69 / 150
第3章 種族進化
第67話 原初の森
しおりを挟む
俺とエレノアは途中で昼食を買って食べたり、昼寝をしながら数時間かけてある森にやってきた。
因みに昼食はカレーパンだった。
正直この食べ物をこっちの世界で見つけた時はテンション爆上がりしていた気がする。
だってカレーパン嫌いな人おる?
俺は前世の時から大好きだったから、偶に買って食べていた。
自分で作ろうとも思ったけど、そんな時間もないし、意外に作るのも難しかったのだ。
まぁこの話は置いておいて。
今俺たちがきている森は、『原初の森』と言い、ゲームでも終盤に解禁される場所だ。
何せ種族進化というものが、そもそもlevelカンストさせないとできないわけだし。
しかし今の俺たちは到達者。
入場条件はしっかりクリアしている。
だがそれでも目の前の光景には圧倒されてしまう。
まだ入ってすらいないが、物凄い強力なモンスターの気配もするし、何よりデカい。
なんか人間の都市が小人の都市に見えるくらいにはデカい。
「ソラ様、この森恐ろしい気配しかしないのですが……」
「まぁここには全ての上位種族というチートどもの情報がある場所だからな……。そう易々とたどり着けない様になっているんだよ」
「えっ、戦うのですか?」
「ん? いや殆ど戦わないよ? だって戦っても経験値手に入らないから時間が無駄なだけじゃん」
この森は余裕でlevelカンストモンスター出てくるから、流石の俺でも相手にできない。
多分3体目くらいで殺されてしまう。
と言うかこの森の守護者と戦闘になった瞬間に死が確定してしまう。
この森の守護者は上位モンスターで、levelも100あり、今の俺ではどう足掻いても勝つことなどできないどころか、余裕で死ぬ。
多分守護者にはエレノアの隠密を効かないから、エレノアも瞬殺だろう。
暗殺者って防御力雑魚いし。
そんなわけで目的地までモンスターに見つからない様に進まないといけない。
因みに原初の森はゲームでも鬼畜な仕様だったが、人気な場所だった。
何故なら広大なだけでなく、木も高いもので1本何百mの高さがあり、低いものでも150m程のものが殆どだ。
もちろん50m程の樹木もちゃんとあるにはあるが、数は圧倒的に少ない。
そして木漏れ日が唯一の照明のため、真夜中は何も見えなくなる。
そのため夜には動くことができず、更に木が巨大なこともあって、幹も太く根も辺りに張り巡らされていて足場も不安定。
更に森と言っているが、砂漠や岩山、沼地や湖もあり、海とも隣り合わせになっている。
そのため様々なモンスターが生息しており、その数は全世界の全ての種類が集まっているとも言われている。
ここまでは最悪に思えるだろうが、そのかわり現実では決して見れない様な素晴らしい光景が多々ある。
正直言って攻略するのなら最悪な場所と言えるだろう。
しかしオタクである俺にとっては最高の場所で、一度入ってみたいと思っていた場所でもあるが。
俺達は隠密と透明化、《存在希薄化》という隠密の派生スキルを使って、音を立てない様にゆっくり移動している。
会話もゼロ、と言うか会話なんてしたら普通にバレてしまう。
だから正直今が転生して1番危険な時間だと思う。
エレノアもこの森のモンスターのヤバさに顔を真っ青にして死んだ様な表情になっている。
まぁ多分俺も同じ様なものだと思うが。
だってこの森はlevel200のモンスターがうじゃうじゃいるからね?
ゲームの時も数多の廃プレイヤーが死んでいってキレていたな……。
まぁまさかlevelがカンストしているのに全く勝てない相手がいるなんて思いもしないだろうからな。
俺は先人達の知恵をフル活用して、最短ルートを通っている。
なので後半分ほどこの前進めば目的地には着くだろう。
既に2日が経っており、疲労感がないと言えば嘘になるが、もう既に様々な素晴らしく神秘的な光景を目にしており、あまり疲れを感じない。
今まで見たもので言えば、森に入って半日くらい進んだ場所で、少し狭い透明な湖の真ん中に1本の木が生えており、その木は縦にではなく横に広がっており、その木はなんと光っていて、湖に写っている。
しかも木漏れ日が湖に反射してキラキラしており、とても幻想的だ。
沢山の生き物もおり、ペガサスやユニコーン、アウルベアやグリフィンなどの強力なモンスターの他に、リスの様な生き物や、ワイルドボア、シルバーウルフ、ディアなどの比較的この森では弱いモンスターも集まっているのに争いなど起きておらず、みんな仲良く水を飲んだり水浴びをしたり、木にのぼったりしている。
もうこの光景を見ただけで俺は泣けそうだ。
エレノアは既に涙腺が崩壊していた。
まぁそうだろう。
疲弊したこの状態で、あんな幻想的なものを見せられたら誰だってああなる。
その場所で夜を越した。
夜は木の輝きが更に増して辺りを照らしており、湖に映る世界は物凄く綺麗だった。
そんな感じで時に景色を眺め、時にモンスターから身を隠しながらゆっくりと進んでいくと、遠くの方に開けた場所があることを確認した。
何故見えたかと言うと、周りがあまり明るくないため、明るい所は目立つのだ。
俺達は再び素晴らしい光景があるのではないのかと、はやる気持ちを抑えながら慎重に進んでいたのだが———
「ソラ様」
「ああ、わかっている」
最悪なことにばったりモンスターの縄張り争いに遭ってしまった。
くそッ……どうする……。
迂回しようにもどこまで被害が及ぶか分からないから、こいつらを出来れば視界に収めておきたい。
それに迂回してしまえば物凄いタイムロスになるのは間違いない。
何せこの森は全てのスケールが段違いだからな。
今戦っているモンスターは、ワームという翼と足がないドラゴンみたいなカッコいい奴と、サイクロプスと言うファンタジーでは定番の強キャラで、巨人の様な図体に大きな一つの目のモンスターだ。
この2体のlevelはワームが200、サイクロプスが198とダンジョンボスよりも強い。
仕方がない……正直この戦いは元オタクとして見てみたいが、自分が死んだら元も子もないので我慢して迂回する。
残念ながらまだまだ目的地には着きそうにない。
俺とエレノアは2人して大きなため息をついた。
それと同時に再び神秘的な光景がどこかにあることを願った。
---------------------------------
はい、原初の森は作者の1番出したかった場所です。
やっぱり全てのモンスターが生息している神秘の森っていいですよね。
なのでここの話は長くなりそうです。
是非ともお付き合いいただければと思います!
背景描写も力を入れようと思いますので。
面白い! まぁまぁかな? 光景が目に浮かんだ!などと思っていただければ、お気に入り登録、感想などお願いします!
また、誤字脱字や改善点をご指摘して頂けるとありがたいです!
ではではまた次話で。
因みに昼食はカレーパンだった。
正直この食べ物をこっちの世界で見つけた時はテンション爆上がりしていた気がする。
だってカレーパン嫌いな人おる?
俺は前世の時から大好きだったから、偶に買って食べていた。
自分で作ろうとも思ったけど、そんな時間もないし、意外に作るのも難しかったのだ。
まぁこの話は置いておいて。
今俺たちがきている森は、『原初の森』と言い、ゲームでも終盤に解禁される場所だ。
何せ種族進化というものが、そもそもlevelカンストさせないとできないわけだし。
しかし今の俺たちは到達者。
入場条件はしっかりクリアしている。
だがそれでも目の前の光景には圧倒されてしまう。
まだ入ってすらいないが、物凄い強力なモンスターの気配もするし、何よりデカい。
なんか人間の都市が小人の都市に見えるくらいにはデカい。
「ソラ様、この森恐ろしい気配しかしないのですが……」
「まぁここには全ての上位種族というチートどもの情報がある場所だからな……。そう易々とたどり着けない様になっているんだよ」
「えっ、戦うのですか?」
「ん? いや殆ど戦わないよ? だって戦っても経験値手に入らないから時間が無駄なだけじゃん」
この森は余裕でlevelカンストモンスター出てくるから、流石の俺でも相手にできない。
多分3体目くらいで殺されてしまう。
と言うかこの森の守護者と戦闘になった瞬間に死が確定してしまう。
この森の守護者は上位モンスターで、levelも100あり、今の俺ではどう足掻いても勝つことなどできないどころか、余裕で死ぬ。
多分守護者にはエレノアの隠密を効かないから、エレノアも瞬殺だろう。
暗殺者って防御力雑魚いし。
そんなわけで目的地までモンスターに見つからない様に進まないといけない。
因みに原初の森はゲームでも鬼畜な仕様だったが、人気な場所だった。
何故なら広大なだけでなく、木も高いもので1本何百mの高さがあり、低いものでも150m程のものが殆どだ。
もちろん50m程の樹木もちゃんとあるにはあるが、数は圧倒的に少ない。
そして木漏れ日が唯一の照明のため、真夜中は何も見えなくなる。
そのため夜には動くことができず、更に木が巨大なこともあって、幹も太く根も辺りに張り巡らされていて足場も不安定。
更に森と言っているが、砂漠や岩山、沼地や湖もあり、海とも隣り合わせになっている。
そのため様々なモンスターが生息しており、その数は全世界の全ての種類が集まっているとも言われている。
ここまでは最悪に思えるだろうが、そのかわり現実では決して見れない様な素晴らしい光景が多々ある。
正直言って攻略するのなら最悪な場所と言えるだろう。
しかしオタクである俺にとっては最高の場所で、一度入ってみたいと思っていた場所でもあるが。
俺達は隠密と透明化、《存在希薄化》という隠密の派生スキルを使って、音を立てない様にゆっくり移動している。
会話もゼロ、と言うか会話なんてしたら普通にバレてしまう。
だから正直今が転生して1番危険な時間だと思う。
エレノアもこの森のモンスターのヤバさに顔を真っ青にして死んだ様な表情になっている。
まぁ多分俺も同じ様なものだと思うが。
だってこの森はlevel200のモンスターがうじゃうじゃいるからね?
ゲームの時も数多の廃プレイヤーが死んでいってキレていたな……。
まぁまさかlevelがカンストしているのに全く勝てない相手がいるなんて思いもしないだろうからな。
俺は先人達の知恵をフル活用して、最短ルートを通っている。
なので後半分ほどこの前進めば目的地には着くだろう。
既に2日が経っており、疲労感がないと言えば嘘になるが、もう既に様々な素晴らしく神秘的な光景を目にしており、あまり疲れを感じない。
今まで見たもので言えば、森に入って半日くらい進んだ場所で、少し狭い透明な湖の真ん中に1本の木が生えており、その木は縦にではなく横に広がっており、その木はなんと光っていて、湖に写っている。
しかも木漏れ日が湖に反射してキラキラしており、とても幻想的だ。
沢山の生き物もおり、ペガサスやユニコーン、アウルベアやグリフィンなどの強力なモンスターの他に、リスの様な生き物や、ワイルドボア、シルバーウルフ、ディアなどの比較的この森では弱いモンスターも集まっているのに争いなど起きておらず、みんな仲良く水を飲んだり水浴びをしたり、木にのぼったりしている。
もうこの光景を見ただけで俺は泣けそうだ。
エレノアは既に涙腺が崩壊していた。
まぁそうだろう。
疲弊したこの状態で、あんな幻想的なものを見せられたら誰だってああなる。
その場所で夜を越した。
夜は木の輝きが更に増して辺りを照らしており、湖に映る世界は物凄く綺麗だった。
そんな感じで時に景色を眺め、時にモンスターから身を隠しながらゆっくりと進んでいくと、遠くの方に開けた場所があることを確認した。
何故見えたかと言うと、周りがあまり明るくないため、明るい所は目立つのだ。
俺達は再び素晴らしい光景があるのではないのかと、はやる気持ちを抑えながら慎重に進んでいたのだが———
「ソラ様」
「ああ、わかっている」
最悪なことにばったりモンスターの縄張り争いに遭ってしまった。
くそッ……どうする……。
迂回しようにもどこまで被害が及ぶか分からないから、こいつらを出来れば視界に収めておきたい。
それに迂回してしまえば物凄いタイムロスになるのは間違いない。
何せこの森は全てのスケールが段違いだからな。
今戦っているモンスターは、ワームという翼と足がないドラゴンみたいなカッコいい奴と、サイクロプスと言うファンタジーでは定番の強キャラで、巨人の様な図体に大きな一つの目のモンスターだ。
この2体のlevelはワームが200、サイクロプスが198とダンジョンボスよりも強い。
仕方がない……正直この戦いは元オタクとして見てみたいが、自分が死んだら元も子もないので我慢して迂回する。
残念ながらまだまだ目的地には着きそうにない。
俺とエレノアは2人して大きなため息をついた。
それと同時に再び神秘的な光景がどこかにあることを願った。
---------------------------------
はい、原初の森は作者の1番出したかった場所です。
やっぱり全てのモンスターが生息している神秘の森っていいですよね。
なのでここの話は長くなりそうです。
是非ともお付き合いいただければと思います!
背景描写も力を入れようと思いますので。
面白い! まぁまぁかな? 光景が目に浮かんだ!などと思っていただければ、お気に入り登録、感想などお願いします!
また、誤字脱字や改善点をご指摘して頂けるとありがたいです!
ではではまた次話で。
10
お気に入りに追加
823
あなたにおすすめの小説
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
転生したら主人公を裏切ってパーティを離脱する味方ヅラ悪役貴族だった~破滅回避のために強くなりすぎた結果、シナリオが完全崩壊しました~
おさない
ファンタジー
徹夜で新作のRPG『ラストファンタジア』をクリアした俺は、気づくと先程までプレイしていたゲームの世界に転生していた。
しかも転生先は、味方としてパーティに加わり、最後は主人公を裏切ってラスボスとなる悪役貴族のアラン・ディンロードの少年時代。
おまけに、とある事情により悪の道に進まなくても死亡確定である。
絶望的な状況に陥ってしまった俺は、破滅の運命に抗うために鍛錬を始めるのだが……ラスボスであるアランには俺の想像を遥かに超える才能が眠っていた!
※カクヨムにも掲載しています
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
異日本戦国転生記
越路遼介
ファンタジー
五十五歳の消防士、冨沢秀雄は火災指令が入り、出場の準備をしていたところ心不全でこの世を去ることに。しかし目覚めてみれば、戦国時代の武蔵の国に少年に若返って転生していた。でも、この戦国時代は何かおかしい。闘気と法力が存在する和風ファンタジーの世界だった。秀雄にはこの世界に心当たりがあった。生前プレイしていた『異日本戦国転生記』というゲームアプリの世界だと。しかもシナリオは史実に沿ったものではなく『戦国武将、夢の共演』で大祝鶴姫と伊達政宗が同じ時代にいる世界。作太郎と名を改めた秀雄は戦国三英傑、第十三代将軍足利義輝とも出会い、可愛い嫁たちと戦国乱世を生きていく!
※ この小説は『小説家になろう』にも掲載しています。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる