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えっ!? クラスの地味な子が!? あんなことを!?

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 イクには早い、だが行くしかない。
 僕は竿に小宇宙コスモを集中させた。

「僕の竿よ、奇跡を起こせ!!」

 すると、そんな僕の竿への奇跡を後押しする者が現れた。

「竿乃君! 頑張れ!!」

 学級委員の 助平すけひら 睦莉むつり だ。
 何と僕の竿に向けて声援を送り始めてくれたのである。

「がんばれ(はぁと がんばれ(はぁと」

 その上、右手を軽く握りながら上下に動かし始めたのだ。
 エア手コキである。
 しかも手で作られている輪っかは完全に富士山状態の太さと一致していた。

「えっろ!!」

 その動きを見ているだけで僕の竿はエア快感に包まれてしまった。
 そして、脳裏に ある言葉が浮かぶ。
 昨日、田室たむろドンキーニ が来ていたジャージに書かれていた文字だ。
 そう、脱いだ方が強いと噂の、━━ 彼の人物の最大奥義である。

「うおおおおぉぉ!! 龍星座最大奥義!!」

 その時、大瀑布が逆流をするかのように竿乃の竿が天を向いた!

 24.3センチメートル ━━

 竿乃の竿が奇跡を起こしたのだ。
 今なら きっと巨蟹宮も突破出来るのでは無いか。
 精と子を掛けた闘いならば お手の物である。

 クラスが静まり返った。

 皆、僕の竿を見つめたまま唖然と してしまっている。
 子役が突然ベテラン俳優に進化したのだから当然だろう。
 尺甲斐しゃくがい 依世いよ が一つ咳払いをした。

「……あー……皆、どうやら衝撃を受けているようだな」

 クラスメイトたちは無言で息を飲んだままだ。
 だが、それこそが衝撃具合を現していると言える。

「良いか、これが皆のオマンコに入るんだぞ」
「いきなりクライマックス!?」

 段階を すべて飛ばして最初からクライマックスだった。

「せ、先生! いきなり結論ですか!?」
「えっ!? ……あっ……そ、そうか……えーと……ぜ、前戯とかも あるな……」
「性教育とは一体」

 これには僕も項垂うなだれるしか無い。
 結局、この学園には性に関しての素人しか居ないのだ。
 これでは、ただ勃起竿を晒しているだけである。
 まぁ、興奮して今にも射精しそうなんですけどね。
 女子高生の前で勃起竿を晒す孤高の行為。
 それが僕に与えられた最高の いやらしなのだ。

「……先生……」
「ど、どうした? 竿乃……」
「出そうです」
「……何がだ」
「……白いのが……」
「勿体無い」
「えっ?」

 思わず僕は 尺甲斐しゃくがい 依世いよ を見返す。
 尺甲斐しゃくがい 依世いよ は頬を赤らめながら眼鏡を くいと上げた。

「い、いや……そ、そうか。……そうだな……ならば、おっ始めようじゃ無いか」
「おっ始める?」

 僕は ごくりと生唾を飲み込む。
 そんなことは言わずもがなだ。
 だが、それでも敢えて問おう。

「一体何を?」

 それに対する 尺甲斐しゃくがい 依世いよ 答えは明確だ。

「実技を」
「じ、実技!? おっ始めちゃいますか!?」
「ああ、おっ始めよう! ……誰か!? 誰か、竿乃とセックスするんだ!! 実技の時間だ!!」
「いきなりクライマックス!?」

 やはり段階を飛ばしてクライマックスだった。
 果たして、これで良いのだろうか。
 一抹の不安がぎってしまう。

「皆! 見てみろ! 竿乃のチンポの先っぽから透明な汁が溢れて来ただろ!? これがカウパー液だ!! お前たちとセックスしたくて堪らないみたいだぞ!」
「お恥ずかしい」

 イチモツには一抹も不安は無かったようだ。
 お恥ずかしい。

「……よし! じゃあ、双籤すごくじ! 前に出ろ!」
「えっ!? ええっ!? わたしですか!?」

 呼ばれたのは 双籤すごくじ 三子みこ
 凄く地味な子だ。
 おずおずと 双籤すごくじ 三子みこ は一歩前に出る。
 すると、輪郭にアタリ線のみだった顔に目鼻口が現れた。
 否、━━ 余りの存在の地味さに顔を認識出来ていなかったのである。

「す、双籤すごくじさん……そんな顔してたんですね。……て言うか、初めまして 双籤すごくじさん……」
「あっ、初めまして……って、さらりと酷いなぁ……まぁ、良いんですけどね……」
「い、いえ……可愛らしい顔してるじゃ無いですか。確かに存在感は希薄ですけど……」
「上げてから落とされた。……まぁ、良いですけどね……それに比べて……さ、竿乃くんのチンチンは……凄い存在感ですね……」
「お目が高い」

 双籤すごくじ 三子みこ は恥ずかしそうにしながらも ちらちらと僕の竿に視線を向ける。
 そんな地味子の背後に 尺甲斐しゃくがい 依世いよ が立った。

「よし、では 双籤すごくじ……握るんだ」
「は? えっ!?」

 双籤すごくじ 三子みこ は驚きながら振り返る。
 尺甲斐しゃくがい 依世いよ は 双籤すごくじ 三子みこ が言い放った何気無い一言を教師らしく訂正した。

「ハエじゃ無いぞ。チンポだ」
「えっ!? あっ、はい。……ほ、ホントに握るんですか!? わ、わたしが!?」
「ああ。チャンスだぞ。このままモブに埋もれるか、それとも起死回生を生み出してレギュラーの地位を確保するか……お前が選ぶんだ!」
「凄くメタい。……まぁ、良いんですけどね……」

 言いながら 双籤すごくじ 三子みこ は ふたたび僕の竿をガン見する。

「良いんですか? うら若き女子高生が公衆の面前で勃起竿を握るなんて……変態じゃ無いですか」
「勃起させたチンチンを丸出しの人には言われたくない。……まぁ、良いんですけどね……」

 どうやら 双籤すごくじ 三子みこ はレギュラーのポジションを狙って無い訳では無さそうである。
 ならば僕も その覚悟に応えなければいけない。

「……じゃあ、あの……先に言っときますけど……握られたら多分……出ます」
「……何がですか?」
「アレです」
「アレ?」

 双籤すごくじ 三子みこ は赤面したまま首を傾げてみせた。
 多分知ってるけど知らぬ振りをしてるのだろう。
 女子高生など存在がエロいのだから精子くらい知っていてしかるべきだ。
 でも、僕は紳士なので そこを突っ込んだりはしない。
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