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衣装合わせ

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寝てしまったシルフィーをベッドに運び、洋服だけを脱がせて寝かせてあげた。



もちろん俺は酔って寝てしまった女性を襲う趣味は無い。もちろん愛しい女性が近くにいるからだけど、大学生の時だったら耐えられたか分からない。



俺も寝巻に着替えてベッドに潜り込むと、シルフィーが可愛く寝息を立てていた。



ブラをはずして無いけど苦しいかなっと思ったけど俺の理性が持たないので今日は我慢してもらう事にしたんだが、我慢してるのは自分じゃないかと思いながらいつの間にかシルフィーの頭を撫でていた。



撫でているとシルフィーがもぞもぞ動き出して足を絡めてきた。起きてるのかと思ったが寝息を立てて寝ているようだ。



俺も寝ようと部屋を暗くして目を閉じると背中に違和感が。俺の背中にシルフィーの手が回され、いつの間にか抱き着かれていた。



俺は身動きが取れなく成ったがそのまま寝ることにしたが寝付けない……。



あれ、俺ベッドで寝てたはずだけど。あっまた天照様か。



『全然驚かないのね』



「この光景見るのも何回目か分からないくらい来てますから」



『たしかに私以外も精神体で会う時は同じ感じだからね』



「それで今日はイブが言ってた件ですか天照様?」



『そうね、もう人類滅亡は避けられないところまで来ているわ』



「そんな事言われたって俺がどうする事も出来ないし」



『向こうのでは世界を救ったのに?』



「向こうでは魔王を倒すことで世界が救われるって事が解ってたけど、こっちの世界では魔王なんていないからそんなに簡単にはいかないだろうし、俺はもうこの世界でシルフィーとゆっくり終わりを迎えたい」



『でもね、レイジさんだってシルフィーとの子供は欲しいでしょ』



「そんなこと言って俺に何かさせたいんだろうけどもう俺は嫌だよ」



『貴方の気持ちは分かるわ。向こうの世界ではレイジさんは全部一人でやったでしょ。でもね、私はあなた1人に背負わせる気は無いの』



「一緒にやるにしたって俺はもうシルフィーを危険な目には合わせたくない。だから人類も見捨てたって俺はもうあんな辛い思いなんかしたくない」



『もうあなたを一人で任せる事は無いから、レイジさんには王に成って貰いたいの』



「王なんて絶対成りたくないし、日本には天皇がもう居るでしょ」



『日本じゃなくて元々は私が居た国でイザって言う国なの』



「イザ?」



『もう国民は滅んでいないけど、居住可能な星も有るしバイオノイドも居るから生活には支障は無いし、良かったら移住させる人間も連れてって良いから』



「おいおい、人類を救ってくれって言ったそばから他の星に移住って言ってる事違うじゃん」



『もちろん地球を救って欲しいけど保険は必要でしょ、だから話したの。詳しい話は鬼人と有ってから詳しく話すわ。夢の中では時間が限られてるから』



「おい、言いたい事だけ言って居なくなるなよ、ふざ……」



「……ジさん、レイジさん」



「あれ?」



「どうしたの?いきなりふざけんな~って叫んで」



「ごめんね驚かせて。天照様が夢に出て来て言いたい事言って消えちゃって」



「天照様はこの世界の神様なんだからふざけんななんて言っちゃダメでしょ」



「そうだけどさぁ~」



「天照様のおかげで私はレイジさんに会えたんだからね。感謝しなくっちゃ」



「分かっているけど俺たちの結婚式の準備も有るのに」



「そうよ、今日は結婚式の打ち合わせでしょ。早くお母様迎えに行きましょう」



「母さんなんか本当に必要?」



「当たり前です。お母様はこの世界のお母様なんですから」



「よく分からないがご飯食べて行こうか」



「はーい、シャワー浴びるけど一緒に浴びる?」



「いや、朝はちょっと一人で入りたいかな」



「そう、入りたくなったら来ても良いよ」



シルフィーはタオルと下着を持ってシャワーに行ったけど、前は一緒に入るのだって恥ずかしがってたのに、なんか最近ちょっと積極的になってるな。可愛いから良いけど。



それから準備を整え母さんを迎えに行き、表参道に有るウエディングプランナーの元にやって来た。



まず日程や式をする教会などを決めて、改めて要望を踏まえた提案をしてくれる事になり、シルフィーと母さんお待ちかねの衣装選びが始まった。



そりゃね、シルフィーも喜んでるし何着ても可愛いけど、俺にはAラインだのマーメイドラインと言われても分からないし。何でみんな肩が出てるんだろ?。



どの辺がマーメイドラインなんか分からん。スカートめくったら尾びれが有るのか。そんな事を考えているとモルダーの担当が俺に話しかけてきた。



「板垣が男鹿様を驚かす為に時別な飛行機を用意してるみたいですよ」



「えっマジ、飛行機はファーストクラスに乗れるだけで良いんだけど」



「男鹿様は移動の飛行機は全部無料ですから。招待客の皆さんのお帰りの飛行機代は掛かりますが」



「なんでただなの?」



「それは板垣から詳しく聞いて下さい。VIPには特別なサービスが付くんですよ」



「ただより高い物は無いからな~。ちょっと心配」



「大丈夫ですよ。板垣は男鹿様の挙式と新婚旅行を成功させるために今頑張ってますから。今日だって1泊4日の弾丸ツアーでアメリカまで行ってますから」



「マジで?確かに留学してた時のホームステイ先に行きたいって言ったけど」



確かにハワイで8日で新婚旅行で12日は取って有るけど、信之のセンスなら良いか。でも相談はしてほしいな。



「決定前に板垣に教えてくれって言って下さいね。何てったって俺たちの新婚旅行なんで」



「もちろんですよ。提案であって決定するのは男鹿様ですから」



それから披露宴が無いなら衣装替えも無いから写真だけでも取ろうって事になり、何故か俺とシルフィーは美容院に来ている。



「俺もカットしてもらうのは分かるけど、なんで母さんまで切ってるの」



「良いでしょ。私だって中々美容院に行く暇ないんだから」



「それは普段遊んでるから暇がないんでしょ」



「お父さんと同じ事言ってる。私だって今まで家事に子育てに大きな子供の世話に一生懸命やって来たのに大きな子供は外で悪さしてるしね。だから私はこれからやりたい事するの」



「まさか離婚するの?」



「しないわよ。お父さんも反省して最近じゃ洗い物までしてくれているし夕食は家で毎日一緒に食べてるから」



「まさか親父が洗い物とか笑える。男は台所に入るなって言ってた人がね」



「お父さんもあなたとも向き合いたいと思ってるのよ。あなたもお父さんとちゃんと向き合ってみたら」



「俺は別に普通だよ」



「シルちゃんもゴルフ出来ないかしら?出来たら4人で回れるし」



「確かに楽しそうだな。ちょうどシルフィーがシャンプーから戻って来た」



「レイジさん、お母様、すごくヘアエステ気持ちよかったです」



「そうね、今度私と一緒にエステ行きましょうそうしましょう、良いよね怜志」



「そりゃ良いけど」



「じゃあ明日行きましょうか。一緒に料理もしてお化粧も教えちゃう」



「いや、明日から俺達は九州だから」



「旅行?」



「いや、仕事っていうかこれからの準備の為に人材をスカウトに」



それから俺は2人に振り回され夕食を実家で食べて帰った。



実家なのに親父が居る不自然さに戸惑いながらも、俺に親父が歩み寄って来る姿を見て、俺もちょっとは改めようと思うがどうして良いか分からない。



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