起こして膝を折って沙夜の前に性器を晒す。そして沙夜を見下ろした。
 そして沙夜の後ろ頭を支えると、その口元に持ってくる。すると沙夜は抵抗なくそれを銜え込んだ。だが顔を動かせない。一馬の手がそれを止めているからだ。
 そして一馬はそのまま沙夜の口に入れたまま腰を動かし始める。
「んっ……気持ちいいな。沙夜。こっちを見ろ。」
 上目遣いで一馬を見る。すると一馬の長い髪が踊るように動いていた。
 その目が更にゾクゾクさせる。
「んっ……。いい顔をしてる。嫌らしい顔だ。」
 腰を動かされ、まるで口の中でセックスをしているように思える。顎を唾液や汁が伝い、沙夜の体に落ちていく。
「あ……。駄目だ。」
 口の奥まで入れ込んだあと一馬は自らその性器を抜いて首を横に振る。その様子に咳き込みながら、沙夜は不安そうに聞いた。
「けほっ……。何か悪かったかしら。」
 すると一馬は、首を横に振る。
「イキそうだった。お前の口でイクのはもったいないし。」
「……そうなの?」
「歳かな。そこまで回数は出来ないようになった。どうせイクんだったら、お前の中で果てたいし。」
 すると沙夜は少し笑う。一馬らしいと思ったからだ。そして一馬はそのまましゃがみ込むと、沙夜の口をティッシュで少し拭い、そのまままたキスをする。そして胸にまた触れると、そのまままた下腹部に指を這わせた。
「さっきより濡れてる。俺のを咥えながら自分も濡れていたのか?」
 すると沙夜の顔がカッと赤くなる。そして一馬を見上げるが、すぐにまた俯いた。
「どうした。」
「……あの……体がうずうずしていて。」
「うん……それで?」
「それでって……。」
「先程まで何をしていたのかわかるだろう。だったら自分で言え。自分で広げて見せてから。」
 その言葉に沙夜の頬が更に赤くなる。やはりサディストなのだ。
「本当にサディストね。」
「だとしたらお前はマゾヒストだな。恥ずかしがっている割には、嬉しそうだ。」
「……え……。」
「言え。ほら……。ここに何をして欲しいんだ?」
 そう言って足を広げると、性器に指を這わせた。
「……オ○ンコに入れて。」
「何を?」
「堅い……チ○ポを。一馬のガチガチの堅いチ○ポを入れて。」
「生で?」
「それは駄目。」
 すぐにそれを拒否をしたと言うことは、その辺は冷静なのだ。そう思って一馬はベッドサイドに置いておいたコンドームの箱を手にする。そしてその中から一つ袋を取り出す。
「沙夜、自分で広げろ。何処に入れて欲しいのか、教えてくれないか。間違って違う穴に入れてしまうと嫌だろう?」
「違うって……。」
 苦笑いをする沙夜に一馬は少し笑った。
「冗談だ。さすがにその趣味は無い。けど広げろ。」
 足を広げて、性器を晒す。それだけで相当恥ずかしい。すると追い打ちをかけるように一馬はコンドームを付け終わるとふと笑う。
「良い眺めだ。」
「や……。」
「何だ。辞めて欲しいのか?」
「違う。あの……入れて欲しいの。一馬のチ○ポ。奥まで入れて。」
 恥ずかしそうに言う沙夜にゾクゾクする。一馬は沙夜の体を横にすると、そこに性器をあてがう。そしてそのまま腰を沈めた。
「んっ……。」
 酷い圧迫感だが、入っていくのがわかる。最初は違和感があった。だが奥まで進むと、それも無くなっていく。壁をこすりながら進んでいき、やっと奥までたどり着いたとき、沙夜の目から涙が流れる。
「沙夜?」
 そう言って一馬はその涙を拭う。すると沙夜は顔を赤くさせながら、一馬の方を向いて言う。
「セックスをしているときは嘘なのよ。」
「うん?」
「だから今は嘘なの。……一馬……。好き。一つになってとても幸せだから。」
 すると一馬は思わず沙夜の体を抱きしめた。そして沙夜の唇にキスをする。
「俺も好きだ。愛してる。」
 ずっと言えなかった言葉だった。この状態で言うのは嘘かも知れない。お互いに想う人がいて、その人達を裏切っているとわかっている。しかし今はお互いしか見ていない。
 体を一馬は離すと、沙夜を見つめて言う。
「目を見てもう一度言え。」
 一瞬戸惑ったような顔をした。だがすぐに一馬の目を見て沙夜は顔を赤くすると、それを口にする。
「好き。」
「俺も好きだから。ずっと……こうしたかった。」
「私だけじゃ無かったのね。」
「時間を見て来て欲しい。待っているから。」
「うん。抱いて欲しい。」
 素直になってくれる沙夜に、一馬はまた軽くキスをする。そしてゆっくりと腰を動かし始めた。すると沙夜の体が震え、奥に入れ込む度に悲鳴のような声が上がる。苦しいのかと思った。だが相変わらず沙夜の足は開いていて、一馬を受け入れようとしている。
「ここか?ここが良いところなんだな。お前の良い所が、抱く度にわかる……んっ……そんなに絞めるな。」
 入れ込む度に愛液が溢れる。互いの肌がはじける音と水の音。そして吐息と声が部屋に響く。
 沙夜をうつ伏せにしてそのまままた入れ込み、膝に載せて入れ込み、どんな体勢にしても飽きることも無く沙夜を抱ける幸せがある。
「んっ……。駄目だ……出る……んぁ……。」
 意識が飛びそうな感覚があったが、その奥に温かいモノを感じた。一馬が射精したと、沙夜は少しほっとしていたところがあるのだろう。
 だが一馬はそのまま沙夜にキスをすると沙夜の中から出ていき、コンドームを取ると新たらしいコンドームを取り出した。
「え……。」
「納まらない。もっと抱きたいから。」
「ちょっと……一馬……。」
「今日はタクシーで帰るか?」
 歳を取ると回数は出来ないというのが嘘のようだ。コンドームを付けた一馬はまた沙夜にあてがうと、続けてまた中に入れていく。
 それでも沙夜はそれに答えてくれる。奥さんでもここまで付き合わないかも知れないのに、沙夜は何度でも受け止めてくれた。
 用意していたタオルがもうあまり役に立っていない。互いの体液で濡れているから。沙夜もここまで求められたことは無く、それが嬉しかった。
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