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出張ホスト
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青い海、白い砂浜、そして女のあえぎ声と肉のはじける声。
その女優を持ち上げて立位の体勢で桂は女に打ち込んでいた。野外でするセックスは、きっと開放感があり女はあえぎ声を押さえられない。
「そんなに声出したら、誰か来るよ。」
「だってぇ……んんっ!そんなに突いたら……あっ!」
吐息混じりにそれを口走る。開放感と彼の大きなモノできっとそこから愛液が溢れているのだ。
「あっ!ああああ!」
ひときわ大きな声を出し、彼女は彼にしがみつく。そして彼も表情をゆがませて彼女をおろしてそれを抜くと、自分の性器を手でしごき女の顔に精液をかけた。そしてまたそれをくわえさせ、彼はその場から離れる。
「OK!」
監督の声がして、桂は折りたたみのいすにかかっていたバスローブを身につける。
「桂、あれだな。女をあおるの上手くなったよ。」
「……どうも。」
悪い気はしない。女をちらりと見ると近づく女性スタッフが丁寧にその精液を拭い、バスローブを持って行く。あとは彼女らに任せればいい。
彼は頭をかいて、持ってきたバッグから携帯電話を取り出した。電波が届かない無人島では、やはり連絡がきたのか来ていないのかもわからない。ため息を付いてまたその携帯電話をしまう。
「桂。」
声をかけられたのは、彼と同じAV男優の竜だった。キャリアは彼の方が長く、歳も上だった。よく焼けた肌は、このビーチによく合っている。彼もこれから他の女性と撮影らしく、面積が小さいブーメランパンツを履いていた。
「お前、何かあった?」
「何がですか?」
「とぼけんなよ。スタッフでも話題だぜ?お前が色っぽくなったって。イくときの顔、すげぇ切なそうな感じ。」
「演技ですよ。」
「いいや。すげぇ違うって。それで女だってたぎるんだよ。お前、仕事増えるぞ。」
そういって彼は彼の肩に手を置いた。
「言えよ。」
「何がですか?」
「女出来たんだろ?」
「いいや。いないっすね。」
「嘘付けや。女居なくてそんなこと出来るかよ。」
ため息を付く。早くシャワーを浴びたいのに。
「竜さんこそ、女とっかえひっかえしてるって噂ありますよ。」
「俺は違うんだよ。仕事。お仕事。」
「これ以外の仕事ですか?すげぇ稼ぐんですね。」
「あーちょっと今物入りでな。金が必要なのよ。知り合いのヤツに、出張ホストの口を紹介してもらってる。それ見たんだろ?」
「出張ホストね。だからデートしてるように見えたのか。」
素人相手にセックスの相手もしないといけないような仕事を、わざわざ仕事以外でする物好きなのだ。
「でもたまーにいるよな。」
「何が?」
「すげぇ名器。この間の女、もっていかれそうになったわ。」
「ふーん。」
「まぁ、でもそれをするだけじゃねぇよ。飯食ったり、買い物つきあったりするだけのヤツもある。お前もしてみたら?すげぇモテるぞ。」
「いや。俺は……。」
心の中に誰かがいる。それは人妻。自分よりものすごく若いのに、旦那に操をたててガンと引かない女。
好きなのかと言われると疑問だが、消すことも出来ない。
あの日、キスをしたいと思ったのは本当のことだった。だがそれ以来、会っていないし連絡もない。
「お前も堅いよな。仕事以外でセックスしねぇの?」
「最近はしないっすね。面倒。一回寝ただけで、彼女面してくるのも面倒。」
「オナニーだけか。せっかくの馬並が夜泣きするぜ。」
「しないですよ。」
すると向こうで竜を呼ぶ声が聞こえた。その声に、彼は振り返る。
「お、出番だ。行くか。」
やっと行ってしまった竜の後ろ姿を見て、彼はため息を付く。そしてタオルを手にすると、用意されている簡易のシャワールームへ向かった。
夕方、撮影スタッフや男優、女優が港に船を停まった。田舎の漁村であるそこに住む人たちには、「何か映画の撮影だ。」と言うことくらいしか知らされていない。まさか女と男が野外セックスを撮影しているなど、予想もしないことだろう。
サングラスをした桂は、バッグの中から再び携帯電話を取り出した。もうここだったら電波がつながるだろう。
しかしやはり彼女からの連絡はない。ため息を付いてまたバッグにしまう。
「桂。飯いく?」
「あー。行きます。どこですか?」
竜や他のスタッフと、女は女同士で行くらしい。彼らは停めてあったワゴン車が来るのを待っている。
すると彼に話しかけてくる人がいた。
「桂さん。」
見るとそこにはさっき彼に入れ込まれ、あえぎまくっていた女性がいる。アイドル系の顔立ちでソコソコ人気があるらしい。
「どうしたの?」
「どこにご飯行くんですか?」
「さぁ。いつもだったらいつもの焼き肉屋かな。どうかした?」
「そのあと抜けれません?連絡するんでー。」
そういうことは御法度だ。それも理解していないバカ女。
「ごめん。そのあと用事があってね。」
そういって彼はそれをやんわりと断った。すると女は彼の手に、メモ紙を手渡してくる。
「だったら今度、会ってくれません?」
「ごめんね。そういうのダメだって言われなかった?」
しかし彼女は引き下がらない。メモ紙を押し付けてくる。
「わかってるんですよー。でも今日の撮影、超気持ちよかったからぁ。また指名していいですか?」
「監督の指名だよ。俺には権限無いし、それに……。」
彼はそのメモ紙を彼女に手渡す。
「興味ない女に言い寄られても迷惑だから。」
驚いた表情の彼女。おそらくそんな事を言われたことが無いのだろう。
するとワゴン車がやってくると、彼は彼女から逃げるようにワゴン車に乗り込む。
興味があるのは彼女だけ。
まるで中学生だ。好きだという感情だけで突き動かされるなんて。
「おっ。指名来たー。」
隣に座った竜は、脳天気に携帯電話を見ている。どうやらさっき言っていた出張ホストの依頼の画面を見ているらしい。
「桂さん。さっき、恵さんに言い寄られてたっすね。」
前に座っていた後輩の男優である達哉が声をかけてきた。ショートカットでつんつんの髪をした腕にワンポイントの入れ墨をした男。甘い顔で彼も女性に人気があるらしい。
「まぁな。何か言われたけど興味ないから。」
「マジで桂さんって仕事セックスしかしないんですね。ホントはゲイなんじゃねぇかっていわれてるし。」
「あれだよ、達哉。今度映画に出るからよ。妙な噂立てられたくねーんだよ。」
「芸能人みてぇ。今のうちにサインもらおうかな。」
「一時的なものだって。つまんねぇこと言うなよ。」
その時、達哉の携帯電話が鳴った。彼はそれを手にすると、ニヤリと笑う。
「やべぇ。今度の指名、超若い。」
「マジで?達哉。どんなヤツだよ。俺おばさんしかこねぇのに。」
どうやら達哉も出張ホストなるモノをしているらしい。
「出版社勤務だってさ。へぇ。何かフツーの女の子。デートだけして欲しいって。あと……変な条件。」
「何?」
「その様子を他の奴に見せて欲しいってさ。社長もOK出してるからお願いしますって。」
「見せるって誰に?」
「他に女が居るらしいのね。その女にその様子を見せてやって欲しいって。変わった女。自分が買えばいいのに。」
その言葉に桂は驚いたようにそちらをみた。
「まさか……それって……。」
あまり何も考えずに、興味あることに突っ走る女。そんな女は一人しか知らない。
その女優を持ち上げて立位の体勢で桂は女に打ち込んでいた。野外でするセックスは、きっと開放感があり女はあえぎ声を押さえられない。
「そんなに声出したら、誰か来るよ。」
「だってぇ……んんっ!そんなに突いたら……あっ!」
吐息混じりにそれを口走る。開放感と彼の大きなモノできっとそこから愛液が溢れているのだ。
「あっ!ああああ!」
ひときわ大きな声を出し、彼女は彼にしがみつく。そして彼も表情をゆがませて彼女をおろしてそれを抜くと、自分の性器を手でしごき女の顔に精液をかけた。そしてまたそれをくわえさせ、彼はその場から離れる。
「OK!」
監督の声がして、桂は折りたたみのいすにかかっていたバスローブを身につける。
「桂、あれだな。女をあおるの上手くなったよ。」
「……どうも。」
悪い気はしない。女をちらりと見ると近づく女性スタッフが丁寧にその精液を拭い、バスローブを持って行く。あとは彼女らに任せればいい。
彼は頭をかいて、持ってきたバッグから携帯電話を取り出した。電波が届かない無人島では、やはり連絡がきたのか来ていないのかもわからない。ため息を付いてまたその携帯電話をしまう。
「桂。」
声をかけられたのは、彼と同じAV男優の竜だった。キャリアは彼の方が長く、歳も上だった。よく焼けた肌は、このビーチによく合っている。彼もこれから他の女性と撮影らしく、面積が小さいブーメランパンツを履いていた。
「お前、何かあった?」
「何がですか?」
「とぼけんなよ。スタッフでも話題だぜ?お前が色っぽくなったって。イくときの顔、すげぇ切なそうな感じ。」
「演技ですよ。」
「いいや。すげぇ違うって。それで女だってたぎるんだよ。お前、仕事増えるぞ。」
そういって彼は彼の肩に手を置いた。
「言えよ。」
「何がですか?」
「女出来たんだろ?」
「いいや。いないっすね。」
「嘘付けや。女居なくてそんなこと出来るかよ。」
ため息を付く。早くシャワーを浴びたいのに。
「竜さんこそ、女とっかえひっかえしてるって噂ありますよ。」
「俺は違うんだよ。仕事。お仕事。」
「これ以外の仕事ですか?すげぇ稼ぐんですね。」
「あーちょっと今物入りでな。金が必要なのよ。知り合いのヤツに、出張ホストの口を紹介してもらってる。それ見たんだろ?」
