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第4章 サラの正体
第114話 ケーキ屋に行こう②
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俺たちは『ウチは最高のケーキ屋です!』の行列に並ぶ。
俺たちは結構早くきたつもりだったが、既に前に100人くらい並んでいる。
いやいつもよりは少ないんだけどな。
と言うか毎日何百人も並ぶケーキ屋って化け物かよ。
多分元の世界でもここまで毎日並ぶ店はなかったと思うぞ。
「むぅ……頑張って早く起きたのに……」
「私もです……昨日は全ての仕事をほっぽり出して7時に寝て朝の4時半に起きました……。明日の学園長からの叱責が怖いです」
何してんだよシャーちゃん……。
うん、明日ルイーゼに言って少しでも軽くしてもらえる様にしよう。
手にシャーちゃんが買ったケーキを持って。
「………………」
「さっきからずっと思っていたんだが、どうしてシューマはずっと無言なんだ?」
俺は横で無言になっているシューマを見て言う。
「いつも、鬱陶しいのに……」
「そう言えばいつもうるさいシューマ君がさっきから静かですね」
2人とも容赦ないな。
見てみろよ。
横でシューマが無言で涙を流しているぞ。
「って本当にどうしたんだ? 頭おかしくなったか?」
「もぉぉぉおおおお!! みんな酷すぎないか!? 何で俺が静かにしてもそんなに酷いこと言うんだよ!」
シューマが涙を流しながら叫ぶ。
「おい! シューマの坊主! 五月蝿いぞ! 次はお前達の番だからさっさと来い!」
いつの間にか店の扉から顔を出していたドンさんがそう言う。
「ぅぅぅぅぅ……ドン兄貴も酷いよ……」
ドンさんにも言われて落ち込むシューマを連れて店の中に入る。
「「「おおぉぉぉぉ!!」」」
「……すごい……!」
中は初めて行った時と変わらず、とても清潔感のあるオシャレな感じだった。
そしてショーケースの中には沢山の種類のケーキやスイーツが置いてある。
「さぁ、何でも選んでくれ! どれも俺の自信作だ!」
ドンさんは笑顔でそう言う。
確かにどれも美味しそうだが俺はすぐに狙いのものを見つけた。
「ドンさん、俺はこれにします」
俺は『栗の贅沢モンブラン』と言うモンブランを指差す。
「おう、ソラの坊主は相変わらずそればかりだな!」
「だってこれが美味しいのがいけないんです」
「ガハハハ! そうだな、これは絶品だからな!」
ドンさんは気分良さげに笑いながら会計をしてくれた。
俺はモンブランを受け取った後、みんなに聞く。
「みんな決まった?」
「ん、私はこれ」
1番に反応したサラは、苺のショートケーキを指差す。
「ん? サラの嬢ちゃんも毎度同じのだな!」
「ん。美味しいのがいけない」
「ガハハハ、お前達は同じことを言うな! 夫婦か?」
「ちょっと、ドンさん!」
「ん、私達は相思相愛」
「ちょっ、サラ!?」
「おおぉぉ!! それはいいことを聞いた! ならお前たち2人にこれをやろう! これは俺の奢りだ!」
そう言ってドンさんはショーケースからスフレパンケーキを取り出して俺達に渡してきた。
「そ、そんな、いいんですか? これ店内でも高い方じゃないですか」
「いいんだよ。お前達みたいな初々しいカップルを見てると俺の昔を思い出すんだ!」
「ならありがたくもらいます」
「ん、ありがとう」
「おうおう、そう言って2人揃って顔を赤くするとは……うん凄まじいな! 周りにいる奴らが気の毒だ」
そう言ってシューマとシャーちゃんの所へと行ってしまった。
「……得した」
「まぁね。めちゃくちゃ恥ずかしかったけど」
「……嬉しくなかった……?」
「いや、めちゃくちゃ嬉しかった。ごめんな? もう少しだけ待っていてくれ」
「ん。待ってる」
俺は改めて早くサラの死亡フラグを全て折ろうと心に誓った。
ケーキはめちゃくちゃ美味しかったです。
