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人体改造の男
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今回の話は、専業主婦(里香)と旦那(桂)。旦那の部下(達哉)の話。
酔って帰ってきた旦那を送り届けた部下が、妻と不貞をする。そして最終的には、旦那と部下との3Pというのが主な流れだった。
AVにはよくあるシチュエーションで、二日間ほどかけて撮影をするらしい。そうではないと誰もが体が持たないのだ。
今日は二日目。桂はスーツ姿でスタジオであるリビングダイニングへやってきた。ドラマシーンを撮るらしく、今日は簡単な台本があった。セックスを目的で観る人にはどうでもいいし、早送りをするシーンなのかもしれないが、嵐はそこも手を抜かない。シチュエーションセックスを目的とするなら、重要になるのだ。
いやがる妻と、強要する部下。それを観るのが楽しいらしい。
だがこのシチュエーションは彼にとって複雑だった。
春川は、ドアの側でじっとこちらを見ている。仕事モードに入り、観察をしているらしい。その表情は、いつもどおりだ。
「桂。」
ふと呼ばれ、彼は嵐の方へ向かう。
「お前ならどうする?」
「え?」
「聞いてなかったのか?夫が妻を寝取られているところを見ると、どういう反応をするかだよ。」
「……そりゃ、怒るでしょうね。でも……。」
「このキャラクターはそれが出来ないのよ。桂だったら乗り込む?」
里香はそう聞くと、彼は首を傾げた。
「俺だったら……。」
春川を旦那から取っている。そんなとき旦那はどうするだろうか。あの優男が怒りに任せて彼を殴るとは思えない。
「俺がどうなのかはなった本人でもないしわからない。俺だったら乗り込んでいくけど、そんな奴じゃないんだろう。」
「そうね。だったら……。」
そのとき嵐はドアの横でじっとこちらを見ていた春川に視線を送る。そして彼女に声をかけた。
「春川さん。」
急に呼ばれて彼女は驚いたように彼らの元へ向かう。その行動に桂までドキリとした。
「どうしました?」
「あんた文章のプロだろ?」
「私は事実を書くだけですよ。」
「じゃあ、その経験でモノを言ってもいい。寝取られた旦那はどういう行動をとるか、教えてくれないか。」
すると彼女は表情を変えず、笑顔で言った。
「性格によると思いますよ。台本を読んだ限りだと、達哉さんの役はかなり強引な人で、里香さんは気が弱い。桂さんは自分勝手。だとしたら、答えは自ずと出てきます。」
その答えに彼らは顔を見合わせる。
「どうする?」
「まずは寝取られた怒りで、里香さんを責めるでしょう。しかし裏付けもなしに責められない。だとしたら証拠をとる。」
「録画する?」
里香がそう口にすると、嵐はニヤリと笑う。
「それでいこう。昨日撮ったヤツをスマホのデータにするんだ。それをネタに、桂が達哉と里香を責める。それからどっちがいいかって、絡めばいい。」
嵐は上機嫌にスタッフにデータを移すように指示をした。
「ありがとう。春川さん。」
里香はそう言って彼女に礼を言う。
「いいえ。私は何も。」
「ううん。あたし、あと一本で引退するから、ストーリーセックスって最後だったの。」
その言葉に達哉が声を上げた。
「えー?里香さん引退するの?」
「そうよ。結婚するからね。」
そう言って彼女はしている指輪を見せた。もちろんそれが本当の指輪ではないが、彼女は本当に結婚するのだろう。
「見て見ろよ。達哉。こんなにどろどろになるの、お前でなるのか?」
ベッドルームに舞台が移されて、里香は全裸になり桂に後ろから抱き抱えられ足を広げられた。そこはもう太股まで愛液が垂れ、ピンク色のそこを指で広げられる。
「いやぁ。見ないで。」
「奥さん!」
「何回したんだ。え?言ってみろよ。」
桂のサディスティックな声がベッドルームに響き、見慣れているスタッフも生唾を飲む音がした。
「アナルまで今日突っ込むらしいぜ。」
「最後だからやりきるんだろ?」
スタッフの声が春川の耳に届く。彼女はそれを冷静に見ていた。思ったよりも冷静なのは、普段の桂と違うからだろう。あれは演技だ。そう思えば思うことが出来る。
「ほら。前が空いてるぞ。達哉。突っ込めよ。」
極太のバイブを抜くと達哉はズボンを脱ぎ捨て、パンツを脱いだ。そしてワイシャツ一枚になった達哉は里香のそこに自分の性器を押し込む。すでに尻にまでみっちりと突っ込まれていた里香は、自分の中に二つの異物があるだけで声を上げていた。
「ああああ!」
卑猥な音と男の吐息、女のあえぎ声。すべてが卑猥でむせかえるようだった。
その間にも桂は彼女のその大きな乳房に手を這わせる。
「失神しそうだな。里香さん。」
スタッフがそう口を開く。
「二穴なんて初めてじゃないけど、やっぱ二人のでかいからな。」
「……。」
「大丈夫ですか?春川さん。顔色悪いけど。」
スタッフの一人が気がついて、声をかけてくれた。しかし彼女は首を横に振る。
「大丈夫。」
そのときその隣にあったドアが開く。そこには東の姿があった。
「……。」
三人の交わりに、彼女は訝しげな顔をしていた。
「3Pだって言ってたけど、アナルセックスまでしてるなんて……。」
それに抵抗があったのかもしれない。だがそれを否定するのはお門違いだ。
「東さん。」
ぽつりと春川は言うと、彼女の手を握る。そして部屋の外に出て行った。
「邪魔です。」
あまりのことに東は呆気にとられている。そして春川はまたスタジオに戻ろうとした。しかし東がそれを止める。
「ちょっと。ただのライターのくせに!」
「えぇ。ただのライター。だけどその取材の邪魔をするなら、出て行って欲しいんですよ。」
そして彼女は東を置いて、また部屋の中に入っていった。
「あーあ。気絶しちゃった。」
スタッフの一人がそう言うのが聞こえた。しかし嵐はそれでいいとOKを出した。
ぐったりしている彼女に、女性スタッフが駆け寄った。二人が射精をしたあとが、彼女の体や顔に付いている。
ちっ。あの女のせいで、肝心なところを見過ごした。
春川はそう思いながら、心の中でため息を付いた。そして視線は自然と桂に向かう。桂は自分で下着を身につけると、そのままバスローブを身につけていた。そしてこちらを一瞬見る。その様子に彼女は少し笑顔を浮かべた。
しかしその笑顔はきっと不自然だろう。当然だ。自分の好きな人が、他人とセックスをしていたのだから。本当は泣きたい。泣きながら責めたい。だけどそれはできない。
「春川さん。」
嵐が彼女に声をかける。
「はい?」
「あんた、打ち上げ来ない?」
「え?」
「あ、今日中に仕上げないといけない原稿でもある?」
「ありますけど……。」
「その後で良いから来ない?」
「でも関係者でもないのに。」
「いいんだよ。あんたのおかげで何とか形になったんだし。な?」
周りのスタッフも頷いた。その声に、彼女は少し笑った。
「そうですね。では旦那の食事の用意のあとでもよろしいですか?」
「あんた、旦那がいるんだってなぁ。旦那は自分の飯の用意もしないのか?」
「えぇ。彼は自分でパンツ一枚洗わない人ですから。」
「はぁー。あんた居なくなったらどうするんだ。その旦那。」
「さぁ。他の女性が来るんじゃないんですか。」
その言葉に嵐もさすがに苦笑いをした。
酔って帰ってきた旦那を送り届けた部下が、妻と不貞をする。そして最終的には、旦那と部下との3Pというのが主な流れだった。
AVにはよくあるシチュエーションで、二日間ほどかけて撮影をするらしい。そうではないと誰もが体が持たないのだ。
今日は二日目。桂はスーツ姿でスタジオであるリビングダイニングへやってきた。ドラマシーンを撮るらしく、今日は簡単な台本があった。セックスを目的で観る人にはどうでもいいし、早送りをするシーンなのかもしれないが、嵐はそこも手を抜かない。シチュエーションセックスを目的とするなら、重要になるのだ。
いやがる妻と、強要する部下。それを観るのが楽しいらしい。
だがこのシチュエーションは彼にとって複雑だった。
春川は、ドアの側でじっとこちらを見ている。仕事モードに入り、観察をしているらしい。その表情は、いつもどおりだ。
「桂。」
ふと呼ばれ、彼は嵐の方へ向かう。
「お前ならどうする?」
「え?」
「聞いてなかったのか?夫が妻を寝取られているところを見ると、どういう反応をするかだよ。」
「……そりゃ、怒るでしょうね。でも……。」
「このキャラクターはそれが出来ないのよ。桂だったら乗り込む?」
里香はそう聞くと、彼は首を傾げた。
「俺だったら……。」
春川を旦那から取っている。そんなとき旦那はどうするだろうか。あの優男が怒りに任せて彼を殴るとは思えない。
「俺がどうなのかはなった本人でもないしわからない。俺だったら乗り込んでいくけど、そんな奴じゃないんだろう。」
「そうね。だったら……。」
そのとき嵐はドアの横でじっとこちらを見ていた春川に視線を送る。そして彼女に声をかけた。
「春川さん。」
急に呼ばれて彼女は驚いたように彼らの元へ向かう。その行動に桂までドキリとした。
「どうしました?」
「あんた文章のプロだろ?」
「私は事実を書くだけですよ。」
「じゃあ、その経験でモノを言ってもいい。寝取られた旦那はどういう行動をとるか、教えてくれないか。」
すると彼女は表情を変えず、笑顔で言った。
「性格によると思いますよ。台本を読んだ限りだと、達哉さんの役はかなり強引な人で、里香さんは気が弱い。桂さんは自分勝手。だとしたら、答えは自ずと出てきます。」
