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第2章
サウスオーシャン海戦4
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俺は岩礁まで一直線に駆けていく。
そんな俺の行く手を阻むように魚人のマーマンたちが槍を持って阻んできた。
俺は右に左に剣を振るいながら、その足を止めることなく進んでいった。
「グギャアアア!!」
海全体を包む、魔物たちの断末魔。
俺に狙われているセイレーンたちは歌声を変えて、様々な精神攻撃を俺に仕掛け続けている。
混乱、誘惑、気落ち、恐怖、即死…
しかしいかなる精神攻撃にも耐性を身につけていた俺にとっては、むしろ心地よさも感じる程だ。
ただこいつらの歌声を排除しなくては、船の進む速度が遅いままなのだ。
真っ先に抹殺する対象に決めていた。
疾風のように海原を駆ける俺に一体の魔物が立ちふさがる。
「好き勝手はそこまでだ!!俺はマーマンソルジャー!貴様をここで討つ!」
マーマンたちの総大将であろう、一回り大きい体と巨大な槍を構えて、その魔物は俺を迎撃する体勢をとった。
彼の凶悪な槍を前にしても俺の突進は止まらない。いや正確には『止まれない』だ。
足を止めた瞬間から俺の体は海に沈み始めるのだから…
そしてマーマンソルジャーは俺が槍の射程に入った瞬間、恐ろしい勢いでそれを突いてきた。
「死ねぇ!!勇者!!」
「…ふん」
タン!
俺はその槍を前進しながらかわすべく、上空へと飛び出す。
「ガァァァ!!」
それを見越していたかのように、再びデビルオクトパスの足が俺を襲った。
俺は空中で体勢を整える間を作れずに両手の剣を振るう事が出来ない。
ガシ!
とうとうデビルオクトパスの足が俺の両手首と両足首を捉えた。
無論その瞬間にその足は凍りつく。
そして俺はそのまま空中で動きを止められてしまった。
まるで海の魔物たちの格好の的となるかのように…
「ガハハ!勇者よ!これで終わりだ!!みなのもの!一斉にかかれ!!」
マーマンソルジャーの号令により、様子を見ていた魔物たちが一斉に飛びかかってくる。
俺は腹に力を入れる。
「…ダァッ!!」
俺が気合いを入れると、
ドゴッ!
と俺の両手首と足首を掴んでいたデビルオクトパスの凍っていた足が崩れ落ちた。
ガン!
同時に俺はマーマンソルジャーの突きを剣で受け止める。
その力は思いの外強く、俺は押し戻されるように吹き飛ばされた。
「…くっ!」
そんな俺に容赦なく他のマーマンたちの槍の突きが浴びせられる。
一突き…二突き…ここまでは空中で体勢を変えてかわす事が出来たが、次の突きは背後からのものでまともに受けた。
しかし体を貫くほどの強さで受けたわけではないので、致命傷にはならない。
ただその突きは俺を海に落とすには十分の威力ではあった。
ドボン!!
勢いよく海の中に沈んでいく俺。
それを待ちかまえていたかのようにドラゴンシャークという巨大なサメの魔物が四方から俺を食いつくさんと、大きな口を開けて接近してくる。
「…うがぁ!」
俺は水中で「スパイラル・スラッシュ」のスキルを放ち剣を回転させながらサメを海中で迎撃した。
しかし水の中では思うように回転速度が上がらず、簡単にかわされてしまった。
俺は覚悟していた。
最初から海で戦うには無理があったのだ。
いかに俺が無双の勇者であっても…
敵う相手ではなかったのだ…
そう俺は諦めていた…
こいつら相手に手加減するのを。
再び四方から襲い掛かってくるドラゴンシャーク。
俺は水中なので心の中で魔法を詠唱をする。
「水の精よ、強き流れでその強さを示せ!『ウォーターガン』」
ウォーターガンはその名の通り、水の流れを銃に見たて勢いよく相手に飛ばす魔法だ。
俺はその魔法を手のひらを自分の背中に当てて、自分に向けて放った。
ドン!!
とてつもなく強い力が俺の背中を押し出す。
その勢いのまま俺は海面へと飛んでいった。
バシャッ!!
一気に空中まで俺は飛び上がった。
その高さ、海面から約30m。
海面から顔を出し、驚きの表情を浮かべるマーマンたち。
デビルオクトパスの群れやドラゴンシャークたちの魚影まではっきりと見える。
全て俺を中心に半径数mの範囲に位置している。
魔物たちから少し離れた場所に俺たちの船がいた。
条件は整った。
俺は魔法の詠唱をする為に手にしていた剣を鞘に納め、両手を組んだ。
「…俺を本気にさせた事…」
俺の手に魔力が収束していく。
「…後悔しながら果てるがいい」
そんな俺の行く手を阻むように魚人のマーマンたちが槍を持って阻んできた。
俺は右に左に剣を振るいながら、その足を止めることなく進んでいった。
「グギャアアア!!」
海全体を包む、魔物たちの断末魔。
俺に狙われているセイレーンたちは歌声を変えて、様々な精神攻撃を俺に仕掛け続けている。
混乱、誘惑、気落ち、恐怖、即死…
しかしいかなる精神攻撃にも耐性を身につけていた俺にとっては、むしろ心地よさも感じる程だ。
ただこいつらの歌声を排除しなくては、船の進む速度が遅いままなのだ。
真っ先に抹殺する対象に決めていた。
疾風のように海原を駆ける俺に一体の魔物が立ちふさがる。
「好き勝手はそこまでだ!!俺はマーマンソルジャー!貴様をここで討つ!」
マーマンたちの総大将であろう、一回り大きい体と巨大な槍を構えて、その魔物は俺を迎撃する体勢をとった。
彼の凶悪な槍を前にしても俺の突進は止まらない。いや正確には『止まれない』だ。
足を止めた瞬間から俺の体は海に沈み始めるのだから…
そしてマーマンソルジャーは俺が槍の射程に入った瞬間、恐ろしい勢いでそれを突いてきた。
「死ねぇ!!勇者!!」
「…ふん」
タン!
俺はその槍を前進しながらかわすべく、上空へと飛び出す。
「ガァァァ!!」
それを見越していたかのように、再びデビルオクトパスの足が俺を襲った。
俺は空中で体勢を整える間を作れずに両手の剣を振るう事が出来ない。
ガシ!
とうとうデビルオクトパスの足が俺の両手首と両足首を捉えた。
無論その瞬間にその足は凍りつく。
そして俺はそのまま空中で動きを止められてしまった。
まるで海の魔物たちの格好の的となるかのように…
「ガハハ!勇者よ!これで終わりだ!!みなのもの!一斉にかかれ!!」
マーマンソルジャーの号令により、様子を見ていた魔物たちが一斉に飛びかかってくる。
俺は腹に力を入れる。
「…ダァッ!!」
俺が気合いを入れると、
ドゴッ!
と俺の両手首と足首を掴んでいたデビルオクトパスの凍っていた足が崩れ落ちた。
ガン!
同時に俺はマーマンソルジャーの突きを剣で受け止める。
その力は思いの外強く、俺は押し戻されるように吹き飛ばされた。
「…くっ!」
そんな俺に容赦なく他のマーマンたちの槍の突きが浴びせられる。
一突き…二突き…ここまでは空中で体勢を変えてかわす事が出来たが、次の突きは背後からのものでまともに受けた。
しかし体を貫くほどの強さで受けたわけではないので、致命傷にはならない。
ただその突きは俺を海に落とすには十分の威力ではあった。
ドボン!!
勢いよく海の中に沈んでいく俺。
それを待ちかまえていたかのようにドラゴンシャークという巨大なサメの魔物が四方から俺を食いつくさんと、大きな口を開けて接近してくる。
「…うがぁ!」
俺は水中で「スパイラル・スラッシュ」のスキルを放ち剣を回転させながらサメを海中で迎撃した。
しかし水の中では思うように回転速度が上がらず、簡単にかわされてしまった。
俺は覚悟していた。
最初から海で戦うには無理があったのだ。
いかに俺が無双の勇者であっても…
敵う相手ではなかったのだ…
そう俺は諦めていた…
こいつら相手に手加減するのを。
再び四方から襲い掛かってくるドラゴンシャーク。
俺は水中なので心の中で魔法を詠唱をする。
「水の精よ、強き流れでその強さを示せ!『ウォーターガン』」
ウォーターガンはその名の通り、水の流れを銃に見たて勢いよく相手に飛ばす魔法だ。
俺はその魔法を手のひらを自分の背中に当てて、自分に向けて放った。
ドン!!
とてつもなく強い力が俺の背中を押し出す。
その勢いのまま俺は海面へと飛んでいった。
バシャッ!!
一気に空中まで俺は飛び上がった。
その高さ、海面から約30m。
海面から顔を出し、驚きの表情を浮かべるマーマンたち。
デビルオクトパスの群れやドラゴンシャークたちの魚影まではっきりと見える。
全て俺を中心に半径数mの範囲に位置している。
魔物たちから少し離れた場所に俺たちの船がいた。
条件は整った。
俺は魔法の詠唱をする為に手にしていた剣を鞘に納め、両手を組んだ。
「…俺を本気にさせた事…」
俺の手に魔力が収束していく。
「…後悔しながら果てるがいい」
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