24 / 150
第1章 裏切り者の陰謀編
第23話 俺の知らない魔法授業
しおりを挟む
自己紹介が終わった後は、早速授業だった。
今回は魔法の授業らしく、今先生を待っているところだ。
ゲームではシャーロット先生が1組の担当だった。
シャーロット先生は、背の小さい幼女のような19歳の先生で、皆んなに『シャーちゃん』と呼ばれて親しまれている。
しかしあんな見た目と裏腹に、魔法の実力は相当な物だ。
多分ゲームの中盤の終わりくらいのイベントならば、対処可能と言うほど強い。
だからサラを守る一環として、仲良くなっておきたいのだが、全然授業に来ない。
おかしいな……遅刻するような人ではないんだけど……。
そんなことを思っていると教室の扉が開き、大量の本を周りに浮かべ、自分も沢山の本を抱えながら入ってきた。
「すいません……遅れましたぁぁ。ちょっとこの大量の本を配るの、誰か手伝ってもらえないでしょうか……!」
おっ、これは仲良くなるチャンス。
「先生、俺が手伝います!」
俺が手を上げて言うと、パァァァァと満面の笑みを浮かべて。
「あ、ありがとうございますぅぅ!!」
そう言って頭を下げるので本が落ちそうになる。
俺は少し力を使って移動し、本を掴む。
「シャーロット先生……本持っている時は頭を下げなくてもいいですからね?」
「は、はい!」
俺がそう言って微笑むとシャーロット先生は嬉しそうにニコニコ笑っていた。
うーん……何というか庇護欲をそそる感じだよなシャーロット先生って。
俺はゲームの時に使っていた愛称を使ってもいいか聞いてみる。
「シャーロット先生」
「ん? 何でしょうか?」
「シャーちゃんと呼んでもいいですか?」
俺がそう言うと、『えっ……いきなりあだ名なんて……もしかしてお、女たらし? でも少し嬉しい……』と言って頬を染めていた。
…………全くそう言うつもりじゃなかったんだけどな……。
ただ嬉しいと言うことは、大丈夫だと言うことでいいだろう。
「それではシャーちゃんこの本を配ればいいんですね?」
「い、いきなり……コホンッ。はい、それで大丈夫です」
俺とシャーちゃんで本を配り終わると、俺は席に戻り授業が始まる。
「それでは魔法の授業を始めます。まず皆さんは魔法属性のことは知っているでしょう。属性は人それぞれで、組み合わせも沢山あります。そして属性は生まれ持った物以外は増えることはありません」
……ん? 属性は増えない……?
俺は首を傾げる。
俺は属性を増やした。
現に光魔法は持っていなかったから、何個かのダンジョンを攻略して光魔法を習得している。
そしてゲームのシャーちゃんの授業ではこんなこと言っていなかった。
これもステータスボードを知らない弊害か……?
俺がゲームとの違いに頭を抱えているとサラが話しかけてきた。
「……どうした?」
「あ、ちょっと気になることがあってね」
「……どんな?」
「えっと……属性って増えないの?」
「ん。属性、生まれ持った才能。増えない。常識」
「へぇそうなんだね……ありがとう、参考になったよ」
「ん」
俺はサラにお礼を言って再び考える。
まさかシャーちゃんもステータスボードのことを知らないなんて……。
ならどうやってそんなに強くなったんだ?
俺にはシャーちゃんがゲームの頃と変わらない強さを感じている。
しかし考えてみれば知るわけないか。
今まで誰もステータスの事に触れていなかったし。
まぁそれを一端の先生が知っていたらある意味おかしいからな。
しかしそうなるとステータスのことを迂闊に言うと誰かに狙われる可能性があると言うわけか……。
それは避けないとな……サラに危険が及んだらいけない。
俺はステータスの事は誰にも言わないようにしようと誓い、シャーちゃんの授業を聞いた。
☆☆☆
シャーちゃんの授業が終わった。
ゲームとは大きく内容を変えて。
魔法属性のこともそうだが、魔法の階位という俺の中で言うレベルを上げるのには、ひたすら修練と言うのもだ。
俺がやっていたように、SPを使えば魔法のレベルも上げられる。
しかしそれも知らないし、俺はそれに違和感を持たない生徒が不気味に見えた。
多分この調子だとlevelも知らないだろうな。
でもlevel UPの時は機械的な声が聞こえるはずなんだけど……。
もしかして1度でもステータスボードを開かないと聞こえないのか?
