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再会①
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市場の表通りに出て大きな商館沿いをナシャートは歩いていく。
女性の姿に戻ったナシャートには、男装時とは逆に、そこかしこから声がかけられた。
時には自分の店に無理やり引き入れようとする手を払いのけながら、バーティルを探す。
(商館沿いを歩いていたら、バーティルさまと出会えるんじゃないかな?)
バーティルを探しながらも、ナシャートはいつの間にか宝飾品や衣装、化粧品などを扱う商館が集まる場所にでていた。
「お嬢さま、この首飾りはいかがでございますか? 胸元に何もないのは寂しいものですよ」
突然、背後から美麗な首飾りがナシャートにつけられてしまった。
首飾りは黄金を大事とする砂漠の国では珍しく、銀を基調としたもので中央には大きな青い石が嵌められている。
「え? 何?」
呆然としている間にも、両腕には首飾りと揃いの銀の腕輪も嵌められ、後ろから肩を押されたナシャートは、何も言う隙を与えられずに近くの商館へ連れて行かれてしまった。
(どうしよう?)
冷や汗が額から流れてくる。
「お嬢さま。そちらもお似合いでございますが、こちらもいかがでございますか?」
ナシャートが一言も発していないうちから、目の前に眩いばかりの金や銀の細工物が並べたてられていく。
「いりません! というより、こんなの買うお金、持っていません!」
「まあまあ、そう仰らずに。見ていかれるだけでも構いませんから」
ナシャートを商館に連れてきた男は、ナシャートの言葉には全くお構いなしで、商品を並べきった後は、とうとう裏方へ茶の用意まで命じてしまった。
完全に帰れなくなってしまったナシャートは、商館の高い天井を仰いだ。
(誰か、助けて!)
「ナシャート?」
その心の叫びが神に聞き届けられたのか、ナシャートに救いの声が掛けられた。
「誰?」
商館の奥から、ナシャートより少し年上の女性が一人現れた。
女性はナシャートよりも仕立ての良い絹の衣装を纏っていた。
「えっと……」
どこかで見たような気がした。
「もしかして忘れた?」
「え?」
「以前、砂漠で私がお仕えする姫さまを助けてくれたでしょう?」
ナシャートに二年前の記憶が甦った。
「ああ。あの時の……」
「そうよ。あの時の姫さまの乳姉妹でもあり、筆頭侍女でもある」
「ミラさんですね!」
「やっと思い出してくれた」
ミラと呼ばれた女性は嬉しそうに微笑んだ。
「だって、あの時とは全然、着てらっしゃるものとかが違ったから」
「そりゃあそうよ。あの時は姫さまの輿入れについてきた時だったから、皇国の衣装だったし。今は姫さま、じゃなかった、公妃さまともども、すっかりティジャーラ国民よ」
ミラはナシャートの前で両手を広げてくるりと回って衣装を見せてくれた。
「そうでしたか。そうでしたよね」
二年前、ミラの主をナシャートは黄砂漠で助けたことがあった。
結婚を嫌がって輿入れの一行から抜け出して、砂漠で行き倒れていた可憐な姫君を助けた。
年下のナシャートが説得して、なんとかその姫君を一行の元へ連れていったのであった。
「お久しぶりです。あの、何か買い物に来られたのですか?」
「いいえ。残念ながら今日は、公妃さまのお使いで来たのよ」
「公妃さまの?」
ミラはナシャートの耳に形の良い口を近づけた。
「ここだけの話だけど。まだ公にはなっていないのだけど」
もったいぶった言い方をする。
「実はね、公妃さまの夫である大公さまの弟君が、今度、側妃さまをお迎えになられるとかで」
「えっ!」
「声が大きいわよ。ナシャート」
「すみません」
「それで、大公さまの弟君の側妃さまに、と公妃さまが身重にも関わらず、細工物一式をこちらの店で作らせておられたの。それが完成したということで、私が公妃さまに代わって受け取りに来たの」
「そうだったのですか。でも、身重ということは、あの時の姫さまは大公さまに大切にされておられるのですね」
「そうよ。それはそれは大公さまに大事にされて、近々、公子さまか公女さまかの母上さまになられる予定よ」
「良かった」
相変わらずミラという女性はお喋りだ。
その勢いに押され気味になる。
「ところでナシャート、あなた確かマタルの町に住んでるんじゃなかったかしら? ここへは何しに? ご主人さまの使い?」
「まあそんなところです」
当然、本当のことは言えない。
「でも宿は決まっていますし、寝る場所と食べる物に関しては心配いらないんですけど」
「ああ。だったら良かったわ」
ミラはほっとした。
ナシャートが婚礼前の公妃を助けた時に、ナシャートの身の上のことをミラは公妃とともに聞いて知っていた。
だから自分のことのように安堵してくれたのだ。
「で、用は済んだの?」
「終わったというわけでもないのですけど、まあ明日からも少しずつ……」
歯切れ悪く答える。
本当のことも言えないが、上手に嘘もつけない。
「ああそうか。ここでご主人さまの奥さまの物を買って来いって言われたのね? それでその合間に自分の物を買いに来たのね? そうでしょう?」
勝手にミラは自分の推理を押しつけてくる。
「ち、違います!」
慌ててつけられていた首飾りやら腕輪やらを外した。
「そうなんだ。じゃあ、この後、急ぎでないのならこのまま私と一緒に宮殿へ来ない?」
「は?」
何か嫌な予感がナシャートの脳裏をかすめた。
「実は公妃さまが初めての出産が間近に迫っておられるからか、どうしても気分が塞ぎがちになられておしまいになって」
ミラは一瞬、自分の顔を曇らせる。
「そんなに長居しなくても良いわ。なんなら今日だけでも構わないし」
「でも……」
サファルに何も言わずに、このまま宮殿まで行ってしまって良いものだろうか。
「ね? 気鬱ぎみな公妃さまをお慰めしてくれないかしら?」
目の前でミラに真剣にお願いされてしまって、ナシャートはすっかり返答に困ってしまった。
「えっと……」
そもそも、バーティルを自分で探してみたいと思ったから一族の商館を出てきたのだ。
だからと言って、サファルが言っていたように素人の自分に出来ることと言えば、せいぜい市場の大きな商館の間を行ったり来たりするくらいだ。
偶然と奇跡が幾つも重ならない限り、ナシャートがバーティルと再会できることはないだろう。
それなら、ここは結果が出るまで人探しの専門のようなあの男性に任せてしまったほうがいいのかもしれない。
(結果が出るまでしばらくかかるとも言っていたし)
「ナシャート、一緒に行ってくれないかしら?」
ミラに強く腕を掴まれたナシャートは、観念したようにため息を一つついた。
「わかりました。ご一緒に参ります」
「本当?」
「はい。ただし、今日だけですからね? 日没までには帰らせて頂きます」
ミラに念を押す。
「わかったわ。帰りは公妃さまにお願いして、ちゃんと宿まで送ってあげる。さあ行きましょう!」
ミラはナシャートの腕を掴んだまま、商館の裏手に待たせてあった輿に一緒に乗り込んだ。
今日中に一族の商館に戻れば大丈夫だろう。
その時のナシャートはそう思っていた。
女性の姿に戻ったナシャートには、男装時とは逆に、そこかしこから声がかけられた。
時には自分の店に無理やり引き入れようとする手を払いのけながら、バーティルを探す。
(商館沿いを歩いていたら、バーティルさまと出会えるんじゃないかな?)
バーティルを探しながらも、ナシャートはいつの間にか宝飾品や衣装、化粧品などを扱う商館が集まる場所にでていた。
「お嬢さま、この首飾りはいかがでございますか? 胸元に何もないのは寂しいものですよ」
突然、背後から美麗な首飾りがナシャートにつけられてしまった。
首飾りは黄金を大事とする砂漠の国では珍しく、銀を基調としたもので中央には大きな青い石が嵌められている。
「え? 何?」
呆然としている間にも、両腕には首飾りと揃いの銀の腕輪も嵌められ、後ろから肩を押されたナシャートは、何も言う隙を与えられずに近くの商館へ連れて行かれてしまった。
(どうしよう?)
冷や汗が額から流れてくる。
「お嬢さま。そちらもお似合いでございますが、こちらもいかがでございますか?」
ナシャートが一言も発していないうちから、目の前に眩いばかりの金や銀の細工物が並べたてられていく。
「いりません! というより、こんなの買うお金、持っていません!」
「まあまあ、そう仰らずに。見ていかれるだけでも構いませんから」
ナシャートを商館に連れてきた男は、ナシャートの言葉には全くお構いなしで、商品を並べきった後は、とうとう裏方へ茶の用意まで命じてしまった。
完全に帰れなくなってしまったナシャートは、商館の高い天井を仰いだ。
(誰か、助けて!)
「ナシャート?」
その心の叫びが神に聞き届けられたのか、ナシャートに救いの声が掛けられた。
「誰?」
商館の奥から、ナシャートより少し年上の女性が一人現れた。
女性はナシャートよりも仕立ての良い絹の衣装を纏っていた。
「えっと……」
どこかで見たような気がした。
「もしかして忘れた?」
「え?」
「以前、砂漠で私がお仕えする姫さまを助けてくれたでしょう?」
ナシャートに二年前の記憶が甦った。
「ああ。あの時の……」
「そうよ。あの時の姫さまの乳姉妹でもあり、筆頭侍女でもある」
「ミラさんですね!」
「やっと思い出してくれた」
ミラと呼ばれた女性は嬉しそうに微笑んだ。
「だって、あの時とは全然、着てらっしゃるものとかが違ったから」
「そりゃあそうよ。あの時は姫さまの輿入れについてきた時だったから、皇国の衣装だったし。今は姫さま、じゃなかった、公妃さまともども、すっかりティジャーラ国民よ」
ミラはナシャートの前で両手を広げてくるりと回って衣装を見せてくれた。
「そうでしたか。そうでしたよね」
二年前、ミラの主をナシャートは黄砂漠で助けたことがあった。
結婚を嫌がって輿入れの一行から抜け出して、砂漠で行き倒れていた可憐な姫君を助けた。
年下のナシャートが説得して、なんとかその姫君を一行の元へ連れていったのであった。
「お久しぶりです。あの、何か買い物に来られたのですか?」
「いいえ。残念ながら今日は、公妃さまのお使いで来たのよ」
「公妃さまの?」
ミラはナシャートの耳に形の良い口を近づけた。
「ここだけの話だけど。まだ公にはなっていないのだけど」
もったいぶった言い方をする。
「実はね、公妃さまの夫である大公さまの弟君が、今度、側妃さまをお迎えになられるとかで」
「えっ!」
「声が大きいわよ。ナシャート」
「すみません」
「それで、大公さまの弟君の側妃さまに、と公妃さまが身重にも関わらず、細工物一式をこちらの店で作らせておられたの。それが完成したということで、私が公妃さまに代わって受け取りに来たの」
「そうだったのですか。でも、身重ということは、あの時の姫さまは大公さまに大切にされておられるのですね」
「そうよ。それはそれは大公さまに大事にされて、近々、公子さまか公女さまかの母上さまになられる予定よ」
「良かった」
相変わらずミラという女性はお喋りだ。
その勢いに押され気味になる。
「ところでナシャート、あなた確かマタルの町に住んでるんじゃなかったかしら? ここへは何しに? ご主人さまの使い?」
「まあそんなところです」
当然、本当のことは言えない。
「でも宿は決まっていますし、寝る場所と食べる物に関しては心配いらないんですけど」
「ああ。だったら良かったわ」
ミラはほっとした。
ナシャートが婚礼前の公妃を助けた時に、ナシャートの身の上のことをミラは公妃とともに聞いて知っていた。
だから自分のことのように安堵してくれたのだ。
「で、用は済んだの?」
「終わったというわけでもないのですけど、まあ明日からも少しずつ……」
歯切れ悪く答える。
本当のことも言えないが、上手に嘘もつけない。
「ああそうか。ここでご主人さまの奥さまの物を買って来いって言われたのね? それでその合間に自分の物を買いに来たのね? そうでしょう?」
勝手にミラは自分の推理を押しつけてくる。
「ち、違います!」
慌ててつけられていた首飾りやら腕輪やらを外した。
「そうなんだ。じゃあ、この後、急ぎでないのならこのまま私と一緒に宮殿へ来ない?」
「は?」
何か嫌な予感がナシャートの脳裏をかすめた。
「実は公妃さまが初めての出産が間近に迫っておられるからか、どうしても気分が塞ぎがちになられておしまいになって」
ミラは一瞬、自分の顔を曇らせる。
「そんなに長居しなくても良いわ。なんなら今日だけでも構わないし」
「でも……」
サファルに何も言わずに、このまま宮殿まで行ってしまって良いものだろうか。
「ね? 気鬱ぎみな公妃さまをお慰めしてくれないかしら?」
目の前でミラに真剣にお願いされてしまって、ナシャートはすっかり返答に困ってしまった。
「えっと……」
そもそも、バーティルを自分で探してみたいと思ったから一族の商館を出てきたのだ。
だからと言って、サファルが言っていたように素人の自分に出来ることと言えば、せいぜい市場の大きな商館の間を行ったり来たりするくらいだ。
偶然と奇跡が幾つも重ならない限り、ナシャートがバーティルと再会できることはないだろう。
それなら、ここは結果が出るまで人探しの専門のようなあの男性に任せてしまったほうがいいのかもしれない。
(結果が出るまでしばらくかかるとも言っていたし)
「ナシャート、一緒に行ってくれないかしら?」
ミラに強く腕を掴まれたナシャートは、観念したようにため息を一つついた。
「わかりました。ご一緒に参ります」
「本当?」
「はい。ただし、今日だけですからね? 日没までには帰らせて頂きます」
ミラに念を押す。
「わかったわ。帰りは公妃さまにお願いして、ちゃんと宿まで送ってあげる。さあ行きましょう!」
ミラはナシャートの腕を掴んだまま、商館の裏手に待たせてあった輿に一緒に乗り込んだ。
今日中に一族の商館に戻れば大丈夫だろう。
その時のナシャートはそう思っていた。
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