286 / 664
カレーうどん
285
しおりを挟む
パソコンの前で奏太は向こうのフェスの担当者とリモートで話をしていた。向こうの担当者は相当若い印象に思える。二十歳くらいだろう。それでも時差があるこちらの時間にあわせて話をしてくれた。向こうも言葉に違和感なく話が出来ているのがわかったようで、遠慮無く話を進めてきていた。リモートでも何でも良いからこういう対面の話や電話の方が話がわかりやすく、スムーズに進められる。そう思いながら、奏太はリモートを切った。
こちらの感覚ではあまりあり得ないように、女性は手を振って切ってきた。その辺は若さなのだろう。そう思いながら話し合いをしたメモに目を通す。
やはり女性がいると言うことで、あちらの国際空港からはバスで現地へ移動という案は却下された。そちらの方が安く上がると思っていたのだが、ここ最近国際情勢が不安定でこの国の隣の国ではテロの事件があったのだ。自爆テロのような感じで、町中のバスの中で男が体に巻いている爆薬を発動させた。死亡者も怪我人も沢山出て、この国でも大きく取り上げられたばかりのニュースは、奏太にも印象に残っている。
外国ではよくあることだ。だからこそ他の土地はこの国よりも警戒が必要なのだ。沙夜を初め他の「二藍」のメンバーはその辺の危機感が薄い。水道水が飲める国でのほほんと生きていたのだから仕方が無いだろう。
そう思いながら七枚ある封書を手にする。それは旅行保険のモノだ。
テロに巻き込まれた、食事にあたったというだけでは無く、スリに財布をすられた、暴行を加えられたというモノまで保証をしてくれるらしい。「二藍」のメンバーには更に楽器の保険がかけられる。つまり、移動中なんかに楽器が壊れた、傷を付けられたというときには、保証してくれるのだ。大した楽器では無いとメンバーは言うが、奏太だって演奏者だった時期もあるのだから、楽器の大切さはわかる。その辺を大事にして欲しいと思った。ギターやベース、それにドラムだって自分にぴったりという楽器はそんなに簡単には見つからないのだから。
そしてその封書の下にあるのは、見本として送られてきた雑誌だった。封筒を置いてその雑誌に手を伸ばす。「二藍」はトップページとはいかなかったが、カラーの写真と共にインタビュー記事が載っている。普段の「二藍」とは全く違い、カメラの前では男でも女でも見惚れるだろう。
それぞれに違った魅力がある。遥人は元々アイドルをしていただけあって、カメラ写りが良い。首元にある入れ墨は、黒一色。それが少しヤンキー感が見えるようだが、それでも女性が見れば「可愛い」と言われるだろう。あどけない顔立ちは童顔で、三十を超したように見えない。
純はこの中では控えめだ。それでも目立つような金髪とカラーコンタクトは、普段の純とは違いやはりキラキラしている。外見だけなら、純だってアイドルになれそうだと思っていた。
治はキラキラしているメンツの中で唯一、親近感があるだろう。お腹周りの肉は前よりも引っ込んだように思えた。それでも奏太はドラムは多少肉があった方が良いと思っている。その方がパワフルなドラムが叩けるからだ。
翔は遥人の隣に居る。元々細身ですらっとしているのは、王子様だと女が言うのも何となくわかる気がする。普段は寒さ熱さをしのげれば良いというファッションセンスなのに、ちゃんと衣装を着れば様になるのだから不思議なモノだ。そして遥人の隣にいるのは、まだこの二人がゲイカップルだという噂があるためだろう。そういう事も一応ネタとして重要視している。本人達は不服そうだが。
そしてその一番奥にいる一馬。他のメンツとは違い無表情で、笑顔の一つも出していない。一馬は他の雑誌に載るときも大体こんな感じだ。一馬は女性よりもどちらかというと男性受けが良い。テレビやラジオでもそこまで話をすることも無いが、口を開けば人生を悟ったような言い方をする。沙夜はそう言う所が一馬が好きなのかもしれない。だがいくら沙夜が好きでも、一馬が心を惹かれていても一馬が既婚者なのは事実で、それは不倫なのだ。
そう思いながら、ページをめくっていく。中盤になると白黒のページになるが、そこには読み物のコーナーになる。そこには「草壁」という人物の書いたコラムが載っていた。
今回のコラムは若くして亡くなったギタリストのことだった。世の中的には、神格化していてこのギタリストが亡くなったとき、後追い自殺をした女性がいるほど熱狂的なファンもいたように思える。
だがその「草壁」の記事は、そのギタリストがどうして自殺という道を選んだのか、私的なことを書いている良くある記事では無く、一曲一曲のギタープレイやその曲の歌詞の意味などをかみ砕いて批評をしている。それもただ持ち上げるのでは無く、批判もされていて読み終わったときこのギタリストも神などでは無く、ただの人間だと言うことがわかった。そして自殺のことに関しては全く触れていない。ゴシップ記事とは一線を置いている気がした。
そしてこの文章を書いているのが一馬だとしたら、一馬は相当音楽の知識があると言えるだろう。だが話をしていてもそこまでだとは思えない。ベースにも強いこだわりがあるのでは無く、所持しているベースだってそこまで多くも無いしダブルベースに関しては一本か二本くらいしか無い。それも一本をメンテナンスに出したときの、予備だと言うくらいだ。
だがそれも口実だとしたら。わざとそういう風にしているとしたら。一馬は信頼を置ける人間なのかもしれないが、その裏まで考えてしまう。
「それ、上がってきたの?」
不意に声をかけられて見上げると、そこには沙夜の姿があった。いつも通りの姿に奏太は雑誌を閉じる。
「あぁ。今日な。」
そう言って奏太はその雑誌を沙夜に手渡す。すると沙夜もバッグを置いてその雑誌に目を通していた。
「修正してあるわね。写真。」
「それくらいの修正は大目に見ろよ。AV女優みたいに加工ばっかしているSNSじゃないんだし。」
「パッケージ写真もそうみたいよ。だからパッケージを見て借りて、本編を見てがっかりっていうこともあるみたいだし。」
妹をAV女優に持つ沙夜らしい言葉だった。沙菜のパッケージ写真は、そこまで修正されていないように思える。なのでパッケージ詐欺だと言われることもあまり無い。
「望月旭だっけ。今日の仕事。どうだった?」
パソコン上で出来る仕事は今は一手に任されている。だから外の仕事が気になったのだろう。
「デジタルの仕事がこう続くと、夢にまでゲーム音楽みたいなモノが流れるみたいね。」
「お前、ゲームとかするの?」
「しないわ。」
芹が時間つぶしにしている所を見るが、沙夜はそんなモノに興味は無い。所詮作られたモノだと思っているのだ。
「望月旭ねぇ。クラブとかに行ったときによく流れているイメージだけど。DJもしているんだろう。」
「えぇ。夏にフェスに出たりクラブのイベントなんかもずっと続いていると言っていたし、忙しそうだわ。」
「秋発売だっけ。CD。」
「えぇ。良いアルバムになりそう。」
ただ「二藍」では絶対しないような感じの録音だった。録音した音も更に加工しているのだから。それは声すらそうだった。クラブでは良いかもしれないが、ライブではどうするのだろうと思う。
「望月って言うから親族かと思って少しビビったわ。」
「違った?」
「兄に聞いてみたら、そんな親族はいないと言われたな。まぁ……父親に聞いた方が確実かもしれないけど。父親に知られたら、絶対母親にも知られるし。」
相変わらず母親とは絶縁しているらしい。おそらく母親は外国で行方不明になったと思われているのだろう。この国にいるのを知らないのだ。
「よくある名字よね。」
沙夜はそう言いながらパソコンを立ち上げる。すると機械音が流れて、画面が明るくなった。
「その望月旭の所に翔はまだ居るのか。」
「えぇ。音だけでは無く、意見も求められているから。」
「そりゃ、望月旭だけでは無くて翔の名前もクレジットするべきだな。」
「そう言われたけれど、翔はあくまで演奏者の名前だけで良いと言っていたわ。」
