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第4章 サラの正体

第102話 level UP祭りだ!

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 試練のダンジョンに入って5時間がたった。

 今俺達がいるところはと言うと―――

「【ウォーターブラスト】」

「グルァアア……ァァ……」

 サラの放った水魔法最上位の【ウォーターブラスト】が火竜に直撃し、呆気なく火竜が死んでしまった。

 これでわかるように既に最終試練だ。

「ん、またlevelUPした。これで100」

「おお!! サラもlevel:100になったか! おめでとう!」

「ん、ありがと」

《全ての挑戦者が全ての試練を合格しました! 報酬を獲得しました》

 今日何度聞いたかわからない天の声さんの声が頭の中に響く。

 今天の声さんの言った通り全員の最終試練が終わった。

 5人の試練にかかった合計時間は僅か1時間未満。

 その他は全て移動か休憩時間だ。

 正直言って早すぎである。

 俺のあの苦労は一体何だったのだろうか……。

 皆んな一撃で倒しているが、俺の頃は何度も死にかけながら死力を尽くして戦ったのに……。

 少し俺が落ち込みながら部屋を出て報酬部屋に向かうと、ちょうど皆んなが《限界突破の種》を手に入れているところだった。

「おっ、サラちゃんとソラじゃないか~! 見て見て、《限界突破の種》手に入れましたよっ☆」

「あーはいはい、よかったなー」

「いや対応雑!? 最近俺の扱い酷くなってない!?」

「ん、私も今手に入れた」

「サラちゃんも俺の嘆きを無視しないで!?」

 シューマが喚いている間にサラも既に《限界突破の種》を手にしていた。

 これで全員合格だな。

 サラの前にシューマも勇者一行も無事level:100になり、試練もクリアできていた。

「よし、それじゃあ皆んな飲んでいいぞ」

「……食べてもいい?」

「うん、いいよ」

 俺がそう言うと、サラ以外は特に警戒もせず口に入れた。

 俺は少しコケそうになる。

 あーあ、いくら俺が言ったからってせめて少しは疑えよな……。

 もしその種が《限界突破の種》に似た毒の入った種どうするんだよ……。

 ほらエレノアもため息を吐いているじゃないか。

 いやまぁろくに戦闘とかサバイバルをしていないんだろうから、しょうがない部分もあるにはあるけどさ。

 セリシア先生もなんだかんだ言って貴族だし。

 せめて鑑定をしてからにしようぜ……。

 それに比べてサラはやっぱり優秀だな!

 ただサラは普通の子供にしては警戒心が強いんだよな。

 昔から死亡フラグに振り回されていたのだろうか?

 ほんとそれに比べて……。

 俺とエレノアが内心呆れ返っていると、

《levelの上限が200になりました。それに伴いlevel UPします》

 頭の中に上限突破を知らせる声が響く。

 どうやらちゃんと限界突破出来たみたいだ。

 と、俺が安心したのも束の間。

《level UP》《level UP》《level UP》《level UP》《level UP》……………

「うおっ!?」

「ひゃっ!?」

 頭に大量のlevel UP音が響く。

 これには流石の俺とエレノアもびっくりしてしまった。

 なんだ、何なんだ急に!?

「「れ、levelステータスオープンっ!」」

 俺とエレノアが同時にlevelのみを表示させる。

____________________
ソラ
神級種族 守護神
神位level:3→11
下位level:200(MAX)
タイプ:オールラウンダー
____________________

____________________ 
エレノア・モイヒェルメルダー
固有種族 アサシン
上位level:3→9
下位level:200(MAX)
タイプ:アサシン(暗殺者)
____________________



 なんかめちゃくちゃlevel上がってた。

 エレノアもステータスボードを見て目を見開いている。

 しかし驚いているのは俺たちだけじゃなかった。

「す、凄い……」

「一気にlevelが10も上がりました!」

「ふむ……level:107か……」

「あら? levelがたくさん上がったわね」

「うほぉぉぉぉ! 俺のlevelがめちゃくちゃ上がってるっ!!」

 上からアラン、イリス、レオン、セリシア先生、シューマが喜びの声を上げる。

 どうやら思っていた以上にlevelが上がったようだ。

 俺はサラに向き直り、

「サラはどうだった?」

 俺がそう聞くとサラは両手でピースを作ると、

「ん、たくさんあがった。level:118」

 うん、めちゃくちゃ上がっているな。

 しかし皆んながこの力に溺れないようにしないといけない。

「よし、皆んなlevelが上がったみたいだな。これから強化された体に慣れる一環として俺と模擬戦をしようか。あ、サラはエレノアとね。俺はサラに絶対に攻撃なんてできないから」

 俺がそう言うと皆んな多様な表情になった。

 まずシューマとレオンは顔面蒼白になり、セリシア先生は腕試しに丁度いいとでも言いたげに準備運動している。

 そしてアランとイリスは……これはもしかしたら俺に勝てるかもと思っているな。

 まぁ2人とも勇者と賢者だしな。
 
 ただこう言った特別な奴ほど力に溺れていくのだ。

 ここは一回叩き直さないとな。

 俺がそんなことを思っている横で、エレノアとサラは、

「サラさん、これから慣れない体の感覚を戻す方法をお教えしますね」

「ん、ありがとう」

 なんか模擬戦じゃなくて仲良く教え合っていた。

 うん、かわいい。

 俺は自身の脳にその光景をインプットした。

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