「出張ホストね。だからデートしてるように見えたのか。」
素人相手にセックスの相手もしないといけないような仕事を、わざわざ仕事以外でする物好きなのだ。
「でもたまーにいるよな。」
「何が?」
「すげぇ名器。この間の女、もっていかれそうになったわ。」
「ふーん。」
「まぁ、でもそれをするだけじゃねぇよ。飯食ったり、買い物つきあったりするだけのヤツもある。お前もしてみたら?すげぇモテるぞ。」
「いや。俺は……。」
心の中に誰かがいる。それは人妻。自分よりものすごく若いのに、旦那に操をたててガンと引かない女。
好きなのかと言われると疑問だが、消すことも出来ない。
あの日、キスをしたいと思ったのは本当のことだった。だがそれ以来、会っていないし連絡もない。
「お前も堅いよな。仕事以外でセックスしねぇの?」
「最近はしないっすね。面倒。一回寝ただけで、彼女面してくるのも面倒。」
「オナニーだけか。せっかくの馬並が夜泣きするぜ。」
「しないですよ。」
すると向こうで竜を呼ぶ声が聞こえた。その声に、彼は振り返る。
「お、出番だ。行くか。」
やっと行ってしまった竜の後ろ姿を見て、彼はため息を付く。そしてタオルを手にすると、用意されている簡易のシャワールームへ向かった。
夕方、撮影スタッフや男優、女優が港に船を停まった。田舎の漁村であるそこに住む人たちには、「何か映画の撮影だ。」と言うことくらいしか知らされていない。まさか女と男が野外セックスを撮影しているなど、予想もしないことだろう。
サングラスをした桂は、バッグの中から再び携帯電話を取り出した。もうここだったら電波がつながるだろう。
しかしやはり彼女からの連絡はない。ため息を付いてまたバッグにしまう。
「桂。飯いく?」
「あー。行きます。どこですか?」
竜や他のスタッフと、女は女同士で行くらしい。彼らは停めてあったワゴン車が来るのを待っている。
すると彼に話しかけてくる人がいた。
「桂さん。」
見るとそこにはさっき彼に入れ込まれ、あえぎまくっていた女性がいる。アイドル系の顔立ちでソコソコ人気があるらしい。
「どうしたの?」
「どこにご飯行くんですか?」
「さぁ。いつもだったらいつもの焼き肉屋かな。どうかした?」
「そのあと抜けれません?連絡するんでー。」
そういうことは御法度だ。それも理解していないバカ女。
「ごめん。そのあと用事があってね。」
そういって彼はそれをやんわりと断った。すると女は彼の手に、メモ紙を手渡してくる。
「だったら今度、会ってくれません?」
「ごめんね。そういうのダメだって言われなかった?」
しかし彼女は引き下がらない。メモ紙を押し付けてくる。
「わかってるんですよー。でも今日の撮影、超気持ちよかったからぁ。また指名していいですか?」
「監督の指名だよ。俺には権限無いし、それに……。」
彼はそのメモ紙を彼女に手渡す。
「興味ない女に言い寄られても迷惑だから。」
驚いた表情の彼女。おそらくそんな事を言われたことが無いのだろう。
するとワゴン車がやってくると、彼は彼女から逃げるようにワゴン車に乗り込む。
興味があるのは彼女だけ。
まるで中学生だ。好きだという感情だけで突き動かされるなんて。
「おっ。指名来たー。」
隣に座った竜は、脳天気に携帯電話を見ている。どうやらさっき言っていた出張ホストの依頼の画面を見ているらしい。
「桂さん。さっき、恵さんに言い寄られてたっすね。」
前に座っていた後輩の男優である達哉が声をかけてきた。ショートカットでつんつんの髪をした腕にワンポイントの入れ墨をした男。甘い顔で彼も女性に人気があるらしい。
「まぁな。何か言われたけど興味ないから。」
「マジで桂さんって仕事セックスしかしないんですね。ホントはゲイなんじゃねぇかっていわれてるし。」
「あれだよ、達哉。今度映画に出るからよ。妙な噂立てられたくねーんだよ。」
「芸能人みてぇ。今のうちにサインもらおうかな。」
「一時的なものだって。つまんねぇこと言うなよ。」
その時、達哉の携帯電話が鳴った。彼はそれを手にすると、ニヤリと笑う。
「やべぇ。今度の指名、超若い。」
「マジで?達哉。どんなヤツだよ。俺おばさんしかこねぇのに。」
どうやら達哉も出張ホストなるモノをしているらしい。
「出版社勤務だってさ。へぇ。何かフツーの女の子。デートだけして欲しいって。あと……変な条件。」
「何?」
「その様子を他の奴に見せて欲しいってさ。社長もOK出してるからお願いしますって。」
「見せるって誰に?」
「他に女が居るらしいのね。その女にその様子を見せてやって欲しいって。変わった女。自分が買えばいいのに。」
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