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フィッシュ&チップス
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スタジオで少し練習をした。遥人は既存の曲を全て英語に直したものを歌うので、英語の発音をずっとレッスンしていた。そしてその声を聴いたとき、沙夜はまるで外国の音楽のように感じている。悪くは無い。だがどこか「二藍」らしさというモノを削いだ感じがしないでも無い。それは遥人の歌だけでは無く、他の演奏をしている人達も同じだった。確かに基礎を見直して正確に演奏しているし、特に純のソロパートの正確さはおそらく耳の肥えたハードロックファンだって舌を巻くだろう。
「良くなったな。」
奏太はそう言うが、沙夜はそれでいいのだろうかとずっと思っていた。確かに「二藍」は技術先行のプロフェッショナルな集団だが、ここまで綺麗だと逆に違和感になる。
今の世の中、こういう音楽だってシンセサイザーで奏でることが出来るだろう。歌だって人工音声なんかを使えば、それなりに聴くことが出来る。それと変わらないなら生の人間がする意味があるのだろうか。
「……。」
そう思いながら沙夜は演奏を聴いていると、奏太がその様子に不満そうに声をかけた。
「やなのか?」
そう言われ、沙夜は首を横に振る。
「音は良くなったと思うの。ただ……これを「二藍」が演奏する意味があるのかと思ってね。」
「意味?」
「良さを削いだ気がするの。」
外国でも嘗められないように、ハードロックの本場で演奏するのだからそれにそった演奏をしたいと思っているのはわかる。だがそれが本当にいいのだろうか。
朔太郎と優花の結婚式の二次会で、控え室で一馬と演奏した。それから奏太の家で連弾をした。それはどれもクラシックだったが、クラシックの枠というのにはめられて居なかった。だがそれが演奏する自分も楽しいと思えた。
今の「二藍」はミスをしないように、嘗められないようにと必死になっているだけに感じる。肝心のリスナーの顔は見えているのだろうか。
「贅沢。」
「そうかしら。」
「お前、前に言ってたじゃん。「二藍」は売れても売れなくても、良いモノを演奏するって。それに付いてこれるファンがいればそれで良いって。」
「……それはそうだけどね。」
「前よりも良い演奏になっているよ。それで何の不満があるんだ。リスナーに媚びを売りたくないんだろう?」
「それは聴きやすいメロディーにしたり、プライベートを切り売りするような真似をしたくないって事よ。そんなのを抜いて、音楽的なこと……。」
「お前のいうことはわからねぇよ。」
奏太はそう言うと、諦めたようにため息を付いてまた演奏を聴き始めた。上手く伝わらない。それに沙夜もどうすれば良いのかわからなかった。
「治。そこのシンバルを必要以上に響かせんな。耳に付く。」
奏太がそう言うと、治は頷いてシンバルを叩くと手で押さえる。
「こんな感じか。」
「うん。それから一馬。静かなところではもう少し主張しろよ。何弾いてんのかわかんねぇ。」
「あぁ。」
沙夜の表情が曇ってきた。翔はそう思い、キーボードの前を離れる。そして沙夜の方へ近づいた。
「沙夜。顔色が悪いな。大丈夫か?」
翔がそう聞いてきて、奏太も沙夜に近づいてくる。確かに顔色が先程より良くない。演奏を聴いて何か思うことがあるのだろうか。
「言いたいことは言っても良い。遠慮するな。」
奏太はそう言うが、奏太が居て口を出せばあらか様に「夜」であることがわかってしまうだろう。だから言えないこともあるし、どう言葉にすれば良いかわからないのだ。頭が混乱する。沙夜は少し思い詰めていたのかも知れない。
「……少し外に出てくるわ。」
その言葉に奏太が声をかけた。
「一人で行くな。外に女が一人で出れるような所じゃ無い。俺が……。」
奏太の言うこともわかる。だが奏太について来てもらったら全く意味が無いのだ。
「いいえ。大丈夫。少し出るだけだから。」
沙夜はそう言ってスタジオの外に出て行く。その背中を見て奏太が首を横に振ると、そのあとを追おうとした。だがそれを翔が止める。
「追わない方が良いよ。」
「何で?あいつ、治安とかわかってないだろう?この辺のスタジオに何でソフィアが決めたのか知らないけど、隣はスラムのような所じゃねぇか。外国人はすぐに攫われたりするんだからな。」
「……そう。だったら一馬。一緒に行ってくれないか。」
すると一馬はベースをスタンドに立てかけると、無言のままスタジオを出て行く。どうして翔まで一馬を沙夜に付いているようにいったのかはわからないが、そこまでメンバーも目を瞑っていることなのかと奏太は翔に詰め寄った。
「翔。何で一馬を行かせたんだ。別にお前が行っても良いことだろう?男がいるだけでギャングや素行の悪いような奴らは、外国人に声をかけたりしないんだし。」
その言葉に反応したのは純だった。
「翔じゃ無理だろ。」
純もスタンドにギターを立てかけると、ペットボトルの水に手を伸ばした。
「何で?」
「俺……今年の初めにここでは無いけれど、やっぱり治安があまり良くないような所にホテルを用意されててさ。沙夜には言ってなかったけど、何度もつれ込まれそうになったんだ。」
警察が居るから大丈夫というわけでは無い。純達がいる国のように警察がきっちり管理をしている所は、海外には案外少ないのだ。たとえさらわれて金を取られたり暴行を加えられたとしても、そんなところに居た自分が悪いと言うことになったりもする。国際的に問題になって初めて謝罪をするような国なのだから。
「翔は細すぎるんだよ。嘗められるから。奏太もそうじゃなかったか?」
すると奏太はその言葉に少し納得したように頷いた。
「一馬は一馬でそっちのヤツに好かれると思うけど。」
意地悪そうに奏太はそう言うと、純は少し笑って言う。
「一馬が連れ込まれても、返り討ちだよ。」
「え?」
すると翔が頷いて言う。
「あいつの背の高さや体つきは、別に体を作るだけにしているわけじゃ無いんだ。剣道は有段者みたいだし。」
「マジか……。」
だから沙夜を守ることは可能だ。そう言われているようで奏太は壁により掛かった。やはり何をとっても一馬には全く適わないと思ったから。
地下にあるスタジオから、地上に上がってくるとむわっとした空気が身を包んだ。あまり湿気がある土地では無いが、夏になればこんなモノなのだろう。乾燥していて土埃が立っている。それにアスファルトが割れたところからは草が生えていたり、ゴミが放置されていた。あまり綺麗とは言えないようだ。
どうしてこんな所のスタジオを借りたのかはわからないが、同じようなアーティストはきっと各地から集まっているのかも知れない。初参加で、尚且つキャリアはあまり無い「二藍」が呼ばれたのが奇跡なくらいで、コテージを用意してくれただけでもありがたいのだ。だからスタジオに文句など言えないのだろう。
そう思いながら、一馬は沙夜の姿を探す。すると沙夜は案の定、浅黒い肌を持つスキンヘッドの男二人から声をかけられていた。
タンクトップを着ている男は明らかに一馬よりもがたいが良いし、背も相当高い。どう考えても一馬が太刀打ち出来るような相手ではなかった。だが沙夜の表情はどう見ても困っているようにしか見えない。言葉もあまりわからない。それに沙夜が見上げるような相手なのだ。少しずつ距離を取ろうとしているのがわかる。
そう思って一馬は沙夜の方へ近づいていく。そして沙夜に声をかけた。
「沙夜。」
すると沙夜はすぐに一馬の元へ駆け寄ってきた。すると男達は顔を見合わせて、今度は一馬に声をかけてくる。一馬もこの国の言葉は堪能では無いが、聞き取れる単語から理解するにどうやら沙夜と夫婦であるか恋人であると誤解をしているようだ。女性を一人でこんな所に置いているのだから、沙夜が一馬では満足していないのだろう。だったら相手をしてやると汚い言葉でずっと罵っている。
それは沙夜にも理解が出来るような言葉で、もし言葉が通じるなら反論していたかも知れない。だが何か言えばおそらく火に油を注ぐようなモノだ。そう思って我慢しようとした。
だが一馬はそう思っていないようだった。
沙夜の肩に手を置いて自分の方に引き寄せると、男達に言葉を投げかけた。その言葉に男達は逆上したように一馬に詰め寄ろうとした。だが一馬は沙夜をそのまま沙夜の肩を抱きかかえると、スタジオの中に入っていく。男達もそれに習ってスタジオへ足を踏み入れようとした。
だがその入り口には警備員がいる。一馬と沙夜を中に入れると、追いかけてきた男達を中に入ろうとした。しかし男達の前に立ち塞がったのはどう見ても男達よりも屈強な警備員だ。その男が警棒を持って、男達に詰め寄ろうとしている。すると男達は悔しそうにしながら、そのまま去って行った。
「……助かったの?」
沙夜はそう呟くと、一馬はその手を緩め沙夜の肩から手を離した。
「無茶をするな。スタジオに戻ろう。」
「ごめんなさい。迷惑をかけたわ。」
「わかってる。お前が考えていることは、俺が感じていることと一緒だろう。でも奏太がずいぶん心配をしていた。一度スタジオに戻ろう。」
一馬は沙夜を守るように、そう言ってスタジオへ行く地下室の方へ向かっていった。それを沙夜も追いかけるように向かっていく。
「良くなったな。」
奏太はそう言うが、沙夜はそれでいいのだろうかとずっと思っていた。確かに「二藍」は技術先行のプロフェッショナルな集団だが、ここまで綺麗だと逆に違和感になる。
今の世の中、こういう音楽だってシンセサイザーで奏でることが出来るだろう。歌だって人工音声なんかを使えば、それなりに聴くことが出来る。それと変わらないなら生の人間がする意味があるのだろうか。
「……。」
そう思いながら沙夜は演奏を聴いていると、奏太がその様子に不満そうに声をかけた。
「やなのか?」
そう言われ、沙夜は首を横に振る。
「音は良くなったと思うの。ただ……これを「二藍」が演奏する意味があるのかと思ってね。」
「意味?」
「良さを削いだ気がするの。」
外国でも嘗められないように、ハードロックの本場で演奏するのだからそれにそった演奏をしたいと思っているのはわかる。だがそれが本当にいいのだろうか。
朔太郎と優花の結婚式の二次会で、控え室で一馬と演奏した。それから奏太の家で連弾をした。それはどれもクラシックだったが、クラシックの枠というのにはめられて居なかった。だがそれが演奏する自分も楽しいと思えた。
今の「二藍」はミスをしないように、嘗められないようにと必死になっているだけに感じる。肝心のリスナーの顔は見えているのだろうか。
「贅沢。」
「そうかしら。」
「お前、前に言ってたじゃん。「二藍」は売れても売れなくても、良いモノを演奏するって。それに付いてこれるファンがいればそれで良いって。」
「……それはそうだけどね。」
「前よりも良い演奏になっているよ。それで何の不満があるんだ。リスナーに媚びを売りたくないんだろう?」
「それは聴きやすいメロディーにしたり、プライベートを切り売りするような真似をしたくないって事よ。そんなのを抜いて、音楽的なこと……。」
「お前のいうことはわからねぇよ。」
奏太はそう言うと、諦めたようにため息を付いてまた演奏を聴き始めた。上手く伝わらない。それに沙夜もどうすれば良いのかわからなかった。
「治。そこのシンバルを必要以上に響かせんな。耳に付く。」
奏太がそう言うと、治は頷いてシンバルを叩くと手で押さえる。
「こんな感じか。」
「うん。それから一馬。静かなところではもう少し主張しろよ。何弾いてんのかわかんねぇ。」
「あぁ。」
沙夜の表情が曇ってきた。翔はそう思い、キーボードの前を離れる。そして沙夜の方へ近づいた。
「沙夜。顔色が悪いな。大丈夫か?」
翔がそう聞いてきて、奏太も沙夜に近づいてくる。確かに顔色が先程より良くない。演奏を聴いて何か思うことがあるのだろうか。
「言いたいことは言っても良い。遠慮するな。」
奏太はそう言うが、奏太が居て口を出せばあらか様に「夜」であることがわかってしまうだろう。だから言えないこともあるし、どう言葉にすれば良いかわからないのだ。頭が混乱する。沙夜は少し思い詰めていたのかも知れない。
「……少し外に出てくるわ。」
その言葉に奏太が声をかけた。
「一人で行くな。外に女が一人で出れるような所じゃ無い。俺が……。」
奏太の言うこともわかる。だが奏太について来てもらったら全く意味が無いのだ。
「いいえ。大丈夫。少し出るだけだから。」
沙夜はそう言ってスタジオの外に出て行く。その背中を見て奏太が首を横に振ると、そのあとを追おうとした。だがそれを翔が止める。
「追わない方が良いよ。」
「何で?あいつ、治安とかわかってないだろう?この辺のスタジオに何でソフィアが決めたのか知らないけど、隣はスラムのような所じゃねぇか。外国人はすぐに攫われたりするんだからな。」
「……そう。だったら一馬。一緒に行ってくれないか。」
すると一馬はベースをスタンドに立てかけると、無言のままスタジオを出て行く。どうして翔まで一馬を沙夜に付いているようにいったのかはわからないが、そこまでメンバーも目を瞑っていることなのかと奏太は翔に詰め寄った。
「翔。何で一馬を行かせたんだ。別にお前が行っても良いことだろう?男がいるだけでギャングや素行の悪いような奴らは、外国人に声をかけたりしないんだし。」
その言葉に反応したのは純だった。
「翔じゃ無理だろ。」
純もスタンドにギターを立てかけると、ペットボトルの水に手を伸ばした。
「何で?」
「俺……今年の初めにここでは無いけれど、やっぱり治安があまり良くないような所にホテルを用意されててさ。沙夜には言ってなかったけど、何度もつれ込まれそうになったんだ。」
警察が居るから大丈夫というわけでは無い。純達がいる国のように警察がきっちり管理をしている所は、海外には案外少ないのだ。たとえさらわれて金を取られたり暴行を加えられたとしても、そんなところに居た自分が悪いと言うことになったりもする。国際的に問題になって初めて謝罪をするような国なのだから。
「翔は細すぎるんだよ。嘗められるから。奏太もそうじゃなかったか?」
すると奏太はその言葉に少し納得したように頷いた。
「一馬は一馬でそっちのヤツに好かれると思うけど。」
意地悪そうに奏太はそう言うと、純は少し笑って言う。
「一馬が連れ込まれても、返り討ちだよ。」
「え?」
すると翔が頷いて言う。
「あいつの背の高さや体つきは、別に体を作るだけにしているわけじゃ無いんだ。剣道は有段者みたいだし。」
「マジか……。」
だから沙夜を守ることは可能だ。そう言われているようで奏太は壁により掛かった。やはり何をとっても一馬には全く適わないと思ったから。
地下にあるスタジオから、地上に上がってくるとむわっとした空気が身を包んだ。あまり湿気がある土地では無いが、夏になればこんなモノなのだろう。乾燥していて土埃が立っている。それにアスファルトが割れたところからは草が生えていたり、ゴミが放置されていた。あまり綺麗とは言えないようだ。
どうしてこんな所のスタジオを借りたのかはわからないが、同じようなアーティストはきっと各地から集まっているのかも知れない。初参加で、尚且つキャリアはあまり無い「二藍」が呼ばれたのが奇跡なくらいで、コテージを用意してくれただけでもありがたいのだ。だからスタジオに文句など言えないのだろう。
そう思いながら、一馬は沙夜の姿を探す。すると沙夜は案の定、浅黒い肌を持つスキンヘッドの男二人から声をかけられていた。
タンクトップを着ている男は明らかに一馬よりもがたいが良いし、背も相当高い。どう考えても一馬が太刀打ち出来るような相手ではなかった。だが沙夜の表情はどう見ても困っているようにしか見えない。言葉もあまりわからない。それに沙夜が見上げるような相手なのだ。少しずつ距離を取ろうとしているのがわかる。
そう思って一馬は沙夜の方へ近づいていく。そして沙夜に声をかけた。
「沙夜。」
すると沙夜はすぐに一馬の元へ駆け寄ってきた。すると男達は顔を見合わせて、今度は一馬に声をかけてくる。一馬もこの国の言葉は堪能では無いが、聞き取れる単語から理解するにどうやら沙夜と夫婦であるか恋人であると誤解をしているようだ。女性を一人でこんな所に置いているのだから、沙夜が一馬では満足していないのだろう。だったら相手をしてやると汚い言葉でずっと罵っている。
それは沙夜にも理解が出来るような言葉で、もし言葉が通じるなら反論していたかも知れない。だが何か言えばおそらく火に油を注ぐようなモノだ。そう思って我慢しようとした。
だが一馬はそう思っていないようだった。
沙夜の肩に手を置いて自分の方に引き寄せると、男達に言葉を投げかけた。その言葉に男達は逆上したように一馬に詰め寄ろうとした。だが一馬は沙夜をそのまま沙夜の肩を抱きかかえると、スタジオの中に入っていく。男達もそれに習ってスタジオへ足を踏み入れようとした。
だがその入り口には警備員がいる。一馬と沙夜を中に入れると、追いかけてきた男達を中に入ろうとした。しかし男達の前に立ち塞がったのはどう見ても男達よりも屈強な警備員だ。その男が警棒を持って、男達に詰め寄ろうとしている。すると男達は悔しそうにしながら、そのまま去って行った。
「……助かったの?」
沙夜はそう呟くと、一馬はその手を緩め沙夜の肩から手を離した。
「無茶をするな。スタジオに戻ろう。」
「ごめんなさい。迷惑をかけたわ。」
「わかってる。お前が考えていることは、俺が感じていることと一緒だろう。でも奏太がずいぶん心配をしていた。一度スタジオに戻ろう。」
一馬は沙夜を守るように、そう言ってスタジオへ行く地下室の方へ向かっていった。それを沙夜も追いかけるように向かっていく。
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