夏から始まる

神崎

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コンプレックス

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 教室と違って、進路指導室は冷房が利いていない。扇風機があるだけだ。その室内で、わざとかどうかはわからないが担任の吾川啓介は窓もドアも閉めた。まるで蒸し風呂のようだと思う。
「先生。せめて窓開けてくれない?すごい暑い。」
 梅子はそう言ってブラウスのボタンを一つあけた。そこから白くて大きな胸が見えそうだ。それにスカートもさっきからたくし上げられている。程良いむっちりとした太股が見えて、担任は少し咳払いをする。
 梅子の股が緩いという噂を聞いたことは何度もある。体育の教師とも関係があるらしく体育の時間に彼女が出ないのは、空いている教師とセックスをしているからだともっともらしい噂が一人歩きしているようだった。
「一応、個人情報の関係で外に漏れたらいけないことだ。だいたい、さっきから暑いって言ってるんだから、扇風機付けてるだろう?」
「熱風じゃん。」
 扇風機は確かにフルパワーで稼働しているが、熱風しか送られてこない。
「もう少しで終わる。なぁ、親はいつ学校に来れるんだ。三者面談が春にあって、お前の所は全く来ないんだが。」
「知らない。だって親はたぶんあたしの将来とか興味ないよ。」
「親だろう?」
「好きで作った子供じゃないってことでしょ?」
「バカか。そんな親がいるわけない。」
「知ってるくせに。うちの親、AV女優を引退したくてあたしを妊娠したのよ。父親だって誰かわからないって言うしさ。」
「……。」
 だから自暴自棄のようにセックスをしているというのか。本当にそんなものでいいのだろうか。
「普通の親じゃないもん。」
「だからお前は……。」
 言葉に詰まった。噂だ。そんな噂を鵜呑みにしているわけじゃない。だがその無防備な姿は、確かにそうとしか思えない。
「高宮。もっと自分を大事にした方がいい。」
 使い古されたような言葉に、梅子は思わず笑った。
「マジで言ってんの?やだ。先生。恥ずかしい。」
「お前なぁ……。」
「先生もやりたいだけでしょ?いいよ。」
 そう言って彼女は組んでいた足をおろし、広げようとした。白い下着が見えてきた。その姿に思わず生唾を飲んでしまう。だが首を横に振る。
「だめだ。そんなことをしてはいけない。だいたいここを何だと思ってるんだ。学校だぞ?」
 すると梅子は口を尖らせて言った。
「学校でも何度もしたよ。この間、先生二人相手にしたし。一人なんて楽勝でしょ?」
 呆れた。やはり噂は本当だったのか。生徒に手を出すなんて教師失格だ。
「俺はない。だいたい俺には妻がいるし。」
「知ってるよ。先生んとこ、妊娠中でセックスしてないって。いいよ?あたししても。あ、でもゴム持ってる?」
「学校に持ってくるようなものか。」
「だったら今度用意しておいてよ。あたし、生ではしたくないから。」
 奔放すぎて呆れる。そんなに楽に出来るものなのだろうか。だいたい、啓介は一人しか知らないのだ。妻とはずっと幼なじみで、高校の頃に初めて恋人同士になり、大学、社会人になってすぐに結婚したのだ。
 その妻は妊娠している。子供は二人目。一人目の子供もあって、随分妻には触れていない。だから一人で処理をしていたのに。
「……高宮。」
「何?」
「あまりそう言うことを口に出すものじゃない。貞操観念が緩いと思われるぞ。」
「貞操観念?そんなモノドブに捨ててきたわ。」
「高宮……お前……。」
 すると彼女はいすから立ち上がり、開いているその部屋の鍵を閉めた。そして窓のカーテンを閉める。
 そして啓介の前に立つ。近づきながら、ブラウスのボタンをもう一つあけた。
「先生、ほら、あたしおっぱい大きいんだ。」
 白い下着から完全に胸が見えている。啓介は手を捕まれ、下着の中に手を入れられた。確かに大きい。しっとりしていているのは汗だろうか。
「やめなさい。」
 言葉ではそう言うが、自然と指が動く。柔らかくてまるでマシュマロのような感触だった。そしてその中心には、固いモノがある。それを摘むと、梅子は少し吐息を漏らした。
「あっ……。先生すごい……。すごいあたし固くなってる。そんなにゴリゴリしないで。おかしくなりそう。」
 思い切ってその胸を下着から出すと、啓介はその乳首に吸い付いた。
「あっ……そんなになめ回したら……。欲しくなっちゃう……。」
 僅かに塩っぽく、それでいて手のひらでもみ上げる胸は張りがあった。
「あっ……。先生の舌、すごいやらしい……。ねぇ。下もして……。気持ちよくさせて。ゴムないなら、それだけでいいから。ね?」
 スカートをたくし上げて、下着の中に手を入れる。ちゃんと処理をしているのか、性器の周りには茂みはない。そのかわりもうぬるぬると濡れ始めていた。
「すごい。もう濡れてる……。」
 妻は濡れにくくて、あまり感じない方だ。だからセックス自体もそんなに期待はしていなかった。なのに、この女子高生はとても感じやすいのか、その性器の上にある固い部分もビンビンに尖っていた。
「あっ……。クリ弱いの……。」
「ここか?高宮の弱いところ。」
 指でさする度に声を上げる。外に漏れないか心配するが、それほど大きな声を出していない。梅子もそれをするのを馴れているようで、声を我慢する方法を知っている。
「あっ……。指が……。」
 指を入れると、そこはぬるぬるとからみつくようにうごめいていた。下着を付けたまま、そこを責め上げる。すると梅子は啓介の首に手を回して、その刺激に耐えているようだった。
「あっ……先生。そこの……そこすごい弱いの……んっ……。あっだめ。イク……イくから……。」
 首に回された手が、胸が、がくがくと震える。啓介はかまわずに指でそこを刺激し続けた。
「あっ、あーーーー。」
 吐息混じりに耳元で梅子は絶頂を迎えた。指を抜くと、彼女の中のモノがからみついてきている。
「……高宮……お前……。」
 吐息が収まるまもなく、梅子はすぐに首から手を離して床に座り込んでしまった。
「先生。すごいうまいんだ。子供二人作ってるだけあるね。」
「……あのな……高宮……。」
「先生。指貸して。」
 今度は責める番だと、梅子はその指を舐め始めた。
「高……。」
 そしてズボンのチャックに手が伸びる。下着から出てきたその大きなモノを彼女は両胸で挟み上げる。
「あっ……。」
「あたし、コレもうまいよ。先生すぐイっちゃうかもね。」
 唾液を垂らして、滑り良くする。胸だけではなく指や口でしごき上げる度に、どんどん射精しそうになった。
「た……。だめだ……。ん……。」
 すると梅子は慣れたようにそれをくわえ、そして出てきたモノを飲み込んでいく。
「すごい……。先生溜まってたね。」
 にっこりと笑う梅子は、とても十七か十八には見えなかった。
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