サラとも『あーん』したし最高でした。
まぁシャーちゃんとシューマがこちらを見ない様にしていたのは不思議だったけどな。
俺たちは結構早くきたつもりだったが、既に前に100人くらい並んでいる。
いやいつもよりは少ないんだけどな。
と言うか毎日何百人も並ぶケーキ屋って化け物かよ。
多分元の世界でもここまで毎日並ぶ店はなかったと思うぞ。
「むぅ……頑張って早く起きたのに……」
「私もです……昨日は全ての仕事をほっぽり出して7時に寝て朝の4時半に起きました……。明日の学園長からの叱責が怖いです」
何してんだよシャーちゃん……。
うん、明日ルイーゼに言って少しでも軽くしてもらえる様にしよう。
手にシャーちゃんが買ったケーキを持って。
「………………」
「さっきからずっと思っていたんだが、どうしてシューマはずっと無言なんだ?」
俺は横で無言になっているシューマを見て言う。
「いつも、鬱陶しいのに……」
「そう言えばいつもうるさいシューマ君がさっきから静かですね」
2人とも容赦ないな。
見てみろよ。
横でシューマが無言で涙を流しているぞ。
「って本当にどうしたんだ? 頭おかしくなったか?」
「もぉぉぉおおおお!! みんな酷すぎないか!? 何で俺が静かにしてもそんなに酷いこと言うんだよ!」
シューマが涙を流しながら叫ぶ。
「おい! シューマの坊主! 五月蝿いぞ! 次はお前達の番だからさっさと来い!」
いつの間にか店の扉から顔を出していたドンさんがそう言う。
「ぅぅぅぅぅ……ドン兄貴も酷いよ……」
ドンさんにも言われて落ち込むシューマを連れて店の中に入る。
「「「おおぉぉぉぉ!!」」」
「……すごい……!」
中は初めて行った時と変わらず、とても清潔感のあるオシャレな感じだった。
そしてショーケースの中には沢山の種類のケーキやスイーツが置いてある。
「さぁ、何でも選んでくれ! どれも俺の自信作だ!」
ドンさんは笑顔でそう言う。
確かにどれも美味しそうだが俺はすぐに狙いのものを見つけた。
「ドンさん、俺はこれにします」
俺は『栗の贅沢モンブラン』と言うモンブランを指差す。
「おう、ソラの坊主は相変わらずそればかりだな!」
「だってこれが美味しいのがいけないんです」
「ガハハハ! そうだな、これは絶品だからな!」
ドンさんは気分良さげに笑いながら会計をしてくれた。
俺はモンブランを受け取った後、みんなに聞く。
「みんな決まった?」
「ん、私はこれ」
1番に反応したサラは、苺のショートケーキを指差す。
「ん? サラの嬢ちゃんも毎度同じのだな!」
「ん。美味しいのがいけない」
「ガハハハ、お前達は同じことを言うな! 夫婦か?」
「ちょっと、ドンさん!」
「ん、私達は相思相愛」
「ちょっ、サラ!?」
「おおぉぉ!! それはいいことを聞いた! ならお前たち2人にこれをやろう! これは俺の奢りだ!」
そう言ってドンさんはショーケースからスフレパンケーキを取り出して俺達に渡してきた。
「そ、そんな、いいんですか? これ店内でも高い方じゃないですか」
「いいんだよ。お前達みたいな初々しいカップルを見てると俺の昔を思い出すんだ!」
「ならありがたくもらいます」
「ん、ありがとう」
「おうおう、そう言って2人揃って顔を赤くするとは……うん凄まじいな! 周りにいる奴らが気の毒だ」
そう言ってシューマとシャーちゃんの所へと行ってしまった。
「……得した」
「まぁね。めちゃくちゃ恥ずかしかったけど」
「……嬉しくなかった……?」
「いや、めちゃくちゃ嬉しかった。ごめんな? もう少しだけ待っていてくれ」
「ん。待ってる」
俺は改めて早くサラの死亡フラグを全て折ろうと心に誓った。
ケーキはめちゃくちゃ美味しかったです。
サラとも『あーん』したし最高でした。
まぁシャーちゃんとシューマがこちらを見ない様にしていたのは不思議だったけどな。
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