セックスの価値

神崎

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 自分の下で乱れるだけ乱れた女は、気を失ったように眠っていた。祥吾は女の側から離れると、机の上の携帯電話を手にする。メッセージが数件入っていた。その中の一つに妻のモノがあった。どうやら警察の事情聴取は終わったらしい。
 早かったな。
 祥吾はそう思いながら時計に目を移す。おそらくこんな時間では彼女は仕事場に戻り、仕事をしているだろう。ここに来ることはない。彼女が愛しているのはきっと仕事だけだから。仕事にしか興味がないのだから。

 水の音が部屋に響いた。激しいキスに、春川は膝が崩れそうで思わず桂の首に手を伸ばす。桂も春川が倒れないようにと体を支えた。彼女の体が仰け反るように反応しているからだ。
 やっと唇を離されたかと思うと、彼はそのまま彼女の首元に顔を埋めて、その首筋に舌を這わせた。寒くなってきた時期だから、そんなに汗はかいていないが匂いは気になる。
「……啓治っ。お願い……。シャワー……浴びさせて……んっ……。」
「だめって。コレ以上お預け食うのやだから。」
 首元から唇を離されて、彼は彼女の目を見る。少し怯えたような目だった。それがさらに彼をゾクゾクさせる。
 バッグや上に着ていたパーカーと共に、指輪も床にあると思う。指輪だけは外して欲しかった。あの男がちらつくから。
「春。好きだよ。」
「私も好きよ。でも……せめてベッドに連れて行って。」
「わかった。」
 彼は彼女を抱き抱えると、ベッドルームに連れて行った。少し大きめのベッドに彼女をおろすと、自分のシャツを脱ぎ捨てた。そして彼女のシャツも脱がせる。
 白い肌が目の前に現れて、思わず下着越しから触れる。すると彼女は頬を赤くして、その感覚に耐えていた。
「んっ……。」
「すごい。柔らかい。ここも触られた?」
「うん……。」
 恥ずかしそうに彼女は言う。きっと桂は祥吾からセックスされたことで、彼女が取られたと思ったのかもしれない。だがそもそも彼女は祥吾の妻だ。横恋慕しているのは桂の方なのに。
 だが彼女を取られたくはなかった。
 背中に手を伸ばして下着のホックをはずすと下着をはずした。白くて綺麗な胸が目に飛び込んでくる。それだけで興奮してきそうだ。
 下を向いて恥ずかしそうにしている彼女の頬を、両手で包み込むように上を向かせる。
「春。舌を出して。」
「舌?こうすればいいの?」
 素直に彼女は舌を出す。それに彼は吸いつくように唇を重ねた。
「んっ……んっ……。」
 苦しそうに声を上げる彼女。その声すら愛しくて、彼はその乳房にも手を這わせる。舌で彼女の舌を愛撫するように舐めあげ、その手は乳房を揉みしだく。信じられないくらい柔らかい。
「あっ……。啓治……。」
 とても敏感な体だ。そんなに触れてもないのに、もう乳首が立っている。そこも祥吾が触れたのだろうか。
 彼は彼女を抱き抱えると、背中から包み込むように抱き抱えた。そしてその首元に唇を這わせる。
「跡付ける。」
「ん……。」
 彼女にも見えないところに跡を付けたい。彼はその方の下に唇を当てると音を立てて吸い上げた。
「んっ……。啓治……。」
「ついた。」
 わずかに赤くなったその跡にまたキスをすると、後ろから手を伸ばして胸に触れた。
「あっ!啓治。そこ……。」
 乳首の先に指を這わせて転がす。がちがちに固くなっている乳首が敏感になっているようで、そのたびに甘い声が聞こえる。
「感じる?すごい。やらしい形。もうこんなガチガチで。」
 その先をぎゅっと摘むと、彼女はビクッと体を震わせる。
「あっ……。」
「どうしたの?ここだけでイきそう?やらしいな。春は。その下、すごい濡れてるんだろ?」
「啓治。Sっぽさ出さないでよ。」
「あんたがMなんだろう。イヤじゃないみたいだ。ほら。ここ。」
 指先で乳首をはじくと、彼女の体がビクッとわずかにはねた。
「俺もすげぇガッチガチ。」
「一回出したのに?」
「お前と寝てるとき何度ヤってると思ってんだよ。一回で終わるか。」
「歳の割にすごいわね。」
「歳のことは言うなよ。」
 そう言って彼は彼女のジーパンのベルトを外すと、隙間が出来たそこに手をいれる。下着越しに触れてみると、そこはもう下着越しからでも濡れているのがわかった。
「すげぇ濡れてる。やらしいな。やらしいマ●コ。」
 普段口にするのは抵抗はない。ただの単語だし、ただの言葉だと思えるから。だが自分のこととなると話は違う。
「やだ。」
 さらに頬が赤くなる。思わず彼の手を掴みそうになった。だがその下着越しに触られるその指の感触は、抵抗が出来ないほどの快感に襲われてくる。
「んっ……。」
「滲みてきた。まだ上からなのにな。ほら。春。腰浮かせて。」
 腰を浮かせた彼女はジーパンを脱がされる。そして下着に手をかけると、その下着と性器の間につっと粘着性の糸が伝った。
「すごいな。こんなに濡れてるなんて。もうぐちゃぐちゃだな。」
 彼もズボンと下着を脱ぐと、もうそれは天を向いていた。再び彼は彼女の背中から抱きしめるような体勢にする。そして胸に触れる前、彼はベッドサイドからタオルを取り出した。
「何?」
「たぶん必要だから。」
「……。」
 意味がわかったのだろう。彼女は彼の体に身を委ねる。
「潮噴いたことある?」
「不感症だって言ってたのよ。あるわけ無いわ。」
「だったら噴かせてヤるから。」
 祥吾はわかっているのだろうか。彼女がこんなに敏感で、すぐに赤くなって、すぐに濡れてしまうことを。
 何より彼女が自分で反応してくれること。こんな表情になること。こんなに心を乱されること。
 それが彼女を愛しいと思うことだ。
「春。」
 背中からぎゅっと抱きしめて、そして首に手を回す。そして横を向かせると、その唇にキスをした。
「啓治。好きよ。」
 そして彼女もその後ろでそそり立っているモノに手を伸ばした。
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