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ジャーマンポテト
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駐車場にやってくると、沙夜は車の鍵を開ける。この出版社は駐車場が野外にあり、みんな傘をさして車に近づいた。
「この駐車場ってこの出版社専用ってわけじゃないのか。」
そう言われて、奏太はその出口を見る。そこには料金表があった。外部の人でも車を停められるようになっているらしい。
「えぇ。そうね。だからほら。」
近くに停められている車は他の会社の社用車らしい。お菓子メーカーのロゴが車の扉にプリントされていた。
「ふーん。で、これを入れたら駐車料は免除ってわけだ。」
帰りに駐車券を渡された。こちらを入れると金銭は発生せずにバーがすんなり開くらしい。沙夜はそう言うと運転席を開けようとした。すると奏太がそれに気がついて沙夜に声をかける。
「俺が運転するから。」
「あら。そう?良いのに。」
「帰り道を覚えたいんだよ。」
「対して難しくないわ。右に曲がって大通りに出るとすぐにわかると思うけど。」
「それでも運転するから。」
何を意地になっているのかわからないが、沙夜もこんな所で意地を張りたくないと奏太に鍵を渡す。そして助手席側に向かった。
「沙夜さん。うちのからメッセージ来てる。」
そう言って治は沙夜に携帯電話の画面を見せる。
「え?あぁ。もしかしてもう教えてくれたの?」
「仕事が今日は朝番だったからかな。もう少し前に仕事を終えて、今から保育園に迎えに行くらしい。その間にメッセージを入れてくれたんだろう。」
治の携帯電話を手にしながら、沙夜は車に乗り込んだ。そして感心したように頷くと、治にその携帯電話を返す。
「治の奥さんが沙夜さんに何か用なの?」
遥人はそう言って携帯電話を治に渡す。すると治が少し笑いながら言う。
「別にたいしたことじゃないよ。ほら、テレビのヤツでさ。ジャーマンポテトの話したじゃん。」
「あぁ、遥人にいわれたヤツ?」
「うん。あのあとに沙夜さんに作り方を教えて欲しいって言われてさ。」
「はぁ……沙夜さんって本当に料理が好きなんだな。」
遥人はそう言って感心したように沙夜を見る。
「別に好きってわけではないけれどね。音楽以外だったら、唯一夢中になれることだから。」
「それが好きってモノなんだよ。翔が羨ましいな。帰ったら沙夜さんが作った飯があるんだろう。」
精算機にチケットを差し込むと、料金は表示されないままバーが上がる。そしてそのまま車を通りに持ってきた。
「それにしてもあれだな。」
「ん?」
遥人は外を見ながら口にする。
「エレベーターホールで女が来ただろ?金髪のさ。」
「あぁ、あれが遥人が言ってた女か。」
「うん。あの女が来なくて良かった。あの朝倉って人は、人間性かな。俺普通に受け入れられたよ。」
「あの金髪のヤツ駄目だったのか?」
「んー。駄目ってわけじゃないんだけど、俺じゃなくて母親のこととか聞きたそうだったな。母親は舞台女優だったけど、ほら一本だけ映画に出たんだ。その映画のファンだったみたいで。」
「何だよ。それ。お前じゃなくて母親のファンって……。」
澄香ならやりかねない。そう思いながら、沙夜はその話を聞いていた。
「あぁ。遥人の母親は舞台女優だっけ。」
奏太はそう言ってハンドルを切る。奏太はそう言った関係には結構疎いのだ。
「亡くなってもう経つな。そうだ……明日月命日だっけ。」
亡くなったときにはいつも母親の墓へ行っていた。死んだ人に何がわかるのかと言われかねなかったが、墓石を見ていると母親の笑顔が浮かんでくるようだった。
学校から帰ってくると、いつも料理をしていた。簡単だがおやつを作ってくれたこともある。そして父親にはジャーマンポテトを作っていた。帰るのが遅くなっても美味しく食べれるように工夫をしていたのだ。
「たまには帰るか。」
「家に?」
「滅多に帰らないんだけどな。兄夫婦がいつも行ってるから。孫を連れて父親の様子を見に来てる。まぁ……家政婦もいるし、家の中は綺麗だけどな。」
父親の方も相変わらず忙しいようだったが、あの広い家に一人きりでいるというのはとても寂しいだろう。そして自分もそうなりかねない。
一馬や治を見ると、早く結婚をするのも悪くないと思う。帰ってきて、ただいまと言えばお帰りと行ってくれる相手がいるのは、ただ寝に帰るだけの家より良いだろう。だからといって誰でも良いわけじゃ無い。自分にも選ぶ権利はあるのだ。第一の条件は、料理が上手いことだろう。沙夜を見ているとそう思う。
「そうだわ。それはともかくとして、みんな映画の予告を見るかしら。」
沙夜は携帯電話の画面を見ながら言うと、五人は頷いた。
「音楽と映像が加わってどんな感じなのか気になるよ。VJとかとは違うんだろうし。」
翔はそう言うと、一馬はいぶかしげな顔をして言う。
「映画か……まぁ、見て「気になる」というような予告になっていれば良いが。」
「どうかしらね。指定されたくらいのテンポで尚且つメロディアスな曲調でしょう?それがどんな感じなのかは気になる所よね。」
「映画ってほら不倫の映画だろう?だからこの歌詞は渡先生に書いてもらったわけだし。」
相変わらず五人は渡摩季が芹だとは気がついていないようだ。その言葉に奏太は運転をしながら、沙夜に聞く。
「そう言えばお前、あの女……何つったっけ。」
「石森さん?」
「あぁ。くそ生意気な女。あの女に呼び出されたのって、その渡摩季ってヤツのことか?」
「えぇ。今は渡先生は出版社に所属していて、詩集なんかも出版をすることが決まっているけれど、元々は私が引き受けていたの。」
「お前、「二藍」の担当もしてて、その渡摩季って女のモノもしていたのか。」
「えぇ。何か問題があるかしら。」
沙夜にとっては普通のことだった。それに渡摩季というのは表に出ない。雑誌のインタビューをされるにしても、顔を決して晒さないのだ。ここでも沙夜では無いといけないことがあるのに、奏太は呆れたように沙夜に言った。
「お前、よく倒れなかったよな。仕事が早いのはわかっていたけど。」
「だからあなたが必要なのよ。頼りにしているわ。」
そう言われて奏太はため息を付いた。今までそんなことを言われたことは無い。沙夜も意地を張りすぎたと思っていたのだ。それは奏太も一緒で、謝ろうと思っていたのを先に越されたと思う。
「奏太は石森さんとは相性が悪そうだったな。」
治はそう言うと、奏太は口を尖らせて言う。
「事実を言われて、逆ギレしたんだよ。子供みたいだったよな。」
その言葉に沙夜は驚いたように奏太を見る。こんな風に素直に謝ることが出来るのかと思ったからだ。
「明日雨か?奏太がそんな風に反省するなんて。」
遥人が驚いたように言うと、奏太は咳払いをして言う。
「うるせぇな。俺だって反省くらいするよ。」
可愛くない言葉しか出てこない。その言葉に沙夜は少し笑った。
「色んな音楽を聴くと良いわ。私もまだまだわからないこともあるし。」
すると奏太は青になった信号を見て、また車を走らせる。
「俺、極端だったんだよ。世界中を回って、色んな音楽を聴いた。砂漠の原住民の女が歌っている音楽とか、空き缶を馴らして作る音とか、山奥で農作業をしているおばさんの歌声とか。そういうモノを聴いて音楽って思い込んでた。」
「それも立派な音楽だと思うけどな。」
翔はそう言うと、奏太はそれを否定する。
「音楽だったけど、でもドストライクなロックとかジャズとかそういうモノは「作られたモノだ」って耳を貸さなかったから。あとはクラシックしかしてなかったし。」
「え?そうなんだ。だったらあの世界的なロックバンドの音とかも知らないのか。」
純が驚いたように奏太に聞く。すると奏太は少し頷いて言った。
「どうしてもタイミングのずれとか、音程の悪さばっかり耳について聴く気にならなかった。でもそれもまた音楽なんだよな。」
耳が下手に良いから違和感を感じていたのだろう。すると純が声を上げる。
「だったら今度俺のおすすめ聴く?あっちの方のバンドのヤツでさ。ギターのテクは俺、未だに参考にしてるんだ。」
「あー純。そういうのはもっと後からで良いんじゃ無いの?クラシック畑だったら、テクノが良いって。」
「いや。ジャズだろう。」
「こっちのドラムも……。」
みんながそれそれに言い合っている。それを奏太はウザそうに聞いていたが、その横顔は嬉しそうだった。こうして奏太も受け入れられていくのだろう。沙夜はそう思いながら、雨で早く暗くなった道を見ていた。
「この駐車場ってこの出版社専用ってわけじゃないのか。」
そう言われて、奏太はその出口を見る。そこには料金表があった。外部の人でも車を停められるようになっているらしい。
「えぇ。そうね。だからほら。」
近くに停められている車は他の会社の社用車らしい。お菓子メーカーのロゴが車の扉にプリントされていた。
「ふーん。で、これを入れたら駐車料は免除ってわけだ。」
帰りに駐車券を渡された。こちらを入れると金銭は発生せずにバーがすんなり開くらしい。沙夜はそう言うと運転席を開けようとした。すると奏太がそれに気がついて沙夜に声をかける。
「俺が運転するから。」
「あら。そう?良いのに。」
「帰り道を覚えたいんだよ。」
「対して難しくないわ。右に曲がって大通りに出るとすぐにわかると思うけど。」
「それでも運転するから。」
何を意地になっているのかわからないが、沙夜もこんな所で意地を張りたくないと奏太に鍵を渡す。そして助手席側に向かった。
「沙夜さん。うちのからメッセージ来てる。」
そう言って治は沙夜に携帯電話の画面を見せる。
「え?あぁ。もしかしてもう教えてくれたの?」
「仕事が今日は朝番だったからかな。もう少し前に仕事を終えて、今から保育園に迎えに行くらしい。その間にメッセージを入れてくれたんだろう。」
治の携帯電話を手にしながら、沙夜は車に乗り込んだ。そして感心したように頷くと、治にその携帯電話を返す。
「治の奥さんが沙夜さんに何か用なの?」
遥人はそう言って携帯電話を治に渡す。すると治が少し笑いながら言う。
「別にたいしたことじゃないよ。ほら、テレビのヤツでさ。ジャーマンポテトの話したじゃん。」
「あぁ、遥人にいわれたヤツ?」
「うん。あのあとに沙夜さんに作り方を教えて欲しいって言われてさ。」
「はぁ……沙夜さんって本当に料理が好きなんだな。」
遥人はそう言って感心したように沙夜を見る。
「別に好きってわけではないけれどね。音楽以外だったら、唯一夢中になれることだから。」
「それが好きってモノなんだよ。翔が羨ましいな。帰ったら沙夜さんが作った飯があるんだろう。」
精算機にチケットを差し込むと、料金は表示されないままバーが上がる。そしてそのまま車を通りに持ってきた。
「それにしてもあれだな。」
「ん?」
遥人は外を見ながら口にする。
「エレベーターホールで女が来ただろ?金髪のさ。」
「あぁ、あれが遥人が言ってた女か。」
「うん。あの女が来なくて良かった。あの朝倉って人は、人間性かな。俺普通に受け入れられたよ。」
「あの金髪のヤツ駄目だったのか?」
「んー。駄目ってわけじゃないんだけど、俺じゃなくて母親のこととか聞きたそうだったな。母親は舞台女優だったけど、ほら一本だけ映画に出たんだ。その映画のファンだったみたいで。」
「何だよ。それ。お前じゃなくて母親のファンって……。」
澄香ならやりかねない。そう思いながら、沙夜はその話を聞いていた。
「あぁ。遥人の母親は舞台女優だっけ。」
奏太はそう言ってハンドルを切る。奏太はそう言った関係には結構疎いのだ。
「亡くなってもう経つな。そうだ……明日月命日だっけ。」
亡くなったときにはいつも母親の墓へ行っていた。死んだ人に何がわかるのかと言われかねなかったが、墓石を見ていると母親の笑顔が浮かんでくるようだった。
学校から帰ってくると、いつも料理をしていた。簡単だがおやつを作ってくれたこともある。そして父親にはジャーマンポテトを作っていた。帰るのが遅くなっても美味しく食べれるように工夫をしていたのだ。
「たまには帰るか。」
「家に?」
「滅多に帰らないんだけどな。兄夫婦がいつも行ってるから。孫を連れて父親の様子を見に来てる。まぁ……家政婦もいるし、家の中は綺麗だけどな。」
父親の方も相変わらず忙しいようだったが、あの広い家に一人きりでいるというのはとても寂しいだろう。そして自分もそうなりかねない。
一馬や治を見ると、早く結婚をするのも悪くないと思う。帰ってきて、ただいまと言えばお帰りと行ってくれる相手がいるのは、ただ寝に帰るだけの家より良いだろう。だからといって誰でも良いわけじゃ無い。自分にも選ぶ権利はあるのだ。第一の条件は、料理が上手いことだろう。沙夜を見ているとそう思う。
「そうだわ。それはともかくとして、みんな映画の予告を見るかしら。」
沙夜は携帯電話の画面を見ながら言うと、五人は頷いた。
「音楽と映像が加わってどんな感じなのか気になるよ。VJとかとは違うんだろうし。」
翔はそう言うと、一馬はいぶかしげな顔をして言う。
「映画か……まぁ、見て「気になる」というような予告になっていれば良いが。」
「どうかしらね。指定されたくらいのテンポで尚且つメロディアスな曲調でしょう?それがどんな感じなのかは気になる所よね。」
「映画ってほら不倫の映画だろう?だからこの歌詞は渡先生に書いてもらったわけだし。」
相変わらず五人は渡摩季が芹だとは気がついていないようだ。その言葉に奏太は運転をしながら、沙夜に聞く。
「そう言えばお前、あの女……何つったっけ。」
「石森さん?」
「あぁ。くそ生意気な女。あの女に呼び出されたのって、その渡摩季ってヤツのことか?」
「えぇ。今は渡先生は出版社に所属していて、詩集なんかも出版をすることが決まっているけれど、元々は私が引き受けていたの。」
「お前、「二藍」の担当もしてて、その渡摩季って女のモノもしていたのか。」
「えぇ。何か問題があるかしら。」
沙夜にとっては普通のことだった。それに渡摩季というのは表に出ない。雑誌のインタビューをされるにしても、顔を決して晒さないのだ。ここでも沙夜では無いといけないことがあるのに、奏太は呆れたように沙夜に言った。
「お前、よく倒れなかったよな。仕事が早いのはわかっていたけど。」
「だからあなたが必要なのよ。頼りにしているわ。」
そう言われて奏太はため息を付いた。今までそんなことを言われたことは無い。沙夜も意地を張りすぎたと思っていたのだ。それは奏太も一緒で、謝ろうと思っていたのを先に越されたと思う。
「奏太は石森さんとは相性が悪そうだったな。」
治はそう言うと、奏太は口を尖らせて言う。
「事実を言われて、逆ギレしたんだよ。子供みたいだったよな。」
その言葉に沙夜は驚いたように奏太を見る。こんな風に素直に謝ることが出来るのかと思ったからだ。
「明日雨か?奏太がそんな風に反省するなんて。」
遥人が驚いたように言うと、奏太は咳払いをして言う。
「うるせぇな。俺だって反省くらいするよ。」
可愛くない言葉しか出てこない。その言葉に沙夜は少し笑った。
「色んな音楽を聴くと良いわ。私もまだまだわからないこともあるし。」
すると奏太は青になった信号を見て、また車を走らせる。
「俺、極端だったんだよ。世界中を回って、色んな音楽を聴いた。砂漠の原住民の女が歌っている音楽とか、空き缶を馴らして作る音とか、山奥で農作業をしているおばさんの歌声とか。そういうモノを聴いて音楽って思い込んでた。」
「それも立派な音楽だと思うけどな。」
翔はそう言うと、奏太はそれを否定する。
「音楽だったけど、でもドストライクなロックとかジャズとかそういうモノは「作られたモノだ」って耳を貸さなかったから。あとはクラシックしかしてなかったし。」
「え?そうなんだ。だったらあの世界的なロックバンドの音とかも知らないのか。」
純が驚いたように奏太に聞く。すると奏太は少し頷いて言った。
「どうしてもタイミングのずれとか、音程の悪さばっかり耳について聴く気にならなかった。でもそれもまた音楽なんだよな。」
耳が下手に良いから違和感を感じていたのだろう。すると純が声を上げる。
「だったら今度俺のおすすめ聴く?あっちの方のバンドのヤツでさ。ギターのテクは俺、未だに参考にしてるんだ。」
「あー純。そういうのはもっと後からで良いんじゃ無いの?クラシック畑だったら、テクノが良いって。」
「いや。ジャズだろう。」
「こっちのドラムも……。」
みんながそれそれに言い合っている。それを奏太はウザそうに聞いていたが、その横顔は嬉しそうだった。こうして奏太も受け入れられていくのだろう。沙夜はそう思いながら、雨で早く暗くなった道を見ていた。
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