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二年目
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本当に母さんに頼まれたからここに来たのだろうか。違う気がする。母さんの名前を出せば私は安心すると思っているのだろう。その証拠に彼はまた私にキスをしている。それもいつものように優しくしないで、きっと柊さんを意識しての行為だ。
息をつくのを忘れるようなキスをしてくる。苦しい。苦しくて彼の体を避けようとして、手を伸ばして彼の体を押しのける。すると体が離れた。
と、そのとき電気がついた。そもそもリビングには誰もいなかったので、着いたのは玄関の方の電気だけ。薄い明かりに葵さんの姿が映し出された。
「柊はこの時間はあなたの元に来ない。だから私が相手をしてあげるというのに。」
「……いりません。」
「所詮あなたはあの女の娘だ。誰にでも体を開く。」
あの女というのはきっと母さんのことだ。それを侮辱するなんて、許せない。
「取り消して!」
「あなたが生まれる前、あなたの母親は誰とでも腰を振っていた。男であれば誰でも良かったのだろう。きっとあなたもそういうことが出来る。実際、あなたは誰が父親なのかわからないだろう?」
「母さんは、母さん。私は私。私は一人としか……。」
少しずつ、葵さんは私に近づいてくる。怖くて、私は部屋を逃げていた。でも結局部屋の窓の側で追いつめられた。カーテンにくるまってせめてその行為を避けようと思う。
でもそれは紙の盾。彼はすぐにカーテンをとり、私の前に立つ。そして頬に触れてきた。
「やだ……。」
「あなたがイヤだというのは、良いという風にしか聞こえていない。」
僅かに視線を逸らすと、彼は満足そうに微笑む。
「多分柊は、後二時間は帰ってこない。二時間あれば何度出来るだろうね。」
「……やだ。」
「それとも……今から私と場所を変える?そうすれば一晩中愛すことも出来る。」
「やっぱり……母さんから頼まれたというのは嘘ですね。」
「……。」
すると彼は頬に置かれた手を、ぐっと自分の方へ引き寄せようとした。しかし、私は手を伸ばしてそれを拒否する。
「……やめて。」
彼の手が急に緩くなる。わかってくれたとは思えない。何かするのだと思う。身構えないと。
目の前の彼は少し私から目線をそらす。そして再び私の方に視線を移した。
「彼が帰ってくる前に私と逃げないか。」
逃げる?どこへ?逃げる理由なんか私にはない。
「私には何も逃げるものはないです。逃げたいのはあなただけでしょう?」
「……私に何を逃げることが?」
「私にはわかりません。でも何か逃げたいことがあるんでしょう?」
「……。」
「私はあなたのバリスタとしての腕は尊敬できますけど……そうやって力付くで手に入れようとしているのは、全く同意が出来ないんです。」
「あなたもいずれわかる。そしてあなたは逃げたいと思うことがきっと出てくる。あなたのことはきっと柊にはわからないから。あなたのことがわかるのは、私と……ラジオの向こうの人だけだろう?」
椿さんのことを知ってる?椿さんのことなんか言ったこともないのに。
「どうして……。」
そのとき彼は私の手を素早く引いた。彼の後ろにあるソファーに私を投げ込むように押し倒す。そしてその上に彼が乗りかかってきた。
「やっ……。」
肩を押さえつけられて身動きがとれない。そしてそのまま顔を近づけてくる。薄い唇は合わせるだけに終わらないと言わせるように、半分開いていた。
唇を舐められる。そして顎をぐっと押さえつけられたら、私の口が開いた。そこへ舌を差し込んでくる。
「んっ……。」
激しい。百戦錬磨というのは伊達じゃなかったことがわかるように、舌が別の生き物のように私の口内を愛撫してくる。
その間にシャツの下から、手が差し込まれてきた。
「んっ……。」
下着の隙間から胸に触れてきた時、やっと唇が離された。
「ここ立ってる。敏感なんだな。」
「やだ。やめてください。」
「ここはそう言ってない。ほら、もっとして欲しいって、摘んで欲しいって堅く立ってる。」
シャツの中に入れられた手がどうなっているのかわからない。だけどそこを摘まれる感触があった。徐々に力が強まると、びりびりと電流が走ったような感覚になる。
「うぅっ……。」
いつの間にか下着のホックがはずされ、下から手が差し込んできた。胸を全体的に揉みしだかれ、そしてぎゅっとそこの先をぎゅっと摘まれると、自然と声がでる。
「感じてるんだな。どっちがいい?私と、彼と。」
「柊さんがいいに決まってるから。」
すると彼はシャツをまくり上げて、私の上半身を無理矢理裸にした。
「やだ……。怖い。」
「そう?ここはそう言ってない。肌がピンク色。私で感じてる証拠だ。」
彼もシャツを脱いで、私に覆い被さるようにその先に舌をあてがってくる。
「やっ!」
ぬめっとしたそれを感じ、私は声をまた上げてしまう。もう片方の胸は指で摘み、爪ではじく。
「んっ!」
もう頭の中が快楽でどうにかなりそうだ。
でも冷静な自分もどこかにいる。このまま流されたら、きっと彼は生で突っ込んでくる。それはイヤだ。
そして昼間の柊さんの言葉も頭をよぎった。
「噛み切れ。」
ゆらゆらとした意識の中、私はそっと彼の顔に手を添えた。
息をつくのを忘れるようなキスをしてくる。苦しい。苦しくて彼の体を避けようとして、手を伸ばして彼の体を押しのける。すると体が離れた。
と、そのとき電気がついた。そもそもリビングには誰もいなかったので、着いたのは玄関の方の電気だけ。薄い明かりに葵さんの姿が映し出された。
「柊はこの時間はあなたの元に来ない。だから私が相手をしてあげるというのに。」
「……いりません。」
「所詮あなたはあの女の娘だ。誰にでも体を開く。」
あの女というのはきっと母さんのことだ。それを侮辱するなんて、許せない。
「取り消して!」
「あなたが生まれる前、あなたの母親は誰とでも腰を振っていた。男であれば誰でも良かったのだろう。きっとあなたもそういうことが出来る。実際、あなたは誰が父親なのかわからないだろう?」
「母さんは、母さん。私は私。私は一人としか……。」
少しずつ、葵さんは私に近づいてくる。怖くて、私は部屋を逃げていた。でも結局部屋の窓の側で追いつめられた。カーテンにくるまってせめてその行為を避けようと思う。
でもそれは紙の盾。彼はすぐにカーテンをとり、私の前に立つ。そして頬に触れてきた。
「やだ……。」
「あなたがイヤだというのは、良いという風にしか聞こえていない。」
僅かに視線を逸らすと、彼は満足そうに微笑む。
「多分柊は、後二時間は帰ってこない。二時間あれば何度出来るだろうね。」
「……やだ。」
「それとも……今から私と場所を変える?そうすれば一晩中愛すことも出来る。」
「やっぱり……母さんから頼まれたというのは嘘ですね。」
「……。」
すると彼は頬に置かれた手を、ぐっと自分の方へ引き寄せようとした。しかし、私は手を伸ばしてそれを拒否する。
「……やめて。」
彼の手が急に緩くなる。わかってくれたとは思えない。何かするのだと思う。身構えないと。
目の前の彼は少し私から目線をそらす。そして再び私の方に視線を移した。
「彼が帰ってくる前に私と逃げないか。」
逃げる?どこへ?逃げる理由なんか私にはない。
「私には何も逃げるものはないです。逃げたいのはあなただけでしょう?」
「……私に何を逃げることが?」
「私にはわかりません。でも何か逃げたいことがあるんでしょう?」
「……。」
「私はあなたのバリスタとしての腕は尊敬できますけど……そうやって力付くで手に入れようとしているのは、全く同意が出来ないんです。」
「あなたもいずれわかる。そしてあなたは逃げたいと思うことがきっと出てくる。あなたのことはきっと柊にはわからないから。あなたのことがわかるのは、私と……ラジオの向こうの人だけだろう?」
椿さんのことを知ってる?椿さんのことなんか言ったこともないのに。
「どうして……。」
そのとき彼は私の手を素早く引いた。彼の後ろにあるソファーに私を投げ込むように押し倒す。そしてその上に彼が乗りかかってきた。
「やっ……。」
肩を押さえつけられて身動きがとれない。そしてそのまま顔を近づけてくる。薄い唇は合わせるだけに終わらないと言わせるように、半分開いていた。
唇を舐められる。そして顎をぐっと押さえつけられたら、私の口が開いた。そこへ舌を差し込んでくる。
「んっ……。」
激しい。百戦錬磨というのは伊達じゃなかったことがわかるように、舌が別の生き物のように私の口内を愛撫してくる。
その間にシャツの下から、手が差し込まれてきた。
「んっ……。」
下着の隙間から胸に触れてきた時、やっと唇が離された。
「ここ立ってる。敏感なんだな。」
「やだ。やめてください。」
「ここはそう言ってない。ほら、もっとして欲しいって、摘んで欲しいって堅く立ってる。」
シャツの中に入れられた手がどうなっているのかわからない。だけどそこを摘まれる感触があった。徐々に力が強まると、びりびりと電流が走ったような感覚になる。
「うぅっ……。」
いつの間にか下着のホックがはずされ、下から手が差し込んできた。胸を全体的に揉みしだかれ、そしてぎゅっとそこの先をぎゅっと摘まれると、自然と声がでる。
「感じてるんだな。どっちがいい?私と、彼と。」
「柊さんがいいに決まってるから。」
すると彼はシャツをまくり上げて、私の上半身を無理矢理裸にした。
「やだ……。怖い。」
「そう?ここはそう言ってない。肌がピンク色。私で感じてる証拠だ。」
彼もシャツを脱いで、私に覆い被さるようにその先に舌をあてがってくる。
「やっ!」
ぬめっとしたそれを感じ、私は声をまた上げてしまう。もう片方の胸は指で摘み、爪ではじく。
「んっ!」
もう頭の中が快楽でどうにかなりそうだ。
でも冷静な自分もどこかにいる。このまま流されたら、きっと彼は生で突っ込んでくる。それはイヤだ。
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「噛み切れ。」
ゆらゆらとした意識の中、私はそっと彼の顔に手を添えた。
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