13 / 40
第1章 落第勇者の帰還
第12話 落第勇者、この世界の異変に気付く②
しおりを挟む
「ただいま~」
「あっお帰りおにぃ!」
「おかえり隼人」
俺が玄関の扉を開けて挨拶をすると、遥と母さんの声の声が聞こえると同時に2人とも玄関に集まってくる。
既に2人ともお風呂に入ったのかパジャマ姿だった。
「隼人、今日何でこんなに遅かったの?」
「そうだよおにぃ! 私との約束破って!」
母さんは心配そうな表情をしており、遥は少し怒っている様に見える。
今の時刻は20時過ぎで、普段俺は多分19時位には帰っていたはずなので、いつもの俺にしてはだいぶ遅い方だ。
なので言い訳と言うか事実を話す。
「いや、今日文化祭の買い出しに行ってたんだよ」
「えーおにぃがそんなことする訳ないじゃん。だって面倒がり屋だし」
悪気もなさそうに痛い所をズバッと突いてくる遥。
妹よ、間違ってはないがそれは言わないで欲しいな。
そして母さんも納得した様に頷かないでくれ……。
「本当に文化祭の買い出しに行ってたんだよ……。くじ引きと言う強制的なものでな」
「あーだからおにぃがやるのね。納得したわ」
遥は「なーんだ。彼女さんとデートかと思ったのに」と言って詰まらなそうにリビングへと戻っていった。
そして母さんは「次はもう少し帰って来てね」とだけ言って同じく戻っていく。
「……宮園と買い出しに行ったのは黙っておこう」
アイツはうちの学校では十分に有名人だからな。
そんな奴と俺が2人で買い出しに行って、おまけにプリクラまで撮ったと知られたら何をされるか分からない。
家族には質問攻めに合いそうだし。
そう心に決めてお風呂に入りに洗面所へと向かった。
☆☆☆
俺はご飯を食べて早めに部屋に戻るとパソコンを立ち上げる。
理由は日本でなにか不可解なことが起きていないか調べるためだ。
あんなショッピングモールなんて言う大勢が集まる場所に出現するぐらいだし、何かしらの目撃情報や科学では説明できない事が起きているかもしれない。
それが分かれば目撃情報とかが一番多い所に行けばいいからな。
遠かったら……学校は休むか。
これは家族のためなので学業くらいは後で取り戻せばいい。
「さて……どんな事が起こってるかな……」
そう思って探すこと30分。
「……全然ない……。幾ら何でもこんなに少ないのってあり得なくないか?」
だってあんな目立つモンスターが道路とか通ってたら通報もんだぞ。
それにもし見つかったら間違いなくこの世界の人間なら殺される。
ゴブリンでさえ、この世界の格闘技の世界チャンピオンとまでは行かなくてもプロくらいの強さはあるからな。
「なのに何も無いと言う事は……」
可能性としては俺だけしか見えないか、俺以外に討伐する者がいるか……。
まぁ可能性としては若干前者の方が高そうだな。
だって俺、多分世界唯一の異世界転移経験者で記憶やスキルまで持っているし。
だが後者も無きにしもあらずって感じだな。
もしかしたら俺の他にも異世界転移経験者がいるかもしれないし、その人の子孫は代々スキルを継承するとかももしかしたらあるかもしれない。
もしそうなら俺はスキル使わないほうが良いまでもある。
スキルにはスキルの発動を感知するスキルもある。
俺の感知もその1つだ。
まぁ発動中じゃないと気付かないって言う欠点もあるが。
俺は更にインターネットの記事や新聞を調べて行く。
すると俺の目に1つの記事が写った。
「『出現する異能者』……?」
基本インターネットの情報はこういう時は殆どがデマだが、俺は無性にそのタイトルが気になってしまった。
試しにクリックしてみる。
「えっと……何々?」
『このページは全て本当のことです』
「早速嘘くさいな……やっぱりデマだったか?」
俺はそんな気持ちになるが、まだ序盤も序盤なのでもう少しだけ読み進めてみようと思う。
『最近何か貴方の周りでおかしな事がありませんでしたか? 又は自分が実際に不思議な出来事にあったなど。
このサイトはそんな貴方の悩みを解決するためのものです』
「…………読むの辞めるか?」
あまりにも嘘臭くなって来たためスワイプの手を止めてしまうが、その次の文章に俺は目を瞠ることになってしまう。
『胡散臭いとお思いになるでしょうが、取り敢えず私の話を聞いてください。
最初に言っておきますと、私は――異世界転移経験者の孫であり、現異能者の1人です。
異世界転移には私の祖母が遭っており、祖母が言うには「私は高校2年の夏にクラスの生徒と転移させられ、魔王を倒す勇者となりました。そして魔王を倒し帰ってくると、現実では1ヶ月が経っており、私だけスキルはありませんでしたが記憶を引き継いでいました」と言っていました。
そして祖母が祖父と結婚して出来た子供に、何と祖母が持っていたスキルの下位互換にあたる異能が発現したそうで、孫である私にも親と同じ異能、【探索】が受け継がれています。』
「――――――は?」
自分の口から思わず呆けた声が出てしまう。
まさか先程自分の予想していたことがドンピシャで当たってしまった事と、その異能の名前を聞いたことがあった事で、少しの間スワイプすることも忘れて放心してしまっていた。
「あっお帰りおにぃ!」
「おかえり隼人」
俺が玄関の扉を開けて挨拶をすると、遥と母さんの声の声が聞こえると同時に2人とも玄関に集まってくる。
既に2人ともお風呂に入ったのかパジャマ姿だった。
「隼人、今日何でこんなに遅かったの?」
「そうだよおにぃ! 私との約束破って!」
母さんは心配そうな表情をしており、遥は少し怒っている様に見える。
今の時刻は20時過ぎで、普段俺は多分19時位には帰っていたはずなので、いつもの俺にしてはだいぶ遅い方だ。
なので言い訳と言うか事実を話す。
「いや、今日文化祭の買い出しに行ってたんだよ」
「えーおにぃがそんなことする訳ないじゃん。だって面倒がり屋だし」
悪気もなさそうに痛い所をズバッと突いてくる遥。
妹よ、間違ってはないがそれは言わないで欲しいな。
そして母さんも納得した様に頷かないでくれ……。
「本当に文化祭の買い出しに行ってたんだよ……。くじ引きと言う強制的なものでな」
「あーだからおにぃがやるのね。納得したわ」
遥は「なーんだ。彼女さんとデートかと思ったのに」と言って詰まらなそうにリビングへと戻っていった。
そして母さんは「次はもう少し帰って来てね」とだけ言って同じく戻っていく。
「……宮園と買い出しに行ったのは黙っておこう」
アイツはうちの学校では十分に有名人だからな。
そんな奴と俺が2人で買い出しに行って、おまけにプリクラまで撮ったと知られたら何をされるか分からない。
家族には質問攻めに合いそうだし。
そう心に決めてお風呂に入りに洗面所へと向かった。
☆☆☆
俺はご飯を食べて早めに部屋に戻るとパソコンを立ち上げる。
理由は日本でなにか不可解なことが起きていないか調べるためだ。
あんなショッピングモールなんて言う大勢が集まる場所に出現するぐらいだし、何かしらの目撃情報や科学では説明できない事が起きているかもしれない。
それが分かれば目撃情報とかが一番多い所に行けばいいからな。
遠かったら……学校は休むか。
これは家族のためなので学業くらいは後で取り戻せばいい。
「さて……どんな事が起こってるかな……」
そう思って探すこと30分。
「……全然ない……。幾ら何でもこんなに少ないのってあり得なくないか?」
だってあんな目立つモンスターが道路とか通ってたら通報もんだぞ。
それにもし見つかったら間違いなくこの世界の人間なら殺される。
ゴブリンでさえ、この世界の格闘技の世界チャンピオンとまでは行かなくてもプロくらいの強さはあるからな。
「なのに何も無いと言う事は……」
可能性としては俺だけしか見えないか、俺以外に討伐する者がいるか……。
まぁ可能性としては若干前者の方が高そうだな。
だって俺、多分世界唯一の異世界転移経験者で記憶やスキルまで持っているし。
だが後者も無きにしもあらずって感じだな。
もしかしたら俺の他にも異世界転移経験者がいるかもしれないし、その人の子孫は代々スキルを継承するとかももしかしたらあるかもしれない。
もしそうなら俺はスキル使わないほうが良いまでもある。
スキルにはスキルの発動を感知するスキルもある。
俺の感知もその1つだ。
まぁ発動中じゃないと気付かないって言う欠点もあるが。
俺は更にインターネットの記事や新聞を調べて行く。
すると俺の目に1つの記事が写った。
「『出現する異能者』……?」
基本インターネットの情報はこういう時は殆どがデマだが、俺は無性にそのタイトルが気になってしまった。
試しにクリックしてみる。
「えっと……何々?」
『このページは全て本当のことです』
「早速嘘くさいな……やっぱりデマだったか?」
俺はそんな気持ちになるが、まだ序盤も序盤なのでもう少しだけ読み進めてみようと思う。
『最近何か貴方の周りでおかしな事がありませんでしたか? 又は自分が実際に不思議な出来事にあったなど。
このサイトはそんな貴方の悩みを解決するためのものです』
「…………読むの辞めるか?」
あまりにも嘘臭くなって来たためスワイプの手を止めてしまうが、その次の文章に俺は目を瞠ることになってしまう。
『胡散臭いとお思いになるでしょうが、取り敢えず私の話を聞いてください。
最初に言っておきますと、私は――異世界転移経験者の孫であり、現異能者の1人です。
異世界転移には私の祖母が遭っており、祖母が言うには「私は高校2年の夏にクラスの生徒と転移させられ、魔王を倒す勇者となりました。そして魔王を倒し帰ってくると、現実では1ヶ月が経っており、私だけスキルはありませんでしたが記憶を引き継いでいました」と言っていました。
そして祖母が祖父と結婚して出来た子供に、何と祖母が持っていたスキルの下位互換にあたる異能が発現したそうで、孫である私にも親と同じ異能、【探索】が受け継がれています。』
「――――――は?」
自分の口から思わず呆けた声が出てしまう。
まさか先程自分の予想していたことがドンピシャで当たってしまった事と、その異能の名前を聞いたことがあった事で、少しの間スワイプすることも忘れて放心してしまっていた。
0
お気に入りに追加
491
あなたにおすすめの小説
聖女と間違えて召喚されたので追い出されましたが隣国の大賢者として迎えられましたので好きにします!
ユウ
ファンタジー
常にトラブルに巻き込まれる高校生の相馬紫苑。
ある日学校帰り手違いとして聖女と間違えて召喚されててしまった。
攻撃魔法が全くなく役立たずの烙印を押され追い出された後に魔物の森に捨てられると言う理不尽な目に合ったのだが、実は大賢者だった。
魔族、精霊族ですら敬意を持つと言われる職業だった。
しかしそんなことも知らずに魔力を垂流し、偶然怪我をした少女を救った事で事態は急変した。
一方、紫苑を追い出した国は隣国の姫君を人質にすべく圧力をかけようとしていたのだが…。
スキルを極めろ!
アルテミス
ファンタジー
第12回ファンタジー大賞 奨励賞受賞作
何処にでもいる大学生が異世界に召喚されて、スキルを極める!
神様からはスキルレベルの限界を調査して欲しいと言われ、思わず乗ってしまった。
不老で時間制限のないlv上げ。果たしてどこまでやれるのか。
異世界でジンとして生きていく。
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました
星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
精霊に好かれた私は世界最強らしいのだが
天色茜
ファンタジー
普通の女子高校生、朝野明莉沙(あさのありさ)は、ある日突然異世界召喚され、勇者として戦ってくれといわれる。
だが、同じく異世界召喚された他の二人との差別的な扱いに怒りを覚える。その上冤罪にされ、魔物に襲われた際にも誰も手を差し伸べてくれず、崖から転落してしまう。
その後、自分の異常な体質に気づき...!?
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる