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墓園と植物園
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普段はミルクと砂糖を入れないと飲めないコーヒーだが、香を見るとそのままブラックでコーヒーを飲んでいる。それは俊だって一緒だった。同じ年頃の人たちがブラックで飲んでいるのを見て、自分だけが子供になったような気がして気が気では無い。和己はそう思いながら、その紙コップの中にあるコーヒーを恐る恐る口にした。すると口の中でふわっと香りが広がり、すっと喉を通り抜けるようだった。しかしその香りは鼻に抜けてとても心地良い。
砂糖やミルクはいらない。純粋なコーヒーの味がもっと知りたいと思う。
「美味しい……。」
ぽつりと口に出したのを見て、莉子は少し笑った。やっと和己が素直になった気がしたのだ。
「響子。コレ夏のヤツに合わせるの?」
「そのつもりだけど。」
「夏のデザートは夏みかんを使う予定だから、もう少し香りを押さえられる?」
「そうね。甘さは控えめにするの?」
「本来の夏みかんの甘さと苦さとかを残して……。」
真二郎はコーヒーを飲みながら、響子とケーキとコーヒーの兼ね合いを話している。こうなれば功太郎も圭太も口を挟めない。呆れたように父親もその様子を見ていた。
「仕事ばかりだね。この二人は。」
ノンカフェインのコーヒーを飲みながら莉子にそう言うと、莉子は少し笑いながら言う。
「人のことは言えませんよ。弥生さんから聞いてますから。」
「弥生から?」
「みりんを使ったレシピの開発ばかり聞かれるって、いつも言ってましたからね。」
「そうは言ってもあのプリンは絶品だろう?みりんの甘さが……。」
こっちも似たもの夫婦だなと和己はコーヒーを飲みながら思っていた。その様子に圭太は和己に声をかける。
「美味いだろ?」
「えぇ。こんな飲み物を淹れれる人なんて思ってもなかった。」
「お前なら響子が入れたモノなんか飲めないって口にしないと思ってたけどな。」
淫乱女と言っていたのだ。それはインターネットの噂だけを聞いて、そう判断したのだ。
「本当ならそうしたかった。汚い女だって思ってたけど……この香りがそうさせてくれなかった。何より香りだけで足を止めたりする人たちの前で、罵ることなんか出来ないし。」
思ったよりも悪い男では無いのだろう。「clover」の噂を鵜呑みにしただけだ。
「お前、俺と同じ道を歩きそうだ。」
圭太はそう言うと、コーヒーをまた口にする。
「俺が?」
「……人殺しって言うの、掲示板で見たんだろ?」
「うん。」
「……俺は何気ない一言を言っただけだ。だけどその一言が人を深く傷つけた。言葉を発するときは、気をつけないといけない。そう思っているのにいまだに気をつけれない。人の命まで奪っておいてな。」
真子に言ったことは返らないし、真子の命が戻ってくるわけでは無い。それがずっと引っかかっていた。
「お前がぶちまけたことで、もし弥生が死んだらどうするんだ。」
「……。」
「瑞希も俺も弥生の過去に何があったかって知ってる。だけど、それをあえて口に出すことは無い。弥生だって好きで出たものじゃ無いんだから。」
「……でも……。」
「素直に言えば良いってもんじゃ無い。言わなくて良いこととか、真実を明らかにしないことも時には必要なんだ。」
「そんなことをして、ずっと隠せるわけが無い。ずっと誤魔化して生きていくのか?」
「そうだよ。」
汚い。大人の世界は全てが汚い気がした。この手に持っているコーヒーのように深い闇に心まで暗くなりそうだった。
「俺が発した言葉で人が傷ついたとしたら、そっちが弱かっただけだろ?言われて傷つくようなことをしたんだから。」
「……そうかもしれないな。でも人間ってそんなに強くないんだよ。」
真子が死んだときに嫌というほど知った。自分が悪かったと謝っても真子は返ってこない。そして響子と別れたときも、響子を一馬以上に信じれなかった。自分がバカで、まだ何もわかっていないと思えた。だから自分は響子の隣に淹れないと思ったのに、まだ未練がある。
あの体の柔らかさも、声も、全てが自分のものだったといまだに思えるのだ。
「後々わかるよ。お前も。ただ、そうならないように口添えをする大人がいるのに、それを無碍にするのは損をしていると思うな。俊も香も聞く耳はあるみたいなのに。」
だから周りの大人も俊や香を可愛がっている。大人が周りに居て良いと思うが、それは二人が素直だからだろう。
自分には真似が出来ない。小さい画面の常識に囚われているのだから。
「俺……掲示板見るの止めるよ。」
「そうしたら良い。あんなの暇なヤツが書いてるだけだからな。」
「でも……ゲームは作りたい。ゲームを作って、それを拡散させたいんだ。」
「ゲームねぇ。俺、ゲームはしないからなぁ。功太郎も真二郎もその辺は全く駄目だし。俊はしてんのかな。おーい。俊。」
功太郎と話をしていた俊はそのまま二人で、圭太と和己のところへやってくる。そしてゲームの話を始めた。
「アプリ作れば良いのに。」
「作ってるけど、審査が通らなくて。俺、まだ高校生でも無いし。」
「部活の延長だったらどうにか出来るよ。あと高校も工業系の高校だったら……。」
俊はそう言ってその話を始める。
やっと穏やかな時間が訪れた。それは一杯のコーヒーから始まったのだ。響子の淹れたコーヒーがまた人を変えることになったのだ。
弥生と香、そして父親と莉子、和己はそのまま植物園で別れた。そのままスポーツ用品店へ行くらしい。競泳用の水着を買うのだという。きっと大人のサイズを勧められるだろうと功太郎は言っていた。
そしてその功太郎は瑞希とともに圭太の車に乗せられた。ゴミを店まで運ぶのだという。まとめて店で処分するのだ。
残った真二郎と響子はそのまま植物園を出ると駅へ向かう。もう少しで夕方になる時間だ。二人とも酒を飲んでいるが、あまり飲んでいるとは思わないだろう。近寄れば酒の匂いがするかもしれないが、足下だってしっかりしている。
「最初はどうなることかと思ったけど、何とかなったみたいだね。」
「そうね。話がわからない子でも無かったわ。」
和己のことについて話している。おそらく人見知りもあるのだろう。思わず響子にも弥生にも失礼なことを言ったのだ。
「大人になってもわからない人が居る。子供のうちから厳しいことをいう人って言うのは大事だね。それが響子にとってはお祖父さんだった。俺は甘やかしてばかりだったし。」
「……そう言えば、今日お墓参りへ行ったとき、栗山さんに会ったわ。」
「栗山遙人?」
その名前に真二郎の表情が険しくなる。やはりあまり良い印象では無いようだ。
「そう。お祖父さんのお墓の向こうに母親のお墓があるんですって。月参りをいつもしていると言っていたわ。」
それだけを聞くととても母孝行のいい人に聞こえる。だがそんな人では無い。真二郎の表情が険しくなってきた。
「そんなにいい人では無いんだけどな。」
「真二郎。一応、栗山さんは一馬とバンドを組むかもしれないのよ。そうしたら、付き合いはまたあるかもしれないのに。」
「一馬さんとは恋人だって表立って言えるわけじゃないだろう?まだこそこそ付き合っていている。表向きはあくまで店の常連と従業員じゃない。だったら響子が関わることは無いだろう?」
「そりゃ……そうだけど。」
真二郎はどうも栗山のことになるとムキになるようだ。いつも穏やかな真二郎が、怒りを表すようだから。
「何か話したの?」
「たいした話はしていないわ。ただあの人は「古時計」のお客様で、葬儀にも見えてくれた。手を合わせたいと言うからそうしてもらったけれど。」
「一馬さんも合わせたことが無いのに。」