「欲が無いよな。あいつ。ボンボンか。」
金に苦労をしたことの無いようなヤツだ。だからハングリー精神が無いのだろう。それは奏太にとって甘いと言っているようだった。
「それで、迎えに行くのか?車は?」
「夜になると思うし、もう電車でも大丈夫だから。」
「俺も行ってみたいな。そのスタジオ。どこだっけ。」
すると沙夜は首を横に振る。
「辞めておいた方が良いわ。」
「何で?」
すると沙夜は望月旭の資料を取り出す。
「千草さんも私も顔が割れているからスタジオへは行くことが出来るの。あなたは会ったことは無いでしょう?」
「会ったことが無いから悪いっての?」
「えぇ。特に今はレコーディング中でピリピリしている。ドラムの人は十回以上同じフレーズを叩かされていたわ。」
「有名なドラマーだろう?」
「それでもイメージと違うと言ってね。望月さんも伝えきれないし、ドラムの人もその気持ちをくみ取れない。それが本当にスタジオの空気を悪くしていた。その場に、あなたみたいな知らないような人がやってくるのは、更に望月さんを苛立たせるだけだから。」
それもそうか。ミュージシャンによっては神経質な人もいるだろう。それに気を遣ったのだ。沙夜らしい言葉だと思う。
「だったらこれ、翔に渡しておいてくれないか。」
奏太はデスクの上にある封筒を一枚、沙夜に手渡した。
「何?これ。」
「旅行保険と楽器保険の書類な。中に契約書が入ってて、本人の名前と住所、それから連絡先。身内のヤツの名前と連絡先を書いて、印鑑を押してもらって。」
「いつまで?」
「一週間は余裕を持たせてる。」
「わかったわ。」
「こっちはお前のな。」
そう言って奏太はまた封筒を手渡す。そちらには楽器保険の書類は入っていない。
「身内は受取人って事よね。何かがあったときの。」
その何かというのは、本人が死亡したときの金の受取人と言うことだろう。こういうモノに縁が無いようにしたいモノだと、沙夜は思いながらその資料を受け取った。
こちらの感覚ではあまりあり得ないように、女性は手を振って切ってきた。その辺は若さなのだろう。そう思いながら話し合いをしたメモに目を通す。
やはり女性がいると言うことで、あちらの国際空港からはバスで現地へ移動という案は却下された。そちらの方が安く上がると思っていたのだが、ここ最近国際情勢が不安定でこの国の隣の国ではテロの事件があったのだ。自爆テロのような感じで、町中のバスの中で男が体に巻いている爆薬を発動させた。死亡者も怪我人も沢山出て、この国でも大きく取り上げられたばかりのニュースは、奏太にも印象に残っている。
外国ではよくあることだ。だからこそ他の土地はこの国よりも警戒が必要なのだ。沙夜を初め他の「二藍」のメンバーはその辺の危機感が薄い。水道水が飲める国でのほほんと生きていたのだから仕方が無いだろう。
そう思いながら七枚ある封書を手にする。それは旅行保険のモノだ。
テロに巻き込まれた、食事にあたったというだけでは無く、スリに財布をすられた、暴行を加えられたというモノまで保証をしてくれるらしい。「二藍」のメンバーには更に楽器の保険がかけられる。つまり、移動中なんかに楽器が壊れた、傷を付けられたというときには、保証してくれるのだ。大した楽器では無いとメンバーは言うが、奏太だって演奏者だった時期もあるのだから、楽器の大切さはわかる。その辺を大事にして欲しいと思った。ギターやベース、それにドラムだって自分にぴったりという楽器はそんなに簡単には見つからないのだから。
そしてその封書の下にあるのは、見本として送られてきた雑誌だった。封筒を置いてその雑誌に手を伸ばす。「二藍」はトップページとはいかなかったが、カラーの写真と共にインタビュー記事が載っている。普段の「二藍」とは全く違い、カメラの前では男でも女でも見惚れるだろう。
それぞれに違った魅力がある。遥人は元々アイドルをしていただけあって、カメラ写りが良い。首元にある入れ墨は、黒一色。それが少しヤンキー感が見えるようだが、それでも女性が見れば「可愛い」と言われるだろう。あどけない顔立ちは童顔で、三十を超したように見えない。
純はこの中では控えめだ。それでも目立つような金髪とカラーコンタクトは、普段の純とは違いやはりキラキラしている。外見だけなら、純だってアイドルになれそうだと思っていた。
治はキラキラしているメンツの中で唯一、親近感があるだろう。お腹周りの肉は前よりも引っ込んだように思えた。それでも奏太はドラムは多少肉があった方が良いと思っている。その方がパワフルなドラムが叩けるからだ。
翔は遥人の隣に居る。元々細身ですらっとしているのは、王子様だと女が言うのも何となくわかる気がする。普段は寒さ熱さをしのげれば良いというファッションセンスなのに、ちゃんと衣装を着れば様になるのだから不思議なモノだ。そして遥人の隣にいるのは、まだこの二人がゲイカップルだという噂があるためだろう。そういう事も一応ネタとして重要視している。本人達は不服そうだが。
そしてその一番奥にいる一馬。他のメンツとは違い無表情で、笑顔の一つも出していない。一馬は他の雑誌に載るときも大体こんな感じだ。一馬は女性よりもどちらかというと男性受けが良い。テレビやラジオでもそこまで話をすることも無いが、口を開けば人生を悟ったような言い方をする。沙夜はそう言う所が一馬が好きなのかもしれない。だがいくら沙夜が好きでも、一馬が心を惹かれていても一馬が既婚者なのは事実で、それは不倫なのだ。
そう思いながら、ページをめくっていく。中盤になると白黒のページになるが、そこには読み物のコーナーになる。そこには「草壁」という人物の書いたコラムが載っていた。
今回のコラムは若くして亡くなったギタリストのことだった。世の中的には、神格化していてこのギタリストが亡くなったとき、後追い自殺をした女性がいるほど熱狂的なファンもいたように思える。
だがその「草壁」の記事は、そのギタリストがどうして自殺という道を選んだのか、私的なことを書いている良くある記事では無く、一曲一曲のギタープレイやその曲の歌詞の意味などをかみ砕いて批評をしている。それもただ持ち上げるのでは無く、批判もされていて読み終わったときこのギタリストも神などでは無く、ただの人間だと言うことがわかった。そして自殺のことに関しては全く触れていない。ゴシップ記事とは一線を置いている気がした。
そしてこの文章を書いているのが一馬だとしたら、一馬は相当音楽の知識があると言えるだろう。だが話をしていてもそこまでだとは思えない。ベースにも強いこだわりがあるのでは無く、所持しているベースだってそこまで多くも無いしダブルベースに関しては一本か二本くらいしか無い。それも一本をメンテナンスに出したときの、予備だと言うくらいだ。
だがそれも口実だとしたら。わざとそういう風にしているとしたら。一馬は信頼を置ける人間なのかもしれないが、その裏まで考えてしまう。
「それ、上がってきたの?」
不意に声をかけられて見上げると、そこには沙夜の姿があった。いつも通りの姿に奏太は雑誌を閉じる。
「あぁ。今日な。」
そう言って奏太はその雑誌を沙夜に手渡す。すると沙夜もバッグを置いてその雑誌に目を通していた。
「修正してあるわね。写真。」
「それくらいの修正は大目に見ろよ。AV女優みたいに加工ばっかしているSNSじゃないんだし。」
「パッケージ写真もそうみたいよ。だからパッケージを見て借りて、本編を見てがっかりっていうこともあるみたいだし。」
妹をAV女優に持つ沙夜らしい言葉だった。沙菜のパッケージ写真は、そこまで修正されていないように思える。なのでパッケージ詐欺だと言われることもあまり無い。
「望月旭だっけ。今日の仕事。どうだった?」
パソコン上で出来る仕事は今は一手に任されている。だから外の仕事が気になったのだろう。
「デジタルの仕事がこう続くと、夢にまでゲーム音楽みたいなモノが流れるみたいね。」
「お前、ゲームとかするの?」
「しないわ。」
芹が時間つぶしにしている所を見るが、沙夜はそんなモノに興味は無い。所詮作られたモノだと思っているのだ。
「望月旭ねぇ。クラブとかに行ったときによく流れているイメージだけど。DJもしているんだろう。」
「えぇ。夏にフェスに出たりクラブのイベントなんかもずっと続いていると言っていたし、忙しそうだわ。」
「秋発売だっけ。CD。」
「えぇ。良いアルバムになりそう。」
ただ「二藍」では絶対しないような感じの録音だった。録音した音も更に加工しているのだから。それは声すらそうだった。クラブでは良いかもしれないが、ライブではどうするのだろうと思う。
「望月って言うから親族かと思って少しビビったわ。」
「違った?」
「兄に聞いてみたら、そんな親族はいないと言われたな。まぁ……父親に聞いた方が確実かもしれないけど。父親に知られたら、絶対母親にも知られるし。」
相変わらず母親とは絶縁しているらしい。おそらく母親は外国で行方不明になったと思われているのだろう。この国にいるのを知らないのだ。
「よくある名字よね。」
沙夜はそう言いながらパソコンを立ち上げる。すると機械音が流れて、画面が明るくなった。
「その望月旭の所に翔はまだ居るのか。」
「えぇ。音だけでは無く、意見も求められているから。」
「そりゃ、望月旭だけでは無くて翔の名前もクレジットするべきだな。」
「そう言われたけれど、翔はあくまで演奏者の名前だけで良いと言っていたわ。」
「欲が無いよな。あいつ。ボンボンか。」
金に苦労をしたことの無いようなヤツだ。だからハングリー精神が無いのだろう。それは奏太にとって甘いと言っているようだった。
「それで、迎えに行くのか?車は?」
「夜になると思うし、もう電車でも大丈夫だから。」
「俺も行ってみたいな。そのスタジオ。どこだっけ。」
すると沙夜は首を横に振る。
「辞めておいた方が良いわ。」
「何で?」
すると沙夜は望月旭の資料を取り出す。
「千草さんも私も顔が割れているからスタジオへは行くことが出来るの。あなたは会ったことは無いでしょう?」
「会ったことが無いから悪いっての?」
「えぇ。特に今はレコーディング中でピリピリしている。ドラムの人は十回以上同じフレーズを叩かされていたわ。」
「有名なドラマーだろう?」
「それでもイメージと違うと言ってね。望月さんも伝えきれないし、ドラムの人もその気持ちをくみ取れない。それが本当にスタジオの空気を悪くしていた。その場に、あなたみたいな知らないような人がやってくるのは、更に望月さんを苛立たせるだけだから。」
それもそうか。ミュージシャンによっては神経質な人もいるだろう。それに気を遣ったのだ。沙夜らしい言葉だと思う。
「だったらこれ、翔に渡しておいてくれないか。」
奏太はデスクの上にある封筒を一枚、沙夜に手渡した。
「何?これ。」
「旅行保険と楽器保険の書類な。中に契約書が入ってて、本人の名前と住所、それから連絡先。身内のヤツの名前と連絡先を書いて、印鑑を押してもらって。」
「いつまで?」
「一週間は余裕を持たせてる。」
「わかったわ。」
「こっちはお前のな。」
そう言って奏太はまた封筒を手渡す。そちらには楽器保険の書類は入っていない。
「身内は受取人って事よね。何かがあったときの。」
その何かというのは、本人が死亡したときの金の受取人と言うことだろう。こういうモノに縁が無いようにしたいモノだと、沙夜は思いながらその資料を受け取った。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
彼女の母は蜜の味
緋山悠希
恋愛
ある日、彼女の深雪からお母さんを買い物に連れて行ってあげて欲しいと頼まれる。密かに綺麗なお母さんとの2人の時間に期待を抱きながら「別にいいよ」と優しい彼氏を演じる健二。そんな健二に待っていたのは大人の女性の洗礼だった…
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる