19 / 23
第一章 誕生日おめでとう
第19話 白鳥の泉
しおりを挟む
ピヨとルヴナンが木が中央に立つ、白鳥の泉にくるとフクロウが木の上で出迎えてくれた。
「泉に浸かり 木に祈ってまつ ホッホー! そしたらついに白鳥だ!」
「わかった……言う通りにしよう」
ルヴナンは泉の浅瀬で水に浸かると、じっと小さな声で祈る歌を歌った。
ピヨが泉の前で見守っていると、後ろからレアールが叫んで転がってきた。
「白鳥の泉なんて嘘だ! 蛇の餌にするためにフクロウが仕込んだんだ!」
それを聞いた2個のたまごがハッとなってレアールの方へ振り返る。逃げられるのを察知したフクロウが翼を広げた。
「バレては仕方ない 逃げられる前に そこの白いのを蛇様に 捧げる ホッホッ!」
音もしない旋空でフクロウが脚でピヨの殻を捕らえた!ピヨは木の高さまで飛び、目を回しそうな勢いで揺すられる。
「ピヨーー!!」
ルヴナンの悲痛な声が聞こえる。
「ぅぁあッ」
ピヨの真っ白な頭に言葉が浮かんだ。
このまま
ここで死ぬのか
ルヴナンを助けられずに
なら
割れたって構うものかーー!
バキバキッ
殻の割れる音がして、フクロウの脚から飛出したピヨ。高い空から見下ろし見えたのは浅瀬にいるルヴナンと、そのたまごを食わんとする蛇の影だった。
「ルヴナンに手を出すな!!」
ピヨはそのまま急降下し、襲いかかろうと頭を出した蛇の目にキックを食らわせた。
ギャァアアッと蛇は悶絶し、その場に倒れ伏した。
水しぶきが飛び、蛇が倒れ伏した勢いでルヴナンは泉の奥へと飛ばされた。
死のような冷たい泉の水の奥深く、勇敢なピヨの声を思い出しながら、ルヴナンは沈んでいったのであった。
「泉に浸かり 木に祈ってまつ ホッホー! そしたらついに白鳥だ!」
「わかった……言う通りにしよう」
ルヴナンは泉の浅瀬で水に浸かると、じっと小さな声で祈る歌を歌った。
ピヨが泉の前で見守っていると、後ろからレアールが叫んで転がってきた。
「白鳥の泉なんて嘘だ! 蛇の餌にするためにフクロウが仕込んだんだ!」
それを聞いた2個のたまごがハッとなってレアールの方へ振り返る。逃げられるのを察知したフクロウが翼を広げた。
「バレては仕方ない 逃げられる前に そこの白いのを蛇様に 捧げる ホッホッ!」
音もしない旋空でフクロウが脚でピヨの殻を捕らえた!ピヨは木の高さまで飛び、目を回しそうな勢いで揺すられる。
「ピヨーー!!」
ルヴナンの悲痛な声が聞こえる。
「ぅぁあッ」
ピヨの真っ白な頭に言葉が浮かんだ。
このまま
ここで死ぬのか
ルヴナンを助けられずに
なら
割れたって構うものかーー!
バキバキッ
殻の割れる音がして、フクロウの脚から飛出したピヨ。高い空から見下ろし見えたのは浅瀬にいるルヴナンと、そのたまごを食わんとする蛇の影だった。
「ルヴナンに手を出すな!!」
ピヨはそのまま急降下し、襲いかかろうと頭を出した蛇の目にキックを食らわせた。
ギャァアアッと蛇は悶絶し、その場に倒れ伏した。
水しぶきが飛び、蛇が倒れ伏した勢いでルヴナンは泉の奥へと飛ばされた。
死のような冷たい泉の水の奥深く、勇敢なピヨの声を思い出しながら、ルヴナンは沈んでいったのであった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
R:メルヘンなおばけやしき
stardom64
児童書・童話
ある大雨の日、キャンプに訪れた一人の女の子。
雨宿りのため、近くにあった洋館で一休みすることに。
ちょっぴり不思議なおばけやしきの探検のおはなし☆
シャルル・ド・ラングとピエールのおはなし
ねこうさぎしゃ
児童書・童話
ノルウェジアン・フォレスト・キャットのシャルル・ド・ラングはちょっと変わった猫です。人間のように二本足で歩き、タキシードを着てシルクハットを被り、猫目石のついたステッキまで持っています。
以前シャルル・ド・ラングが住んでいた世界では、動物たちはみな、二本足で立ち歩くのが普通なのでしたが……。
不思議な力で出会った者を助ける謎の猫、シャルル・ド・ラングのお話です。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成

お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる