41 / 289
二人の夜
40
しおりを挟む
駅を通り抜けて、普段でる北口から南口にでる。専門学校などがあるようなところで昼間は若者が多い南口だが、夜になれば閑散とする。
そしてその駅から線路沿いを伝っていくと、数件のラブホテルがある。車でも来れるように、厚いビニールののれんは目隠しのためだろう。
週末でもないこの日は、どこでも空室になっていた。
「どういうところが良い?あの奥の所は全室和室になっているんだ。畳で布団っていうのもいいよね。」
「さぁ……どこと言われても……私は行ったことがないですし。」
「久住とはどこで?」
「家です。」
「君の?」
「えぇ……。」
それ以上のことは言いたくなかった。その様子に、史はぐっと手を引き寄せると、駐車場の脇にある目隠ししてあった入り口に入っていく。
中は薄暗く、電気でともされた部屋の様子が写真で写されている所だけが光っていた。暗くなっている写真は使用中ということだろう。
写真の下には宿泊と休憩の二つの料金とボタンがある。
「どんな部屋が良いとかもわからないかな。」
「そうですね。何が違うんですか?」
「たとえばここはSMの道具が充実してる。ここはコスプレの服が用意されているらしい。」
「……興味ないですね。」
「そう?」
「叩かれたり叩いたりして、何がいいんでしょう。」
その言葉に思わず史は笑っていた。上機嫌なのは、清子とやっとセックスが出来るからだ。一晩中でも抱いていたくなるだろう。
「ここにしよう。」
そういって史はその部屋のボタンを押した。すると休憩ではなく、宿泊というボタンに、清子は少し不思議に思った。
「あの……宿泊って……。」
「始発で帰って着替えるか、そのまま出社。別に構わないだろう?君はいつも同じデザインのスーツしか着てないみたいだし。」
「ブラウスだけは違うんですけど。」
「だったら少し早めに出ようか。」
出れるだろうか。そこまで清子が冷静でいられるのだろうか。
狭いエレベーターに乗り、四階まであがる。ここは六階建てだ。それでも外から見える景色は悪くないと思う。
四階にたどり着くと、ドアの前にあるランプが光っている。そこには入れということだろう。史はその部屋のドアを開けると、先に清子を入れようとした。だが清子はまだ躊躇しているように見える。
「……どうしたの?」
「ちょっと……戸惑ってしまって。」
十年前、初めて晶とセックスをした。それ以来していない。当然こういうところに来たこともない。だが考えてみれば、ここに来る人は当然のようにみんなセックスをしに来ているのだ。ほかの目的もあるのだろうが、ほとんどそうなのだろう。
自分だってそうだ。誘われて、それをしにきただけだ。だから今更後悔なんかしない。そう思っていたのに、足が踏み出せない。
すると史はその手を握ると、部屋の中に清子を無理矢理のように入れた。つんのめてこけそうになったが、バッグだけは落とさすに済んだ。
部屋の中は広くて大きなテレビや二人掛けのソファーやローテーブルの上には案内が載っている。
そしてイヤでも目につくのは大きなベッドだった。ピンク色のシーツや枕元にあるコンドームが普通のホテルとは違うように見える。
「シャワー。浴びる?」
荷物を置いて、史は立ち尽くしている清子に声をかけた。清子はそれでもまだ戸惑っているようだった。それを見て、優しく持っているバッグを手にすると、ソファーの上に置いた。
そしてその頬を撫でると、清子はびくっと体を震わせる。
「……清子……。こっちを見て。」
おそるおそる見上げると、優しげな目が清子を見下ろしていた。その様子に清子は少しうつむくが、思い切ってまたそちらをみる。すると史は優しく唇を合わせてきた。ついばむように唇を合わせて、清子を抱きしめる。
「こうしたかった。清子……。ずっとこうしてやりたかった。好き。清子。」
「編集長……。」
「名前で呼んで。」
「……史さん……。」
その言葉に史は少し笑うと、清子を少し離してジャケットのボタンをはずす。
「あの……もう?」
「お風呂に先にはいる?」
「……そうですね。汗かいているから……。」
「だったら俺はそのままが良いかな。」
「やだ。」
清子は少し笑う。その顔を見たかった。史はそのまま清子の唇にキスをする。
晶とこういうことをしたときもかなり清子は細かったし、胸もまだ無かったはずだ。あのころよりは成長しているとは言え、細い体は変わらない。
浮いたあばらも、胸の上にある骨っぽさも、おれそうな手首も全てがコンプレックスだった。だが史はその一つ一つを愛しそうに愛撫する。
胸の先に下を這わせて、音を立てると清子の頬が赤くなった。
「や……そんなに舐めたら……。」
「敏感なんだ。こんなに乳首立たせて。」
口を離して、その乳首を指で挟む。そしてその先をこするように撫でると清子の声が収まらなかった。
「あっ……。そんなにしたら……。」
「何?」
つまみ上げるその指に力を少し入れると、恥ずかしそうに清子は手で顔を覆った。
「や……。ん……。」
「駄目。顔を見せて。その顔。誰にも見せたくないから。俺だけのものにしたい。」
手を離してキスをすると、清子の顔はまた赤くなる。
「……ん……。」
AV男優をしていたのだ。清子ではなくてももっと綺麗な人とセックスをずっとしてきたはずだ。なのにどうしてこんなところで自分としているのだろう。
そのとき首筋にわずかに痛みを感じた。驚いて、清子は史の顔をよける。だが史は少し笑っていた。
「付いてる。俺のものってこと。」
そういって史はそのあとに指を這わせた。
「目立つところですか。」
「普段通りにしてたら見えない。だから……誰にも見せないで欲しい。」
「……。」
晶にくぎを差したのだろう。もう清子に手を出すなと言うことだ。
そして史は思い切ってその下着の中に手を入れた。するとそこはもうしっとりと濡れている。
「ん……。」
下着を取ると、史は足に手をかけた。薄い茂みの奥はもう少し濡れているようだと思う。
「そんなに見ないでください。」
「いいや。見たいね。初めて見るんだから、じっくり奥まで見せて欲しい。」
「変態ですか。」
「どうとでも。」
その言葉にますます史の下着の下のものが堅くなりそうだった。そして見られる清子のそこも、触れてもないのに徐々に濡れ始めていた。
そしてその駅から線路沿いを伝っていくと、数件のラブホテルがある。車でも来れるように、厚いビニールののれんは目隠しのためだろう。
週末でもないこの日は、どこでも空室になっていた。
「どういうところが良い?あの奥の所は全室和室になっているんだ。畳で布団っていうのもいいよね。」
「さぁ……どこと言われても……私は行ったことがないですし。」
「久住とはどこで?」
「家です。」
「君の?」
「えぇ……。」
それ以上のことは言いたくなかった。その様子に、史はぐっと手を引き寄せると、駐車場の脇にある目隠ししてあった入り口に入っていく。
中は薄暗く、電気でともされた部屋の様子が写真で写されている所だけが光っていた。暗くなっている写真は使用中ということだろう。
写真の下には宿泊と休憩の二つの料金とボタンがある。
「どんな部屋が良いとかもわからないかな。」
「そうですね。何が違うんですか?」
「たとえばここはSMの道具が充実してる。ここはコスプレの服が用意されているらしい。」
「……興味ないですね。」
「そう?」
「叩かれたり叩いたりして、何がいいんでしょう。」
その言葉に思わず史は笑っていた。上機嫌なのは、清子とやっとセックスが出来るからだ。一晩中でも抱いていたくなるだろう。
「ここにしよう。」
そういって史はその部屋のボタンを押した。すると休憩ではなく、宿泊というボタンに、清子は少し不思議に思った。
「あの……宿泊って……。」
「始発で帰って着替えるか、そのまま出社。別に構わないだろう?君はいつも同じデザインのスーツしか着てないみたいだし。」
「ブラウスだけは違うんですけど。」
「だったら少し早めに出ようか。」
出れるだろうか。そこまで清子が冷静でいられるのだろうか。
狭いエレベーターに乗り、四階まであがる。ここは六階建てだ。それでも外から見える景色は悪くないと思う。
四階にたどり着くと、ドアの前にあるランプが光っている。そこには入れということだろう。史はその部屋のドアを開けると、先に清子を入れようとした。だが清子はまだ躊躇しているように見える。
「……どうしたの?」
「ちょっと……戸惑ってしまって。」
十年前、初めて晶とセックスをした。それ以来していない。当然こういうところに来たこともない。だが考えてみれば、ここに来る人は当然のようにみんなセックスをしに来ているのだ。ほかの目的もあるのだろうが、ほとんどそうなのだろう。
自分だってそうだ。誘われて、それをしにきただけだ。だから今更後悔なんかしない。そう思っていたのに、足が踏み出せない。
すると史はその手を握ると、部屋の中に清子を無理矢理のように入れた。つんのめてこけそうになったが、バッグだけは落とさすに済んだ。
部屋の中は広くて大きなテレビや二人掛けのソファーやローテーブルの上には案内が載っている。
そしてイヤでも目につくのは大きなベッドだった。ピンク色のシーツや枕元にあるコンドームが普通のホテルとは違うように見える。
「シャワー。浴びる?」
荷物を置いて、史は立ち尽くしている清子に声をかけた。清子はそれでもまだ戸惑っているようだった。それを見て、優しく持っているバッグを手にすると、ソファーの上に置いた。
そしてその頬を撫でると、清子はびくっと体を震わせる。
「……清子……。こっちを見て。」
おそるおそる見上げると、優しげな目が清子を見下ろしていた。その様子に清子は少しうつむくが、思い切ってまたそちらをみる。すると史は優しく唇を合わせてきた。ついばむように唇を合わせて、清子を抱きしめる。
「こうしたかった。清子……。ずっとこうしてやりたかった。好き。清子。」
「編集長……。」
「名前で呼んで。」
「……史さん……。」
その言葉に史は少し笑うと、清子を少し離してジャケットのボタンをはずす。
「あの……もう?」
「お風呂に先にはいる?」
「……そうですね。汗かいているから……。」
「だったら俺はそのままが良いかな。」
「やだ。」
清子は少し笑う。その顔を見たかった。史はそのまま清子の唇にキスをする。
晶とこういうことをしたときもかなり清子は細かったし、胸もまだ無かったはずだ。あのころよりは成長しているとは言え、細い体は変わらない。
浮いたあばらも、胸の上にある骨っぽさも、おれそうな手首も全てがコンプレックスだった。だが史はその一つ一つを愛しそうに愛撫する。
胸の先に下を這わせて、音を立てると清子の頬が赤くなった。
「や……そんなに舐めたら……。」
「敏感なんだ。こんなに乳首立たせて。」
口を離して、その乳首を指で挟む。そしてその先をこするように撫でると清子の声が収まらなかった。
「あっ……。そんなにしたら……。」
「何?」
つまみ上げるその指に力を少し入れると、恥ずかしそうに清子は手で顔を覆った。
「や……。ん……。」
「駄目。顔を見せて。その顔。誰にも見せたくないから。俺だけのものにしたい。」
手を離してキスをすると、清子の顔はまた赤くなる。
「……ん……。」
AV男優をしていたのだ。清子ではなくてももっと綺麗な人とセックスをずっとしてきたはずだ。なのにどうしてこんなところで自分としているのだろう。
そのとき首筋にわずかに痛みを感じた。驚いて、清子は史の顔をよける。だが史は少し笑っていた。
「付いてる。俺のものってこと。」
そういって史はそのあとに指を這わせた。
「目立つところですか。」
「普段通りにしてたら見えない。だから……誰にも見せないで欲しい。」
「……。」
晶にくぎを差したのだろう。もう清子に手を出すなと言うことだ。
そして史は思い切ってその下着の中に手を入れた。するとそこはもうしっとりと濡れている。
「ん……。」
下着を取ると、史は足に手をかけた。薄い茂みの奥はもう少し濡れているようだと思う。
「そんなに見ないでください。」
「いいや。見たいね。初めて見るんだから、じっくり奥まで見せて欲しい。」
「変態ですか。」
「どうとでも。」
その言葉にますます史の下着の下のものが堅くなりそうだった。そして見られる清子のそこも、触れてもないのに徐々に濡れ始めていた。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる