セックスの価値

神崎

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雪深い街

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 桂が触れる一つ一つの手が熱くて声が出る。それが愛おしいということだ。
 春川が体に触れる。その一つ一つが熱くてぎゅっと抱きしめたくなる。それが愛おしいということだ。
 彼の体に体を寄せて、体を抱きしめる。その背中に手を回すと、その感情があふれて胸が苦しくなった。
「啓治……離さないで。私がどこに行ってもあなたの元に返ってくるから離さないで。好きよ。」
「春。春。好き。体だけじゃない。あんたの全てが好きだ。愛してる。」
 そういって桂もその体を抱きしめる。そして体を少し離すと、彼女の唇にキスをする。息をつく間のないようなキスをして、また彼女は彼の体に体を寄せた。
 それを少し離すと、彼は彼女の首筋に唇を寄せる。さっき付けた跡が残っている。それにまた唇を寄せて少しまた濃いめに残るように跡を付けた。
「んっ……。」
 それが感じるのか、彼女は声を上げる。
「春。俺の体に触れただけで、固いところが当たってる。」
 乳房に触れると、彼女はまた声を上げた。
「あっ……。」
 何人にも女の体に触れた。だがこんなに心から触れたいと思ったことはない。あの初めてした女でさえそんなことを思ったことはなかった。
「熱い……。啓治の手が熱いわね。」
 ピンク色の乳首は、きっと祥吾と桂しか触れていない。その先は固く尖っている。それに指が触れると、彼女は頬が赤くなる。
「あっ……。」
「これだけなのに凄い。ほらこんなに尖ってる。最初にいったときとは違うな。」
「最初……?」
 頬に赤みをともったまま彼女は彼に聞いた。
「不感症だっていってた。コレのどこが不感症なんだ。」
 ピンと乳首を弾くと、彼女は向こう側に倒れそうなくらい感じているようだった。彼の首に手を回した。
「あっ!」
「エロい乳首。形も凄い尖ってる。」
 それをこねるように指先でこね回す。そのたびに彼女は声を上げた。
「あっ!あっ!」
「春。この先は?」
 こね回しているその指は中指と親指。その人差し指で乳首の先を撫でるようにこね回すと、彼女は乗っている彼の膝を濡らした。
「凄いな。マ○コビジャビジャ。まだ触ってもないのに。」
 濡れてるのは膝だけじゃない。彼のそのそ反りたったものも濡らしている。
「あっ!口に……あっ……!」
 乳房を手で掴みあげると、その乳首に舌を這わせた。チロチロとその先を舐め上がると、彼女は先ほどの声とは違う高い声を上げた。
「あっ!ああああ!」
 舌だけではなく歯で軽く噛むと、さらに彼女は耐えるように彼の体に手を添えた。
「春。爪でも何でも立てていい。我慢するな。」
 AV男優だから、跡を残してはいけない。女の影を見せてはいけない。そういい聞かせていたのに、今はその必要がない。彼女はその背中に手を当てると、耐えるように声を上げた。
「あっ!啓治……。」
「イきそう?イって。胸だけでイく嫌らしい女の顔を見せて。」
 反対側の胸にも舌を這わせる。すると新たに声を上げた。そして彼女のその下に、指を這わせる。茂みすらもう濡れていて、その奥に指を這わせると彼女はさらに声を上げた。
「あっ!あっ!」
 膝が崩れそうなくらいガクガクとしている。手をかけている肩の手の力が強くなっていく。
「濡れてるな。」
「んんんん。ああああ!啓治!イきそう!」
 固く尖ったクリトリスに指を這わせてそこをぐりぐりといじるとますます濡れてきて、シーツにぽたぽたと汁をこぼした。
「ああああ!駄目!イく!イっちゃう!啓治!駄目!ああああ!」
 彼女はそういって彼の肩に手をかけたまま絶頂を迎えた。
「春!」
 肩に少し痛みを感じた。それが彼女の爪の跡なのだ。
「駄目……イく……イく……。」
 譫言のように繰り返して、彼女は彼に体を寄せた。だが彼はその体を引き離しキスをする。そして唇を離すと、彼女をみる。
「その顔が見たかった。春。その顔、俺にしか見せるな。」
「うん……。」
 顔を赤くして、目がトロンとしている。まだ絶頂の余韻が残っているのだろう。
「春……。」
 指を離して、彼女の頭に触れる。髪を撫でてその唇に軽くキスをした。すると彼女は力つきるように、膝を折る。そのまま彼の足の間に座り込んだ。体をうつ伏せにするとその濡れた桂の性器に手を当てる。顔が近づいてきて、息がかかるだけでゾクゾクとした。
 手がそれを握ると、先走った汁と彼女の愛液が混ざりもうすでに濡れている。それが潤滑油のようになり、その手がゆっくりと動いていった。
「春……。今日は舐めるな。」
「どうして?」
「すぐイく。今日はあんたの中でイきたい。」
「私が舐めたいと言っても?」
「……。」
「あなたを味わいたいわ。」
「そんなにいいものでもないだろう?」
「あなたのその顔が私も見たいの。」
 そういって彼女はその手を早め、そしてそのはじけそうになっている亀頭に唇を這わせる。
「あっ……。」
「まだ先だわ。」
「生殺しか。くっ……んっ……。」
 根本に手を添えて、彼女はそれを口の中に入れた。大きくて根本までは到底入らない。だがその太い亀頭の根本に舌を這わせ、舐めあげていくとさらに彼は声を上げた。
「あぁっ……。春……うまくなったな……んっ。」
 音を立てて舐めあげていく。それだけでイきそうになるほどの快感がおそってきた。
「春……駄目だ。」
 彼も顔を赤くして、後ろに手を置いて体を支える。そうでもしなければ体から全てで彼女に吸い上げられそうだ。彼女の方を見ると、彼女も彼の性器をくわえながら、彼の方を見ていた。その視線にますます耐えれそうにない。
「駄目だ。出る!出る!」
 そう言って彼は彼女のその口の中に射精する。それを彼女は口で全て受け止めた。飲みきれなかった精液や汁が彼女の口を汚す。
「ん……。」
 口を離し、彼女はそれを指で拭った。拭いきれないそれが胸を汚す。
「沢山……。」
 頬を赤くして、彼女は彼の足の間に座り込んでいた。さすがに拭いた方がいいかもしれない。枕元にあるティッシュに手を伸ばそうとしたが、それを彼が止める。
 仕返しのように彼女を組み敷くと、その流れる汁を舐めるように胸に舌を這わせた。
「あっ!」
「このままじゃ帰れない。一度したら、家族風呂へ行こう。」
「啓治……。んっ!」
 夜は更けていくが、彼らの夜はまだ始まったばかりだった。
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