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三人目
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翌日、王妃の命令で二人を迎えに来た女官に後宮の別の部屋へ連れて行かれた。
「失礼いたします」
一礼して入る女官同様にシャアラたちも礼をした。
「お入りなさい」
かけられた声は王妃のものではなかった。
頭を上げると正面奥に妙齢の女性が座っていた。
女性の両隣には少年が座っていた。
少年はシャアラより少し年下に見えた。
マールはあからさまに顔には出さなかったが、
(なんだ。この子供は! せめてもう少し頼りになりそうな王子はいなかったのか?)
と激しく思っていた。
これからたった三人だけの砂漠の旅になる。
王子だからといって砦までの道は一切の護衛が禁止される。
サハラート国内とはいえ砂漠は一種どこの国も無法地帯とされていたりする。
「王妃さまの命によりお二人をお連れいたしました」
「ごくろうさま。では二人を除いて皆、下がりなさい」
「はい」
その女性の命令で部屋には女性と少年二人、そしてシャアラとマールだけが残った。
「二人ともこちらへ」
女性に指し示されるままに二人は前の敷物に座った。
王妃の豪奢な部屋の内装とは違い、とても質素なものだ。
「初めまして、ですよね?」
「さようにございます」
シャアラは頭を下げた。
母の後をついて後宮に何度か上がったことはあって、王妃以外に側妃たちとも面識はあったが、この正面の女性とは確かに初めましてだった。
「私は陛下の側妃でハーディアです。そしてこちらの二人が私が産んだ陛下の王子です。双子なのだけどあまり似てない双子なの」
そのように見える。
向かって右側に座っている王子はハーディアに似ているが、左側に座っている王子は母には似ていない。もしかしたら父親である王に似ているのかもしれない。
「私の左側に座っているのが兄で第十二王子のザキーヤ、右側に座っているのが弟の第十三王子マワードです。まだ成年とされていないから私と共にこちらに暮らしているのだけど、来年ぐらいには成年だから巣立って行ってしまうのよ」
ふっとハーディアは寂しそうな顔をする。
「母上、こちらを離れても別に会いに来られますよ。父上もおじいさまもそれは別に禁止されてはおられませんでしたよ」
「でも、成年になると色々忙しいでしょう?」
「それはそうですが」
ふとシャアラは賢げに話すザキーヤ王子の右手を見た。
(腕がない?)
ようく見ないとわからないが、何となく右腕を包んでいるはずの布が膨らんでいないし、何とも軽そうにふわふわと揺れている。
「ああ、これか」
王子がシャアラの視線に気がついた。
「これは去年、弟を守った時に負傷したのだ。負傷しても別に生活には困らない」
「申し訳ございません!」
シャアラは盛大に頭を下げた。
王族が隠しておきたいようなことを本人に言わせてしまったなど、無礼にあたる。
「別に気にしてない。だが私がこの体なので、そなたたちにはこの弟が同行することになる。マワード」
「はい、兄上」
「お二人を守って砦まで行ってこい。そして自分の願いを叶えて、必ず神具を持ち帰れ」
「兄上……」
マワードは兄と違い、何とも情けない顔をする。
体も小柄でマールから見ても、剣が振るえるのか微妙なところだ。
「どうして私なのですか? 他にも異母兄上方がいらっしゃるのに……」
「そうだな。でもみな王太子さまをはじめ成年に達しておられて、それぞれ家庭とお仕事をお持ちだ。自由に動けるのは私たちくらいだろう?」
「そうですが」
「それともお前は、私や年端もいかぬ幼い異母弟たちに押し付けたいのか?」
「そ、そこまで思ってはおりません!」
「なら、行ってこい」
「でも自信がありません」
マワードの声が消え入りそうになる。
「だって砦までは供の者もつけてはいただけないですし。それに私は先端恐怖症で、剣が苦手ですし」
「だからこそ行ってこい。行って自信をつけてこい。お前よりも年上とはいえ女性二人がわざわざ海を越えて砂漠を越えてここまで来たのだぞ」
「ですが……」
ぐずぐずとするマワード。
マールは心中で嘆息した。
(なんだこのヘタレ王子は! 双子の兄と体が入れ替わっていたなら)
シャアラも似たようなことをうっすらとは思っていた。
「あの側妃さま」
おずおずとシャアラが口を開いた。
「何かしら?」
「祖父から聞いたことがあるのですが、陛下が砦に行って神具を持ち帰られたからこそ、先王さまから王太子に任じられて即位なされたと」
「そうですよ。あなたのおじいさまとそちらのお嬢さんの……」
「父です」
「そうね。お父さまだったわね」
「はい」
現王は先王の第一王子でもなかったし、生母は王妃でもなかった。
そもそも先王の王妃には子供が生まれなかった。
王子も王女もすべて側妃から生まれている。
ゆえに先王は跡取りを誰にするか悩んでいた。
当時の第一王子はとても病弱で国など任せられないとされていた。
王が決断しなければ、側妃やその実家を巻き込んで壮大な王位争いが繰り広げられるところだったらしい。
実際、水面下ではすでに毒の送りあいなどは日常茶飯事だったそうだ。
先王は一つの決断を下した。
海の男神の一族、大地の女神の一族の者たちとともに砂漠の砦にたどり着き、己が願いを叶え神具を持ち帰ったものに王太子の称号を授け、次期王とする、と。
王子たちは我先にと仲間を探して砦に向かった。
そうして最終的に神具を持ち帰ったのが今の王だった。
「だとすれば、もしマワードさまが神具を持ち帰られたら、王太子の位が変わったりはしないのでしょうか?」
側妃は一瞬ぽかんとしたのち、ザキーヤと顔を見合わせて大笑いした。
「シャアラ、そんなことは心配しなくても良いのです」
「おじいさまの時は、当時の王妃さまに御子がおられないのと第一王子さまが病弱な御方だったからの話です。今の父上の時とは違います」
「そうなのですか?」
「そうです。今の王太子殿下は王妃さまの息子ですし、王妃さまには他にも二人の王子さまがいらっしゃいます」
「側妃を母に持つ我々がどうしたところで王太子殿下の地位は揺らぎません。ですから今回の砦行きはマワードになったのです」
「王太子殿下はじめ成年に達しておられる王子さまがたにはそれぞれ妻子もお仕事もそれなりにおありです。ですから、そうそう離れるわけにはいきません。さりとて幼い王子たちを行かせるわけにもいきません」
「成年に達する直前で自由に行動出来て、しかも生母の実家がさほど権門の家系でもない者」
「それで選ばれたのですか?」
「そうだと母上と私は思っているのだが」
ザキーヤは聡明なまなざしで頷いた。
確かに王の側妃とはいえ、それぞれの実家がどういう一族なのかも大事ではある。
力のある実家なら孫の王子可愛さに、絶対に行かさない! と強硬な姿勢をとるだろう。
なぜなら先王の時代、砦に行くために砂漠で亡くなった王子が何人かいたからだ。
「本当なら弟ではなく私が行ってやりたいのだが、あいにく私はこのような体だし」
「兄上、申し訳ありません」
「お前が謝ることではない。むしろ私が謝らなければならない。すまない。お前を砦に行かせることになってしまった」
「兄上、いえ、こうなってしまった以上、砦に行ってきます! 行って神に兄上の腕を何とかしてもらいます!」
「私のことなど良いのだ。お前の願いを叶えてきなさい」
「兄上……」
「マワード気を付けて」
「はい、母上……」
そのあともマワードはずっとぐずぐずしっぱなしだった。
「何とかならないのか?」
部屋に戻って思わずマールはシャアラにそう言った。
「何が?」
「あんな弱虫王子は無理だって。もうちょっと何とか候補者変えてもらうように交渉できないかな?」
「無理じゃない?」
シャアラは意外にもけろっとしている。
「なんで? あれだと逆に荷物が増えて私的にはとても困る!」
ただでさえシャアラの護衛という仕事があるのにさらにあの王子の護衛なんぞ、さすがのマールでも荷が重すぎる。
「砦に向かう砂漠ではおそらくお前の父親の意向とやらも聞かないぞ」
「そうでしょうね」
「どうしてそんなに冷静なんだ!」
「私は一刻も早く弟を助けないといけないからよ!」
確かに同行する王子の選定を再度願い出ることはできるかもしれない。
だが砦の管理人でもある王が許可するとは思えない。
「それよりも与えられた今の状況で何ができるか、よ」
現状にどれだけ嘆いたところで時間の無駄だ。
何も状況は変わらない。
「私だって変えてほしいって言いたいし、弟たちのことを思えば心配でたまらない」
「シャアラ……」
「私には時間がないの」
もたもたしていたら弟が祖国で代理王というものに任命されてしまう。
そうなってからでは王の勅命を覆すのは難しい。
「みすみす弟が殺されるのを待ってなどいられない。私には私たち家族には時間がないの」
シャアラの悲壮な顔つきにマールは黙って頷いた。
というより頷くしかなかった。
それから三日後、三人は砦までの荷物をそれぞれのラクダに積みつけて王都を赤砂漠方面へ向けて日の出とともに出発した。
「失礼いたします」
一礼して入る女官同様にシャアラたちも礼をした。
「お入りなさい」
かけられた声は王妃のものではなかった。
頭を上げると正面奥に妙齢の女性が座っていた。
女性の両隣には少年が座っていた。
少年はシャアラより少し年下に見えた。
マールはあからさまに顔には出さなかったが、
(なんだ。この子供は! せめてもう少し頼りになりそうな王子はいなかったのか?)
と激しく思っていた。
これからたった三人だけの砂漠の旅になる。
王子だからといって砦までの道は一切の護衛が禁止される。
サハラート国内とはいえ砂漠は一種どこの国も無法地帯とされていたりする。
「王妃さまの命によりお二人をお連れいたしました」
「ごくろうさま。では二人を除いて皆、下がりなさい」
「はい」
その女性の命令で部屋には女性と少年二人、そしてシャアラとマールだけが残った。
「二人ともこちらへ」
女性に指し示されるままに二人は前の敷物に座った。
王妃の豪奢な部屋の内装とは違い、とても質素なものだ。
「初めまして、ですよね?」
「さようにございます」
シャアラは頭を下げた。
母の後をついて後宮に何度か上がったことはあって、王妃以外に側妃たちとも面識はあったが、この正面の女性とは確かに初めましてだった。
「私は陛下の側妃でハーディアです。そしてこちらの二人が私が産んだ陛下の王子です。双子なのだけどあまり似てない双子なの」
そのように見える。
向かって右側に座っている王子はハーディアに似ているが、左側に座っている王子は母には似ていない。もしかしたら父親である王に似ているのかもしれない。
「私の左側に座っているのが兄で第十二王子のザキーヤ、右側に座っているのが弟の第十三王子マワードです。まだ成年とされていないから私と共にこちらに暮らしているのだけど、来年ぐらいには成年だから巣立って行ってしまうのよ」
ふっとハーディアは寂しそうな顔をする。
「母上、こちらを離れても別に会いに来られますよ。父上もおじいさまもそれは別に禁止されてはおられませんでしたよ」
「でも、成年になると色々忙しいでしょう?」
「それはそうですが」
ふとシャアラは賢げに話すザキーヤ王子の右手を見た。
(腕がない?)
ようく見ないとわからないが、何となく右腕を包んでいるはずの布が膨らんでいないし、何とも軽そうにふわふわと揺れている。
「ああ、これか」
王子がシャアラの視線に気がついた。
「これは去年、弟を守った時に負傷したのだ。負傷しても別に生活には困らない」
「申し訳ございません!」
シャアラは盛大に頭を下げた。
王族が隠しておきたいようなことを本人に言わせてしまったなど、無礼にあたる。
「別に気にしてない。だが私がこの体なので、そなたたちにはこの弟が同行することになる。マワード」
「はい、兄上」
「お二人を守って砦まで行ってこい。そして自分の願いを叶えて、必ず神具を持ち帰れ」
「兄上……」
マワードは兄と違い、何とも情けない顔をする。
体も小柄でマールから見ても、剣が振るえるのか微妙なところだ。
「どうして私なのですか? 他にも異母兄上方がいらっしゃるのに……」
「そうだな。でもみな王太子さまをはじめ成年に達しておられて、それぞれ家庭とお仕事をお持ちだ。自由に動けるのは私たちくらいだろう?」
「そうですが」
「それともお前は、私や年端もいかぬ幼い異母弟たちに押し付けたいのか?」
「そ、そこまで思ってはおりません!」
「なら、行ってこい」
「でも自信がありません」
マワードの声が消え入りそうになる。
「だって砦までは供の者もつけてはいただけないですし。それに私は先端恐怖症で、剣が苦手ですし」
「だからこそ行ってこい。行って自信をつけてこい。お前よりも年上とはいえ女性二人がわざわざ海を越えて砂漠を越えてここまで来たのだぞ」
「ですが……」
ぐずぐずとするマワード。
マールは心中で嘆息した。
(なんだこのヘタレ王子は! 双子の兄と体が入れ替わっていたなら)
シャアラも似たようなことをうっすらとは思っていた。
「あの側妃さま」
おずおずとシャアラが口を開いた。
「何かしら?」
「祖父から聞いたことがあるのですが、陛下が砦に行って神具を持ち帰られたからこそ、先王さまから王太子に任じられて即位なされたと」
「そうですよ。あなたのおじいさまとそちらのお嬢さんの……」
「父です」
「そうね。お父さまだったわね」
「はい」
現王は先王の第一王子でもなかったし、生母は王妃でもなかった。
そもそも先王の王妃には子供が生まれなかった。
王子も王女もすべて側妃から生まれている。
ゆえに先王は跡取りを誰にするか悩んでいた。
当時の第一王子はとても病弱で国など任せられないとされていた。
王が決断しなければ、側妃やその実家を巻き込んで壮大な王位争いが繰り広げられるところだったらしい。
実際、水面下ではすでに毒の送りあいなどは日常茶飯事だったそうだ。
先王は一つの決断を下した。
海の男神の一族、大地の女神の一族の者たちとともに砂漠の砦にたどり着き、己が願いを叶え神具を持ち帰ったものに王太子の称号を授け、次期王とする、と。
王子たちは我先にと仲間を探して砦に向かった。
そうして最終的に神具を持ち帰ったのが今の王だった。
「だとすれば、もしマワードさまが神具を持ち帰られたら、王太子の位が変わったりはしないのでしょうか?」
側妃は一瞬ぽかんとしたのち、ザキーヤと顔を見合わせて大笑いした。
「シャアラ、そんなことは心配しなくても良いのです」
「おじいさまの時は、当時の王妃さまに御子がおられないのと第一王子さまが病弱な御方だったからの話です。今の父上の時とは違います」
「そうなのですか?」
「そうです。今の王太子殿下は王妃さまの息子ですし、王妃さまには他にも二人の王子さまがいらっしゃいます」
「側妃を母に持つ我々がどうしたところで王太子殿下の地位は揺らぎません。ですから今回の砦行きはマワードになったのです」
「王太子殿下はじめ成年に達しておられる王子さまがたにはそれぞれ妻子もお仕事もそれなりにおありです。ですから、そうそう離れるわけにはいきません。さりとて幼い王子たちを行かせるわけにもいきません」
「成年に達する直前で自由に行動出来て、しかも生母の実家がさほど権門の家系でもない者」
「それで選ばれたのですか?」
「そうだと母上と私は思っているのだが」
ザキーヤは聡明なまなざしで頷いた。
確かに王の側妃とはいえ、それぞれの実家がどういう一族なのかも大事ではある。
力のある実家なら孫の王子可愛さに、絶対に行かさない! と強硬な姿勢をとるだろう。
なぜなら先王の時代、砦に行くために砂漠で亡くなった王子が何人かいたからだ。
「本当なら弟ではなく私が行ってやりたいのだが、あいにく私はこのような体だし」
「兄上、申し訳ありません」
「お前が謝ることではない。むしろ私が謝らなければならない。すまない。お前を砦に行かせることになってしまった」
「兄上、いえ、こうなってしまった以上、砦に行ってきます! 行って神に兄上の腕を何とかしてもらいます!」
「私のことなど良いのだ。お前の願いを叶えてきなさい」
「兄上……」
「マワード気を付けて」
「はい、母上……」
そのあともマワードはずっとぐずぐずしっぱなしだった。
「何とかならないのか?」
部屋に戻って思わずマールはシャアラにそう言った。
「何が?」
「あんな弱虫王子は無理だって。もうちょっと何とか候補者変えてもらうように交渉できないかな?」
「無理じゃない?」
シャアラは意外にもけろっとしている。
「なんで? あれだと逆に荷物が増えて私的にはとても困る!」
ただでさえシャアラの護衛という仕事があるのにさらにあの王子の護衛なんぞ、さすがのマールでも荷が重すぎる。
「砦に向かう砂漠ではおそらくお前の父親の意向とやらも聞かないぞ」
「そうでしょうね」
「どうしてそんなに冷静なんだ!」
「私は一刻も早く弟を助けないといけないからよ!」
確かに同行する王子の選定を再度願い出ることはできるかもしれない。
だが砦の管理人でもある王が許可するとは思えない。
「それよりも与えられた今の状況で何ができるか、よ」
現状にどれだけ嘆いたところで時間の無駄だ。
何も状況は変わらない。
「私だって変えてほしいって言いたいし、弟たちのことを思えば心配でたまらない」
「シャアラ……」
「私には時間がないの」
もたもたしていたら弟が祖国で代理王というものに任命されてしまう。
そうなってからでは王の勅命を覆すのは難しい。
「みすみす弟が殺されるのを待ってなどいられない。私には私たち家族には時間がないの」
シャアラの悲壮な顔つきにマールは黙って頷いた。
というより頷くしかなかった。
それから三日後、三人は砦までの荷物をそれぞれのラクダに積みつけて王都を赤砂漠方面へ向けて日の出とともに出発した。
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