夏から始まる

神崎

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決断

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 シャツを脱がされると、下着一枚になる。蓮は慣れた手つきで、背中に手を伸ばすと、その胸を覆っていた下着までとれてしまった。
「恥ずかしいです。」
「でも綺麗だな。」
「骨っぽくないですか?」
「確かにそうかもしれない。」
 蓮はそういって自分のシャツも脱ぎ捨てた。彼の右腕には入れ墨がある。その意味はわからない。
「でも柔らかいな。俺は堅いから。」
 そういって蓮は菊子の腕を握ると、自分の体に押しつけた。筋肉の感触は、とても堅いものだった。
「……違いますね。」
「男と女の差だろう。」
 菊子は隠すようにずっと胸の前に腕を置いている。だがみたい。そう思って蓮は、その手を離した。
 すると菊子の胸は高校生にしては大きい方かもしれない。白い胸の中心にあるその乳首はまだ誰にも触られたことの無いように、ピンク色だった。
「恥ずかしいです……。」
「だめだな。耐えれない。」
 恥ずかしがる表情と、震える体。そして赤く染まる頬。処女だからと遠慮していたのに、もう無理だ。
 大きな手が胸に触れ、そして唇が首筋を這った。
「あっ……。」
 自分で触れても何とも思わないそこに、蓮の指が這う。器用に触れられているその指が胸を揉みしだき、そしてその中心をとらえた。
「ひゃ……。」
 少し力を入れてそこを摘むと、体がびりびりと反応するようだった。
「スゴい立ってるな。」
「蓮。体がおかしいです。」
「おかしくない。俺に反応してくれてるんだ。」
「……んっ……。」
「声を我慢するな。苦しくなるぞ。」
 舌をのばして、乳首に舌を這わせると、ついに声が漏れた。
「ああっ。だめ……そんなに舐めないで。おかしくなるから……。」
 新鮮な反応だった。恥ずかしがる声も、初めての快楽も全てが新鮮で可愛いと思う。
 そして彼はその下に手を伸ばした。ジャージの下は、下着の感触がする。そしてそれを上からなぞった。
「あっ!」
 下着の上からでもわかるくらい濡れている。こんな風に女が濡れるのを見るのは久しぶりだった。ふと菊子を見る。恥ずかしさに耐えているように、顔を赤く染めている。ふと昔を思い出して、菊子に彼女を重ねてしまった。だがすぐに払拭するように、下着の中に手をいれた。
 茂みが手に当たり、その奥はもうすでに指に液体が絡みつくほど濡れている。
「まだ触ってなかったのに……。」
「そんなこと言わないでください。」
「菊子。ほら。」
 下着から手を離し、その指を見せた。粘着性のある液体が、蓮の指に絡んでいる。
「イヤです。恥ずかしい……。あ!ちょっと……止めてください。」
 おもむろにそれを舐めて笑った。
「直接見たい。脱がすぞ。」
 そう言ってそのジャージに蓮は手を伸ばす。少し腰を浮かせてもらい、下着まで取るともう全裸の状態だ。
「綺麗だな。白くて……柔らかい。」
 たまらない。蓮もジーパンのベルトに手をかけて、それらを脱いだ。すると恥ずかしそうに顔を背けていた菊子が、急に体を起こしてじっとそれを見る。
「それ……が?」
 下着に押しつぶされそうだったそれを、取り出すと菊子の顔が少し青ざめた。
「そんなものが……。」
「入るから。心配するな。」
 頭を撫でる手が、安心させる。だがそれは現実だ。性器は天を指し、少し濡れているように見えた。
 思わず手を伸ばして、それに触れる。
「何だ……菊子。う……。ちょっと待って……やばいから……。」
 蓮の顔が赤くなる。菊子は体を蓮の方に向けると、膝で立っている彼の性器に指を這わせた。それは触れる度にどんどん大きく堅くなっていく。
 誰に教わったわけでもない。だが菊子はそれに舌を這わせた。
「き……。ちょっと……あっ……。」
