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人体改造の男
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ドアを閉めた桂は、リビングへ戻ってきた。不機嫌そうな桂とは対照的に、春川は少し微笑んでいた。
「どうしたんだ。」
彼女は彼の胸に倒れ込む。それを彼は支えるように抱きしめた。
「いろんな人とキスをしたわ。あなたとはあのとき以来なのに。」
「見てていやだったな。」
「でもあなたもほかの女性とキスをするのね。それが仕事だもの。」
「イヤだったか?」
「それが仕事なら仕方ないわ。私もここでキスをしなくても、家に帰れば旦那としないといけないかもしれないから。」
「ルー。キスさせてくれないか。」
「……うん。啓治。して欲しい。というか、して。」
欲張りになる。セックスをしてからこっち、彼に会いたくなる。彼の体に触れたくなる。キスをして欲しいと願う。
「ルー。」
彼の首に手をかける。彼も彼女の後ろ頭に手をかけた。ゆっくりと唇が重なっていく。誰とキスをしてもこんなに体が熱くなることはない。こんなにときめくことはない。
軽くキスをしたあと、堪えきれないように桂の方からまた唇を合わせてきた。そして唇を割る。
「ん……。」
唇を離したあと抱きしめ合う。お互いの温もりを確認するように。
「啓治。」
彼は彼女を少し離すと、彼女の首もとに唇を寄せる。
「んっ……。」
「いい匂い。」
「嘘。今日も汗かいたわ。」
「それがいいんだ。」
「変態ね。」
「あんただから。」
「せめてシャワー浴びたい。」
「駄目。そのままがいい。」
すると彼は彼女を抱き抱えると、ソファに押し倒した。そして上着越しから胸に触れようとしたときだった。
携帯電話が鳴る。
「誰か見てんのか。このヤロウ。」
「ヤンキー出てるよ。」
「だから。元ヤンじゃねぇって。」
「わかってるって。」
彼は髪をかきあげると、彼女を立たせた。そしてバッグを探る。それは仕事用のガラケーだった。
「もしもし。あ、はい。えっと……別に良いです。結果的には何もばれなかったので。でもそちらの出版社のお仕事を受けにくくなったのは困りますね。」
どうやら仕事相手らしい。充について、謝罪にきたのだろう。
しばらくして、彼女は電話を切る。そのとき音がした。何の音だろう。そう思いながら、彼女はその音のする方へいく。それは風呂を溜めている音だった。
「啓治。何をしているの?」
「風呂入りたいんだろ?」
「それはそうだけど。」
「俺は今の方がいいけどな。」
そういって彼は彼女の肩に手をおく。頬を赤くさせて、彼女は彼に寄り添った。
入浴剤があると、桂はその風呂を泡風呂にした。なんだかやはり手慣れているなと、春川は思っていた。それが悪いわけではないのだが、何となくイヤな気分にはなる。
「あぁ。そういえばあんた、嵐さんから言われてる脚本の仕事受けるのか?」
「……どうなんでしょうね。受けることが出来るのかわからないけど。」
「そういえば、お前は小説家としてはどっかに属しているのか。」
「あぁ。タレントみたいに会社に属しているかってこと?いいえ。いわゆるフリーランスね。ライターとしてもフリーだし。そっちの方が実入りが良いから。」
「でも旦那の金で食ってるんだろう?別にそんなにがつがつしなくても。」
「生活が出来てるってだけよ。これからはわからない。だから蓄えが必要なの。一人ででも生きていけるように。」
その言葉に、彼は彼女を後ろから抱きしめた。一人など言わせたくないと。
「苦しいわ。」
「あぁ。悪い。」
思わず力が入ったらしい。彼はその手をゆるめた。
「でも今日は嬉しかったの。」
「どうして?」
「誰にも話せない。こんな不倫の関係なんて、誰も許してくれないと思ってたわ。でも達哉さんに知れて良かった。あんな風に認めてもらえないと思っていたから。」
達哉は軽く思っているだけかも知れない。だが彼女にとっては彼には話せて良かった。それはずっと彼女の中で誰も祝福はしてくれないと思っていたのから。
「仕方ねぇな。達哉にも今度食事でもおごるか。口止め料でな。」
「そうしてね。」
そういって彼女は少し笑う。その顔を見て彼は彼女を正面に向かせる。そして彼女を抱きしめた。そこを離すと泡だらけになっている彼女の体が目に留まる。
「まともに見れてないな。」
「まともに見ないで良いから。」
顔を横にそらせる。その仕草が可愛くて、いたずらをしたくなる。手を伸ばして、乳房に手を這わせた。
「んっ……。」
乳首に指を這わせると、彼女は軽くあえぐ。風呂が熱くて頬を染めているのではない。早くも感じているのだ。
「もう乳首立ってる。立ちやすいな。」
「や……。啓治。言わないで。」
「ほら。こんなに立ってる。」
ぎゅっと摘むと、さらに彼女は息を荒くさせた。
「あっ……。」
もう我慢できない。彼は一度彼女から手を離して、シャワーをひねった。そしてお互いの体の泡を落としながら、キスを重ねる。水の音が響き、そのまま彼はかちかちにとがっている乳首を口に含んだ。
「ん……。啓治。お願い。せめて上がってから。」
「駄目。また邪魔が入るかも知れないだろう?」
「のぼせちゃう……。あっ。」
乳房を掴むように揉みしだかれ、乳首に舌を這わせる。すると甘い声が止めどなく溢れてきた。
「ルー。」
壁に彼女を押しつけて、腰を掴んで足をあげる。そしてその濡れたところに指を這わせた。
「あっ。あっ。」
腕を首に回させて、指を中にいれる。お湯ではないぬるっとした感触があった。
「お湯じゃないな。やらしい。ほら。こんなにぐちょぐちょだ。」
指がその中に抜き差しされると、そのたびに彼女は高く喘いだ。シャワーの音でかき消されるが、彼女のそこも彼女自身で濡れている。
「啓治。お願い。お風呂から上がってからにして。」
すると彼はその願いを叶えるように、彼女の中から指を離した。その指は不自然にふやけている。そしてそれを自分の口に運んだ。
「あんたの味だな。」
「やだ。そんなことを言わないで。」
「さっさと上がろう。」
足を下ろされて、彼女は首から手を離した。
本当はあの場所でしたかった。だけど本当に彼女の体がきつそうだったからやめた。女優なら、無理にでも突っ込んでるかも知れない。それが愛のあるセックスか、そうではないかの差だと思う。
「どうしたんだ。」
彼女は彼の胸に倒れ込む。それを彼は支えるように抱きしめた。
「いろんな人とキスをしたわ。あなたとはあのとき以来なのに。」
「見てていやだったな。」
「でもあなたもほかの女性とキスをするのね。それが仕事だもの。」
「イヤだったか?」
「それが仕事なら仕方ないわ。私もここでキスをしなくても、家に帰れば旦那としないといけないかもしれないから。」
「ルー。キスさせてくれないか。」
「……うん。啓治。して欲しい。というか、して。」
欲張りになる。セックスをしてからこっち、彼に会いたくなる。彼の体に触れたくなる。キスをして欲しいと願う。
「ルー。」
彼の首に手をかける。彼も彼女の後ろ頭に手をかけた。ゆっくりと唇が重なっていく。誰とキスをしてもこんなに体が熱くなることはない。こんなにときめくことはない。
軽くキスをしたあと、堪えきれないように桂の方からまた唇を合わせてきた。そして唇を割る。
「ん……。」
唇を離したあと抱きしめ合う。お互いの温もりを確認するように。
「啓治。」
彼は彼女を少し離すと、彼女の首もとに唇を寄せる。
「んっ……。」
「いい匂い。」
「嘘。今日も汗かいたわ。」
「それがいいんだ。」
「変態ね。」
「あんただから。」
「せめてシャワー浴びたい。」
「駄目。そのままがいい。」
すると彼は彼女を抱き抱えると、ソファに押し倒した。そして上着越しから胸に触れようとしたときだった。
携帯電話が鳴る。
「誰か見てんのか。このヤロウ。」
「ヤンキー出てるよ。」
「だから。元ヤンじゃねぇって。」
「わかってるって。」
彼は髪をかきあげると、彼女を立たせた。そしてバッグを探る。それは仕事用のガラケーだった。
「もしもし。あ、はい。えっと……別に良いです。結果的には何もばれなかったので。でもそちらの出版社のお仕事を受けにくくなったのは困りますね。」
どうやら仕事相手らしい。充について、謝罪にきたのだろう。
しばらくして、彼女は電話を切る。そのとき音がした。何の音だろう。そう思いながら、彼女はその音のする方へいく。それは風呂を溜めている音だった。
「啓治。何をしているの?」
「風呂入りたいんだろ?」
「それはそうだけど。」
「俺は今の方がいいけどな。」
そういって彼は彼女の肩に手をおく。頬を赤くさせて、彼女は彼に寄り添った。
入浴剤があると、桂はその風呂を泡風呂にした。なんだかやはり手慣れているなと、春川は思っていた。それが悪いわけではないのだが、何となくイヤな気分にはなる。
「あぁ。そういえばあんた、嵐さんから言われてる脚本の仕事受けるのか?」
「……どうなんでしょうね。受けることが出来るのかわからないけど。」
「そういえば、お前は小説家としてはどっかに属しているのか。」
「あぁ。タレントみたいに会社に属しているかってこと?いいえ。いわゆるフリーランスね。ライターとしてもフリーだし。そっちの方が実入りが良いから。」
「でも旦那の金で食ってるんだろう?別にそんなにがつがつしなくても。」
「生活が出来てるってだけよ。これからはわからない。だから蓄えが必要なの。一人ででも生きていけるように。」
その言葉に、彼は彼女を後ろから抱きしめた。一人など言わせたくないと。
「苦しいわ。」
「あぁ。悪い。」
思わず力が入ったらしい。彼はその手をゆるめた。
「でも今日は嬉しかったの。」
「どうして?」
「誰にも話せない。こんな不倫の関係なんて、誰も許してくれないと思ってたわ。でも達哉さんに知れて良かった。あんな風に認めてもらえないと思っていたから。」
達哉は軽く思っているだけかも知れない。だが彼女にとっては彼には話せて良かった。それはずっと彼女の中で誰も祝福はしてくれないと思っていたのから。
「仕方ねぇな。達哉にも今度食事でもおごるか。口止め料でな。」
「そうしてね。」
そういって彼女は少し笑う。その顔を見て彼は彼女を正面に向かせる。そして彼女を抱きしめた。そこを離すと泡だらけになっている彼女の体が目に留まる。
「まともに見れてないな。」
「まともに見ないで良いから。」
顔を横にそらせる。その仕草が可愛くて、いたずらをしたくなる。手を伸ばして、乳房に手を這わせた。
「んっ……。」
乳首に指を這わせると、彼女は軽くあえぐ。風呂が熱くて頬を染めているのではない。早くも感じているのだ。
「もう乳首立ってる。立ちやすいな。」
「や……。啓治。言わないで。」
「ほら。こんなに立ってる。」
ぎゅっと摘むと、さらに彼女は息を荒くさせた。
「あっ……。」
もう我慢できない。彼は一度彼女から手を離して、シャワーをひねった。そしてお互いの体の泡を落としながら、キスを重ねる。水の音が響き、そのまま彼はかちかちにとがっている乳首を口に含んだ。
「ん……。啓治。お願い。せめて上がってから。」
「駄目。また邪魔が入るかも知れないだろう?」
「のぼせちゃう……。あっ。」
乳房を掴むように揉みしだかれ、乳首に舌を這わせる。すると甘い声が止めどなく溢れてきた。
「ルー。」
壁に彼女を押しつけて、腰を掴んで足をあげる。そしてその濡れたところに指を這わせた。
「あっ。あっ。」
腕を首に回させて、指を中にいれる。お湯ではないぬるっとした感触があった。
「お湯じゃないな。やらしい。ほら。こんなにぐちょぐちょだ。」
指がその中に抜き差しされると、そのたびに彼女は高く喘いだ。シャワーの音でかき消されるが、彼女のそこも彼女自身で濡れている。
「啓治。お願い。お風呂から上がってからにして。」
すると彼はその願いを叶えるように、彼女の中から指を離した。その指は不自然にふやけている。そしてそれを自分の口に運んだ。
「あんたの味だな。」
「やだ。そんなことを言わないで。」
「さっさと上がろう。」
足を下ろされて、彼女は首から手を離した。
本当はあの場所でしたかった。だけど本当に彼女の体がきつそうだったからやめた。女優なら、無理にでも突っ込んでるかも知れない。それが愛のあるセックスか、そうではないかの差だと思う。
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