俺はさらに分からないことが増えた事により、頭を抱えながら次の授業を受けた。
--------------------------
面白い! まぁまぁかな? サラ可愛い!などと思っていただければ、お気に入り登録、感想などお願いします!
また、誤字脱字や改善点をご指摘して頂けるとありがたいです!
ではではまた次話で。
今回は魔法の授業らしく、今先生を待っているところだ。
ゲームではシャーロット先生が1組の担当だった。
シャーロット先生は、背の小さい幼女のような19歳の先生で、皆んなに『シャーちゃん』と呼ばれて親しまれている。
しかしあんな見た目と裏腹に、魔法の実力は相当な物だ。
多分ゲームの中盤の終わりくらいのイベントならば、対処可能と言うほど強い。
だからサラを守る一環として、仲良くなっておきたいのだが、全然授業に来ない。
おかしいな……遅刻するような人ではないんだけど……。
そんなことを思っていると教室の扉が開き、大量の本を周りに浮かべ、自分も沢山の本を抱えながら入ってきた。
「すいません……遅れましたぁぁ。ちょっとこの大量の本を配るの、誰か手伝ってもらえないでしょうか……!」
おっ、これは仲良くなるチャンス。
「先生、俺が手伝います!」
俺が手を上げて言うと、パァァァァと満面の笑みを浮かべて。
「あ、ありがとうございますぅぅ!!」
そう言って頭を下げるので本が落ちそうになる。
俺は少し力を使って移動し、本を掴む。
「シャーロット先生……本持っている時は頭を下げなくてもいいですからね?」
「は、はい!」
俺がそう言って微笑むとシャーロット先生は嬉しそうにニコニコ笑っていた。
うーん……何というか庇護欲をそそる感じだよなシャーロット先生って。
俺はゲームの時に使っていた愛称を使ってもいいか聞いてみる。
「シャーロット先生」
「ん? 何でしょうか?」
「シャーちゃんと呼んでもいいですか?」
俺がそう言うと、『えっ……いきなりあだ名なんて……もしかしてお、女たらし? でも少し嬉しい……』と言って頬を染めていた。
…………全くそう言うつもりじゃなかったんだけどな……。
ただ嬉しいと言うことは、大丈夫だと言うことでいいだろう。
「それではシャーちゃんこの本を配ればいいんですね?」
「い、いきなり……コホンッ。はい、それで大丈夫です」
俺とシャーちゃんで本を配り終わると、俺は席に戻り授業が始まる。
「それでは魔法の授業を始めます。まず皆さんは魔法属性のことは知っているでしょう。属性は人それぞれで、組み合わせも沢山あります。そして属性は生まれ持った物以外は増えることはありません」
……ん? 属性は増えない……?
俺は首を傾げる。
俺は属性を増やした。
現に光魔法は持っていなかったから、何個かのダンジョンを攻略して光魔法を習得している。
そしてゲームのシャーちゃんの授業ではこんなこと言っていなかった。
これもステータスボードを知らない弊害か……?
俺がゲームとの違いに頭を抱えているとサラが話しかけてきた。
「……どうした?」
「あ、ちょっと気になることがあってね」
「……どんな?」
「えっと……属性って増えないの?」
「ん。属性、生まれ持った才能。増えない。常識」
「へぇそうなんだね……ありがとう、参考になったよ」
「ん」
俺はサラにお礼を言って再び考える。
まさかシャーちゃんもステータスボードのことを知らないなんて……。
ならどうやってそんなに強くなったんだ?
俺にはシャーちゃんがゲームの頃と変わらない強さを感じている。
しかし考えてみれば知るわけないか。
今まで誰もステータスの事に触れていなかったし。
まぁそれを一端の先生が知っていたらある意味おかしいからな。
しかしそうなるとステータスのことを迂闊に言うと誰かに狙われる可能性があると言うわけか……。
それは避けないとな……サラに危険が及んだらいけない。
俺はステータスの事は誰にも言わないようにしようと誓い、シャーちゃんの授業を聞いた。
☆☆☆
シャーちゃんの授業が終わった。
ゲームとは大きく内容を変えて。
魔法属性のこともそうだが、魔法の階位という俺の中で言うレベルを上げるのには、ひたすら修練と言うのもだ。
俺がやっていたように、SPを使えば魔法のレベルも上げられる。
しかしそれも知らないし、俺はそれに違和感を持たない生徒が不気味に見えた。
多分この調子だとlevelも知らないだろうな。
でもlevel UPの時は機械的な声が聞こえるはずなんだけど……。
もしかして1度でもステータスボードを開かないと聞こえないのか?
俺はさらに分からないことが増えた事により、頭を抱えながら次の授業を受けた。
--------------------------
面白い! まぁまぁかな? サラ可愛い!などと思っていただければ、お気に入り登録、感想などお願いします!
また、誤字脱字や改善点をご指摘して頂けるとありがたいです!
ではではまた次話で。
10
お気に入りに追加
822
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
異日本戦国転生記
越路遼介
ファンタジー
五十五歳の消防士、冨沢秀雄は火災指令が入り、出場の準備をしていたところ心不全でこの世を去ることに。しかし目覚めてみれば、戦国時代の武蔵の国に少年に若返って転生していた。でも、この戦国時代は何かおかしい。闘気と法力が存在する和風ファンタジーの世界だった。秀雄にはこの世界に心当たりがあった。生前プレイしていた『異日本戦国転生記』というゲームアプリの世界だと。しかもシナリオは史実に沿ったものではなく『戦国武将、夢の共演』で大祝鶴姫と伊達政宗が同じ時代にいる世界。作太郎と名を改めた秀雄は戦国三英傑、第十三代将軍足利義輝とも出会い、可愛い嫁たちと戦国乱世を生きていく!
※ この小説は『小説家になろう』にも掲載しています。
ゲームを全クリしたらアップデートの効果でモブに転生したのだが、今度のクリア条件は陰ながら主人公を支えることでした
あおぞら
ファンタジー
——【Brave Soul(ブレイブソウル)】——
2016年に発売されたそのゲームは、自身が主人公の姿、初期ステータス、多種多様な職業やスキルを選択できる自由度の高いRPGである。
主人公の新田真也もそのゲームをプレイするゲーマーである。
真也は【ブレイブソウル】にどハマりし、全てのストーリーを6年の歳月を掛けてようやくクリアした。
そんな真也の全クリア時の画面に1通のメールが表示される。
そこには、
《世界初の全クリアおめでとう御座います! そんな貴方に新たなアップデートがあります。ダウンロードしますか? YES/NO》
と書いてあった。
真也は全クリアしたのにアップデートと言う言葉に違和感を覚えるが、また続けられるならと『YES』をクリックする。
するとダウンロード画面に移動し、100%になると突然目の前が真っ白になり、真也は意識を失った。
そして目が覚めると、そこはまさかの【ブレイブソウル】の世界の中だった。
真也はそのことに物凄く興奮するが、自分が転生したのがゲームで全く見たこともないキャラで、自分のアバターでもなかった。
更にステータスは強制的に決められており、完全に支援寄りのステータスだった。
そしてクエストが1つ。
《主人公がストーリーをクリアするまで主人公にバレないように手助けをしてください》
一見最悪な状況に見えるが、この程度で真也は動じず、逆に喜んでいた。
「支援職とか最高じゃないか! ゲーム最強職で俺は主人公をお助けする謎のキャラになる!」
真也は原作知識をフル活用してどんどんと強くなっていき、主人公のお助けキャラとして活動していくが……
「……おかしい。主人公は弱すぎるし何でバレない様にしてるのにサブヒロインとヒロイン何人かが俺についてくるんだ……?」
真也は果たして主人公を陰ながらお助けするキャラの務めを完遂出来るのか———
転生したら主人公を裏切ってパーティを離脱する味方ヅラ悪役貴族だった~破滅回避のために強くなりすぎた結果、シナリオが完全崩壊しました~
おさない
ファンタジー
徹夜で新作のRPG『ラストファンタジア』をクリアした俺は、気づくと先程までプレイしていたゲームの世界に転生していた。
しかも転生先は、味方としてパーティに加わり、最後は主人公を裏切ってラスボスとなる悪役貴族のアラン・ディンロードの少年時代。
おまけに、とある事情により悪の道に進まなくても死亡確定である。
絶望的な状況に陥ってしまった俺は、破滅の運命に抗うために鍛錬を始めるのだが……ラスボスであるアランには俺の想像を遥かに超える才能が眠っていた!
※カクヨムにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる