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皆の誤解を解け! 風雲急を告げるのはトイレ!? (後編)

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「……あっ! ちゃ、チャイムが鳴った! よ、よーし、皆 席に戻れー……授業を終わりにするぞー……」

 僕たちを取り囲んでいた皆は頬を赤らめたまま自分たちの席へと戻っていく。
 どうやらセックスをしていたのもバレずに済んだようである。
 最大の危機を乗り越えたようだ。
 さすがは学級委員の 助平 睦莉すけひら むつり ━━、面目躍如と言ったところだ。
 頭が良い。

「は……は……も、もう……お腹ぱんぱんらよぉ……苦ひぃ……」

「ほ、ホントですね 助平すけひらさん。……な、何か お腹……ぽっこりしてるような……」

「え? も、もう孕んじゃった? ……って、そんな訳無いか! あっはっは!」

「そんな訳 無いですよ! わっはっは!」

「はー……まったく……槍馬やりまさんが変なこと言うから。……もう めちゃくちゃよ!」

 助平 睦莉すけひら むつり の言葉に概ね同意だった。
 でも、下手に何か喋ると 槍馬 栗子やりま くりこ に また睨まれそうなので僕は愛想笑いを浮かべた。

「……!」

 ━━ やっぱり睨んでるじゃないか。……怖い怖い

 僕の竿は急激に縮こまっていった。

「……あ、竿乃くんのチンポ……やっと小さくなってきた。じゃあ、ちょっとトイレ行って来ないと……」

「……え? トイレですか?」

「だって、竿乃くんのチンポ抜けたら、わたしのオマンコから精子溢れて来ちゃうし」

「あ! なるほど! 勉強になります!」

 また一つ僕は賢くなった。日々是成長である。

「……あ、竿乃くん……わたしのパンツ……」

「え? あ、はい! ここにあります。黒の透け透け……」

「ありがと! じゃあ、トイレ行って来るね。コツはオマンコに力を入れて漏らさないことかな?」

「はい! ためになります!」


 ちゅるん ━━ !


 助平 睦莉すけひら むつり は小さくなった僕の竿を抜きながら膝の上から下りると そのまま走って行ってしまった。
 きっと、きゅっとオマンコを締めながら走っているに違い無い。

 そして、その場に取り残されるのは野ざらしとなった僕の竿である。

 縮こまってはいるが今となっては どこか誇らしげにも見える。

「……ち、小さい……」

「えっ!?」

 槍馬 栗子やりま くりこ が僕の竿を じーっと見つめながら ぽつりと呟いたのだ。
 たった今 童貞を捨てたばかりの僕の竿を捕まえて大変失礼な話しである。
 誠に遺憾だ。

「……竿乃くん」

「は、はい!?」

「ホントに……お、おセックスしてない? 童貞? 新品未使用?」

 じっと見つめてくる 槍馬 栗子やりま くりこ の直視に耐えられず、僕は思わず席を立ってしまった。

「し、し、し、してませんってば! ……あ! ぼ、僕も ちょっとトイレに!」

「あ……さ、竿乃くん!」

 僕は竿を ぶらぶらさせながら教室から出て廊下を走り出した。


 ぱちん、ぱちん、ぱちん、ぱちん、ぱちん ━━ !


 縦横無尽に跳ね回る竿が太ももに ぶつかるたびに、肌を叩く音を廊下に響かせていく。
 すれ違う女子が僕の姿に気付くと皆一様に頬を赤らめたのは何故だろう。
 もしかしたらモテ期到来なのだろうか。
 それにしても竿を ぶらぶらさせながら歩くのが こんなに気持ち良いとは思いもしなかった。
 新たなる発見である。

「う~~トイレトイレ」

 そんなわけで転校して来た時に説明された通り女子トイレに やって来たのだ。
 元々女子高であったため男子トイレが存在せず、だからと言って僕一人のために急いで新設する訳にもいかず、そのため女子トイレを自由に使って良いと説明されていたのだ。
 トイレに駆け込むと洗面台の前に二人の女子が居たが、鏡に映った僕の姿をみて ぎょっとしていたものの騒ぎ立てたりしなかったのは きちんと説明されていたからだろう。
 僕は一番奥の個室に入って鍵を閉めた。

「はー……参った参った」

 槍馬 栗子やりま くりこ の勘の良さと目の鋭さには竿も縮こまる思いである。

「……ギャル怖いなぁ……」

「ギャルって槍馬やりまさんのことッスか?」

「……うん。……そう。……はっ? えっ!?」

 唐突に投げ掛けられた声に僕は驚愕してしまい周囲を きょろきょろと見渡した。
 だが、ここはトイレの個室である。
 密室なのだ。超常現象である。

「と、トイレのハメ子さん!?」

「違うッスよ! 上ッス! 上!」

「上? ……あ」

 導かれるように僕は上を向くと一人の女子が顔を覗き込ませていたのだ。
 見覚えがある。
 確か同じクラスの女子だ。

「え、えーと……確か同じクラスの……」

「そうッス! とうっ! しゅたっ!」

 その女子は僕が入っているのにも係わらず よじ登って入り込んで来たのである。
 竿を丸出しの男子と二人、トイレの密室、何も起きない筈が無く……。

「えっへっへ! 自分 愛亭出 斬子あいていで きるこ ッス! 宜しくッス竿乃くん!」


(※挿絵画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで出力したものです。そのため背景等が本文と一致しておりません。参考程度でお願いします。)

「よ、宜しく……えーと、あ、愛亭出あいていで……さん?」

斬子きるこで良いッス!」

 僕は陰の者 丸出しのキャムーブで動揺を隠し切れずに居た。
 縮こまる竿が それを如実に表している。
 愛亭出 斬子あいていで きるこ は それを見て ほくそ笑む。

「あは! 竿乃くん、緊張してるッスか? チンポが恥ずかしそうに影に隠れてるッスよ?」

「す、すみません。ウチの子が……内気なもんで お恥ずかしい限りです」

「何言ってるんスか! さっき童貞 捨てたんスから もっと堂々と おってていれば良いんスよ!! 心のチンポまで縮こまってたら、男がすたるって言うもんスよ!」

「……は、はぁ……そう言うもんスか……」

 まったく情けない限りである。
 確かに今の僕は心の竿が ぽっきりと折れているのかもしれない。
 折角 童貞を捨てたのに こんなに女子の前で挙動不審で居たら以前の僕と同じだ。

 ━━ ……って……ん? ……んんん? ”さっき童貞 捨てたんスから” ……?

「えっ!? ……えっ!? な、な、な……何で……し、知って……!?」

「そりゃ勿論もろちん見てたッスからね」

「み、み、み、見てた!? ……って」

「はい! 一部始終! 竿乃くんが委員長のオマンコ触ったりオッパイ揉んでたところも、お尻の穴やオマンコをガン見してたところも、当然ハメハメしてたところも じっくり見させて貰ったッス!! ……いやぁ竿乃くん。……顔と同じで可愛らしい ちんちんかと思ってたら……随分と凶悪で ご立派なイチモツをお持ちで。……正直びっくりしたッスよ! 見た瞬間 自分、妊娠しちゃったって勘違いしたッス!」

「えぇっ!? に、妊娠しちゃったんスか!?」

「い、いや……も、物の例えッス……ま、まぁ、でも、子宮に響いたのは間違い無いッス!! オマンコが水浸しなんて生まれて初めての経験ッスよ! そりゃ、母なる子宮うみの直ぐ傍でしおも噴くッスね!」

「……そ、そうッスか……」

 圧が凄い。僕は竿と同じで すごすごと縮こまるのみである。
 そんな僕を見ながら 愛亭出 斬子あいていで きるこ は にやりと ほくそ笑んでみせる。

「……あ! やっぱりー……気になるッスか!? わたしが何で竿乃くんと助平すけひらさんの やり取りを知ってたかっていうの?」

 こくこくこく ━━、と僕は何度も頷いた。
 ぶらぶらぶら ━━、と竿も揺れている。
 ごそごそごそ ━━、と 愛亭出 斬子あいていで きるこ がスカートの中に手を突っ込むと何かを取り出して僕の目の前に差し出した。

「これッス!」

 スマホだ。
 何か画面がびちょびちょになってるけど ━━。

「あっ! しまった! パンツの中に入れといたから、愛液で びちょびちょに なっちゃったッス!」

「そ、それは大変ですね。防水ですか?」

「ま、まぁ良いッス。……そんなことより、これッス! これ!」

 画面では何やら動画が再生されたようだが ━━、あっ!!

助平すけひらさんのオマンコ!! ……間違い無い! 助平すけひらさんのオマンコだ!!」

「へっへっへ! そうッス! ちょうど竿乃くんがパンツを脱がしたところッスね!」

 見間違いようが無い 助平 睦莉すけひら むつり のピンク色のオマンコがスマホの画面に映し出されていた。
 しかも動画である。
 僕の脳裏と網膜に焼き付いているのと99.8%完全に一致した。
 間違い探しで裸眼立体視した時のような違和感が まったく感じられないから間違い無く 助平 睦莉すけひら むつり のオマンコである。
 更に その下に映し出されるのは ━━。

「……え? ……あっ!! ぼ、ぼ、ぼ、僕の……竿!!」

 そう、僕の僕自身までもが映し出されているのだ。
 一体どう言うことなのだろうか?

「いやぁ……すごいッスねぇ~。竿乃くんのチンポ! 膨張率 半端無いッス! コレじゃ助平すけひらさんのオマンコの奥……いや、子宮口も限凸したんじゃ無いッスか~?」

 絶句の余り僕の竿も借りてきた猫のように縮こまってしまう。
 縮こまり過ぎて女の子になってしまうのでは無いだろうか。

「あ、あの……一体どうやって?」

「えっへっへ……知りたいッスか?」

「……知りたい……ッス」

 率直な僕の気持ちである。
 このままでは部屋に戻っても落ち落ち竿の手入れも出来ないと言うものだ。

「良いッスよ! 教えて上げるッス! ……実は……これッス!」

「……これ?」

 僕は首を傾げてしまう。
 愛亭出 斬子あいていで きるこ は僕の目の前で人差し指を立てているのだ。
 ん? 一回だけセックスしようと言っているのだろうか?
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