上 下
4 / 150
第0章 本編開始前

第3話 武器屋

しおりを挟む
 換金屋から走って30秒で武器屋に着いた。

 ……うん、この街って便利だね。

 ゲームでも一瞬で着くから近いなとは思っていたけど、現実でも近かったわ。

 俺は恐る恐ると武器屋に入る。

 中はゲームの時にはなかった武器などが壁や机に置いてあった。

 おお、これは男の夢が詰まった店だ!

 俺はあまりの武器の種類の多さに目を輝かせる。

 凄いぞ……序盤では手に入らない武器まであるじゃないか!

 だがこれらはまだ使わない。

 今回はこの武器屋にしかないものを買うために来たのだ。

 俺は店の隅っこのガラクタ入れに向かう。

 そこには沢山の剣が乱雑に置いてある。

 俺は【第六感】を頼りに探す。

 えっと…………あったあった。

 俺はその中でも1番錆だらけの剣を手に取る。

 因みにこの剣のゲームの時のステータスは……。

______________
錆びた宝剣
等級:F
攻撃力+5
装備条件:なし

・はるか昔の国の宝剣。今ではもう使えない。
______________

 と言う感じだ。

 そしてこの武器は、【ダンスク】内で1番弱い武器でもある。

 何故そんな武器を買うかと言うと……まぁそれは後ほどと言うことで。

 俺はその後防具と靴を買う。

 これはどこの武器屋にもある量産品である。

 ゲーム時のステータスはこれだ。

______________
革の防具
等級:F
防御力+5
装備条件:なし

・少し丈夫な革で出来た防具。あまり防具の役割を果たさない。
______________

______________
革の靴
等級:F
敏捷+5
装備条件:なし

・少し丈夫な革で出来た靴。履き心地は普通。
______________

 この2つも最弱防具の1つだ。

 勿論これを買うのにも意味がある。

 俺はこの3つを持って大きく息を吸い込み。

「すいませーん! これ買いたいんですけど!」

 俺は大きな声で工房にいるであろう店長を呼ぶ。

 すると店の奥の方から色々な物が落ちる音がする。

 あはははは……これはゲームと一緒なんだな……。

 ゲームでも最初に訪れた時は、大量のものが落ちる音がするのだ。

 一体店の奥はどんなことになっているんだろうな……。

 俺は店長を待ちながら置いてある武器を見る。

 へぇ……良いのが揃ってるなぁ……。

 どうやらこの店には等級がBの物まであるようだ。

 等級とは武器のランクで、F~S+まである。

 だからBまで取り揃えている店は殆どない。

 俺が武器に気を取られているうちに店長がやってきた。

「なんだぁ……って、ソラじゃないか! どうした? とうとう冒険者をやる気になったのか?」

 どうやら俺と店長は知り合いだったみたいだ。

「はい! ブレイブ魔法学院に入るために力をつけておこうと思って」

 本当は冒険者にはならないが、そう言っておいた方がいいだろう。

 俺がそう言うと店主が嬉しそうな顔をしながら俺の背中をバシバシ叩く。

「そうかそうか、やっと自分のやりたいことが見つかったんだな……。ここ最近は感情のない人形みたいだったから心配していたんだ。……よし! この店の中から何でも1つ好きな物を持っていけ!」

「ええっ!? 本当ですか!? ありがとうございます!」

 マジか、店長めっちゃいい人じゃん。

 俺は好意に甘えて店の武器を物色する。

 すると又もや【第六感】が反応した。

 ん? 今度は何に反応したんだ?

 俺は反応した方を探してみると……。

 な、なんだと……!? 何でこれがここにあるんだ!?

 俺は驚愕に顎が外れそうになりながら一振りの剣と言うか刀?を手にもつ。

 その剣は漆黒の刀身をしており、今は魔力は発していないが、ものすごい存在感を持っている。

 その剣の銘は《魔剣闇夜やみよ》と言う。

 ゲームでの驚異のステータスがこれだ。

______________
魔剣闇夜
等級:S+
《効果》
攻撃力+350
敏捷性+350
《専用スキル》
【魔剣気】【奥義:白夜を切り裂く一閃】
装備条件:level180以上・アタッカー、オールラウンダー・闇魔法所持

・深い夜に作られたとされる究極の一振り。この剣を一振りすれば夜が訪れると言われている。
______________

 どうだ? 化け物だろう?

 ゲームでも公式チートと言われていたほどの武器だ。

 ちなみにプレイヤーのlevel:200のステータスは大体1000を超えている程度だ。

 そう考えるとチートだろう?

 だってほぼ3分の1だぞ?

 よし、これに決めた!

「店長! 俺はこれにします!」

 そう言って《魔剣闇夜》を差し出す。
 
 店長はこれを見て驚いたように俺を見る。

「……これは確かに素晴らしい武器だ。だがお前さんには装備できないかもしれないがそれでも良いのか?」

 そう言って俺に尋ねる。

 どうやら俺のことを心配してくれているようだ。

「はい! これが良いです!」
 
 俺がそう言うと店長は本当にタダでくれた。

 あっ、ちゃんと錆びた剣とかはお金を払ったぞ。

「それじゃあまた来いよ!」

「はい! ありがとうございました!」

 俺はそう言って店を出た。

 さて、早速level上げをやって行きますか。

 俺は始めに行くダンジョンへと足を運んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 面白い! まぁまぁかな? 続きが読みたい!などと思っていただければ、お気に入り登録、感想などお願いします!
 また、誤字脱字や改善点をご指摘して頂けるとありがたいです!
 ではではまた次話で。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

前世の記憶で異世界を発展させます!~のんびり開発で世界最強~

櫻木零
ファンタジー
20XX年。特にこれといった長所もない主人公『朝比奈陽翔』は二人の幼なじみと充実した毎日をおくっていた。しかしある日、朝起きてみるとそこは異世界だった!?異世界アリストタパスでは陽翔はグランと名付けられ、生活をおくっていた。陽翔として住んでいた日本より生活水準が低く、人々は充実した生活をおくっていたが元の日本の暮らしを知っている陽翔は耐えられなかった。「生活水準が低いなら前世の知識で発展させよう!」グランは異世界にはなかったものをチートともいえる能力をつかい世に送り出していく。そんなこの物語はまあまあ地頭のいい少年グランの異世界建国?冒険譚である。小説家になろう様、カクヨム様、ノベマ様、ツギクル様でも掲載させていただいております。そちらもよろしくお願いします。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

俺、貞操逆転世界へイケメン転生

やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。 勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。 ――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。 ――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。 これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。 ######## この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

処理中です...