 唾液と蓮の分泌物が滑りをよくしている。そして口の中にはいると、すぐに精液で汚してしまいそうだ。
「やばい。菊子。それ以上するな。出るから。……んっ!菊子……待って……あっ……!」
 根本から衝撃があった。そしてぐっとそれが口の中を占める。少し生臭くて生温かいそれを喉の奥にしまい込む。
「……。」
「菊子……早々に出てしまったな。悪い。最近抜いてなかったし。」
「ごめんなさい。ずっと何か……私ばかり気持ちよくて……、蓮にも気持ちよくなって欲しかったから……。」
 すると蓮は座り込むと、菊子の頭を撫でた。
「気にするな。初めてだったら、自分が気持ちよくなることだけ考えてていい。俺だって気持ちよくなるから。」
 キスをすると、少し残り香がする気がする。だがそんなことはどうでもいい。唇を離すと、蓮は菊子を寝かせた。そして足を広げさせる。すると彼女の性器が彼の目の前に広がった。
 広げてみると濡れてはいるが、とても小さく萎縮しているように見えた。しかしその上に触れるとごりっという感触がした。そこは立っているらしい。
「あっ!」
「ここ気持ちいいか?」
「変な感じがします。」
 顔を近づけて、そこを舐め回す。すると菊子は腰を浮かせて、その快楽に耐えていた。
「あっ!あっ!」
 十分濡れている。でもとりあえず指を入れてみよう。中指を突き立てて、その入り口に突き刺した。
「い……痛い!」
 ぐっと締め付けてくるのは処女だからだろうか。
 指が入るとお腹を裂かれたのではないかという位痛かった。そしてその指が動かされる度に痛みでどうにかなりそうだった。
 だが入れるのは指ではなく、さっきまで菊子がくわえていたそれなのだ。菊子は涙目になりながら、痛みに耐えていた。
 しかし蓮はぐちゃぐちゃと音のする性器の中の指を、ぐっと探る。
「ああああ!」
 明らかにさっきと違う。どこか感じるところがあったのだろう。そこを中心に指を出し入れすると、明らかにさっきの苦痛の表情ではなく顔を赤くして快楽に溺れているようだった。
「あっ!あっ!」
 痛い。しかし気持ちいい。どちらなのかわからない。二本目の指が入れられたとき、菊子は体を震わせて絶叫した。
「そろそろ良いか。」
 そして蓮は菊子の腰を掴み上げると、そそり立っているそれを入り口にすり当てた。それだけでも気持ちいい。
「……あ……。」
 すると蓮はいったん、菊子を離すと枕の下から小さな包みを取り出した。そしてそれを自分にかぶせる。そしてまた仕切り直したように、彼女の腰にそれを当てた。
 音を立てて、性器が菊子の中に入っていく。そのたびに苦痛の表情を浮かべた。
「痛い!痛い!」
 亀頭が少し入っただけで泣いてしまいそうだった。蓮はそんな女を知らない。
「菊子。止めておくか?まだ少ししか入ってないし。」
 すると菊子は首を横に振った。
「いいえ。止めないでください。でも……ゆっくりすると、痛いの続くから一気にしてください。」
「度胸あるのか無いのかわからないな。」
 その言葉に容赦しようと思っていた考えを払拭させた。そして思い切って菊子の中に入っていく。
「いたぁーーーー!」
 奥まで入ったとき、菊子の頬に涙が流れた。
「全部入った。」
「全部?」
 涙を拭い、蓮はそのまま菊子の唇にキスをする。落ち着かせるようにじっくりと、舌を絡ませた。
「がんばったな。」
「蓮……。」
「お前の中スゴい気持ちいいな。さっき出たばっかりなのにまた出そうだ。」
 快楽なんかわからない。ただひっついていたかった。
 何度も体勢を変えて、蓮は今までのことを全て忘れて菊子を抱いていた。
 そして菊子も、蓮だけを見ていた。徐々になくなる痛みが、やがて快楽に変わる。
 互いの吐息が交差する中、蓮はゆっくりと菊子の体から離れる。そして微笑んでいた菊子の唇に、キスをした。
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