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親
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目を覚ますと、少しだけ周りが明るかった。眠るというよりも気絶するという感覚だったのかもしれない。菊子はその状況に少し戸惑っていたが、横で眠っている蓮を見て一気に安心した。
夕べ何度も求められた。
初めての行為なのに、菊子もまた蓮を求めていたのだ。痛みと快楽が交差して、それでも幸せだと思える。手を伸ばして体を寄せる。すると蓮も菊子の方に腕を伸ばし、彼女を抱きしめた。
「……。」
しかしいつまでもこうしていられない。朝の仕事が始まるのだ。
体を離そうと手を伸ばす。しかし蓮の力は弱まらない。
「起きてます?」
「うん。」
「離してくださいよ。」
「イヤ。」
蓮はそういって目を開けると、菊子の体を抱き寄せて唇を重ねた。それは軽くではなく、舌を入れて深くキスをする。何度もしているうちに、蓮は菊子の上に乗りかかり、赤い跡のついている胸に触れた。
「ん……。蓮……。だめ。仕事が……。」
「まだ時間があるだろう?ぎりぎりまでしたい。ずっとしたかった。」
だがちらりと枕元を見る。箱の中が空になっている。
「……止めとくか。」
そういって菊子の体から離れた。そして体を起こすと、ベッドから降りようとした。
「蓮?」
「ゴムないし、仕事だろう?」
「でも……収まらないんじゃ……。」
「朝だから立ってるだけだ。気にするな。少ししたらおさ……おい……。」
すると菊子は体を起こして、夕べしたように床に座ると蓮の性器に手を這わせる。
「それは収まらないから。ん……。菊子。だめだ。入れたくなる。生はさすがに……。」
「出すだけ出してください。」
菊子は口を開けて、それを口に入れる。そして舌で刺激した。
「菊子……。」
おかしいな。夕べはすぐ出たのに。何故まだイかないんだろう。
「気持ちよくないですか?」
思わず口を離し、蓮に聞く。すると彼は顔を赤くさせて、菊子を抱き抱えて膝に乗せた。
「夕べ何回シタと思ってんだ。」
その言葉に菊子の顔が赤くなる。
「でも気持ちいいし、たぶん入れたら出ると思う。」
「……ごめんなさい。収まらなかったんですよね。」
頭をぽんと撫でて、そのまま唇を重ねた。
シャワーを二人で浴びて、蓮は菊子を家に送る。すると女将は少し笑いながら、菊子を迎えてくれた。
「蓮さん。悪かったわね。急にこんな事をお願いして。」
「役得でした。」
その言葉に女将は少し笑った。対して菊子は顔を真っ赤にしている。そんなことをばらされたくなかったから。
「朝食を食べますか?今用意しているんですよ。」
「朝飯を食べるのは久しぶりですね。いただきます。」
「あら不健康ですね。」
「いつもだったらまだ寝てる時間ですから。」
蓮がこうして家に入り込んで、食事をするのはおそらく二度目。裏口の隣には厨房があり、そこには皐月もいた。彼は蓮の姿を見ると、さっと視線を逸らす。後ろめたいからだろう。
「菊子さん。お客様用のいすを出したら、着替えてきなさい。」
「はい。」
二階の倉庫から折りたたみのいすを取り出した。そしてリビングの空いているスペースにセットすると、蓮はそこに荷物を置いた。
「手伝いましょうか。」
「あら。いいのに。もうほとんど終わっているんですよ。でもまぁ……魚を見てくださる?もうそろそろ焼けてると思うんですけど。」
そんな会話を聞きながら、菊子は部屋に戻る。そしてシャツとジャージを脱いだ。すると胸元に赤い斑点が数カ所ついている。それは蓮の名残だ。
少し頬が赤くなってそれを隠すように、菊子はカーキ色のシャツを身につけた。
「うまいです。味噌汁が久し振りですね。」
蓮はそういいながら食事をしていた。大将も上機嫌に、食事をしている。菊子が朝帰りをした上に、今日は市場もいいものを仕入れることが出来た。今日の客は運がいい。
だが暗いのは皐月だった。さすがに自分の雇用者の孫をレイプしかけたのだ。どうして「クビだ」とかいわないのだろう。この静けさが怖い。
「皐月。」
おもむろに大将から声をかけられる。
「食事が終わったら、散髪屋へ行け。」
「散髪?」
「そう。それで許してやるから。」
何もいわない。菊子のためにはそれでいいのだろうか。蓮はちらりと菊子を見るが、菊子はもう何も気にしていないようだった。
きっかけはどうあっても、皐月のおかげで気持ちを知ることが出来たし体を重ねることが出来た。
「俺が切ってあげましょうか。」
その蓮の言葉に皐月は首を横に降る。
「イヤ。自分で行きますよ。」
「気分的には虎刈りにでもしてやりたいところです。」
「まぁ。そうでしょうね。でも二人にとっては怪我の功名でしょう。いつまでも清い関係では、何も生まれませんから。」
そのときだった。裏口のチャイムが鳴った。女将は少し首を傾げて、席を立つ。
「何かしらこんな朝早くから……はい。はい。今出ますよ。」
一階に降りていく女将を見て、大将は蓮の方を見る。
「蓮さん。」
「はい。」
「私たちはそれほどあなたに悪意を持っていない。あなたは正直な人だし、何より菊子を大事にしているように感じる。だが両親は違う。」
「そのようですね。」
「剛は長男なのに、音楽の道へ行った。そしてその妻も音楽をしている。それだけ自分の道だけしか見ていない人だ。私も子供にあまり関われなかったのが悪かったのかもしれないが、その反面教師で菊子にはずっと強制をしているようにしか見えなかった。だから私はずっと、帰ってくるなりテストなど止めろとずっと言っていたのだが聞く耳を持たない。」
その言葉に菊子の箸が止まった。そんなことを大将から聞くのが初めてだったから。
「……そのようです。」
「あの両親を説得させるのは難しいぞ。」
「でもこっちの言葉を話せるんですよね。大丈夫ですよ。言葉が通じない、宇宙人であれば話は別ですけどね。」
「よく言うよ。菊子。あまり振り回されないように、自分をしっかり持ちなさい。ではないとずるずる引きずられるぞ。」
「あ、でも女将さんは引きずって良いとか。」
「女将はそういうかもしれないが、父親代わりとしてはなかなか複雑なものでね。」
卵焼きに手を伸ばしたときだった。女将が二階に上がってきた。そして後ろには大きな荷物を持った二人の男女がいる。
蓮はその二人を見て、あぁ、やっぱり似ているなと思っていた。
夕べ何度も求められた。
初めての行為なのに、菊子もまた蓮を求めていたのだ。痛みと快楽が交差して、それでも幸せだと思える。手を伸ばして体を寄せる。すると蓮も菊子の方に腕を伸ばし、彼女を抱きしめた。
「……。」
しかしいつまでもこうしていられない。朝の仕事が始まるのだ。
体を離そうと手を伸ばす。しかし蓮の力は弱まらない。
「起きてます?」
「うん。」
「離してくださいよ。」
「イヤ。」
蓮はそういって目を開けると、菊子の体を抱き寄せて唇を重ねた。それは軽くではなく、舌を入れて深くキスをする。何度もしているうちに、蓮は菊子の上に乗りかかり、赤い跡のついている胸に触れた。
「ん……。蓮……。だめ。仕事が……。」
「まだ時間があるだろう?ぎりぎりまでしたい。ずっとしたかった。」
だがちらりと枕元を見る。箱の中が空になっている。
「……止めとくか。」
そういって菊子の体から離れた。そして体を起こすと、ベッドから降りようとした。
「蓮?」
「ゴムないし、仕事だろう?」
「でも……収まらないんじゃ……。」
「朝だから立ってるだけだ。気にするな。少ししたらおさ……おい……。」
すると菊子は体を起こして、夕べしたように床に座ると蓮の性器に手を這わせる。
「それは収まらないから。ん……。菊子。だめだ。入れたくなる。生はさすがに……。」
「出すだけ出してください。」
菊子は口を開けて、それを口に入れる。そして舌で刺激した。
「菊子……。」
おかしいな。夕べはすぐ出たのに。何故まだイかないんだろう。
「気持ちよくないですか?」
思わず口を離し、蓮に聞く。すると彼は顔を赤くさせて、菊子を抱き抱えて膝に乗せた。
「夕べ何回シタと思ってんだ。」
その言葉に菊子の顔が赤くなる。
「でも気持ちいいし、たぶん入れたら出ると思う。」
「……ごめんなさい。収まらなかったんですよね。」
頭をぽんと撫でて、そのまま唇を重ねた。
シャワーを二人で浴びて、蓮は菊子を家に送る。すると女将は少し笑いながら、菊子を迎えてくれた。
「蓮さん。悪かったわね。急にこんな事をお願いして。」
「役得でした。」
その言葉に女将は少し笑った。対して菊子は顔を真っ赤にしている。そんなことをばらされたくなかったから。
「朝食を食べますか?今用意しているんですよ。」
「朝飯を食べるのは久しぶりですね。いただきます。」
「あら不健康ですね。」
「いつもだったらまだ寝てる時間ですから。」
蓮がこうして家に入り込んで、食事をするのはおそらく二度目。裏口の隣には厨房があり、そこには皐月もいた。彼は蓮の姿を見ると、さっと視線を逸らす。後ろめたいからだろう。
「菊子さん。お客様用のいすを出したら、着替えてきなさい。」
「はい。」
二階の倉庫から折りたたみのいすを取り出した。そしてリビングの空いているスペースにセットすると、蓮はそこに荷物を置いた。
「手伝いましょうか。」
「あら。いいのに。もうほとんど終わっているんですよ。でもまぁ……魚を見てくださる?もうそろそろ焼けてると思うんですけど。」
そんな会話を聞きながら、菊子は部屋に戻る。そしてシャツとジャージを脱いだ。すると胸元に赤い斑点が数カ所ついている。それは蓮の名残だ。
少し頬が赤くなってそれを隠すように、菊子はカーキ色のシャツを身につけた。
「うまいです。味噌汁が久し振りですね。」
蓮はそういいながら食事をしていた。大将も上機嫌に、食事をしている。菊子が朝帰りをした上に、今日は市場もいいものを仕入れることが出来た。今日の客は運がいい。
だが暗いのは皐月だった。さすがに自分の雇用者の孫をレイプしかけたのだ。どうして「クビだ」とかいわないのだろう。この静けさが怖い。
「皐月。」
おもむろに大将から声をかけられる。
「食事が終わったら、散髪屋へ行け。」
「散髪?」
「そう。それで許してやるから。」
何もいわない。菊子のためにはそれでいいのだろうか。蓮はちらりと菊子を見るが、菊子はもう何も気にしていないようだった。
きっかけはどうあっても、皐月のおかげで気持ちを知ることが出来たし体を重ねることが出来た。
「俺が切ってあげましょうか。」
その蓮の言葉に皐月は首を横に降る。
「イヤ。自分で行きますよ。」
「気分的には虎刈りにでもしてやりたいところです。」
「まぁ。そうでしょうね。でも二人にとっては怪我の功名でしょう。いつまでも清い関係では、何も生まれませんから。」
そのときだった。裏口のチャイムが鳴った。女将は少し首を傾げて、席を立つ。
「何かしらこんな朝早くから……はい。はい。今出ますよ。」
一階に降りていく女将を見て、大将は蓮の方を見る。
「蓮さん。」
「はい。」
「私たちはそれほどあなたに悪意を持っていない。あなたは正直な人だし、何より菊子を大事にしているように感じる。だが両親は違う。」
「そのようですね。」
「剛は長男なのに、音楽の道へ行った。そしてその妻も音楽をしている。それだけ自分の道だけしか見ていない人だ。私も子供にあまり関われなかったのが悪かったのかもしれないが、その反面教師で菊子にはずっと強制をしているようにしか見えなかった。だから私はずっと、帰ってくるなりテストなど止めろとずっと言っていたのだが聞く耳を持たない。」
その言葉に菊子の箸が止まった。そんなことを大将から聞くのが初めてだったから。
「……そのようです。」
「あの両親を説得させるのは難しいぞ。」
「でもこっちの言葉を話せるんですよね。大丈夫ですよ。言葉が通じない、宇宙人であれば話は別ですけどね。」
「よく言うよ。菊子。あまり振り回されないように、自分をしっかり持ちなさい。ではないとずるずる引きずられるぞ。」
「あ、でも女将さんは引きずって良いとか。」
「女将はそういうかもしれないが、父親代わりとしてはなかなか複雑なものでね。」
卵焼きに手を伸ばしたときだった。女将が二階に上がってきた。そして後ろには大きな荷物を持った二人の男女がいる。
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