一馬を連れて行っていないのに、栗山に手を合わせてもらったというのは確かに変な話だ。響子はそう思い直し、携帯電話を取り出す。すると一馬からメッセージが届いていた。夜は遅くなるかもしれないと。
バンドの練習だと言っていた。もしかしたら栗山が墓へ行ったことも話したかもしれない。そう思って響子は、メッセージを送る。
砂糖やミルクはいらない。純粋なコーヒーの味がもっと知りたいと思う。
「美味しい……。」
ぽつりと口に出したのを見て、莉子は少し笑った。やっと和己が素直になった気がしたのだ。
「響子。コレ夏のヤツに合わせるの?」
「そのつもりだけど。」
「夏のデザートは夏みかんを使う予定だから、もう少し香りを押さえられる?」
「そうね。甘さは控えめにするの?」
「本来の夏みかんの甘さと苦さとかを残して……。」
真二郎はコーヒーを飲みながら、響子とケーキとコーヒーの兼ね合いを話している。こうなれば功太郎も圭太も口を挟めない。呆れたように父親もその様子を見ていた。
「仕事ばかりだね。この二人は。」
ノンカフェインのコーヒーを飲みながら莉子にそう言うと、莉子は少し笑いながら言う。
「人のことは言えませんよ。弥生さんから聞いてますから。」
「弥生から?」
「みりんを使ったレシピの開発ばかり聞かれるって、いつも言ってましたからね。」
「そうは言ってもあのプリンは絶品だろう?みりんの甘さが……。」
こっちも似たもの夫婦だなと和己はコーヒーを飲みながら思っていた。その様子に圭太は和己に声をかける。
「美味いだろ?」
「えぇ。こんな飲み物を淹れれる人なんて思ってもなかった。」
「お前なら響子が入れたモノなんか飲めないって口にしないと思ってたけどな。」
淫乱女と言っていたのだ。それはインターネットの噂だけを聞いて、そう判断したのだ。
「本当ならそうしたかった。汚い女だって思ってたけど……この香りがそうさせてくれなかった。何より香りだけで足を止めたりする人たちの前で、罵ることなんか出来ないし。」
思ったよりも悪い男では無いのだろう。「clover」の噂を鵜呑みにしただけだ。
「お前、俺と同じ道を歩きそうだ。」
圭太はそう言うと、コーヒーをまた口にする。
「俺が?」
「……人殺しって言うの、掲示板で見たんだろ?」
「うん。」
「……俺は何気ない一言を言っただけだ。だけどその一言が人を深く傷つけた。言葉を発するときは、気をつけないといけない。そう思っているのにいまだに気をつけれない。人の命まで奪っておいてな。」
真子に言ったことは返らないし、真子の命が戻ってくるわけでは無い。それがずっと引っかかっていた。
「お前がぶちまけたことで、もし弥生が死んだらどうするんだ。」
「……。」
「瑞希も俺も弥生の過去に何があったかって知ってる。だけど、それをあえて口に出すことは無い。弥生だって好きで出たものじゃ無いんだから。」
「……でも……。」
「素直に言えば良いってもんじゃ無い。言わなくて良いこととか、真実を明らかにしないことも時には必要なんだ。」
「そんなことをして、ずっと隠せるわけが無い。ずっと誤魔化して生きていくのか?」
「そうだよ。」
汚い。大人の世界は全てが汚い気がした。この手に持っているコーヒーのように深い闇に心まで暗くなりそうだった。
「俺が発した言葉で人が傷ついたとしたら、そっちが弱かっただけだろ?言われて傷つくようなことをしたんだから。」
「……そうかもしれないな。でも人間ってそんなに強くないんだよ。」
真子が死んだときに嫌というほど知った。自分が悪かったと謝っても真子は返ってこない。そして響子と別れたときも、響子を一馬以上に信じれなかった。自分がバカで、まだ何もわかっていないと思えた。だから自分は響子の隣に淹れないと思ったのに、まだ未練がある。
あの体の柔らかさも、声も、全てが自分のものだったといまだに思えるのだ。
「後々わかるよ。お前も。ただ、そうならないように口添えをする大人がいるのに、それを無碍にするのは損をしていると思うな。俊も香も聞く耳はあるみたいなのに。」
だから周りの大人も俊や香を可愛がっている。大人が周りに居て良いと思うが、それは二人が素直だからだろう。
自分には真似が出来ない。小さい画面の常識に囚われているのだから。
「俺……掲示板見るの止めるよ。」
「そうしたら良い。あんなの暇なヤツが書いてるだけだからな。」
「でも……ゲームは作りたい。ゲームを作って、それを拡散させたいんだ。」
「ゲームねぇ。俺、ゲームはしないからなぁ。功太郎も真二郎もその辺は全く駄目だし。俊はしてんのかな。おーい。俊。」
功太郎と話をしていた俊はそのまま二人で、圭太と和己のところへやってくる。そしてゲームの話を始めた。
「アプリ作れば良いのに。」
「作ってるけど、審査が通らなくて。俺、まだ高校生でも無いし。」
「部活の延長だったらどうにか出来るよ。あと高校も工業系の高校だったら……。」
俊はそう言ってその話を始める。
やっと穏やかな時間が訪れた。それは一杯のコーヒーから始まったのだ。響子の淹れたコーヒーがまた人を変えることになったのだ。
弥生と香、そして父親と莉子、和己はそのまま植物園で別れた。そのままスポーツ用品店へ行くらしい。競泳用の水着を買うのだという。きっと大人のサイズを勧められるだろうと功太郎は言っていた。
そしてその功太郎は瑞希とともに圭太の車に乗せられた。ゴミを店まで運ぶのだという。まとめて店で処分するのだ。
残った真二郎と響子はそのまま植物園を出ると駅へ向かう。もう少しで夕方になる時間だ。二人とも酒を飲んでいるが、あまり飲んでいるとは思わないだろう。近寄れば酒の匂いがするかもしれないが、足下だってしっかりしている。
「最初はどうなることかと思ったけど、何とかなったみたいだね。」
「そうね。話がわからない子でも無かったわ。」
和己のことについて話している。おそらく人見知りもあるのだろう。思わず響子にも弥生にも失礼なことを言ったのだ。
「大人になってもわからない人が居る。子供のうちから厳しいことをいう人って言うのは大事だね。それが響子にとってはお祖父さんだった。俺は甘やかしてばかりだったし。」
「……そう言えば、今日お墓参りへ行ったとき、栗山さんに会ったわ。」
「栗山遙人?」
その名前に真二郎の表情が険しくなる。やはりあまり良い印象では無いようだ。
「そう。お祖父さんのお墓の向こうに母親のお墓があるんですって。月参りをいつもしていると言っていたわ。」
それだけを聞くととても母孝行のいい人に聞こえる。だがそんな人では無い。真二郎の表情が険しくなってきた。
「そんなにいい人では無いんだけどな。」
「真二郎。一応、栗山さんは一馬とバンドを組むかもしれないのよ。そうしたら、付き合いはまたあるかもしれないのに。」
「一馬さんとは恋人だって表立って言えるわけじゃないだろう?まだこそこそ付き合っていている。表向きはあくまで店の常連と従業員じゃない。だったら響子が関わることは無いだろう?」
「そりゃ……そうだけど。」
真二郎はどうも栗山のことになるとムキになるようだ。いつも穏やかな真二郎が、怒りを表すようだから。
「何か話したの?」
「たいした話はしていないわ。ただあの人は「古時計」のお客様で、葬儀にも見えてくれた。手を合わせたいと言うからそうしてもらったけれど。」
「一馬さんも合わせたことが無いのに。」
一馬を連れて行っていないのに、栗山に手を合わせてもらったというのは確かに変な話だ。響子はそう思い直し、携帯電話を取り出す。すると一馬からメッセージが届いていた。夜は遅くなるかもしれないと。
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