82 / 355
一年目
82
しおりを挟む
竹彦は少し不思議そうに私たちを見ていた。それもそうだ。何も知らない人からしてみれば、女子高生と作業着姿の人が立ち話をしているのだから。
「不用心ですね。この辺まだうちの学校の生徒もいるのに。」
「すぐ出るつもりだった。」
そして竹彦は私をみる。
「足を痛めたみたいだったけど、大丈夫みたいだね。迎えも来てくれたし。今から病院?」
「えぇ。」
竹彦の態度に多分柊さんは不信感を覚えた。多分その態度が、葵さんを思い出させたから。
「竹彦。桜に手を出すなよ。」
その言葉に竹彦は驚いたように柊さんを見上げた。
「何でですか。なぜあなたにそんなことを言われないといけないんですか。」
確かにそうだ。それは柊さんが言う事じゃない。
「棗が言ってた。桜とお前がつきあっているんじゃないのかって、勘違いするほど仲が良さそうだったのに、今は避けていると。こいつが人を避けるときは、何かがあったときだ。」
何か、あった。確かに何かあったのだ。
熱でもうろうとしていたのかもしれないけれど、彼は私にキスをしたのだ。はねのけて出て行ったけれどそれが原因で、私は竹彦を避けていたのだ。
「今日は匠君と一緒にいましたよ。」
「あいつは今日痛い目にあった。もう何もしない。」
まぁ実際に痛い目に遭っているのは、私だけどね。
「さっき桜さんは、匠君と階段を下りていった。匠君の彼女がさっきまで騒いでいたから間違いないと思いますよ。」
目だけで柊さんは私をみる。それが怖かった。
「まだ何かあったのか。」
「いいえ。何も。こんな事になったのは自分のせいだと、罪の意識を感じていましたよ。」
「わざとらしい奴だ。」
「……彼は竹彦君や私をうらやましいと言っていました。」
その言葉に竹彦が驚いたように私をみる。
「僕がうらやましい?」
「えぇ。親以外の大人が私の周りも、あなたの周りも多い。それがうらやましいと。まぁ……ようは、世間が自分より広くて羨ましいって事よ。」
「僕は世間は狭いよ。嫌いな人間とはつきあいたくない。」
「でもあなたを理解しようとしている人は多いわ。」
「君も含めて?」
「図らずもよ。でもあなたは私の周りにいなかったタイプの人間ね。刺激になるわ。」
すると彼は照れたようにうつむき、そして柊さんの方をむき直した。
「やっぱり僕は、桜さんのこと好きなんです。」
え?何でそういうことを言うかなぁ。こんな事を真っ正面から言われて、柊さんが怒らない訳ない……あれ?怒っていない。いつもの表情だ。それどころか微妙に笑っているような気がする。
「こいつを狙っている奴は多い。」
「えぇ。知ってます。でも今のところ一番大きいのはあなただ。」
すると彼は私の手を握って言う。
「あぁ。渡すつもりはない。何があっても離さない。」
そして彼は私にバイクに乗るように促した。そして彼もまたがり、エンジンを噴かせた。
「渡さない。」
私は柊さんの体を、後ろからぎゅっと抱きしめた。普通に見ればただ捕まっているだけのように見えるけれど、その意味合いは全く違う。
「僕はあの人みたいに力ずくで奪い取るなんて事はしません。だけど、きっと心を奪います。」
「絶対出来ない。」
輪留めがはずれ、バイクはゆっくり進む。
「またね。竹彦君。」
ぎりぎりで病院へ駆け込み、捻挫だと診断され湿布を用意された。そして普段でも動けるようにとテープの巻き方も教えてくれ、ある程度であれば立ち仕事も出来るらしい。
確かにテープを巻いた状態であれば、立っていても痛くはない。でもテープはあくまで補助であり、本来は湿布を貼り休息することで治療することが出来ることを、強調された。確かにそうだろう。
完全に直るには一週間ほどかかる。ただしそれは安静にしていればの話だ。安静にしていなければいつまでたっても直らない。
病院を出てバイクに乗せてもらった私は、アパートまで送ってもらった。そして家に帰る。すると母さんがそこで待っていた。今日は仕事が休みらしい。
「捻挫したんですって?」
呆れたように私をみる。
「うん。」
「あんた慌てるところがあるから、そんな目に遭うのよ。ちょっとは落ち着きなさいな。」
「そうね。」
そして後ろにいた柊さんにも声をかけた。
「ありがとうね。病院まで送ってくれて。」
「いいえ。」
「今日時間は大丈夫?」
「もう少しなら。二十一時には出たいですけど。」
「そう。だったらご飯だけでも食べない?カレーしてるのよ。」
「いただきます。」
こういうときの柊さんは素早い。食事は嬉しいのかもしれない。
私は部屋で着替えると、母が作ってくれたカレーを二つ盛った。サラダやスープもある。
「美味しい。」
普段なら私は一人で食事をする。だけど今は隣に母さんがいて、向かいには柊さんがいる。柊さんは美味しそうにカレーを食べていた。
「普通のカレーよ。カレーは手間暇をかけても、そんなに変わらないもの。」
「懐かしい味がします。」
「懐かしい?」
「俺施設にいたんで、そのときの味に似てる。」
それは多分彼が世話になったという施設の人が作った味と似ていたのかもしれない。
「いい人だったのね。」
母さんはそういって、笑った。
「えぇ。死ぬまでいい人だった。」
彼からこういう話を聞くのは久しぶりだった。あまり聞いてはいけないのかと思ったから。
「少しでも自分の人格を形成する人が影響をいい意味で与えてくれるのはいい事よ。結構頑固な人のように見えるから、自分を変えたくないと思うんでしょうね。」
彼は一瞬スプーンを止めて、私の方をみる。そして母さんをみた。
「俺のことを知ってたんでしょう?」
「えぇ。会ったことはないけれど、噂だけ。でも噂は一人歩きするものね。でも最近はあたしがSyuの女だって噂が持ちきりよ。」
思わず水を噴きそうになった。
「あら。やだ。桜ったら。そんなことはないわよ。噂だけ。でもSyuとしては都合がいいわねぇ。変な女に引っかからなくなったでしょ?」
「えぇ。」
彼女は笑い、そして立ち上がった。
「さて、あたし出かけるわ。」
「どっか行くの?」
「そ、彼氏の仕事が終わる時間だから。」
「送りましょうか。」
「え?」
「俺も町の方に用事があるんで。」
カレーを食べ終わり、柊さんも立ち上がった。すると母さんはふっと笑う。
「あんた、本当にいい男だわ。でもあたしの彼氏の方がもっといい男なのよ。残念だけど。」
「勝とうとか思ってませんよ。それに俺は桜の方がいいんで。」
「まぁ、袖にされた気分だわ。」
食べ終わった食器を私はキッチンへ持って行くと、柊さんも持ってきてくれた。
「あ、一緒に洗うんでそこに置いてもらえれば。」
サラダは余ったなぁ。明日の朝にでも食べるか。そう思っていたら、彼が私の腰に手を伸ばしてきた。
「柊さん。母さんがいますから……。」
「部屋に行った。」
「すぐ戻りますよ。」
「だったらすぐに済ませよう。」
そういって彼は私を自分の方へ向けると、頬に触れてる。そして上を向かせて、軽く唇を合わせる。
「無理するなよ。」
「はい。」
そのとき母の部屋のドアが開く音がした。
「悪いわねぇ。柊さん。街まででいいわ。あまり近くにいると、カレがヤキモチ妬くから。」
「そうします。」
「桜は早く寝なさいよ。足痛むようだったら、冷凍庫に保冷剤があるから。」
「わかった。」
そういって彼らは行ってしまった。その後ろ姿は、とても似合っている気がした。
歳が近い人たちだ。恋人同士だと言っても不思議ではない。だけど、お互い大人で違う人を思っている。それを信じるしかない。
