夜の声

神崎

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二年目

#233#

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 唇が何度も触れてきた。最初はヒジカタコーヒーの事務所の中で。嫌気しかなかった。思わず叩いてしまったのを覚えている。
 唇を割り、舌を差し込まれる。自分の口内に誘い込むように。煙草の匂いがした。柊さんとは違う匂い。
「ずっとこうしたかった。」
 長いキスをした後、茅さんは、私を抱きしめた。
「……彼以外に触れさせないと思ってたのに。」
「じゃあ、やめるか?」
「……そうね。今すぐ帰りたい。」
「駄目。帰らせない。」
 玄関先で、茅さんは私が着ているブレザーのボタンをはずした。
「やめて。ここじゃイヤだから。」
「お前さ……。煽る天才かよ。」
 そういって彼は私の手を引いた。そしていつもいるリビングの隣の部屋に連れてくる。そこにはベッドの上にぐじゃぐじゃになった布団がおいてある。きっと寝て起きたままなのだろう。
 再び彼は私の唇にキスをする。そして今度は激しく舌を絡ませてきた。持っていたバックが床に落ち、彼はキスをしたまま私の着ていたブレザーを脱がせ、ブラウスに指をかける。
「こういうAV見たことあるけど。」
「やめてよ。そんなこと言うの。」
「あんなのは嘘モノだから。ほら。こんなに柔らかい。それにほら、こんなに赤くなる。首。唇当てただけでこんなに赤い。」
「吸わないで。跡が付くから。」
「わかってる。」
 全てボタンを外されたブラウスの中に手を入れられ、下着を外された。そしてリボンを外されブラウスをはぎ取られると、ホックを外された下着が肩にだけ掛かっている状態で、何となく淫靡だった。
 それも外されると上半身は一糸身に纏っていない状態になる。胸が露わになって恥ずかしい。柊さんに見せることはだいぶ抵抗はなくなったけれど、他の人に見られるのはやっぱり抵抗がある。思わず手で隠してしまった。
「何で隠すんだよ。」
「恥ずかしいから。」
「今更恥ずかしがるな。見せろ。」
 手で包むようにその膨らみに触れてきた。頬が赤くなる。
「ヤバい。すげぇ柔らかい。けどここ硬くなってる。ほら。わかるか?」
「んっ……。」
 指で乳首に触れてきた。ぐりぐりと指で摘み、きゅっとわずかに引っ張ったりしてくる。そのたびに頭がそれしか考えられなくなってきた。肩を押されベッドに横になると、彼はその上に乗りかかってくる。そしてまた首もとに唇を寄せ、舌が耳に触れた。
「ひゃっ……。」
「色気のねぇ声。」
「だって……。なんか変なんだもん。」
「耳?」
「というか体が変。いつもじゃないみたいな……。」
「相手が違うからか。それとも……背徳感か?」
 そういって彼はまた胸に触れてきた。もう痛いくらいそこが立っているのがわかる。
「んっ……。あっ、ん……。」
 今度は舌で刺激してきた。ぬるっとした温かい感触がする。
「あっ!」
「良い声。もっと聞かせろよ。」
 柊さんじゃない。違う声。違う温もり。わかっていて、拒否したいのに拒否できない。恋愛感情なんか無いのだと思う。なのにその肌が温かい。
 触れてくる指が、唇が、舌が、とても私を高ぶらせる。自然と声がでる。
 彼もシャツを脱ぐ。スカートをとり、下着を脱ぐと、靴下も脱ごうとした。
「靴下、そのままにして。」
「何で?」
「燃えるから。」
「変態ね。」
「本当に変態なら、スカートのまま突っ込む。」
 本当ならそうさせたかったのだろう。だけどそれをしないのは、制服が皺にならないように。肌に後を付けたいのにつけないのは、柊さんのため。
 彼も身につけていたモノを全て脱ぐと、そこにはそそり立った彼自身がある。そしてまた彼は私の上に乗りかかってきた。
「まだ乳首立ってる。嫌らしい女子高生だな。」
「その女子高生にあなたも欲情してるわ。」
「ちがう。お前だからだ。」
 彼はそういって私をまた押し倒した。その腕には入れ墨が多数入っている。体にもいくつかの入れ墨があった。
 顔が近づき唇を合わせると、彼はその下に指を伸ばした。わずかな茂みの奥はきっと濡れている。彼が指でそこに触れたとき水の音がしたから。
 キスをしたままそこに触れ、そしてその穴の上にある硬いところにも指をはわせると、さらに水の音がした。唇をやっと離されると、私は溜まらず声を上げた。
「あぁん!駄目。窒息するかと思った。」
「こんなに濡れてんだな。やらしい奴。ほらもう太股に垂れてる。」
「んっ……。」
「でも小さいな。あいつのよくくわえれたな。」
「やめて。今、その名前出すの……。」
「思い出すか?それとも比べるか?」
 そういって彼はその穴の中に指を入れてきた。
「んっ!」
「すげぇ。ぎゅんぎゅん指にからみついてくる。それにすげぇ濡れてる。ぐじゃぐじゃだな。」
 指を抜き差しする度に卑猥な音がして、ますます赤くなってきた。
「やっ!」
「二本入れるぞ。」
 そういって彼はまたその中に入れた指を追加した。そしてぐちゃぐちゃという音を響かせて、その中をかき回した。
「あっ!駄目。駄目。イく。そんなにしたら……。」
「イけよ。桜。その顔見せろ。」
「んっ!ああああ!いいっ!イく!イっちゃう!」
 頭の中が白くなるような感覚。そして私は盛大に彼の前で、絶頂を迎えた。
「可愛い奴。」
 軽く彼はキスをして、自分を私にあてがった。
「入れる。もう限界。」
「駄目。」
「何で?無理。もう入れたい。」
「ちゃんとつけてよ。」
「ちっ。ばれたか。」
 そういって彼はさっき買ったコンビニの袋から、箱を取り出して、その包みを破ろうとした。
「お前、舐めるの好き?」
「……。」
「まぁ、今日は良いけど、今、お前が舐めたらすぐイきそうだし。」
 そういって彼はその薄いゴムをつけ終わると、私にあてがった。
「んっ……。」
 膝を立てられて、その中に少しずつ彼が入ってくる。
「やべぇ。超キツキツですぐ出そう。中すげぇ締めてくる。」
 そしてぐっと腰を捕まれて、奥にそれが入ってきた。
「んっ!」
 コリっとした感触がして、思わず声が出た。
「何?どっかいいとこ当たった?」
 目の前で赤く染まった彼の頬が、射精しそうな感覚を抑えているのがわかる。もっとこの感触を味わいたいと思ってるのがわかった。
「知らない。そんなの。」
「でもこれやべぇよ。お前。すげぇいい。なぁ。桜。舌、出して。」
「舌?」
 私はぐっと舌を出すと、彼はそれに吸い付いてきた。そして腰を動かす。
「んっ!ん!あっ!」
 彼が動く度にぐじゃぐじゃという音と肉がはじけるぱんぱんという音がした。
「あー。すげぇ気持ちいい。桜。体起こして。」
 体を起こすと膝を立てて、私は彼の膝の上に乗る。すると自然と私も腰を動かした。
「んっ!奥……。キてるっ!茅……さんの。キてる。」
「茅。桜。茅って呼んで。」
「茅……?」
 絶頂に達しそうな私は、頭の中がゆらゆらと揺れながら、彼の名前を呼ぶ。
「茅。茅……もう駄目……イく。イくからぁ。」
「んっ!イけよ。下から思いっきり突いてやるから。」
 私は彼にしがみつき、絶頂を迎えた。
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