その答えに彼らは顔を見合わせる。
「どうする?」
「まずは寝取られた怒りで、里香さんを責めるでしょう。しかし裏付けもなしに責められない。だとしたら証拠をとる。」
「録画する?」
里香がそう口にすると、嵐はニヤリと笑う。
「それでいこう。昨日撮ったヤツをスマホのデータにするんだ。それをネタに、桂が達哉と里香を責める。それからどっちがいいかって、絡めばいい。」
嵐は上機嫌にスタッフにデータを移すように指示をした。
「ありがとう。春川さん。」
里香はそう言って彼女に礼を言う。
「いいえ。私は何も。」
「ううん。あたし、あと一本で引退するから、ストーリーセックスって最後だったの。」
その言葉に達哉が声を上げた。
「えー?里香さん引退するの?」
「そうよ。結婚するからね。」
そう言って彼女はしている指輪を見せた。もちろんそれが本当の指輪ではないが、彼女は本当に結婚するのだろう。
「見て見ろよ。達哉。こんなにどろどろになるの、お前でなるのか?」
ベッドルームに舞台が移されて、里香は全裸になり桂に後ろから抱き抱えられ足を広げられた。そこはもう太股まで愛液が垂れ、ピンク色のそこを指で広げられる。
「いやぁ。見ないで。」
「奥さん!」
「何回したんだ。え?言ってみろよ。」
桂のサディスティックな声がベッドルームに響き、見慣れているスタッフも生唾を飲む音がした。
「アナルまで今日突っ込むらしいぜ。」
「最後だからやりきるんだろ?」
スタッフの声が春川の耳に届く。彼女はそれを冷静に見ていた。思ったよりも冷静なのは、普段の桂と違うからだろう。あれは演技だ。そう思えば思うことが出来る。
「ほら。前が空いてるぞ。達哉。突っ込めよ。」
極太のバイブを抜くと達哉はズボンを脱ぎ捨て、パンツを脱いだ。そしてワイシャツ一枚になった達哉は里香のそこに自分の性器を押し込む。すでに尻にまでみっちりと突っ込まれていた里香は、自分の中に二つの異物があるだけで声を上げていた。
「ああああ!」
卑猥な音と男の吐息、女のあえぎ声。すべてが卑猥でむせかえるようだった。
その間にも桂は彼女のその大きな乳房に手を這わせる。
「失神しそうだな。里香さん。」
スタッフがそう口を開く。
「二穴なんて初めてじゃないけど、やっぱ二人のでかいからな。」
「……。」
「大丈夫ですか?春川さん。顔色悪いけど。」
スタッフの一人が気がついて、声をかけてくれた。しかし彼女は首を横に振る。
「大丈夫。」
そのときその隣にあったドアが開く。そこには東の姿があった。
「……。」
三人の交わりに、彼女は訝しげな顔をしていた。
「3Pだって言ってたけど、アナルセックスまでしてるなんて……。」
それに抵抗があったのかもしれない。だがそれを否定するのはお門違いだ。
「東さん。」
ぽつりと春川は言うと、彼女の手を握る。そして部屋の外に出て行った。
「邪魔です。」
あまりのことに東は呆気にとられている。そして春川はまたスタジオに戻ろうとした。しかし東がそれを止める。
「ちょっと。ただのライターのくせに!」
「えぇ。ただのライター。だけどその取材の邪魔をするなら、出て行って欲しいんですよ。」
そして彼女は東を置いて、また部屋の中に入っていった。
「あーあ。気絶しちゃった。」
スタッフの一人がそう言うのが聞こえた。しかし嵐はそれでいいとOKを出した。
ぐったりしている彼女に、女性スタッフが駆け寄った。二人が射精をしたあとが、彼女の体や顔に付いている。
ちっ。あの女のせいで、肝心なところを見過ごした。
春川はそう思いながら、心の中でため息を付いた。そして視線は自然と桂に向かう。桂は自分で下着を身につけると、そのままバスローブを身につけていた。そしてこちらを一瞬見る。その様子に彼女は少し笑顔を浮かべた。
しかしその笑顔はきっと不自然だろう。当然だ。自分の好きな人が、他人とセックスをしていたのだから。本当は泣きたい。泣きながら責めたい。だけどそれはできない。
「春川さん。」
嵐が彼女に声をかける。
「はい?」
「あんた、打ち上げ来ない?」
「え?」
「あ、今日中に仕上げないといけない原稿でもある?」
「ありますけど……。」
「その後で良いから来ない?」
「でも関係者でもないのに。」
「いいんだよ。あんたのおかげで何とか形になったんだし。な?」
周りのスタッフも頷いた。その声に、彼女は少し笑った。
「そうですね。では旦那の食事の用意のあとでもよろしいですか?」
「あんた、旦那がいるんだってなぁ。旦那は自分の飯の用意もしないのか?」
「えぇ。彼は自分でパンツ一枚洗わない人ですから。」
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