「不用心ですね。この辺まだうちの学校の生徒もいるのに。」
「すぐ出るつもりだった。」
そして竹彦は私をみる。
「足を痛めたみたいだったけど、大丈夫みたいだね。迎えも来てくれたし。今から病院?」
「えぇ。」
竹彦の態度に多分柊さんは不信感を覚えた。多分その態度が、葵さんを思い出させたから。
「竹彦。桜に手を出すなよ。」
その言葉に竹彦は驚いたように柊さんを見上げた。
「何でですか。なぜあなたにそんなことを言われないといけないんですか。」
確かにそうだ。それは柊さんが言う事じゃない。
「棗が言ってた。桜とお前がつきあっているんじゃないのかって、勘違いするほど仲が良さそうだったのに、今は避けていると。こいつが人を避けるときは、何かがあったときだ。」
何か、あった。確かに何かあったのだ。
熱でもうろうとしていたのかもしれないけれど、彼は私にキスをしたのだ。はねのけて出て行ったけれどそれが原因で、私は竹彦を避けていたのだ。
「今日は匠君と一緒にいましたよ。」
「あいつは今日痛い目にあった。もう何もしない。」
まぁ実際に痛い目に遭っているのは、私だけどね。
「さっき桜さんは、匠君と階段を下りていった。匠君の彼女がさっきまで騒いでいたから間違いないと思いますよ。」
目だけで柊さんは私をみる。それが怖かった。
「まだ何かあったのか。」
「いいえ。何も。こんな事になったのは自分のせいだと、罪の意識を感じていましたよ。」
「わざとらしい奴だ。」
「……彼は竹彦君や私をうらやましいと言っていました。」
その言葉に竹彦が驚いたように私をみる。
「僕がうらやましい?」
「えぇ。親以外の大人が私の周りも、あなたの周りも多い。それがうらやましいと。まぁ……ようは、世間が自分より広くて羨ましいって事よ。」
「僕は世間は狭いよ。嫌いな人間とはつきあいたくない。」
「でもあなたを理解しようとしている人は多いわ。」
「君も含めて?」
「図らずもよ。でもあなたは私の周りにいなかったタイプの人間ね。刺激になるわ。」
すると彼は照れたようにうつむき、そして柊さんの方をむき直した。
「やっぱり僕は、桜さんのこと好きなんです。」
え?何でそういうことを言うかなぁ。こんな事を真っ正面から言われて、柊さんが怒らない訳ない……あれ?怒っていない。いつもの表情だ。それどころか微妙に笑っているような気がする。
「こいつを狙っている奴は多い。」
「えぇ。知ってます。でも今のところ一番大きいのはあなただ。」
すると彼は私の手を握って言う。
「あぁ。渡すつもりはない。何があっても離さない。」
そして彼は私にバイクに乗るように促した。そして彼もまたがり、エンジンを噴かせた。
「渡さない。」
私は柊さんの体を、後ろからぎゅっと抱きしめた。普通に見ればただ捕まっているだけのように見えるけれど、その意味合いは全く違う。
「僕はあの人みたいに力ずくで奪い取るなんて事はしません。だけど、きっと心を奪います。」
「絶対出来ない。」
輪留めがはずれ、バイクはゆっくり進む。
「またね。竹彦君。」
ぎりぎりで病院へ駆け込み、捻挫だと診断され湿布を用意された。そして普段でも動けるようにとテープの巻き方も教えてくれ、ある程度であれば立ち仕事も出来るらしい。
確かにテープを巻いた状態であれば、立っていても痛くはない。でもテープはあくまで補助であり、本来は湿布を貼り休息することで治療することが出来ることを、強調された。確かにそうだろう。
完全に直るには一週間ほどかかる。ただしそれは安静にしていればの話だ。安静にしていなければいつまでたっても直らない。
病院を出てバイクに乗せてもらった私は、アパートまで送ってもらった。そして家に帰る。すると母さんがそこで待っていた。今日は仕事が休みらしい。
「捻挫したんですって?」
呆れたように私をみる。
「うん。」
「あんた慌てるところがあるから、そんな目に遭うのよ。ちょっとは落ち着きなさいな。」
「そうね。」
そして後ろにいた柊さんにも声をかけた。
「ありがとうね。病院まで送ってくれて。」
「いいえ。」
「今日時間は大丈夫?」
「もう少しなら。二十一時には出たいですけど。」
「そう。だったらご飯だけでも食べない?カレーしてるのよ。」
「いただきます。」
こういうときの柊さんは素早い。食事は嬉しいのかもしれない。
私は部屋で着替えると、母が作ってくれたカレーを二つ盛った。サラダやスープもある。
「美味しい。」
普段なら私は一人で食事をする。だけど今は隣に母さんがいて、向かいには柊さんがいる。柊さんは美味しそうにカレーを食べていた。
「普通のカレーよ。カレーは手間暇をかけても、そんなに変わらないもの。」
「懐かしい味がします。」
「懐かしい?」
「俺施設にいたんで、そのときの味に似てる。」
それは多分彼が世話になったという施設の人が作った味と似ていたのかもしれない。
「いい人だったのね。」
母さんはそういって、笑った。
「えぇ。死ぬまでいい人だった。」
彼からこういう話を聞くのは久しぶりだった。あまり聞いてはいけないのかと思ったから。
「少しでも自分の人格を形成する人が影響をいい意味で与えてくれるのはいい事よ。結構頑固な人のように見えるから、自分を変えたくないと思うんでしょうね。」
彼は一瞬スプーンを止めて、私の方をみる。そして母さんをみた。
「俺のことを知ってたんでしょう?」
「えぇ。会ったことはないけれど、噂だけ。でも噂は一人歩きするものね。でも最近はあたしがSyuの女だって噂が持ちきりよ。」
思わず水を噴きそうになった。
「あら。やだ。桜ったら。そんなことはないわよ。噂だけ。でもSyuとしては都合がいいわねぇ。変な女に引っかからなくなったでしょ?」
「えぇ。」
彼女は笑い、そして立ち上がった。
「さて、あたし出かけるわ。」
「どっか行くの?」
「そ、彼氏の仕事が終わる時間だから。」
「送りましょうか。」
「え?」
「俺も町の方に用事があるんで。」
カレーを食べ終わり、柊さんも立ち上がった。すると母さんはふっと笑う。
「あんた、本当にいい男だわ。でもあたしの彼氏の方がもっといい男なのよ。残念だけど。」
「勝とうとか思ってませんよ。それに俺は桜の方がいいんで。」
「まぁ、袖にされた気分だわ。」
食べ終わった食器を私はキッチンへ持って行くと、柊さんも持ってきてくれた。
「あ、一緒に洗うんでそこに置いてもらえれば。」
サラダは余ったなぁ。明日の朝にでも食べるか。そう思っていたら、彼が私の腰に手を伸ばしてきた。
「柊さん。母さんがいますから……。」
「部屋に行った。」
「すぐ戻りますよ。」
「だったらすぐに済ませよう。」
そういって彼は私を自分の方へ向けると、頬に触れてる。そして上を向かせて、軽く唇を合わせる。
「無理するなよ。」
「はい。」
そのとき母の部屋のドアが開く音がした。
「悪いわねぇ。柊さん。街まででいいわ。あまり近くにいると、カレがヤキモチ妬くから。」
「そうします。」
「桜は早く寝なさいよ。足痛むようだったら、冷凍庫に保冷剤があるから。」
「わかった。」
そういって彼らは行ってしまった。その後ろ姿は、とても似合っている気がした。
歳が近い人たちだ。恋人同士だと言っても不思議ではない。だけど、お互い大人で違う人を思っている。それを信じるしかない。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる