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二年目
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カウンターに戻ってきた梅子さんは、トレーにウィスキーと氷をいれた容器とコップをのせるとそのトレーを手に持った。
「……あらやだ。」
「どうした。」
「氷がきれたわ。持ってこないと困るわね。」
「裏に予備があるだろう。これは俺が持って行ってやる。」
松秋さんはそう言ってトレーを梅子さんから受け取った。そしてカウンターに出ていく。梅子さんはバックヤードにいくドアをくぐっていった。
再び松秋さんがカウンターに戻ってくると、彼は私に声をかけた。
「遊女がいるなら、一人買おうかと言ってきた。」
ため息をついたけれど、どうやったら話が出来るのかわからない。葵さんも困ったように、目の前の酒に口を付けていた。
「よし。」
私は気合いをいれて立ち上がる。
「どうしました?」
「行ってきます。」
「え?」
「このままぼんやりしてても何も進まないし、考えているだけではどうにもならないし。」
「大丈夫ですか。私がついて行ってもいいですけど。」
その言葉に首を横に振り、彼を止めた。
「一人で。」
「わかりました。」
いすから立ち上がると、私は奥の席へ向かった。その様子に、蓬さんはちょっと気後れした表情をしたようだったが、私だと言うことに気がついたのだろう。ふっと笑顔を薄く浮かべた。
「遊女が近づいてくるとはな。買って欲しいのか。いくらだ。」
「体を売るような女ではありませんよ。それに私の体には何の価値もありませんし。」
「女は生まれてきたときから女だ。どんな女でも性の対象にはなる。お前、酒は作れるか?」
「……見よう見まねでしかできませんが。」
「今から作るものはコーヒーだけではないのだろう。練習しておけばいい。お前は飲めるのか?」
「未成年ですし、お酒は弱いようです。」
「それは父親譲りというわけか。」
この人は私の父親のことを知っているのだろうか。と言うことは私の父親も……。
「座らないのか。」
「座っていいのですか?」
「座らなければ作れないだろう。」
少し離れたソファに座ると、私はコップを手にした。そして氷をいれる。そしてウィスキーを注いだ。
「ロックで?」
「チェイサーも用意してもらおう。」
そのための水だったのか。グラスをもう一つ用意して氷と、水を注いで彼の前に置いた。
「柊に作ることもあるのか。」
「私はお酒を全く飲めないようですので、彼も私に合わせて飲みませんよ。母とは飲むことがあるようですが。」
「……その柊はお前の晴れ姿を見に来ないのか。」
蓬さんはきょろきょろと周りを見渡す。どうやら葵さんの姿にも気がついていないようだ。元々少し薄暗い店内だ。テーブルにあるろうそくがぼやっと顔を浮かばせる。
「この後に会う予定です。」
「つかず、離れずの関係は相変わらずというわけか。やつのことをあまり理解していない割には、結婚するというのだろう?甘いやつだ。」
その話は蓬さんの耳にまで届いていたのか。少し驚いたけれど、そう言えば樒さんにその話をしているので彼に伝わっているのも、不思議じゃない。
「母も結婚したいそうです。」
「胡桃が結婚したいというのは、私の弟だ。末っ子で、甘ったれた男。末っ子の根性が抜けない。」
「母が気が強い方なので、それで気が合うのでしょう。」
正直、この人は苦手だ。だけど話はしないといけない。梅子さんが気を使って出してくれた温かいお茶に手を伸ばす。喉がからからで、ありがたかった。
「就職先が決まったようだな。」
「はい。」
「兄のところだと聞いた。柊もついて行くのか。」
「そのように聞いています。」
「……困ったものだ。」
蓬さんはため息をついて、ソファの背もたれにもたれた。
「まだ柊さんを?」
「去年は柊をこっち側に巻き込む手があったのだが……兄もあいつを手にいれたいと思っているからな。」
「社長が?」
「涼しい顔をしてコーヒー会社をたてたやつ。だが、実際は違う。どれだけ汚いことをしているか。私たちと変わらない。」
「……。」
「犬でもいるのか。」
この場合の犬はたぶん、当然本当の犬ではない。スパイか何かのことかもしれない。
「だから母を?」
その言葉に彼は私をみる。
「噂だろう。」
「しかしその噂の中心はあなたにある。火のないところに煙は立ちませんから。」
「……。」
「あなたが母を利用して、本家の中に入ろうとしていると言う噂。」
「本家には興味はない。案外、この組も大きいのでな。ただ……百合がいなくなったのは、正直痛い。」
やはり百合さんは蓬さんと繋がりがあった。薬は組に横流ししていたのだ。そうではないと女も男も薬漬けにすることは出来ないからだろう。
「……母は、私を育てようと必死でした。今の私よりも遙かに若いときに私を生み、なりふり構わず働いていました。あなたに体を開いたこともあるのでしょう。」
「愛人契約をしていたからな。そういうこともしないといけないだろう。ただ、あいつは俺の上で気持ちよさそうによがっていた。」
「そんな話を娘の前でするような人に、体を差し出した母を同情しますよ。」
すると彼は機嫌が悪そうに胸ポケットから煙草を取り出した。
「生意気な女だ。」
「幸せになって欲しい。私を何不自由なく育ててくれた母ですから、母も幸せになって欲しいと娘も思います。」
「だったら、お前が柊と別れればいい。そうしたら諸手をあげて、私も祝福をしよう。」
「それは出来ません。」
その答えはすぐに出てきた。
「今更別れられない。」
「お前はまだ若い。柊以上の存在が出てくるだろう。」
「出てきません。彼は彼しかいない。」
「強情な女だ。」
火をつけて、彼は煙草の煙を吐き出した。そして私の方をみる。
「桜。」
初めて彼は私の名前を呼んだ。しかしイヤな予感しかしない。
「何でしょうか。」
「選択肢をお前にやろう。」
「選びたくないと言えば?」
「柊と別れさせる。どんな手を使ってでもな。それから胡桃もこちら側に来てもらう。」
「……一応聞きます。」
そのやり方は、葵さんと一緒だ。一つは自分に有利な方を提示して、もう一つは絶対私が選ばない方を提示する。結局選ぶのは彼が有利な方だ。
「一つは、柊とともに組に入ってもらう。そうすれば、お前は奥事をしてもらいながら、やつと一緒になることも出来るだろう。」
「もう一つは?」
手が震えてくる。その様子を見て、彼はおかしそうに煙草を消した。
「前から言っている。私とデートをしろ。」
「は?」
リップサービスだと思っていたその言葉に、私は驚いて彼をみる。
「……あなたとデートをしたら無事ではすまないでしょう?」
「あぁ。手は出さない。保証はしないがな。どうせお前はどの男に抱かれても、柊を重ねるのだろう?もっとも……私はそんな生ぬるいことはしないがな。」
ぞっとする。何をされるのだろう。
「……今、結論を求めますか?」
「早い方がいい。まさか、そんな条件を柊に相談するのか。」
「場合によっては。」
「……もう隠さないのか。隠し事は下手だからか?」
「どこまで知ってるんですか。恐ろしい人。」
ヤクザだから。それだけでそのことを知っているのだろうか。最初に彼が言ったように、誰か彼に告げ口をする人がいるのかもしれない。
いきなり店内がわっと騒がしくなった。私が出てきたときも湧いたけれど、それ以上でみんながそっちを見ている。
「桜。」
その瞬間だった。彼は私の手を強く引き、その薄い唇が顔に近づいてきた。一瞬、軽く唇に触れた。
「手付けをしておいた。生理が終わったら連絡をしろ。」
今度は体を突き放す。唇についた口紅を拭い、彼は立ち上がった。
「梅子。そいつは置いていく。」
コートとマフラーを巻いて、梅子さんに見送られながら蓬さんは出ていった。残された私はソファに腰掛けながら、ぼんやりと空のお茶碗から目を離せない。
「……あらやだ。」
「どうした。」
「氷がきれたわ。持ってこないと困るわね。」
「裏に予備があるだろう。これは俺が持って行ってやる。」
松秋さんはそう言ってトレーを梅子さんから受け取った。そしてカウンターに出ていく。梅子さんはバックヤードにいくドアをくぐっていった。
再び松秋さんがカウンターに戻ってくると、彼は私に声をかけた。
「遊女がいるなら、一人買おうかと言ってきた。」
ため息をついたけれど、どうやったら話が出来るのかわからない。葵さんも困ったように、目の前の酒に口を付けていた。
「よし。」
私は気合いをいれて立ち上がる。
「どうしました?」
「行ってきます。」
「え?」
「このままぼんやりしてても何も進まないし、考えているだけではどうにもならないし。」
「大丈夫ですか。私がついて行ってもいいですけど。」
その言葉に首を横に振り、彼を止めた。
「一人で。」
「わかりました。」
いすから立ち上がると、私は奥の席へ向かった。その様子に、蓬さんはちょっと気後れした表情をしたようだったが、私だと言うことに気がついたのだろう。ふっと笑顔を薄く浮かべた。
「遊女が近づいてくるとはな。買って欲しいのか。いくらだ。」
「体を売るような女ではありませんよ。それに私の体には何の価値もありませんし。」
「女は生まれてきたときから女だ。どんな女でも性の対象にはなる。お前、酒は作れるか?」
「……見よう見まねでしかできませんが。」
「今から作るものはコーヒーだけではないのだろう。練習しておけばいい。お前は飲めるのか?」
「未成年ですし、お酒は弱いようです。」
「それは父親譲りというわけか。」
この人は私の父親のことを知っているのだろうか。と言うことは私の父親も……。
「座らないのか。」
「座っていいのですか?」
「座らなければ作れないだろう。」
少し離れたソファに座ると、私はコップを手にした。そして氷をいれる。そしてウィスキーを注いだ。
「ロックで?」
「チェイサーも用意してもらおう。」
そのための水だったのか。グラスをもう一つ用意して氷と、水を注いで彼の前に置いた。
「柊に作ることもあるのか。」
「私はお酒を全く飲めないようですので、彼も私に合わせて飲みませんよ。母とは飲むことがあるようですが。」
「……その柊はお前の晴れ姿を見に来ないのか。」
蓬さんはきょろきょろと周りを見渡す。どうやら葵さんの姿にも気がついていないようだ。元々少し薄暗い店内だ。テーブルにあるろうそくがぼやっと顔を浮かばせる。
「この後に会う予定です。」
「つかず、離れずの関係は相変わらずというわけか。やつのことをあまり理解していない割には、結婚するというのだろう?甘いやつだ。」
その話は蓬さんの耳にまで届いていたのか。少し驚いたけれど、そう言えば樒さんにその話をしているので彼に伝わっているのも、不思議じゃない。
「母も結婚したいそうです。」
「胡桃が結婚したいというのは、私の弟だ。末っ子で、甘ったれた男。末っ子の根性が抜けない。」
「母が気が強い方なので、それで気が合うのでしょう。」
正直、この人は苦手だ。だけど話はしないといけない。梅子さんが気を使って出してくれた温かいお茶に手を伸ばす。喉がからからで、ありがたかった。
「就職先が決まったようだな。」
「はい。」
「兄のところだと聞いた。柊もついて行くのか。」
「そのように聞いています。」
「……困ったものだ。」
蓬さんはため息をついて、ソファの背もたれにもたれた。
「まだ柊さんを?」
「去年は柊をこっち側に巻き込む手があったのだが……兄もあいつを手にいれたいと思っているからな。」
「社長が?」
「涼しい顔をしてコーヒー会社をたてたやつ。だが、実際は違う。どれだけ汚いことをしているか。私たちと変わらない。」
「……。」
「犬でもいるのか。」
この場合の犬はたぶん、当然本当の犬ではない。スパイか何かのことかもしれない。
「だから母を?」
その言葉に彼は私をみる。
「噂だろう。」
「しかしその噂の中心はあなたにある。火のないところに煙は立ちませんから。」
「……。」
「あなたが母を利用して、本家の中に入ろうとしていると言う噂。」
「本家には興味はない。案外、この組も大きいのでな。ただ……百合がいなくなったのは、正直痛い。」
やはり百合さんは蓬さんと繋がりがあった。薬は組に横流ししていたのだ。そうではないと女も男も薬漬けにすることは出来ないからだろう。
「……母は、私を育てようと必死でした。今の私よりも遙かに若いときに私を生み、なりふり構わず働いていました。あなたに体を開いたこともあるのでしょう。」
「愛人契約をしていたからな。そういうこともしないといけないだろう。ただ、あいつは俺の上で気持ちよさそうによがっていた。」
「そんな話を娘の前でするような人に、体を差し出した母を同情しますよ。」
すると彼は機嫌が悪そうに胸ポケットから煙草を取り出した。
「生意気な女だ。」
「幸せになって欲しい。私を何不自由なく育ててくれた母ですから、母も幸せになって欲しいと娘も思います。」
「だったら、お前が柊と別れればいい。そうしたら諸手をあげて、私も祝福をしよう。」
「それは出来ません。」
その答えはすぐに出てきた。
「今更別れられない。」
「お前はまだ若い。柊以上の存在が出てくるだろう。」
「出てきません。彼は彼しかいない。」
「強情な女だ。」
火をつけて、彼は煙草の煙を吐き出した。そして私の方をみる。
「桜。」
初めて彼は私の名前を呼んだ。しかしイヤな予感しかしない。
「何でしょうか。」
「選択肢をお前にやろう。」
「選びたくないと言えば?」
「柊と別れさせる。どんな手を使ってでもな。それから胡桃もこちら側に来てもらう。」
「……一応聞きます。」
そのやり方は、葵さんと一緒だ。一つは自分に有利な方を提示して、もう一つは絶対私が選ばない方を提示する。結局選ぶのは彼が有利な方だ。
「一つは、柊とともに組に入ってもらう。そうすれば、お前は奥事をしてもらいながら、やつと一緒になることも出来るだろう。」
「もう一つは?」
手が震えてくる。その様子を見て、彼はおかしそうに煙草を消した。
「前から言っている。私とデートをしろ。」
「は?」
リップサービスだと思っていたその言葉に、私は驚いて彼をみる。
「……あなたとデートをしたら無事ではすまないでしょう?」
「あぁ。手は出さない。保証はしないがな。どうせお前はどの男に抱かれても、柊を重ねるのだろう?もっとも……私はそんな生ぬるいことはしないがな。」
ぞっとする。何をされるのだろう。
「……今、結論を求めますか?」
「早い方がいい。まさか、そんな条件を柊に相談するのか。」
「場合によっては。」
「……もう隠さないのか。隠し事は下手だからか?」
「どこまで知ってるんですか。恐ろしい人。」
ヤクザだから。それだけでそのことを知っているのだろうか。最初に彼が言ったように、誰か彼に告げ口をする人がいるのかもしれない。
いきなり店内がわっと騒がしくなった。私が出てきたときも湧いたけれど、それ以上でみんながそっちを見ている。
「桜。」
その瞬間だった。彼は私の手を強く引き、その薄い唇が顔に近づいてきた。一瞬、軽く唇に触れた。
「手付けをしておいた。生理が終わったら連絡をしろ。」
今度は体を突き放す。唇についた口紅を拭い、彼は立ち上がった。
「梅子。そいつは置いていく。」
コートとマフラーを巻いて、梅子さんに見送られながら蓬さんは出ていった。残された私はソファに腰掛けながら、ぼんやりと空のお茶碗から目を離せない。
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