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マンション登記決済

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今車で信之の銀行が有る大手町に向かってる。



「イブ、車のカーナビにまで侵入してるの」



『もちろんしてるわよ。そう言えばプライベートバンクに3千億円入金しておいたから』



「はーあ、何で?」



『近直有る企業を買収するから』



「そう言う事は先に言ってよ」



『買収しないと中華連邦が戦争を起こすから』



「マジで?」



『関西特殊化学工業って会社でね、まだ研究段階だけどステルス性能が高い塗料を開発中なの。しかも数年後に空気抵当を抑える塗料を開発して最高時速マッハ3以上で旋回性能の良い戦闘機を作り出して、アメリカ軍の戦闘機では歯が立たないのよ』



「まずいじゃん」



『しかも今の社長がハニートラップに掛かっててマカオでかなりの借金が有ってこのままじゃ会社を乗っ取られるのよね~』



「そんな事に成ってるのか。でも中華の邪魔して大丈夫なの?」



『大丈夫よ。だって中華の連中はあの会社の自動車塗装が目当てでステルス塗料にはまだ気がついて無いから』



「それで3千億円かかるの」



『そんなに掛からないわよ、行っても4百億円位かな』



「じゃなんでそんなに多くお金を動かすの?」



『そろそろ株や先物で稼ぐと色々と監視がきついのよ。タックスヘイブンにいくつか口座と会社を確保してこれからは犯罪組織や独裁国家の金を奪って稼ぐの』



「俺は良いけど家族や友人が危険に晒される事は絶対にやめてくれよな」



『私は魔女っ娘イブちゃんよ。スーパーコンピューター使っても今の時代じゃ解析すら出来ないセキュリティー組んであるから安心して。探りを入れるような組織は逆に情報を吸い上げて晒すから』



「楽しそうに言ってるけどほどほどにお願いします」



『この世界は楽しいわよ。だってセキュリティーが甘々だからどんな所にも足跡一つ残さずに侵入し放題。どっかの映画に有ったAIの暴走で核戦争だって私起こせるわよ。しないけどね』



「間違ってもやめてね。イブは人類を救う為に来たんでしょ?」



『でも色々調べると抹殺してやろうかと思う事が多々あるけど、それと同じ位素晴らしい心を持った人類も居るから安心して。それに天照様達に人類を助け地球を安定させる任務が有るから』



「良かった」



『それに最近私夢が有るの』



「なに?」



『それはアニメの中に有るようなロボットが作りたいの。だって今まで手が有る兵器は作られた事が有るけど足まで有って人型なんて無かったもの』



「な~イブ、最近日本のアニメに感染してないか?」



『何言ってるの日本のオタク文化は最強よ。だってあの発想力は銀河でも稀よ。宇宙船を人型にする発想は無かったもの』



「いや、変形とかは確かにロマンが有るが、『足なんか飾りです。偉い人にはそれが分からないんです』って最後に出撃する大佐に言う台詞が有るくらい要らない物じゃ無いの?」



『そんなロマンが無い事は聞きません。別に戦争に使う訳でも無いですから私の趣味で作ります』



「別に良いけど日本で作ったら騒ぎに成るよ」



『大丈夫ですよ。地球上で作るつもりは無いですし、まだ当分作るつもりも無いので』



「それなら良いけど、あまり無茶はしないでね」



『そこを左折して駐車場に入れば目的地です。運転お疲れさまでした』



「急にカーナビ戻らないで」



『これも私の役割ですから』



「レイジさん、私もイブちゃんが嵌ってるアニメ見たい」



「良いけど、最初は一般の人が見るような有名アニメ映画から見ようね」



シルフィーのコスプレは見たいけど出来ればあまり嵌らないで欲しいと俺は思う。魔女っ娘は1人いれば十分です。



俺達は駐車場に車を止めエレベーターホールに向かうと、そこに信之を始め何人かの男女が待っていた。



「おお信之悪いな」



「別にたいしたことじゃないよ。だって日本支社始まって以来の最上顧客様ですから」



「初めまして、男鹿様を担当しているチームでリーダーをさせていただいている飯島と申します」



四十代と思われる男性から名刺を受けとり挨拶を交わす。



「担当は板垣君を付けますのでこき使って下さい」



「はい、こき使ってやります」



「ちょっとレイジそりゃないだろ」



「今は仕事の時間なんですからちゃんと様を付けて名字で呼びなさい」



「いえ良いんですよ、今。私と板垣は中学の時からの親友ですから」



「それでも他者が居る時は節度を持って貰いたいので」



「すみません男鹿様」



「頼むから止めてくれ信之、気持ち悪いからお前は俺の親友な事を全面に出して普通にしてくれ。私からの希望です、飯島さんもそんなに畏まらないで下さい」



「分かりました、男鹿様がそう仰るなら」



「良かった~ちょっと背中がムズムズしてたところ何で」



シルフィーは挨拶だけして俺の横で黙っているけど、お城で御妃教育受けてたのは知ってるけどもっと気楽にしてくれて良いんだけどね。



エレベーターに乗り込み会社の有るフロアに着き先方が居る応接室に案内されていると、途中見知った人間に会った。



向こうも何でおれが居るのか不思議そうに見ていたので軽く会釈した。



「あれ?男鹿君今日は何でここに可愛い外人さん連れて?」



「舘先輩お久しぶりです、今日はマンションの登記決済の為に来ました」



「飯島課長、今日来るVIPの方って男鹿様ですか?」



「そうですよ舘君」



「それは失礼しました男鹿様」



「止めて下さいよ先輩、俺は前の会社の時先輩には色々面倒見て貰った後輩ですから」



「ですが社会に出るとそう言う訳には行かないんです男鹿様」



「じゃ~プライベートの時は今まで道理でお願いします、後俺結婚したんです」



「初めまして、妻のシルフィーです主人がいつもお世話に成っております。これからもよろしくお願いします」



「こちらこそよろしくお願いします。しかし日本語お上手ですね」



挨拶を済ませ応接室に行くと営業の方と司法書士と売主の方がもう待っていた。



それから営業の方に重要事項説明を受け契約書等で問題が無いか確認をして契約と同時に決済をすませ、司法書士が今日中登記を済ませてくれる事で売主側の人が退室して無事マンションを購入した。



午後からはインテリアコーディネーターとの打ち合わせが有るのでお昼休憩って事で俺とシルフィーも食事に行こうとしたら、お昼をご馳走してくれると言われて遠慮したが、会社の経費で落ちるのでと言われてしまいご馳走になる事にした。



信之が小声で「経費で落とせるんだから遠慮すんなよ、俺もお昼代浮くんだから」



こいつ昔からちゃっかりしてる奴だからなと言葉には出さないが目であきれて見せた。



そうしてレストランが有るフロアに着くと、12時を過ぎていたので結構混んでいた。



何が食べたいか聞かれたところ、シルフィーはまだ食べたこと無い辛く無い物って幅広い希望を言ってお任せしたところ鰻はどうかと聞かれて、前の自分ならしょうがなく付いて行ったが、今は俺が接待を受ける方なので実は俺が鰻が苦手な事を伝え断った。



俺は鰻が苦手だ。味は美味しいと感じて鰻の匂いとたれが有ればご飯を食えると思っているほどだ。ただどうしても鰻の皮が苦手だ。普通の焼き魚なら食べられるのに鰻の皮だけがダメなんだ。昔は食べられたのに旅行中に鰻を食べてから食べられなくなった。



親達も泥臭くまずかったと言っていたが俺はそれから鰻を受けつけなく成った。それでも接待でしょうがなく食べる事は有っても自分からは食べなく成った。



それで選んだのは天ぷら屋だ。ちょっと高級なのかランチで2千円越えで席が空いていることが決め手に成った。本店は銀座に有る老舗天ぷら屋さんなので味は間違いない。



飯島さんと信之の4人で店に入り、シルフィーに見せる為にカウンター席に座った。



俺は寿司の次に天ぷらが好きなのでウキウキしてカウンターに座ると、飯島さんが俺達に苦手な物は無いか聞いて来たので。



「鰻は苦手ですけど穴子は大好きですから嫌いな物はないです。牡蠣も苦手ですけどこの時期は無いでしょうから大丈夫です」



「私まだ天ぷら自体食べた事ないのでお任せします」



俺達はお任せコースで食事をとり、俺は塩より天つゆ派なので通では無いが美味しくいただきました。シルフィーも天つゆ派で喜んで食べてましたし、茶わん蒸しが気に入ったのか俺の食べかけまで奪って食べていたので飯島さんが気を使って追加を頼んでくれて、結局シルフィーは2個半食べかなり気に入った様子で家でも作れるよと言うと、母さんに習うと鼻息を荒くしていた。



俺達は混雑するエレベーターに乗り込み会社の有るフロアに着いたが、エレベーターの中で凄くシルフィーをチラチラを見るのでイラっと着てシルフィーを後ろから抱き寄せた。



俺の動きに合わせ周りの人の目線は一斉に逸らされた。逆に信之からはお前が人前でいちゃつくとはと言われた。



俺だって憧れのリア充に成ったんだから良いだろ。お前みたいに俺はモテないんだと声には出さないが心の中で叫んだ。





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