夏から始まる

神崎

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兄のように

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 唇を何度も重ねて、口の中に舌を入れ込む。だが歯を食いしばっているようでその中に入れ込めない。
「口開けろよ。」
「イヤ……。」
「いい加減認めろよ。俺のも気持ちいいんだろう?」
 窓ガラスに押しつけられて、上を向かされる。そして唇を重ねてきた。そのまま胸に触れると、シャツ越しでもわかるくらい柔らかい。
 固いところが下着もシャツ越しでもわかるほど、固くなっている。そこを摘んでいくと菊子の口が開いた。
「あっ……。」
 棗はその口内の中の舌を味わうように舐める。水の音が響き、それと同時進行で、胸に触れた。
「菊子のこんなに固いのわかる。すげぇやらしいの。シャツ越しでもわかるな。夕べ休憩でしたのか?」
「……そんなの……答えないと……。」
「言えよ。何回されたんだよ。」
 乳首を掴む指に力が入ったらしい。それだけでどうにかなりそうだ。
「……二回……。ゴム二つしかなかったから……。」
「ラブホって二つしかねぇもんな。」
 しかしここを蓮は夕べ好きなようにしたのだ。そして菊子もそれを望んでいた。自分はレイプするようにしか菊子を抱けないのに。
 シャツをまくり上げると、白い下着が見える。背中に手を伸ばすと、その下着を取った。
「あ……。」
 隠すように腕で前を隠す。すると棗は少し笑った。
「どうした。今更。」
「だって……ここじゃ……。」
 すると棗は菊子の体を抱き寄せると、まくり上げられているだけのシャツや下着をとる。そしてベッドに押し倒すと、腰を浮かせてジーパンや下着をとる。どうやらあとは首だけのようだ。前に驚くほどあとを付けたこともあったのに、今日は綺麗なものだ。やはり時間がなかったのかもしれない。
 時間なら今日は棗の方がある。店の仕込みをするまでまだたっぷり時間はあるからだ。
「お前、何でもう濡れてんだよ。」
 足を広げると、菊子のそれはもう濡れ始めていた。広げるとピンク色のそれから蜜が溢れ始めている。
「や……そんなにみないで……。」
「やらしい体。クリもビンビンだし、ここの締まりも良いし。」
 指をいきなり入れたのに、そこは温かくてぐっと締めてきた。
「あっ……。」
 切ない顔をしている。なのに足を広げなくても、足を広げてくる。やって欲しいのか、やられたくないのかわからない。
 指を抜くと、その指に液体がからみついてきた。それを舐めると、思い切ってすい付くようにそこに舌を這わせた。その上の固いところも、性器にも舌を這わせる。
「すげぇ。舐めれば舐めるほど溢れるな。」
 口を離して、指をまた入れる。そのたびに菊子は声を上げてもう絶頂しそうだった。
「駄目……あっ……棗さん……。イく!イくから!」
「イけよ。菊子。」
 ぐちゃぐちゃと音を立てているところは、さらにべちゃべちゃと音を立てた。
「あ!ああああ!」
 頭の中が白くなるようだった。菊子はそのまま息を切らせて、横たわる。
「やらしい体だな。これくらいでイくなんて。」
 棗はそういってシャツを脱ぐ。そしてジーパンと下着を脱ぐと、ベッドの上に横たわる。
「菊子。このまま舐めて。尻こっちに向けてな。」
「え……そんなことをしたら……。」
「舐め合うんだよ。ほら。早く。」
 棗のそれはもうすでに大きくなっていた。それを菊子は舌を這わせる。そして口の中に入れた。すると自分のそこになま暖かい感触が伝わってくる。
「ん……ん……。」
 声が出せない。押さえきれないくらいの衝撃があるのに、口にくわえているそれが声を上げさせてくれない。代わりに、部屋の中には互いの体液の音がする。
「やべ……菊子。口離して。」
 まさか性器だけではなく、その柔らかいところまで舐めてくると思わなかった。そんなことも蓮はさせているのだろうか。そう思うと、腹が立つ。
「菊子。そのまま入れて。」
「……ゴム欲しいです。」
「……あ……そうだったな。」
 わざと忘れたふりをしたのに、ちゃっかりその辺は冷静だった。棗はベッドサイドから新品の箱を取り出して、その中身の一つを菊子に手渡す。
「つけて。」
 素直にそれを破ると、今まで加えていたそれにそのゴムをつける。そして体勢を棗の方に向けると菊子は、少し腰を浮かせた。
「入れるとこわかってるよな。」
「ん……。」
「ほら。菊子みてみろよ。」
 顔を赤くさせて、その衝撃に耐えているのに棗はその下を見ろというのだ。そしてそこには自分の中に入るそれがありありと見える。しかもそれは音を立てて飲み込まれるようだった。
「あっ……お前、そんなに締めるな。」
「そんなこと言われても……。」
 ぐじゅっと音を立てて、根本まで入っていったとき、思わず菊子は息を切らせた。
「入ったな。そのまま動けるか?」
「やったこと……無いんですけど……。」
 蓮は体格がいいので責めることしかしなかったのだろうか。そんなものなのかと菊子も思っていたのかもしれない。
「動いて。ほら。そのやらしい音立てて。」
「そんなこと言わないで……・あっ……あっ……。駄目……。」
 下を向くと、自分のものが菊子の中に入ったりでたりしているのがわかる。太股のあたりが濡れているということは、おそらく菊子が濡らしたのだろう。それだけ感じているのかもしれない。
「あっ……あっ……。ああああ!棗さん駄目!いきなり激しい!」
 その細い腰を掴み、入れたまま下から突き上げる。それだけで菊子は絶叫している。
「ああああ!」
「ここだろ?感じるの。すごいな。菊子。」
 びくっと体を震わせて、膝から崩れ落ちるようにへたり込んだ。そしてそのとき思わず抜けてしまった。棗はその菊子を寝かせると、足を持ち上げさせる。そして再びその中に入れ込んだ。
「あっ!あっ!深い!」
「すごいな。菊子の中。本当に昨日蓮としたのか?」
「……ん……あっ……。」
「あっ……菊子……。イく。イきそう。」
 棗はそのまま菊子の中で果てた。息を切らせている菊子の唇にキスをすると、乳首にまた指を這わせた。
「棗さん……。まだするんですか?」
「棗って言えよ。ほら。菊子。」
 乳首をぎゅっと掴み引っ張ると、さらに菊子は声を上げた。
「あっ……。」
「言わないと、さらに責めるからな。」
 舌をのばして、乳首を音を立てて舐めた。そのたびに菊子は声を上げる。
「まだ……まだ余韻が残って……棗……やめて。これ以上したら気が狂う。」
「狂えよ。ほら。どこが気持ちいいんだ。言えよ。」
「……意地悪……。」
 泣きそうな菊子をみるとゾクゾクする。ここまで自分がサディスティックだっただろうか。そう思いながら、また固くなってきた性器に被さっているゴムを取る。
 そして度重なる絶頂で、気絶しそうな菊子に再び自分を入れ込んだ。
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