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祝い飯
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正午からの式で、披露宴は三時間ほど。夕方になりかけた時間には、沙夜達は結婚式場の外に出ることが出来た。そこからバスで会社の駐車場に戻り、そこからは社員が手分けをして二次会の設営をするのだ。
会場は会社から近くにあるライブハウス。ライブハウスといっても食事も出来るような所で、ここは会社の息がかかっているような所だった。
デビュー前のバンドだったり、オーディションなんかもここですることがある。青田買いの音楽好きなんかはここへ通うこともあった。当然、「二藍」もデビュー前はここでライブをしたこともあったが、その前にイベントに出た動画が評判になったこともあり、ライブをしたときには会場に入りきれないほどのファンが押し寄せた。
そのライブハウスで二次会をするというのは意味がある。
植村朔太郎も河村優花もバンドを担当していた。その双方のバンドが、二人を祝いたいと演奏をする。だから普通のレストランでは二次会が出来ないのだ。
そのライブの手はずを部署の人達がする。沙夜は朔太郎の担当するバンドと待ち合わせをしていた。持ち歌を演奏することは出来ないので、外国のカバーの曲を演奏するらしい。そのために練習スタジオにいるはずだ。そう思いながら、沙夜はヒールを鳴らしてその練習スタジオへ向かっていた。歩いて行ける距離で良かったと思いながら。
そして練習スタジオへやってくる。古いスタジオで練習をしているのは「二藍」でも変わらない。そう思いながら、受付をしている女性に朔太郎が担当しているバンドの名前を告げた。
「すいません。「Spring Session」はどこの部屋にいますかね。」
そう言いながら社員証を見せると、女性は安易にスタジオの番号を告げる。沙夜はそれにしたがって、その番号の部屋へ向かった。
壁にはバンドのステッカーやライブの告知のポスターなんかが貼られている。そのジャンルは様々で、レゲエやヒップホップのイベントもあるようだ。沙夜はジャンルにこだわったりはしないが、広く浅くしか聴かない。根を詰めて聴くのは「二藍」だけだから。
二重扉を開くと、外国の有名なウェディングソングが流れてくる。外国の曲にしたのはボーカルの達也に合わせたのだろう。達也は帰国子女で外国の言葉の発音がとても良い。その上最近は熱心にボーカルトレーニングに行っているようで、声の出し方や音程の取り方が前よりもグンと良くなっている。だがそれに周りの演奏が追いついていっていないというのが沙夜の感想だった。悪くは無いが、良くも無い。やり慣れて曲なのでミスをしないようにと必死になっているのがわかる。
やはり「二藍」とは事情が違うようだ。「二藍」は初めて演奏するような曲でも、多少のミスはあるモノのそれをお互いがカバー出来ているから。だが達也を初め他のメンバーはその余裕は無いように思える。
演奏が終わって、やっと達也が沙夜に気がついたようだ。普段とは違う着飾っている格好に少し驚いたような表情になる。
「泉さん。来てくれていたんですか。」
「えぇ。先程。十七時にはあちらに着いておきたいので。」
「歩いて行くの?車は?」
ギターの男が沙夜に聞くと、沙夜は首を横に振る。
「今日は飲んでいるし、歩いて行ける距離なのでそれでお願いします。持っていきたい機材はスタッフがあとで運びますから。」
「そっか。まぁ……大した距離じゃ無いもんな。ジムでウォーキングマシンで歩くよりも、そっちの方が健康的だし。」
「それにこの姿じゃ、誰も気がつかないって。」
普段このバンドは派手なメイクや衣装で演奏をしている。すっぴんでジーパン姿では誰もわからないだろう。それでも派手に伸ばしている髪や色とりどりの髪の色は、普通の仕事とは思わない。
「そろそろ片付けるか。泉さん。ドラムなんかはケースに入れておけば良いですか?」
ドラムの男がそう聞くと、沙夜もそのドラムの方へ近づいた。
「えぇ。手伝いますよ。そこのケースですか。」
「えぇ。」
「あぁ、良いスネアを使ってますね。」
ドラムというのはぴんからきりまであるが、このスネアは相当良いモノだ。治が欲しいと思っていたが、高くて奥さんからまだ買って良いというお達しが出ていない。それにスネアなんかは、素人が聴いてもどれ同じに聞こえる。要は自己満足なのだ。
「わかります?この間のアルバムが売れたから、ちょっと奮発して。」
「えぇ。倉橋さんがこのスネアが欲しいと前に言っていたので。」
「倉橋さんくらいだったらぽんと買えそうですけどね。」
「そうでも無いですよ。奥様が厳しいそうで。」
明らかに「二藍」の方が売れていて、生活は潤っているように見えるのだがそうでも無いのかもしれない。「二藍」くらいになったら個人のスタジオを持っていたり、持ち家を持っていそうだがまだ誰もそんなところまでは手を伸ばしていない。
「道具なんかに頼ってても仕方ないのに。」
ギターの男が言うとドラムの男はムキになったようにいう。
「全く違うんだよ。前に使ってたヤツとは。」
「素人が聴く分にはわかんないって。多分ギターやベースだってデザインが変わったなって思うくらいだろう。」
そうでも無いのだが。沙夜はそう思いながらドラムの一つをケースの中に入れる。達也もキーボードをばらすのを手伝っているようだ。
「それで、泉さん。」
「はい?」
ケースのチャックを絞めると、ドラムの男が聞いてきた。
「さっき、俺らの演奏を聴いていたんでしょう?どうでした?」
正直に言えるわけが無い。ボーカルのレベルに演奏も合わせないといけないなど。このドラムの男を初め、演奏をしている人達のプライドを傷つけるだろう。
「さぁ。全部聴いたわけではありませんし。」
そう言って誤魔化そうとした。だがベースの男が食ってかかる。
「さっきまで聴いていたんでしょう?さわりだけでも。あっちでリハーサルをすると言っていたし、その時にでも感想を……。」
「すいません。あちらについても色々とすることがありまして。」
ようは聴く気が無いと思わせたい。それでも男達は引き下がらない。
「達也から聞いたんですよ。「二藍」のアルバムにゲストで達也が呼ばれたとき、結構音楽に口を出すって言ってたから。」
逆にこのバンドに遥人がゲストで呼ばれたときには、沙夜は加わらなかった。こちらはこちらのバンドの方針があると思ったから。
達也が「二藍」のレコーディングに参加をしたときには、あまり口を出す気は無かったがそれでも普通の担当としても少し口を出しすぎたのかもしれない。そう思って沙夜は咳払いをした。
「アルバムは聴きましたよ。こちらのバンドの世界観が、とても良くわかりました。」
おそらく中世ヨーロッパをイメージしている。黒が主体の衣装で、なのに顔は異常に白く、まるで人形のようだと思った。いわゆるビジュアル系なのだ。
「外国のアーティストでもこういうバンドは居ないと思うんですよ。」
「この国特有のモノですね。」
「外国にも最近はゴスロリの文化も人気ですし、そういう流れに沿っていこうと思うんですけどね。」
姿だけは確かに見応えはある。だが肝心の音となると少し疑問が残った。そう思うなら向こうのクラシックや、声楽をもう少し勉強して欲しいところだろう。朔太郎は何も言わなかったのだろうか。
「確かに人気ですよ。」
だが向こうの文化を取り入れてこの国の好みに沿ったモノは、向こうの国の人にとっては新しいかもしれないが、こちらの国に置き換えて考えると微妙だろう。
こちらの文化を間違って理解している外国人を笑えない。
「俺は一過性のモノだと思うんだけどな。」
達也がそう言うと、キーボードの男は首を振って言う。
「だからだよ。そこから起爆剤になれば良いんだ。「二藍」だって最初は遥人のバックバンドだっていわれてたこともあるんでしょう?」
「えぇ。そうですね。」
ただ「二藍」の場合は、そう言われるのが悔しくて自己努力を欠かさなかった。元々レベルの高い演奏をする五人なのだ。それを更に突き詰めて、音にこだわった結果が今の状態なのだから。
達也は「二藍」とコラボをした結果、それに気がついたのかもしれない。だからデビューがゴールとは思っていない。更に良いモノ、更に高みを目指さなければ生き残れないと。それにまだ他のメンバーが気がついていない。
居心地が悪いだろう。沙夜はそう思いながら、ドラムを片付けていた。
会場は会社から近くにあるライブハウス。ライブハウスといっても食事も出来るような所で、ここは会社の息がかかっているような所だった。
デビュー前のバンドだったり、オーディションなんかもここですることがある。青田買いの音楽好きなんかはここへ通うこともあった。当然、「二藍」もデビュー前はここでライブをしたこともあったが、その前にイベントに出た動画が評判になったこともあり、ライブをしたときには会場に入りきれないほどのファンが押し寄せた。
そのライブハウスで二次会をするというのは意味がある。
植村朔太郎も河村優花もバンドを担当していた。その双方のバンドが、二人を祝いたいと演奏をする。だから普通のレストランでは二次会が出来ないのだ。
そのライブの手はずを部署の人達がする。沙夜は朔太郎の担当するバンドと待ち合わせをしていた。持ち歌を演奏することは出来ないので、外国のカバーの曲を演奏するらしい。そのために練習スタジオにいるはずだ。そう思いながら、沙夜はヒールを鳴らしてその練習スタジオへ向かっていた。歩いて行ける距離で良かったと思いながら。
そして練習スタジオへやってくる。古いスタジオで練習をしているのは「二藍」でも変わらない。そう思いながら、受付をしている女性に朔太郎が担当しているバンドの名前を告げた。
「すいません。「Spring Session」はどこの部屋にいますかね。」
そう言いながら社員証を見せると、女性は安易にスタジオの番号を告げる。沙夜はそれにしたがって、その番号の部屋へ向かった。
壁にはバンドのステッカーやライブの告知のポスターなんかが貼られている。そのジャンルは様々で、レゲエやヒップホップのイベントもあるようだ。沙夜はジャンルにこだわったりはしないが、広く浅くしか聴かない。根を詰めて聴くのは「二藍」だけだから。
二重扉を開くと、外国の有名なウェディングソングが流れてくる。外国の曲にしたのはボーカルの達也に合わせたのだろう。達也は帰国子女で外国の言葉の発音がとても良い。その上最近は熱心にボーカルトレーニングに行っているようで、声の出し方や音程の取り方が前よりもグンと良くなっている。だがそれに周りの演奏が追いついていっていないというのが沙夜の感想だった。悪くは無いが、良くも無い。やり慣れて曲なのでミスをしないようにと必死になっているのがわかる。
やはり「二藍」とは事情が違うようだ。「二藍」は初めて演奏するような曲でも、多少のミスはあるモノのそれをお互いがカバー出来ているから。だが達也を初め他のメンバーはその余裕は無いように思える。
演奏が終わって、やっと達也が沙夜に気がついたようだ。普段とは違う着飾っている格好に少し驚いたような表情になる。
「泉さん。来てくれていたんですか。」
「えぇ。先程。十七時にはあちらに着いておきたいので。」
「歩いて行くの?車は?」
ギターの男が沙夜に聞くと、沙夜は首を横に振る。
「今日は飲んでいるし、歩いて行ける距離なのでそれでお願いします。持っていきたい機材はスタッフがあとで運びますから。」
「そっか。まぁ……大した距離じゃ無いもんな。ジムでウォーキングマシンで歩くよりも、そっちの方が健康的だし。」
「それにこの姿じゃ、誰も気がつかないって。」
普段このバンドは派手なメイクや衣装で演奏をしている。すっぴんでジーパン姿では誰もわからないだろう。それでも派手に伸ばしている髪や色とりどりの髪の色は、普通の仕事とは思わない。
「そろそろ片付けるか。泉さん。ドラムなんかはケースに入れておけば良いですか?」
ドラムの男がそう聞くと、沙夜もそのドラムの方へ近づいた。
「えぇ。手伝いますよ。そこのケースですか。」
「えぇ。」
「あぁ、良いスネアを使ってますね。」
ドラムというのはぴんからきりまであるが、このスネアは相当良いモノだ。治が欲しいと思っていたが、高くて奥さんからまだ買って良いというお達しが出ていない。それにスネアなんかは、素人が聴いてもどれ同じに聞こえる。要は自己満足なのだ。
「わかります?この間のアルバムが売れたから、ちょっと奮発して。」
「えぇ。倉橋さんがこのスネアが欲しいと前に言っていたので。」
「倉橋さんくらいだったらぽんと買えそうですけどね。」
「そうでも無いですよ。奥様が厳しいそうで。」
明らかに「二藍」の方が売れていて、生活は潤っているように見えるのだがそうでも無いのかもしれない。「二藍」くらいになったら個人のスタジオを持っていたり、持ち家を持っていそうだがまだ誰もそんなところまでは手を伸ばしていない。
「道具なんかに頼ってても仕方ないのに。」
ギターの男が言うとドラムの男はムキになったようにいう。
「全く違うんだよ。前に使ってたヤツとは。」
「素人が聴く分にはわかんないって。多分ギターやベースだってデザインが変わったなって思うくらいだろう。」
そうでも無いのだが。沙夜はそう思いながらドラムの一つをケースの中に入れる。達也もキーボードをばらすのを手伝っているようだ。
「それで、泉さん。」
「はい?」
ケースのチャックを絞めると、ドラムの男が聞いてきた。
「さっき、俺らの演奏を聴いていたんでしょう?どうでした?」
正直に言えるわけが無い。ボーカルのレベルに演奏も合わせないといけないなど。このドラムの男を初め、演奏をしている人達のプライドを傷つけるだろう。
「さぁ。全部聴いたわけではありませんし。」
そう言って誤魔化そうとした。だがベースの男が食ってかかる。
「さっきまで聴いていたんでしょう?さわりだけでも。あっちでリハーサルをすると言っていたし、その時にでも感想を……。」
「すいません。あちらについても色々とすることがありまして。」
ようは聴く気が無いと思わせたい。それでも男達は引き下がらない。
「達也から聞いたんですよ。「二藍」のアルバムにゲストで達也が呼ばれたとき、結構音楽に口を出すって言ってたから。」
逆にこのバンドに遥人がゲストで呼ばれたときには、沙夜は加わらなかった。こちらはこちらのバンドの方針があると思ったから。
達也が「二藍」のレコーディングに参加をしたときには、あまり口を出す気は無かったがそれでも普通の担当としても少し口を出しすぎたのかもしれない。そう思って沙夜は咳払いをした。
「アルバムは聴きましたよ。こちらのバンドの世界観が、とても良くわかりました。」
おそらく中世ヨーロッパをイメージしている。黒が主体の衣装で、なのに顔は異常に白く、まるで人形のようだと思った。いわゆるビジュアル系なのだ。
「外国のアーティストでもこういうバンドは居ないと思うんですよ。」
「この国特有のモノですね。」
「外国にも最近はゴスロリの文化も人気ですし、そういう流れに沿っていこうと思うんですけどね。」
姿だけは確かに見応えはある。だが肝心の音となると少し疑問が残った。そう思うなら向こうのクラシックや、声楽をもう少し勉強して欲しいところだろう。朔太郎は何も言わなかったのだろうか。
「確かに人気ですよ。」
だが向こうの文化を取り入れてこの国の好みに沿ったモノは、向こうの国の人にとっては新しいかもしれないが、こちらの国に置き換えて考えると微妙だろう。
こちらの文化を間違って理解している外国人を笑えない。
「俺は一過性のモノだと思うんだけどな。」
達也がそう言うと、キーボードの男は首を振って言う。
「だからだよ。そこから起爆剤になれば良いんだ。「二藍」だって最初は遥人のバックバンドだっていわれてたこともあるんでしょう?」
「えぇ。そうですね。」
ただ「二藍」の場合は、そう言われるのが悔しくて自己努力を欠かさなかった。元々レベルの高い演奏をする五人なのだ。それを更に突き詰めて、音にこだわった結果が今の状態なのだから。
達也は「二藍」とコラボをした結果、それに気がついたのかもしれない。だからデビューがゴールとは思っていない。更に良いモノ、更に高みを目指さなければ生き残れないと。それにまだ他のメンバーが気がついていない。
居心地が悪いだろう。沙夜はそう思いながら、ドラムを片付けていた。
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