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第1章 裏切り者の陰謀編
第27話 暗殺者を撃退しよう
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実技授業が終わった後は、何事もなく時間が過ぎていった。
途中で戻ってきたアルバートがサラをずっと睨んでいたのを除いて。
いやどう考えてもお前が悪かっただろうが。
どうやらコイツは反省していないみたいだ。
俺はサラに小さな声で話しかける。
「サラ。アルバートがサラをめちゃくちゃ睨んでいるけど大丈夫?」
俺がそう聞くと、サラは今俺が言ったことで、アルバートが睨んでいるのに気付いたようだ。
少しの間アルバートを冷酷な目で見ていると、アルバートが目を逸らした。
「……ん? 大丈夫。アイツは雑魚」
「い、いやまぁそうだけど……」
そう言うことじゃないんだけどな……。
俺が言いたかったのは、貴族に逆らったけど大丈夫かなと言うことなんだが……。
「ほ、ほら、報復とかあるかもしれないじゃん? アイツ貴族みたいだし……」
俺がそう言うと、サラは少し考えた後話す。
「ん。アイツがやり返してくるなら大丈夫。流石に刺客は送ってこないはず」
それが送ってくるんだよなこれが。
しかも相手は結構実力の高い暗殺者だ。
流石にサラでは勝てない。
「……そうだね。なら大丈夫か」
「ん。心配しすぎ」
「ごめんごめん」
すると俺達の会話を聞いていたシューマがニヤニヤしながら口を開く。
「ソ~ラは心配なんだよねっ☆ サラちゃんが大好きだからっ!」
「あっ、おい! それは言わなくてもいいだろうが!」
俺はシューマを小突く。
「ぐふっ……力間違えてますよ……」
しかし俺の小突くは、どうやら強すぎたらしい。
シューマは物凄い痛がっていた。
「サラちゃ~ん、ソラが俺を攻撃してきたよ~」
「五月蝿い。あとサラちゃんて呼ぶな」
「俺の味方はいないっ!? そんなぁ……」
シューマはガックリしていた。
まぁシューマはどっちかと言ったらサラの苦手な感じの人間だからな。
実際ゲームでも話しかけても会話すらできなかった。
しかし今回は、俺が2人のクッションみたいな感じになっているので、一応会話ができるようだ。
これはいい傾向だな……。
サラの味方は多い方がいい。
非情に感じるだろうが、多い方が色々と利用できる。
それはシューマも例外ではない。
もしもの時は迷わずサラを守るために犠牲にするだろう。
もう俺は手段なんか選んでいられない。
だが出来ればそんなことはしたくないから俺は強くなったんだ。
俺は拳を強く握る。
ふぅ……今は暗殺者のことを考えないとな。
今日くる暗殺者は、ゲームと同じなら相当な腕前だ。
levelも90超えと現時点でセリシア先生よりも強い。
しかも《暗殺者の短剣》と言う武器を持っており、更に厄介になっている。
《暗殺者の短剣》のゲームのステータスはこんな感じだ。
______________
暗殺者の短剣
等級:B
《効果》
敏捷性+100
《専用スキル》
【透明化】
______________
正直そこまで脅威に見えないだろう。
しかし、これを使っている暗殺者はベテランだ。
【透明化】と【隠密】を使われたら俺でも見つけるのが難しい。
だからサラには気付くのは絶対に不可能だろう。
俺は取り敢えず今日の夜に来る暗殺者をどうやって対処するか考えていた。
☆☆☆
時は流れて夜になった。
俺は今どこにいるかと言うと、女子寮のサラの部屋の中だ。
今、なんで入れているんだと思っただろう?
安心しろ、サラにめちゃくちゃお願いして部屋に入れてもらっているだけだから。
それに入る時は、《隠密のマント》をしながら入ったから、誰にもバレていないはず。
まぁお願いした時は『ソラ。それ他の人にしたら、気持ち悪い。やらないように』と少し引かれながら言われたけど。
その時は危うくショックで死にそうになったが、これもサラを救うためだと割り切った。
それに自分の行動を後で思い出してみたら、普通に引かれることをしていたわ。
まぁ取り敢えず今は置いといて。
俺はサラにあるお願いをする。
「ねぇサラ。ほんの少しでいいから寝てくれない?」
「……なんで?」
「い、いや寝顔をこの前見た時に、綺麗だと思ったから、もう一度見てみたいなぁと……思いまして……」
俺は自分で頼んでおいて、どんどん声が小さくなる。
自分でもおかしいことを言っている自覚はあるのだ。
サラは少し何かを考えた後。
「ん。いいよ」
意外とすんなりOKしてくれた。
サラはすぐにベッドに入り、電気を消して寝始める。
そして少し経つと、規則正しい寝息が聞こえてくるようになった。
よし、それじゃあ俺も準備するか。
俺は《隠密のマント》の発動を維持しながら、短剣を取り出す。
この剣は、《暗殺者の短剣》だ。
俺もちゃんとダンジョンの報酬でゲットしていた。
俺はゆっくりと息を吐き、意識を集中して【超感覚】だけを頼りに暗殺者を探すと、既にサラの部屋のすぐ近くの外にいるを見つける。
いたッ! やはり来たか!
それにどうやら【透明化】も使っているようで、ゲームと同じ暗殺者だろう。
それじゃあ暗殺者狩りと行きますか!
俺は気付かれないように開いている窓から飛び降りて暗殺者に接近した。
----------------------------
すいません2話に分けました。
長くなりそうだったので。
次回は暗殺者との戦いです。
お楽しみに!
面白い! まぁまぁかな? サラ可愛い!などと思っていただければ、お気に入り登録、感想などお願いします!
また、誤字脱字や改善点をご指摘して頂けるとありがたいです!
ではではまた次話で。
途中で戻ってきたアルバートがサラをずっと睨んでいたのを除いて。
いやどう考えてもお前が悪かっただろうが。
どうやらコイツは反省していないみたいだ。
俺はサラに小さな声で話しかける。
「サラ。アルバートがサラをめちゃくちゃ睨んでいるけど大丈夫?」
俺がそう聞くと、サラは今俺が言ったことで、アルバートが睨んでいるのに気付いたようだ。
少しの間アルバートを冷酷な目で見ていると、アルバートが目を逸らした。
「……ん? 大丈夫。アイツは雑魚」
「い、いやまぁそうだけど……」
そう言うことじゃないんだけどな……。
俺が言いたかったのは、貴族に逆らったけど大丈夫かなと言うことなんだが……。
「ほ、ほら、報復とかあるかもしれないじゃん? アイツ貴族みたいだし……」
俺がそう言うと、サラは少し考えた後話す。
「ん。アイツがやり返してくるなら大丈夫。流石に刺客は送ってこないはず」
それが送ってくるんだよなこれが。
しかも相手は結構実力の高い暗殺者だ。
流石にサラでは勝てない。
「……そうだね。なら大丈夫か」
「ん。心配しすぎ」
「ごめんごめん」
すると俺達の会話を聞いていたシューマがニヤニヤしながら口を開く。
「ソ~ラは心配なんだよねっ☆ サラちゃんが大好きだからっ!」
「あっ、おい! それは言わなくてもいいだろうが!」
俺はシューマを小突く。
「ぐふっ……力間違えてますよ……」
しかし俺の小突くは、どうやら強すぎたらしい。
シューマは物凄い痛がっていた。
「サラちゃ~ん、ソラが俺を攻撃してきたよ~」
「五月蝿い。あとサラちゃんて呼ぶな」
「俺の味方はいないっ!? そんなぁ……」
シューマはガックリしていた。
まぁシューマはどっちかと言ったらサラの苦手な感じの人間だからな。
実際ゲームでも話しかけても会話すらできなかった。
しかし今回は、俺が2人のクッションみたいな感じになっているので、一応会話ができるようだ。
これはいい傾向だな……。
サラの味方は多い方がいい。
非情に感じるだろうが、多い方が色々と利用できる。
それはシューマも例外ではない。
もしもの時は迷わずサラを守るために犠牲にするだろう。
もう俺は手段なんか選んでいられない。
だが出来ればそんなことはしたくないから俺は強くなったんだ。
俺は拳を強く握る。
ふぅ……今は暗殺者のことを考えないとな。
今日くる暗殺者は、ゲームと同じなら相当な腕前だ。
levelも90超えと現時点でセリシア先生よりも強い。
しかも《暗殺者の短剣》と言う武器を持っており、更に厄介になっている。
《暗殺者の短剣》のゲームのステータスはこんな感じだ。
______________
暗殺者の短剣
等級:B
《効果》
敏捷性+100
《専用スキル》
【透明化】
______________
正直そこまで脅威に見えないだろう。
しかし、これを使っている暗殺者はベテランだ。
【透明化】と【隠密】を使われたら俺でも見つけるのが難しい。
だからサラには気付くのは絶対に不可能だろう。
俺は取り敢えず今日の夜に来る暗殺者をどうやって対処するか考えていた。
☆☆☆
時は流れて夜になった。
俺は今どこにいるかと言うと、女子寮のサラの部屋の中だ。
今、なんで入れているんだと思っただろう?
安心しろ、サラにめちゃくちゃお願いして部屋に入れてもらっているだけだから。
それに入る時は、《隠密のマント》をしながら入ったから、誰にもバレていないはず。
まぁお願いした時は『ソラ。それ他の人にしたら、気持ち悪い。やらないように』と少し引かれながら言われたけど。
その時は危うくショックで死にそうになったが、これもサラを救うためだと割り切った。
それに自分の行動を後で思い出してみたら、普通に引かれることをしていたわ。
まぁ取り敢えず今は置いといて。
俺はサラにあるお願いをする。
「ねぇサラ。ほんの少しでいいから寝てくれない?」
「……なんで?」
「い、いや寝顔をこの前見た時に、綺麗だと思ったから、もう一度見てみたいなぁと……思いまして……」
俺は自分で頼んでおいて、どんどん声が小さくなる。
自分でもおかしいことを言っている自覚はあるのだ。
サラは少し何かを考えた後。
「ん。いいよ」
意外とすんなりOKしてくれた。
サラはすぐにベッドに入り、電気を消して寝始める。
そして少し経つと、規則正しい寝息が聞こえてくるようになった。
よし、それじゃあ俺も準備するか。
俺は《隠密のマント》の発動を維持しながら、短剣を取り出す。
この剣は、《暗殺者の短剣》だ。
俺もちゃんとダンジョンの報酬でゲットしていた。
俺はゆっくりと息を吐き、意識を集中して【超感覚】だけを頼りに暗殺者を探すと、既にサラの部屋のすぐ近くの外にいるを見つける。
いたッ! やはり来たか!
それにどうやら【透明化】も使っているようで、ゲームと同じ暗殺者だろう。
それじゃあ暗殺者狩りと行きますか!
俺は気付かれないように開いている窓から飛び降りて暗殺者に接近した。
----------------------------
すいません2話に分けました。
長くなりそうだったので。
次回は暗殺者との戦いです。
お楽しみに!
面白い! まぁまぁかな? サラ可愛い!などと思っていただければ、お気に入り登録、感想などお願いします!
また、誤字脱字や改善点をご指摘して頂けるとありがたいです!
ではではまた次話で。
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