16 / 88
第16話 ダンジョン攻略、ついに再開!
しおりを挟む
◇◇
ついにレベルが100に到達した。
あ、でも上限ではないのは知っている。
Sランクの冒険者の中には300近いレベルの人もいるって聞いたことあるからな。
でも10日前までは30で停滞していたのだから、かなりの進歩である。
しかも、ついに、なんと、初めての魔法をゲットしたのだ!
「邪悪なる者に光の天罰を! ホーリーフレア!!」
かっこいいネーミングの魔法だ。光属性で聖なる爆発で敵を攻撃するみたいだ。
光属性に弱いガイコツのモンスター、地獄の門番が相手だから大ダメージは間違いないよな。
……が、しかし。
――ポンッ!
風船が割れたような音とともに、小さな泡がはじけ飛んだ。
「ギャハハハ! 弱い! 弱すぎるぞ!!」
「見かけ倒しもいいところじゃねえか! ギャハハハ!」
魔法を食らったモンスターたちに笑い飛ばされる始末……。
当然、ダメージはほとんど与えていない。
「ぴ、ピートさん。ドンマイっ!」
「ご主人様! 魔法を唱える姿がかっこよかったです!」
モンスターハウスに連れてきたサンとルナが懸命に励ましてくれる。
けどこういう時って励まされると余計に悲しいものなんだな……。
「おい、弱っちいニンゲンよ! 魔法ってのはこうやるんだよ! アイスブレード!!」
ガイコツのくせに魔法が使えるのか。
しかもたいそう立派な氷の刃じゃないか。
こういうのを期待してたんだけどなぁ。
ホーリーフレアも使い続けていれば強くなるのだろうか……。
「ピートさん! 危ない!!」
相変わらずサンは心配性だな。
【魔法耐性Up(極大)】だし、こんなんじゃかすり傷一つつけられないのにな。
――バシィィッ!
片手でアイスブレードを吹き飛ばした。
「なっ……!? お、おのれぇぇぇ!! ならこれはどうだ!! デス・ウィスパー!!」
今度は即死魔法か。
一応『精神魔法』の部類になるみたいだから、俺には効かない。
「い、いったいどうなってやがる……」
「くそっ! こうなったら一斉攻撃だ!! いくぞ!!」
ガイコツたちがいっぺんに襲いかかってきた。
「ピートさん!!」
だからそんな悲鳴を上げなくても大丈夫だって。
――ドンッ!!
地面を軽く蹴っただけで一気にモンスターたちとの間合いをつめる。
そうそう。
レベル100になって大幅に素早さが上昇したのは意外だったな。
「なっ!?」
驚きおののくガイコツのうち1体を拳ひとつで片づけた。
ガイコツたちの顔から血の気が引いていく……って最初から血が通ってないか。
とにかく膝がふるえ、腰砕けになった地獄の門番。
「ひぃぃ! ば、化け物だぁ!」
「だ、だから俺はこんな明るい場所は嫌だって言ったんだよ!」
「は、墓場に帰らせてくれぇ!」
逃げ惑う相手を追いかけるのは趣味じゃない。
ガイコツたちから離れたところで無機質な声が響いた。
『狩ったらはぎ取るシナリオの発動条件を満たしました』
そろそろモンスターハウスで狩るのも飽きてきたな。なんだったら今ここにいる1000体以上のモンスターを一掃することも難なくできる自信だってある。
よし、決めた。
第54層の探索をしてみよう――。
◇◇
翌日。
MPも全快したし、ついに第54層に足を踏み入れる時がきた。
留守番はなし。4体とも連れていくことにした。
それからシナリオは1つだけセットしてある。
発動条件は『もしテイマーのHPが半分以下になったら』で、発動内容は『テイマーを連れて第53層に戻る』だ。
俺のHPが半分以下になるってことは、その相手が俺よりもレベルが高いってことだ。もしかしたら何らかの理由で、自力で戦闘から離脱できなくなっている可能性もある。
だからこのシナリオをセットした。
ピンチになったら自動的に全員で力を合わせて離脱できるってわけだ。
名付けて【ピンチになったら即離脱シナリオ】である。
これで準備は万全。
「よしっ! 出発だ!!」
「「「「おーっ!!」」」」
俺たちは家を後にした。
この先に待ち受ける意外な出会いなど知るはずもなく……。
ついにレベルが100に到達した。
あ、でも上限ではないのは知っている。
Sランクの冒険者の中には300近いレベルの人もいるって聞いたことあるからな。
でも10日前までは30で停滞していたのだから、かなりの進歩である。
しかも、ついに、なんと、初めての魔法をゲットしたのだ!
「邪悪なる者に光の天罰を! ホーリーフレア!!」
かっこいいネーミングの魔法だ。光属性で聖なる爆発で敵を攻撃するみたいだ。
光属性に弱いガイコツのモンスター、地獄の門番が相手だから大ダメージは間違いないよな。
……が、しかし。
――ポンッ!
風船が割れたような音とともに、小さな泡がはじけ飛んだ。
「ギャハハハ! 弱い! 弱すぎるぞ!!」
「見かけ倒しもいいところじゃねえか! ギャハハハ!」
魔法を食らったモンスターたちに笑い飛ばされる始末……。
当然、ダメージはほとんど与えていない。
「ぴ、ピートさん。ドンマイっ!」
「ご主人様! 魔法を唱える姿がかっこよかったです!」
モンスターハウスに連れてきたサンとルナが懸命に励ましてくれる。
けどこういう時って励まされると余計に悲しいものなんだな……。
「おい、弱っちいニンゲンよ! 魔法ってのはこうやるんだよ! アイスブレード!!」
ガイコツのくせに魔法が使えるのか。
しかもたいそう立派な氷の刃じゃないか。
こういうのを期待してたんだけどなぁ。
ホーリーフレアも使い続けていれば強くなるのだろうか……。
「ピートさん! 危ない!!」
相変わらずサンは心配性だな。
【魔法耐性Up(極大)】だし、こんなんじゃかすり傷一つつけられないのにな。
――バシィィッ!
片手でアイスブレードを吹き飛ばした。
「なっ……!? お、おのれぇぇぇ!! ならこれはどうだ!! デス・ウィスパー!!」
今度は即死魔法か。
一応『精神魔法』の部類になるみたいだから、俺には効かない。
「い、いったいどうなってやがる……」
「くそっ! こうなったら一斉攻撃だ!! いくぞ!!」
ガイコツたちがいっぺんに襲いかかってきた。
「ピートさん!!」
だからそんな悲鳴を上げなくても大丈夫だって。
――ドンッ!!
地面を軽く蹴っただけで一気にモンスターたちとの間合いをつめる。
そうそう。
レベル100になって大幅に素早さが上昇したのは意外だったな。
「なっ!?」
驚きおののくガイコツのうち1体を拳ひとつで片づけた。
ガイコツたちの顔から血の気が引いていく……って最初から血が通ってないか。
とにかく膝がふるえ、腰砕けになった地獄の門番。
「ひぃぃ! ば、化け物だぁ!」
「だ、だから俺はこんな明るい場所は嫌だって言ったんだよ!」
「は、墓場に帰らせてくれぇ!」
逃げ惑う相手を追いかけるのは趣味じゃない。
ガイコツたちから離れたところで無機質な声が響いた。
『狩ったらはぎ取るシナリオの発動条件を満たしました』
そろそろモンスターハウスで狩るのも飽きてきたな。なんだったら今ここにいる1000体以上のモンスターを一掃することも難なくできる自信だってある。
よし、決めた。
第54層の探索をしてみよう――。
◇◇
翌日。
MPも全快したし、ついに第54層に足を踏み入れる時がきた。
留守番はなし。4体とも連れていくことにした。
それからシナリオは1つだけセットしてある。
発動条件は『もしテイマーのHPが半分以下になったら』で、発動内容は『テイマーを連れて第53層に戻る』だ。
俺のHPが半分以下になるってことは、その相手が俺よりもレベルが高いってことだ。もしかしたら何らかの理由で、自力で戦闘から離脱できなくなっている可能性もある。
だからこのシナリオをセットした。
ピンチになったら自動的に全員で力を合わせて離脱できるってわけだ。
名付けて【ピンチになったら即離脱シナリオ】である。
これで準備は万全。
「よしっ! 出発だ!!」
「「「「おーっ!!」」」」
俺たちは家を後にした。
この先に待ち受ける意外な出会いなど知るはずもなく……。
0
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
異世界転移したので、のんびり楽しみます。
ゆーふー
ファンタジー
信号無視した車に轢かれ、命を落としたことをきっかけに異世界に転移することに。異世界で長生きするために主人公が望んだのは、「のんびり過ごせる力」
主人公は神様に貰った力でのんびり平和に長生きできるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる